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第一部「六色の瞳と魔の支配者」編
学園へ
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「そんな訳で、学園へ通うことになったよ。」
クロトは、リオンの頼みを受けて学園へ通うことを、知人に伝えた。
それに対する反応は様々だった。
その後、クロトは本題に入った。
「誰か、学園に通いたい人は居るかな?」
まず、採掘師のローナが興味を示した。
「勉強してみたいことはあるんだけど、費用がね・・・。」
当然のことだが、学園に通うのに、授業料などを払う必要がある。
金額は人によってまちまちだが、2000万ゴールドは超えないようだ。
「それなら僕が出すから、通いたいなら行ってみるといいよ?」
「えっ、でも・・・。」
ローナは葛藤しているようだ。
そこで、クロトはとどめを刺しに行く。
「30億に2千万くらい増えても変わらないよ?」
「・・・うん、そうだね。ボク、通ってみるよ!」
ローナは学園に通うことになった。
今回のクロトの殺し文句は、人を駄目にする言葉だった気がするが。
次に、アクア。
「出来れば、通ってみたいですね・・・。」
アクアは、知識を得ることに貪欲だ。
それが強くなるためには必要だと思っているようだ。
クロトも同感である。
アクアの分の料金も、クロトが払うことになった。
彼氏兼未来の夫としてのプライドのようなものだ。
アクアも渋々納得してくれた。
最後に、マリア。
最初は乗り気でなかったのだが、急に行きたいと言い出した。
「マリア、学園に通ってみる気はないかな?」
「ありませんわね。」
クロトも無理強いするつもりないので、話はそこで切り上げた。
そして、ふと思ったことを口にしてみる。
「マリアが学園に通ったら、無職から学生になるんだね・・・。」
「クロト、やっぱり学園に通いますわっ!」
「えっ?急にどうしたの?」
無職というのを、相当気にしていたようだ。
結果、通うことになったのは、クロト、アクア、マリア、ローナの四人。
八千万ゴールドほどかかるが、問題はない。
店の方も儲かってしまっているので、お金は増える一方なのだ。
少しは使わないと、経済に悪い。
ちなみに、ヴィオラは通わない。
勉強は苦手だそうだ。
これからは、気が向いたら学園に行くことになったクロトなのだった。
なお、制服なんてものはない。
早速、丁度始まっていた入学手続きを済ませ、資料にある講義の確認をしていく。
「魔法陣学か・・・。勉強してみようかな?」
「ボクは・・・魔法工学。これは必須かな。他には・・・。」
「魔法講義の基礎と応用は勉強したいですね・・・。」
「わたくしは・・・どうするべきなんですの・・・?」
色々考えてみたが、クロトは3つの講義をとることにした。
1つ目は、リオンに頼まれている実践訓練講義。
2つ目は、魔法陣学。
3つ目は、神話学。
途中から参加することも可能なので、とりあえずはこれで決定だ。
それと、卒業に必要な単位数は50単位。
1つの講義でどれくらいの単位が取れるかは、その生徒次第。
優秀な成績であるほど、獲得単位が多い。
1単位しかとれないこともあれば、10単位くらいとれることもある。
禁書庫への立ち入りは、全ての講義における、平均獲得単位次第で許可される。
もちろん、平均獲得単位が多い方が良いが、絶対ではない。
1つの講義でしか単位を獲得していない、とかでは、当然判定が厳しくなる。
なお、試験を受けるタイミングは、教師と生徒が相談して決める。
「そんな訳で、決まらないなら戦闘講義と魔法学をとってね、マリア?」
「どんな訳ですのっ!?」
マリアに参加しておいてもらえば、クロトも後から参加しやすいのだ。
「・・・分かりましたわ。選ぶのはそれだけでいいんですの?」
「とりあえずはそれだけで、ね。」
結局、マリアは受けたい講義が殆ど無かったので、クロトの言う通りにした。
学生という職業に釣られた罰かもしれない。
本人は気づいていないが、クロトの選ばせた講義はマリアに合ったものである。
これを自然にやってのけるあたり、モテる男は違う。
ちなみに、マリアの授業料もクロトが払った。
この日は入学手続きと、講義の確認しかすることが無かった。
授業の開始は3日後からとなっている。
受ける講義を決定したクロトたちは、学園を後にしたのだった。
法理の種が誕生する日まで、あと一か月という日の出来事だった。
なお、事前に明言しておくことが1つ。
以前、火結晶の買い占めを行い、意図的にリオンを困らせた貴族の生徒。
その男は、王城がマリアに支配されたときに、呆気なく死亡している。
登場の機会など存在しない。
入学手続きの日から3日。
