214 / 600
第二部「創世神降臨」編
目覚め
しおりを挟む
クロトは夢から覚めて、起き上がった。
するとベッドの上には、幼体となり、丸まって眠っているリュノア。
そして、ベッドの横で居眠りしているマリア。
恐らく、交代でクロトに付き、魔法陣を使い続けたのだろう。
一つにつき二十四時間しか持たないので、一日一度は必要だ。
魔法陣の効果は、代謝遅延。
クロトは軽く体を動かしてみて、異常が無いことを確認。
これなら、数日で元通りになると目算を立てて、行動に移った。
まずは・・・マリアを揶揄うことからだ。
ベッドに寄り掛かっているマリアに近づき、ギュッと抱き締める。
「ぁん・・・・・・えっ?・・・えっ!?クロト、起きたんですの!?」
「・・・・・・。」
「無言で抱き締めてないで何か言ってくださいましっ!」
「マリア、とっても可愛いよ。」
「そういうことではなく・・・んあっ!クロト!何処を触って、ひあっ!?」
「マリア・・・。」
クロトはマリアにキスをした。
いきなり濃厚なキスだ。
「んんっ!こんな、いきなりんむっ・・・!?」
寝ている間にも意識はあったので、体感としては、約一か月ぶりの再会。
クロトが昂るのも無理はない。
「・・・ぷはっ、んぅ・・・クロト、もっと、欲しいですわ・・・!あぁんっ!」
マリアも、一か月ぶりの触れ合いに、理性は脆く崩れて行った。
クロトはマリアをベッドに押し倒し、服を剥ぎ取っていく。
マリアは、自分がどんな状況なのかも認識していない。
夢中で舌を絡ませ、クロトの唇を貪っていた。
やがて、マリアは全裸になり、その裸体を眺めるクロト。
マリアもキスが途切れて、自分の状態に気づいた。
込み上げる感情は、羞恥では無く、この先が欲しいという情欲。
「クロト・・・!あなたのが、欲しいですわ・・・!」
マリアは自分の欲望を、素直に解き放った。
「マリア・・・!」
クロトは理性を飛ばし、気が済むまでマリアを貪った。
マリアは久しぶりの、極上の快楽に酔いしれ、あっという間に溺れ切った。
その後しばらく、二人の情事は続いた。
リュノアをアイテムボックスに戻しておいて正解である。
クロトとマリアは行為を終えて、家の外へ外出していた。
「この町へは何度か来ましたが、ゆっくりと見学はしませんでしたわね。」
「そっか・・・世話をかけてごめんね?」
「いいんですのよ。嫌ではありませんでしたもの。」
マリアが嘘を吐いている気配は無いので、本気なのだろう。
「それに・・・元はと言えば、わたくしの為なんですわよね?」
「・・・そのこと、話したっけ?」
「聞いてませんわ。けど、クロトの性格ならそうではないかと推測したんですの。」
「なるほど。僕のこと、良くわかっているんだね。」
クロトはマリアの手を握りながら、嬉しそうに言ったのだった。
そんな訳で、ドレファトの観光名所をマリアに紹介していった。
「ドレファトの町で欠かせない場所と言えばここ、永遠の眠り亭だね。」
「観光名所とは違うのではありませんの?」
「いや、ここのお弁当は特産物レベルだから。」
「・・・一応、納得しておきますわ。」
マリアは渋々、観光名所だと認めた。
「それと、ここではリンカが働いているよ。」
「っ、そうなんですの・・・。」
マリアは微妙に気まずそうだ。
花火の時に、リンカへのメッセンジャーを果たしたマリア。
あんなことを言っておいて、先に自分がクロトと結ばれてしまった。
そのことに対する負い目のようなものがあるのかもしれない。
それを敏感に感じ取ったクロトは、マリアにハッキリと宣言した。
「マリア、全ての責任は僕にある。だから、君が思い悩む必要は無いからね?」
「・・・クロト。あなたは、本当に損な性格をしてますわね・・・。」
マリアは吹っ切れたようにそう言うと、クロトと共に宿の中へ入って行った。
「リンカ、久しぶり。」
「あっ・・・!クロトさん!それにマリアさんも!お久しぶりです。」
「久しぶりですわね、リンカ。」
リンカは、クロトとマリアが仲睦まじそうなのを見ても、表情を曇らせない。
すでに彼女から、日本人としての感覚は殆ど消えた。
