172 / 600
第一部「六色の瞳と魔の支配者」編
今後の展望と天使狩り
しおりを挟む
永遠の眠り亭を出たクロトは、自宅へ帰って来たのだが・・・。
「うん?アリスさん、僕に何か御用でしたか?」
「っ、ええ、そうなの。クロト君が帰って来たと聞いて、顔を見に、ね。」
家の前をアリスがうろうろしていたので、声を掛けたクロト。
アリスは動揺しながらも、そう答えた。
アリスに挨拶をしていなかったことを思い出し、申し訳なさそうに告げた。
「すみません、挨拶もせずに。・・・よろしければ、上がっていきますか?」
「っ!?・・・そ、そうね。では、少しだけお邪魔しようかしら。」
アリスは以前、神天魔の法衣を纏ったクロトを見て、様々な衝動に襲われた。
さすがに今では収まっているが、思い出してしまうのはやめられない。
そこへ、クロトから家へのお誘いがあり、思わずその誘いを受けてしまった。
(何も無い、わよね・・・?招待を受けただけだし、何も起こらない、はず。)
アリスは胸の鼓動が激しくしながら、クロトに続いて家の中に入って行った。
スキルの効果で、自分の想いには気づかれないのをいいことに。
結局、お土産の受け渡しをして、多少雑談しただけだった。
アリスは帰路につきながら、ため息を吐く。
(私、何を期待していたのかしらね・・・バカみたい。)
何も無かったため、寂寥感を覚えている自分に自己嫌悪するアリス。
(・・・もう、忘れましょう。明日からも仕事があるんだから。)
アリスは気持ちを切り替えて、止まっていた足を再び動かし、歩き出した。
クロトはグレンの工房で武具を受け取り、ドレファトの町を去った。
魔王の侵略開始まで、あと八日。
クロトは王都を歩きながら、この先の目標を考えていた。
(やっぱり、魔王の一件が片付いたら、世界を見て回りたいかも・・・。)
東国ジャンゼパールは殆ど見て回ったので、残り四つの国などを、だ。
武具の強化はのんびりやっていくつもりだが、一応の目算ぐらいは立てる。
そして、最大の目標が・・・。
(やっぱり、この世界の成り立ちを知りたいな・・・。)
瞳のバケモノなどを知ってから、そう思うようになったクロト。
(まあ、そちらの準備は着々と進んでいるし、焦る必要もないよね?)
当面の目標は、
一つ、世界創世の成り立ちを探る。
二つ、世界の観光。
三つ、装備を含めた自分の強化。
おおよそそんな所かと思ったところで、思考を打ち切った。
なお、恋人たちとの結婚は、目標とは少し違うので除外している。
その翌日、クロトは数人の同行者と共に、レクスシールの町へ来ていた。
現在居るのは、天使の迷宮の前。
同行者は、ヴィオラ、アクア、カレン。
「さて、セラフィム狩りを始めようか。」
クロトの声を合図に、四人は迷宮に入っていった。
クロトが天使の迷宮に来たのは、セラフィムを狩るため。
では、なぜセラフィムを狩るのか。
それは、迷宮の攻略が関係している。
以前クロトは疑問に思った。
天使の迷宮は、どうすれば攻略したことになるのか、と。
過去に攻略はされていないが、迷宮である以上、クリアは存在するはず。
そこで思い出したのが、五十体倒すと、敵が次の段階に移行する仕組み。
エンジェルを五十体狩ればアークエンジェルが登場する。
では、セラフィムを五十体討伐したらどうなるのか。
そこに攻略の鍵があると睨んだクロトは、こうしてセラフィム狩りに来たのだ。
メンバーは、手の空いている人を誘った。
クロトたちが旅行に行っている間に、大きく成長したヴィオラ。
ユニークスキルを完全に使いこなして、剣での対人戦では、およそ敵なしに。
あのカレンとすら、剣で渡り合えるようになった。
元からその素養はあったので、一皮剥ければ、成長は早かった。
剣術の強いセラフィムなら、相性が良いだろう。
旅行中、クロトに認められるほど、大きく成長したアクア。
水と氷の扱いは、まさに人外級。
彼女による後衛からの援護があれば、前衛の負担が大きく減る。
旅行中、クロトと恋仲になったカレン。
その剣術は、未来を見て因果を誘導するヴィオラと渡り合える程。
前衛としてはクロトと並んで、途轍もなく頼りになる存在だ。
後衛が少ない分はクロトの分身で補う。
分身の操作性が向上しているので、後衛に一体回しても余裕があるだろう。
いずれも一騎当千の猛者たち。
四人による天使狩りが始まった。
聞きようによっては、とてもヤバいことをしようとしている集団であった。
「うん?アリスさん、僕に何か御用でしたか?」
「っ、ええ、そうなの。クロト君が帰って来たと聞いて、顔を見に、ね。」
家の前をアリスがうろうろしていたので、声を掛けたクロト。
アリスは動揺しながらも、そう答えた。
アリスに挨拶をしていなかったことを思い出し、申し訳なさそうに告げた。
「すみません、挨拶もせずに。・・・よろしければ、上がっていきますか?」
