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第一部「六色の瞳と魔の支配者」編
プロローグ11
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昨日、積極的に国内の魔物を討伐していくことにした一同。
この日までに、皆のランクは変化している。
ライトは、S-ランクからSランクへ。
ヴィオラは、A+ランクからS-ランクへ。
アクアは、AランクからA+ランクへ。
ナツメは、S-ランクのままで、カレンもSランクのままだ。
かくして、S+ランク1名、Sランク2名、S-ランク2名、A+ランク1名。
そんな戦力が1つの目的の元に動き出した。
とはいえ、やることはあまり変わらない。
これまでより少しだけ、積極的になるだけだ。
クロトはと言うと、1つだけ決めていることがあった。
(ゲイザーとの再戦は欠かせないよね・・・。神水晶も欲しいし。)
他にもいくつか考えていることはあったのだが、確定しているのはそれだけだ。
「そういう訳で、マリア。ちょっと付き合って?」
「分かりましたわ。今日は講義がありますので、明日からでもよろしくて?」
「勿論。頼りにしてるよ?」
なんだかんだで、クロトが一番誘いやすいのはマリアだ。
クロトの恋人を含めた知人の中で、一番強いというのもある。
何をもって強いというかは難しい所だが、カレンと並んで最上位だろう。
アクアやヴィオラも当然強い。
背中を任せるには、あと一歩くらいにまでなっている。
エメラは、色々忙しいのでパスせざるを得ない。
となると、一番信頼出来て、一番強くて、一番暇なマリア一択だ。
講義の後、クロトとマリアはグレンの工房にやって来た。
マリアの装備が完成している頃合いだからだ。
「グレンさん、装備はできてますか?」
「なんとか完成した。お前さんの持ち込んだ素材を使ったが、構わないな?」
「ええ、もちろん。そうしてくれた方がありがたいですから。」
マリアは剣と防具を受け取り、使用感を確かめていく。
見た目はほとんど変わっていない。
この変わらなさ具合は、やはりグレンの腕が良いからだろう。
足首まで届きそうな白を基調としたロングコート。
白を基調に黒を交えたロングブーツに、膝上丈のスカート。
ブーツとスカートの間に覗いている、綺麗な太腿が眩しい。
絶対領域というやつだ。
その他の部分は所々に、薄橙の意匠が施されている。
ちなみに、マリアは時々髪形を変えているのだが、今日は縦ロール。
オシャレにも気が向いてしまう年頃なのだろう、多分。
「良さそうだな。・・・俺はもう寝る。」
グレンはそう告げると、奥へ引っ込んだ。
クロトの防具が出来てから日も経っていないのに、また徹夜だったようだ。
クロトは一度マリアと別れ、エメラの元へ転移した。
今回は、クロトの義父にあたるアルフォンスに用がある。
「・・・魔人が魔物を、か。にわかには信じられんが、同時に納得もできる。」
アルフォンスも、魔物の質と量が上がっていることを気にしていた。
それが魔人による侵略準備のためとなれば、納得がいく。
「そういうことですから、国の方への連絡も、お任せします。」
「正直、信じてもらえるかは半々だがな。」
クロトとしては、シンクレア王国がどうなろうと気にならない。
ただ、グリーンフォレスト家だけは別だ。
万が一の時の為に、エドワード国王とも相談していた。
カラーヴォイス王国への鞍替えは問題ないようだ。
クロトはアルフォンスと話を終えた後、エメラに会いに行く。
「エメラ、執務の調子はどう?」
「ん・・・。だいたい、終わった、から・・・。自由に・・・動ける。」
「そっか。魔法存在は役に立った?」
「ん・・・。とて、も・・・役に、立った。ありがとう・・・クロト。」
「それはよかった。」
クロトはエメラの仕事を魔法存在にやらせていた。
既に引き継ぎも済ませたようなので、本当にもう少しなのだろう。
初めはアルフォンスも監視していたのだが、今はもう、していない。
そもそも、エメラの婚約者を疑いたくないし、クロトのことも信用している。
あくまで、貴族としての建前のようなものだ。
自分より数倍早く仕事を片付けている魔法存在を見たくなかったのもある。
あれが大量に居るとなれば、国1つくらい優に滅ぼせそうだと思ったとか。
もちろん、武力に頼らずとも、だ。
落ち込んだアルフォンスは、執事のセイラスにフォローされていた。
「アルフォンス様の魅力は、執務だけではございませんよ。」
「セイラスよ・・・それはフォローとは言わんぞ・・・?」
「ん・・・。父上、は・・・優しい、から・・・。」
「エメラ・・・!」