一夫多妻を、ごく普通に受け入れることが出来ている。
それどころか、恋が実るのなら、他に何人恋人が居てもいいとすら思っている。
それだけ、クロトに対して本気なのだ。
「しばらく眠りっぱなしと聞いたんですが、もう大丈夫なんですか・・・?」
「ああ、もう大丈夫だよ。色々工夫はしていたからね。」
「そうなんですか・・・元気そうで良かったです・・・。」
一か月以上寝たきりとなれば、起きた後が大変だと考えていたリンカ。
魔法陣の凄さに驚きながら、クロトが元気なことに安堵した。
その様子から安堵の感情を察したクロトは、リンカの頭を撫でる。
「心配をかけたようでごめんね?」
「いっ、いえっ・・・そんな、滅相もありません・・・!」
リンカはクロトに撫でられて、とても嬉しそうだ。
目を細めて幸せそうにする姿は、子犬のようで可愛い。
「じゃあ、僕はもう行くから。また会いに来てもいいかな、リンカ?」
「もちろんです!また会いに来てくれると私も嬉しいです!」
「ん、なら、また会いに来させてもらおうかな。」
クロトはもう一度リンカの頭を撫でて、永遠の眠り亭を後にした。
するとベッドの上には、幼体となり、丸まって眠っているリュノア。
そして、ベッドの横で居眠りしているマリア。
恐らく、交代でクロトに付き、魔法陣を使い続けたのだろう。
一つにつき二十四時間しか持たないので、一日一度は必要だ。
魔法陣の効果は、代謝遅延。
クロトは軽く体を動かしてみて、異常が無いことを確認。
これなら、数日で元通りになると目算を立てて、行動に移った。
まずは・・・マリアを揶揄うことからだ。
ベッドに寄り掛かっているマリアに近づき、ギュッと抱き締める。
「ぁん・・・・・・えっ?・・・えっ!?クロト、起きたんですの!?」
「・・・・・・。」
「無言で抱き締めてないで何か言ってくださいましっ!」
「マリア、とっても可愛いよ。」
「そういうことではなく・・・んあっ!クロト!何処を触って、ひあっ!?」
「マリア・・・。」
クロトはマリアにキスをした。
いきなり濃厚なキスだ。
「んんっ!こんな、いきなりんむっ・・・!?」
寝ている間にも意識はあったので、体感としては、約一か月ぶりの再会。
クロトが昂るのも無理はない。
「・・・ぷはっ、んぅ・・・クロト、もっと、欲しいですわ・・・!あぁんっ!」
マリアも、一か月ぶりの触れ合いに、理性は脆く崩れて行った。
クロトはマリアをベッドに押し倒し、服を剥ぎ取っていく。
マリアは、自分がどんな状況なのかも認識していない。
夢中で舌を絡ませ、クロトの唇を貪っていた。
やがて、マリアは全裸になり、その裸体を眺めるクロト。
マリアもキスが途切れて、自分の状態に気づいた。
込み上げる感情は、羞恥では無く、この先が欲しいという情欲。
「クロト・・・!あなたのが、欲しいですわ・・・!」
マリアは自分の欲望を、素直に解き放った。
「マリア・・・!」
クロトは理性を飛ばし、気が済むまでマリアを貪った。
マリアは久しぶりの、極上の快楽に酔いしれ、あっという間に溺れ切った。
その後しばらく、二人の情事は続いた。
リュノアをアイテムボックスに戻しておいて正解である。
クロトとマリアは行為を終えて、家の外へ外出していた。
「この町へは何度か来ましたが、ゆっくりと見学はしませんでしたわね。」
「そっか・・・世話をかけてごめんね?」
「いいんですのよ。嫌ではありませんでしたもの。」
マリアが嘘を吐いている気配は無いので、本気なのだろう。
「それに・・・元はと言えば、わたくしの為なんですわよね?」
「・・・そのこと、話したっけ?」
「聞いてませんわ。けど、クロトの性格ならそうではないかと推測したんですの。」
「なるほど。僕のこと、良くわかっているんだね。」
クロトはマリアの手を握りながら、嬉しそうに言ったのだった。
そんな訳で、ドレファトの観光名所をマリアに紹介していった。
「ドレファトの町で欠かせない場所と言えばここ、永遠の眠り亭だね。」
「観光名所とは違うのではありませんの?」
「いや、ここのお弁当は特産物レベルだから。」
