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第一部「六色の瞳と魔の支配者」編
獄界の穴3
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堕剣を1本破壊したことで、ほんの少し、クロトの優勢になった。
そのまま堕剣を破壊していくつもりだったのだが・・・。
「カカカカカッ!」
突如、サマエルが闇色のオーラを纏い、その強さが段違いになった。
(臨界突破のようなスキルか・・・!まずいね・・・!)
スキルの全容が分からないので、断絶空間への退避はリスクが高い。
再発動できる類いのスキルであれば、断絶空間解除後が危険。
その選択は、最後の手段だ。
クロトに打てる手はそう多くは無い。
天界突破の発動か、もしくは・・・
「マリア、前衛に加わって!」
「了解しましたわ!」
・・・マリアを前衛に加えること。
後衛は、もう一体の分身に任せる。
マリアは後衛より前衛の方が得意なのだ。
「カカカカカカカッ!」
6本の堕剣とサマエルの剣を、三人がかりで迎撃する。
「カカッ!」
サマエルが剣に禍々しいオーラと、緑色の毒を纏わせる。
そしてそれを、マリアに振りかぶる。
(この一撃は重過ぎる・・・。なんとか回避するしか・・・いや・・・。)
「マリア、合わせて!」
時間も無いので端的に伝えたクロト。
一瞬だけ視線が交錯する二人。
それだけでも伝わったようで、技を発動し、クロトとタイミングを合わせた。
「天魔剣・楽園!」
「極天一閃!」
光と闇を纏ったマリアの一撃と、炎、氷、雷、地を纏ったクロトの一撃。
二人の剣が重ね合わされ交差する。
一瞬の後、サマエルの剣と激突。
拮抗するサマエルの剣と二人の剣。
クロトとマリアは限界まで力を込めているが、拮抗させるので精一杯。
サマエルも、堕剣を操作する余裕すらない。
少しでも気を抜いたら、相手の剣に押し返される。
「っ・・・!」
マリアの体勢が崩れかける。
クロトが空いている片腕で支える。
「マリア、しっかり。」
「助かりましたわ。」
間近で微笑み合う二人。
そして、どちらも押し切れないまま、互いの技は効果を失う。
この一瞬のために、リスクを負って迎撃したクロト。
サマエル、クロト、マリア。
全員隙が出来ている中、一人だけ、そうではない存在が。
隠密し直した分身が、二人が剣を拮抗させている間、技の発動準備をしていた。
月影神の龍剣に、炎、氷、雷、地、空間、龍力を纏わせている。
更に、神水晶の効果と隠蔽を合わせて、剣を認識出来なくする。
以前の剣では耐えられなかっただろうこの技。
神天一閃・龍絶
サマエルの本能が絶大な危険を感じる。
しかし、どこから何が来るのか、まるで分からない。
神水晶と隠密者の相乗効果は、直感の類ですら、感じ取れない。
精々、何処かから途轍もなく危険なものが迫っている、くらいしか分からない。
「カカカカカ・・・。」
回避も防御も、選択すら出来ないまま、サマエルは切り裂かれた。
瀕死ではあるが、まだ生きているサマエル。
「カ、カ、カ・・・。」
クロトは詰めの手を緩めてはいなかった。
瀕死のサマエルに、後衛の分身から天法術が放たれる。
効果が薄いながらも、天落を喰らったサマエル。
二度と、奇妙な笑い声が聞こえることはなかった。
それを確認したクロトとマリアは、その場に座り込んだのだった。
(腕が動かないよ・・・。相当負荷が掛かっていたんだね・・・。)
右腕を殆ど動かせないクロト。
激痛がクロトを襲う。
腱の一本くらいは切れているかもしれない。
それでも表情に出さないクロトの精神力は、異常の一言だ。
「ぐぅぅぅうう!!」
一方のマリアは、痛みに呻いている。
クロトの前でなければ、のたうち回っていたかもしれない。
マリアにもプライドはあるので、なんとか堪えたが。
クロトは命の水をマリアに使用する。
先にマリアの怪我を治すあたり、その心配度合いが伺える。
(僕一人では、勝率は1割未満だったんだし、労わってあげないとね。)
そんなことを思いつつ、自分にも使用する。
まだまだ量はあるが、湯水のように使えば、いずれは無くなるだろう。
程なくして、二人の怪我は治った。
「はぁ・・・。危険な戦いでしたわね。」
「そうだね、あのままだったら、すぐにジリ貧になっただろうからね。」
リスクをとって迎撃を選択したクロト。
迎撃しなければジリ貧だ、という判断からの選択だ。
「そう言えば、あの時の指示は端的過ぎますわよ?」
「でも、マリアは分かってくれたよね?」
「それは・・・・・・。」
(なぜあれだけで分かったのか・・・不思議ですわね・・・?)