その後、妙な過保護により、エメラの機嫌が悪くなった。
そんなエメラを、クロトが慰めてあげたとかなんとか。
この日までに、皆のランクは変化している。
ライトは、S-ランクからSランクへ。
ヴィオラは、A+ランクからS-ランクへ。
アクアは、AランクからA+ランクへ。
ナツメは、S-ランクのままで、カレンもSランクのままだ。
かくして、S+ランク1名、Sランク2名、S-ランク2名、A+ランク1名。
そんな戦力が1つの目的の元に動き出した。
とはいえ、やることはあまり変わらない。
これまでより少しだけ、積極的になるだけだ。
クロトはと言うと、1つだけ決めていることがあった。
(ゲイザーとの再戦は欠かせないよね・・・。神水晶も欲しいし。)
他にもいくつか考えていることはあったのだが、確定しているのはそれだけだ。
「そういう訳で、マリア。ちょっと付き合って?」
「分かりましたわ。今日は講義がありますので、明日からでもよろしくて?」
「勿論。頼りにしてるよ?」
なんだかんだで、クロトが一番誘いやすいのはマリアだ。
クロトの恋人を含めた知人の中で、一番強いというのもある。
何をもって強いというかは難しい所だが、カレンと並んで最上位だろう。
アクアやヴィオラも当然強い。
背中を任せるには、あと一歩くらいにまでなっている。
エメラは、色々忙しいのでパスせざるを得ない。
となると、一番信頼出来て、一番強くて、一番暇なマリア一択だ。
講義の後、クロトとマリアはグレンの工房にやって来た。
マリアの装備が完成している頃合いだからだ。
「グレンさん、装備はできてますか?」
「なんとか完成した。お前さんの持ち込んだ素材を使ったが、構わないな?」
「ええ、もちろん。そうしてくれた方がありがたいですから。」
マリアは剣と防具を受け取り、使用感を確かめていく。
見た目はほとんど変わっていない。
この変わらなさ具合は、やはりグレンの腕が良いからだろう。
足首まで届きそうな白を基調としたロングコート。
白を基調に黒を交えたロングブーツに、膝上丈のスカート。
ブーツとスカートの間に覗いている、綺麗な太腿が眩しい。
絶対領域というやつだ。
その他の部分は所々に、薄橙の意匠が施されている。
ちなみに、マリアは時々髪形を変えているのだが、今日は縦ロール。
オシャレにも気が向いてしまう年頃なのだろう、多分。
「良さそうだな。・・・俺はもう寝る。」
グレンはそう告げると、奥へ引っ込んだ。
クロトの防具が出来てから日も経っていないのに、また徹夜だったようだ。
クロトは一度マリアと別れ、エメラの元へ転移した。
今回は、クロトの義父にあたるアルフォンスに用がある。
「・・・魔人が魔物を、か。にわかには信じられんが、同時に納得もできる。」
アルフォンスも、魔物の質と量が上がっていることを気にしていた。
それが魔人による侵略準備のためとなれば、納得がいく。
「そういうことですから、国の方への連絡も、お任せします。」
「正直、信じてもらえるかは半々だがな。」
クロトとしては、シンクレア王国がどうなろうと気にならない。
ただ、グリーンフォレスト家だけは別だ。
万が一の時の為に、エドワード国王とも相談していた。
カラーヴォイス王国への鞍替えは問題ないようだ。
クロトはアルフォンスと話を終えた後、エメラに会いに行く。
「エメラ、執務の調子はどう?」
「ん・・・。だいたい、終わった、から・・・。自由に・・・動ける。」
「そっか。魔法存在は役に立った?」
「ん・・・。とて、も・・・役に、立った。ありがとう・・・クロト。」
「それはよかった。」
クロトはエメラの仕事を魔法存在にやらせていた。
既に引き継ぎも済ませたようなので、本当にもう少しなのだろう。
初めはアルフォンスも監視していたのだが、今はもう、していない。
そもそも、エメラの婚約者を疑いたくないし、クロトのことも信用している。
あくまで、貴族としての建前のようなものだ。
自分より数倍早く仕事を片付けている魔法存在を見たくなかったのもある。
あれが大量に居るとなれば、国1つくらい優に滅ぼせそうだと思ったとか。
もちろん、武力に頼らずとも、だ。
落ち込んだアルフォンスは、執事のセイラスにフォローされていた。
「アルフォンス様の魅力は、執務だけではございませんよ。」
「セイラスよ・・・それはフォローとは言わんぞ・・・?」
「ん・・・。父上、は・・・優しい、から・・・。」
「エメラ・・・!」
その後、妙な過保護により、エメラの機嫌が悪くなった。
そんなエメラを、クロトが慰めてあげたとかなんとか。
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