クロトは、初めての講義日を迎えた。
講義名は、魔法陣学。
クロトは、リオンの頼みを受けて学園へ通うことを、知人に伝えた。
それに対する反応は様々だった。
その後、クロトは本題に入った。
「誰か、学園に通いたい人は居るかな?」
まず、採掘師のローナが興味を示した。
「勉強してみたいことはあるんだけど、費用がね・・・。」
当然のことだが、学園に通うのに、授業料などを払う必要がある。
金額は人によってまちまちだが、2000万ゴールドは超えないようだ。
「それなら僕が出すから、通いたいなら行ってみるといいよ?」
「えっ、でも・・・。」
ローナは葛藤しているようだ。
そこで、クロトはとどめを刺しに行く。
「30億に2千万くらい増えても変わらないよ?」
「・・・うん、そうだね。ボク、通ってみるよ!」
ローナは学園に通うことになった。
今回のクロトの殺し文句は、人を駄目にする言葉だった気がするが。
次に、アクア。
「出来れば、通ってみたいですね・・・。」
アクアは、知識を得ることに貪欲だ。
それが強くなるためには必要だと思っているようだ。
クロトも同感である。
アクアの分の料金も、クロトが払うことになった。
彼氏兼未来の夫としてのプライドのようなものだ。
アクアも渋々納得してくれた。
最後に、マリア。
最初は乗り気でなかったのだが、急に行きたいと言い出した。
「マリア、学園に通ってみる気はないかな?」
「ありませんわね。」
クロトも無理強いするつもりないので、話はそこで切り上げた。
そして、ふと思ったことを口にしてみる。
「マリアが学園に通ったら、無職から学生になるんだね・・・。」
「クロト、やっぱり学園に通いますわっ!」
「えっ?急にどうしたの?」
無職というのを、相当気にしていたようだ。
結果、通うことになったのは、クロト、アクア、マリア、ローナの四人。
八千万ゴールドほどかかるが、問題はない。
店の方も儲かってしまっているので、お金は増える一方なのだ。
少しは使わないと、経済に悪い。
ちなみに、ヴィオラは通わない。
勉強は苦手だそうだ。
これからは、気が向いたら学園に行くことになったクロトなのだった。
なお、制服なんてものはない。
早速、丁度始まっていた入学手続きを済ませ、資料にある講義の確認をしていく。
「魔法陣学か・・・。勉強してみようかな?」
「ボクは・・・魔法工学。これは必須かな。他には・・・。」
「魔法講義の基礎と応用は勉強したいですね・・・。」
「わたくしは・・・どうするべきなんですの・・・?」
色々考えてみたが、クロトは3つの講義をとることにした。
1つ目は、リオンに頼まれている実践訓練講義。
2つ目は、魔法陣学。
3つ目は、神話学。
途中から参加することも可能なので、とりあえずはこれで決定だ。
それと、卒業に必要な単位数は50単位。
1つの講義でどれくらいの単位が取れるかは、その生徒次第。
優秀な成績であるほど、獲得単位が多い。
1単位しかとれないこともあれば、10単位くらいとれることもある。
禁書庫への立ち入りは、全ての講義における、平均獲得単位次第で許可される。
もちろん、平均獲得単位が多い方が良いが、絶対ではない。
1つの講義でしか単位を獲得していない、とかでは、当然判定が厳しくなる。
なお、試験を受けるタイミングは、教師と生徒が相談して決める。
「そんな訳で、決まらないなら戦闘講義と魔法学をとってね、マリア?」
「どんな訳ですのっ!?」
マリアに参加しておいてもらえば、クロトも後から参加しやすいのだ。
「・・・分かりましたわ。選ぶのはそれだけでいいんですの?」
「とりあえずはそれだけで、ね。」
結局、マリアは受けたい講義が殆ど無かったので、クロトの言う通りにした。
学生という職業に釣られた罰かもしれない。
本人は気づいていないが、クロトの選ばせた講義はマリアに合ったものである。
これを自然にやってのけるあたり、モテる男は違う。
ちなみに、マリアの授業料もクロトが払った。
この日は入学手続きと、講義の確認しかすることが無かった。
授業の開始は3日後からとなっている。
受ける講義を決定したクロトたちは、学園を後にしたのだった。
法理の種が誕生する日まで、あと一か月という日の出来事だった。
なお、事前に明言しておくことが1つ。
以前、火結晶の買い占めを行い、意図的にリオンを困らせた貴族の生徒。
その男は、王城がマリアに支配されたときに、呆気なく死亡している。
登場の機会など存在しない。
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クロトは、初めての講義日を迎えた。
講義名は、魔法陣学。
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