自分でも、何故分かったのかが分からないマリア。
だが、悪い気はしていないようだ。
「そんなわけで、これからは端的な説明だけでもいいよね?」
「良いわけがありませんわっ!」
そうして、堕天使との初戦闘は終わったのだった。
そのまま堕剣を破壊していくつもりだったのだが・・・。
「カカカカカッ!」
突如、サマエルが闇色のオーラを纏い、その強さが段違いになった。
(臨界突破のようなスキルか・・・!まずいね・・・!)
スキルの全容が分からないので、断絶空間への退避はリスクが高い。
再発動できる類いのスキルであれば、断絶空間解除後が危険。
その選択は、最後の手段だ。
クロトに打てる手はそう多くは無い。
天界突破の発動か、もしくは・・・
「マリア、前衛に加わって!」
「了解しましたわ!」
・・・マリアを前衛に加えること。
後衛は、もう一体の分身に任せる。
マリアは後衛より前衛の方が得意なのだ。
「カカカカカカカッ!」
6本の堕剣とサマエルの剣を、三人がかりで迎撃する。
「カカッ!」
サマエルが剣に禍々しいオーラと、緑色の毒を纏わせる。
そしてそれを、マリアに振りかぶる。
(この一撃は重過ぎる・・・。なんとか回避するしか・・・いや・・・。)
「マリア、合わせて!」
時間も無いので端的に伝えたクロト。
一瞬だけ視線が交錯する二人。
それだけでも伝わったようで、技を発動し、クロトとタイミングを合わせた。
「天魔剣・楽園!」
「極天一閃!」
光と闇を纏ったマリアの一撃と、炎、氷、雷、地を纏ったクロトの一撃。
二人の剣が重ね合わされ交差する。
一瞬の後、サマエルの剣と激突。
拮抗するサマエルの剣と二人の剣。
クロトとマリアは限界まで力を込めているが、拮抗させるので精一杯。
サマエルも、堕剣を操作する余裕すらない。
少しでも気を抜いたら、相手の剣に押し返される。
「っ・・・!」
マリアの体勢が崩れかける。
クロトが空いている片腕で支える。
「マリア、しっかり。」
「助かりましたわ。」
間近で微笑み合う二人。
そして、どちらも押し切れないまま、互いの技は効果を失う。
この一瞬のために、リスクを負って迎撃したクロト。
サマエル、クロト、マリア。
全員隙が出来ている中、一人だけ、そうではない存在が。
隠密し直した分身が、二人が剣を拮抗させている間、技の発動準備をしていた。
月影神の龍剣に、炎、氷、雷、地、空間、龍力を纏わせている。
更に、神水晶の効果と隠蔽を合わせて、剣を認識出来なくする。
以前の剣では耐えられなかっただろうこの技。
神天一閃・龍絶
サマエルの本能が絶大な危険を感じる。
しかし、どこから何が来るのか、まるで分からない。
神水晶と隠密者の相乗効果は、直感の類ですら、感じ取れない。
精々、何処かから途轍もなく危険なものが迫っている、くらいしか分からない。
「カカカカカ・・・。」
回避も防御も、選択すら出来ないまま、サマエルは切り裂かれた。
瀕死ではあるが、まだ生きているサマエル。
「カ、カ、カ・・・。」
クロトは詰めの手を緩めてはいなかった。
瀕死のサマエルに、後衛の分身から天法術が放たれる。
効果が薄いながらも、天落を喰らったサマエル。
二度と、奇妙な笑い声が聞こえることはなかった。
それを確認したクロトとマリアは、その場に座り込んだのだった。
(腕が動かないよ・・・。相当負荷が掛かっていたんだね・・・。)
右腕を殆ど動かせないクロト。
激痛がクロトを襲う。
腱の一本くらいは切れているかもしれない。
それでも表情に出さないクロトの精神力は、異常の一言だ。
「ぐぅぅぅうう!!」
一方のマリアは、痛みに呻いている。
クロトの前でなければ、のたうち回っていたかもしれない。
マリアにもプライドはあるので、なんとか堪えたが。
クロトは命の水をマリアに使用する。
先にマリアの怪我を治すあたり、その心配度合いが伺える。
(僕一人では、勝率は1割未満だったんだし、労わってあげないとね。)
そんなことを思いつつ、自分にも使用する。
まだまだ量はあるが、湯水のように使えば、いずれは無くなるだろう。
程なくして、二人の怪我は治った。
「はぁ・・・。危険な戦いでしたわね。」
「そうだね、あのままだったら、すぐにジリ貧になっただろうからね。」
リスクをとって迎撃を選択したクロト。
迎撃しなければジリ貧だ、という判断からの選択だ。
「そう言えば、あの時の指示は端的過ぎますわよ?」
「でも、マリアは分かってくれたよね?」
「それは・・・・・・。」
(なぜあれだけで分かったのか・・・不思議ですわね・・・?)
自分でも、何故分かったのかが分からないマリア。
だが、悪い気はしていないようだ。
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「良いわけがありませんわっ!」
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