「っ!?・・・そ、そうね。では、少しだけお邪魔しようかしら。」
アリスは以前、神天魔の法衣を纏ったクロトを見て、様々な衝動に襲われた。
さすがに今では収まっているが、思い出してしまうのはやめられない。
そこへ、クロトから家へのお誘いがあり、思わずその誘いを受けてしまった。
(何も無い、わよね・・・?招待を受けただけだし、何も起こらない、はず。)
アリスは胸の鼓動が激しくしながら、クロトに続いて家の中に入って行った。
スキルの効果で、自分の想いには気づかれないのをいいことに。
結局、お土産の受け渡しをして、多少雑談しただけだった。
アリスは帰路につきながら、ため息を吐く。
(私、何を期待していたのかしらね・・・バカみたい。)
何も無かったため、寂寥感を覚えている自分に自己嫌悪するアリス。
(・・・もう、忘れましょう。明日からも仕事があるんだから。)
アリスは気持ちを切り替えて、止まっていた足を再び動かし、歩き出した。
クロトはグレンの工房で武具を受け取り、ドレファトの町を去った。
魔王の侵略開始まで、あと八日。
クロトは王都を歩きながら、この先の目標を考えていた。
(やっぱり、魔王の一件が片付いたら、世界を見て回りたいかも・・・。)
東国ジャンゼパールは殆ど見て回ったので、残り四つの国などを、だ。
武具の強化はのんびりやっていくつもりだが、一応の目算ぐらいは立てる。
そして、最大の目標が・・・。
(やっぱり、この世界の成り立ちを知りたいな・・・。)
瞳のバケモノなどを知ってから、そう思うようになったクロト。
(まあ、そちらの準備は着々と進んでいるし、焦る必要もないよね?)
当面の目標は、
一つ、世界創世の成り立ちを探る。
二つ、世界の観光。
三つ、装備を含めた自分の強化。
おおよそそんな所かと思ったところで、思考を打ち切った。
なお、恋人たちとの結婚は、目標とは少し違うので除外している。
その翌日、クロトは数人の同行者と共に、レクスシールの町へ来ていた。
現在居るのは、天使の迷宮の前。
同行者は、ヴィオラ、アクア、カレン。
「さて、セラフィム狩りを始めようか。」
クロトの声を合図に、四人は迷宮に入っていった。
クロトが天使の迷宮に来たのは、セラフィムを狩るため。
では、なぜセラフィムを狩るのか。
それは、迷宮の攻略が関係している。
以前クロトは疑問に思った。
天使の迷宮は、どうすれば攻略したことになるのか、と。
過去に攻略はされていないが、迷宮である以上、クリアは存在するはず。
そこで思い出したのが、五十体倒すと、敵が次の段階に移行する仕組み。
エンジェルを五十体狩ればアークエンジェルが登場する。
では、セラフィムを五十体討伐したらどうなるのか。
そこに攻略の鍵があると睨んだクロトは、こうしてセラフィム狩りに来たのだ。
メンバーは、手の空いている人を誘った。
クロトたちが旅行に行っている間に、大きく成長したヴィオラ。
ユニークスキルを完全に使いこなして、剣での対人戦では、およそ敵なしに。
あのカレンとすら、剣で渡り合えるようになった。
元からその素養はあったので、一皮剥ければ、成長は早かった。
剣術の強いセラフィムなら、相性が良いだろう。
旅行中、クロトに認められるほど、大きく成長したアクア。
水と氷の扱いは、まさに人外級。
彼女による後衛からの援護があれば、前衛の負担が大きく減る。
旅行中、クロトと恋仲になったカレン。
その剣術は、未来を見て因果を誘導するヴィオラと渡り合える程。
前衛としてはクロトと並んで、途轍もなく頼りになる存在だ。
後衛が少ない分はクロトの分身で補う。
分身の操作性が向上しているので、後衛に一体回しても余裕があるだろう。
いずれも一騎当千の猛者たち。
四人による天使狩りが始まった。
聞きようによっては、とてもヤバいことをしようとしている集団であった。
0
お気に入りに追加
6,336
あなたにおすすめの小説
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした
think
ファンタジー
ざっくり紹介
バトル!
いちゃいちゃラブコメ!
ちょっとむふふ!
真面目に紹介
召喚獣を繰り出し闘わせる闘技場が盛んな国。
そして召喚師を育てる学園に入学したカイ・グラン。
ある日念願の召喚の儀式をクラスですることになった。
皆が、高ランクの召喚獣を選択していくなか、カイの召喚から出て来たのは
リビングメイルだった。
薄汚れた女性用の鎧で、ランクもDという微妙なものだったので契約をせずに、聖霊界に戻そうとしたが
マモリタイ、コンドコソ、オネガイ
という言葉が聞こえた。
カイは迷ったが契約をする。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。