「・・・一応、納得しておきますわ。」
マリアは渋々、観光名所だと認めた。
「それと、ここではリンカが働いているよ。」
「っ、そうなんですの・・・。」
マリアは微妙に気まずそうだ。
花火の時に、リンカへのメッセンジャーを果たしたマリア。
あんなことを言っておいて、先に自分がクロトと結ばれてしまった。
そのことに対する負い目のようなものがあるのかもしれない。
それを敏感に感じ取ったクロトは、マリアにハッキリと宣言した。
「マリア、全ての責任は僕にある。だから、君が思い悩む必要は無いからね?」
「・・・クロト。あなたは、本当に損な性格をしてますわね・・・。」
マリアは吹っ切れたようにそう言うと、クロトと共に宿の中へ入って行った。
「リンカ、久しぶり。」
「あっ・・・!クロトさん!それにマリアさんも!お久しぶりです。」
「久しぶりですわね、リンカ。」
リンカは、クロトとマリアが仲睦まじそうなのを見ても、表情を曇らせない。
すでに彼女から、日本人としての感覚は殆ど消えた。
一夫多妻を、ごく普通に受け入れることが出来ている。
それどころか、恋が実るのなら、他に何人恋人が居てもいいとすら思っている。
それだけ、クロトに対して本気なのだ。
「しばらく眠りっぱなしと聞いたんですが、もう大丈夫なんですか・・・?」
「ああ、もう大丈夫だよ。色々工夫はしていたからね。」
「そうなんですか・・・元気そうで良かったです・・・。」
一か月以上寝たきりとなれば、起きた後が大変だと考えていたリンカ。
魔法陣の凄さに驚きながら、クロトが元気なことに安堵した。
その様子から安堵の感情を察したクロトは、リンカの頭を撫でる。
「心配をかけたようでごめんね?」
「いっ、いえっ・・・そんな、滅相もありません・・・!」
リンカはクロトに撫でられて、とても嬉しそうだ。
目を細めて幸せそうにする姿は、子犬のようで可愛い。
「じゃあ、僕はもう行くから。また会いに来てもいいかな、リンカ?」
「もちろんです!また会いに来てくれると私も嬉しいです!」
「ん、なら、また会いに来させてもらおうかな。」
クロトはもう一度リンカの頭を撫でて、永遠の眠り亭を後にした。
0
お気に入りに追加
6,337
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)
@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」
このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。
「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。
男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。
「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。
青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。
ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。
「カクヨム」さんが先行投稿になります。
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
男女比1対999の異世界は、思った以上に過酷で天国
てりやき
ファンタジー
『魔法が存在して、男女比が1対999という世界に転生しませんか? 男性が少ないから、モテモテですよ。もし即決なら特典として、転生者に大人気の回復スキルと収納スキルも付けちゃいますけど』
女性経験が無いまま迎えた三十歳の誕生日に、不慮の事故で死んでしまった主人公が、突然目の前に現れた女神様の提案で転生した異世界で、頑張って生きてくお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。