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一章 妖符師誕生編
4 あやかし屋再開準備
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私、影山若葉は妖符師となり、初めての仕事を成功させました。
でも、根本的な問題に気づいてしまったのです。
「ねぇフォーン、もうすぐ明け方なんだけど、私はいつ寝ればいいのかな?」
「そこはボクに言われても分からないコン。妖怪書には書いてないコン?」
「どうだろう?まだ全部は読んでないから分からないや」
もし解決法が無いと仮定するのであれば、私は一週間後からどうすればいいのでしょう・・・!?
あ、一週間後の四月八日は高校の入学式です。
授業中に寝るというのは、成績的な意味でも、亡くなったお父さんとお母さんの心情的な意味でもよろしくないでしょう。きっと悲しみます。
「とりあえず、今日はもう帰るコン」
「ふあぁぁぁ・・・そうだね、もう眠いから帰ろう・・・」
そのあと家に辿り着き、初日の業務は無事に終了。
明日は妖怪書の読み込みと雑貨店『あやかし屋』の再会準備。
あとはパトロール計画の考案かな・・・?
とりあえず、今日はおやすみなさい・・・。
「若葉!?抱きしめたまま寝ないでほしいコン!召喚を解除するコン!!」
「フォーン温かいね・・・スヤスヤ・・・ぐう・・・」
「若葉ーっ!?」
翌日、モフモフの心地良い感覚に包まれながら目を覚ましました。
「んぅ・・・おはよう、フォーン・・・」
「おはよう、若葉。起きたなら召喚を解除してほしいコン」
「あっ・・・ごめんね、昨日はそのまま寝ちゃって・・・!」
フォーンは召喚を解除しないと無駄にエネルギーを使うのでした・・・!
特に昼間はエネルギーの消耗が激しいと書いてありました。
「まあ、悪気が無かったのは分かってるから、許してあげるコン」
「ありがとう、フォーン。・・・『召喚解除』!」
帰還の詠唱をすると、フォーンは煙となって妖符へ入っていきました。
次からは気を付けないと。
「んんっ・・・!それにしても、よく寝た気がするのに、まだ朝なんだ・・・?」
不思議に思いつつも着替えを済ませて朝食を作る。
・・・冷蔵庫を覗いて思ったことは、近々買い物に行く必要があるということ。
そういえば私、昨日まで何を食べてきたのかな?
・・・細かいことは気にしないことにしました。
朝食のパンと目玉焼き、ありあわせ野菜のサラダを完食。
では、仕事に入りましょう。やることは沢山ありますから。
最初にあやかし屋の表、雑貨屋について。
仕入れについては両親が残してくれたものがありますので大丈夫。
私が継ぐことになった場合は契約を延長することになっているらしいです。
何件かありますが、後で挨拶に行きましょう。
営業の再会は数日後の予定。
それまでに店の整理をし、契約先に挨拶をするということで仮決定です。
まずは、簡単な掃除からですね。
数時間後、掃除は終了。
もうすぐお昼ですので、それまでの時間で妖怪書を読むことに。
午後からは契約先への御挨拶です。
妖怪書を読んでいると昨晩気になってことが分かりました。
妖怪と契約することで、契約者の人間は変異するそうです。
・・・衝撃の事実が発覚したね。私はいつの間にか人間をやめたようです。
変異すると、ごく短い睡眠時間で健康を保てるとのこと。
他にも幾つか注意点がありましたので頭に入れておきます。
その後も読み込んでいき、昨日低位悪霊を封印して手に入れた<低位符>についても知りました。
<低位符>は使い捨てで、小さな衝撃波を生み出すことができるそうです。
勿論、霊的な攻撃なので悪霊にダメージを与えられます。
ですが、格上に過ぎる悪霊にはそこまでのダメージは与えられないようで。
例えば、<低位符>による衝撃波は妖怪には殆ど効かない、ということです。
使いどころは要練習ですが、無駄遣いも出来ませんね。
現在、手元にある<低位符>は二枚だけですから。
それと、重要なことが一つ。
武装召喚は詠唱を省略できるそうですが、その場合は数秒しか顕現出来ません。
緊急時以外はキチンと詠唱しなくてはなりませんね。
そんな情報を含め、妖怪書に書かれた内容には全て目を通しました。
流石にすべてを覚えてはいませんが、何処に何が書いてあるかは把握済み。
コートのポケットに入れておくようにすれば、いつでも調べられますね。
妖怪書の紛失に備えてコピーをとっておきました。念には念を入れよう。
持っていくのはコピーでいいよね。
昼食はホットドッグのようなものになりました。
近いうちと言わず、今日中に行かないとピンチでした。
昼食を終えて妖怪書の知識を思い出して覚える作業。
分からないところは本を見て思い出す。
こうして繰り返していれば直ぐに覚えられるのは経験談から分かる。
・・・よし、契約先へ挨拶に行こう!
でも、根本的な問題に気づいてしまったのです。
「ねぇフォーン、もうすぐ明け方なんだけど、私はいつ寝ればいいのかな?」
「そこはボクに言われても分からないコン。妖怪書には書いてないコン?」
「どうだろう?まだ全部は読んでないから分からないや」
もし解決法が無いと仮定するのであれば、私は一週間後からどうすればいいのでしょう・・・!?
あ、一週間後の四月八日は高校の入学式です。
授業中に寝るというのは、成績的な意味でも、亡くなったお父さんとお母さんの心情的な意味でもよろしくないでしょう。きっと悲しみます。
「とりあえず、今日はもう帰るコン」
「ふあぁぁぁ・・・そうだね、もう眠いから帰ろう・・・」
そのあと家に辿り着き、初日の業務は無事に終了。
明日は妖怪書の読み込みと雑貨店『あやかし屋』の再会準備。
あとはパトロール計画の考案かな・・・?
とりあえず、今日はおやすみなさい・・・。
「若葉!?抱きしめたまま寝ないでほしいコン!召喚を解除するコン!!」
「フォーン温かいね・・・スヤスヤ・・・ぐう・・・」
「若葉ーっ!?」
翌日、モフモフの心地良い感覚に包まれながら目を覚ましました。
「んぅ・・・おはよう、フォーン・・・」
「おはよう、若葉。起きたなら召喚を解除してほしいコン」
「あっ・・・ごめんね、昨日はそのまま寝ちゃって・・・!」
フォーンは召喚を解除しないと無駄にエネルギーを使うのでした・・・!
特に昼間はエネルギーの消耗が激しいと書いてありました。
「まあ、悪気が無かったのは分かってるから、許してあげるコン」
「ありがとう、フォーン。・・・『召喚解除』!」
帰還の詠唱をすると、フォーンは煙となって妖符へ入っていきました。
次からは気を付けないと。
「んんっ・・・!それにしても、よく寝た気がするのに、まだ朝なんだ・・・?」
不思議に思いつつも着替えを済ませて朝食を作る。
・・・冷蔵庫を覗いて思ったことは、近々買い物に行く必要があるということ。
そういえば私、昨日まで何を食べてきたのかな?
・・・細かいことは気にしないことにしました。
朝食のパンと目玉焼き、ありあわせ野菜のサラダを完食。
では、仕事に入りましょう。やることは沢山ありますから。
最初にあやかし屋の表、雑貨屋について。
仕入れについては両親が残してくれたものがありますので大丈夫。
私が継ぐことになった場合は契約を延長することになっているらしいです。
何件かありますが、後で挨拶に行きましょう。
営業の再会は数日後の予定。
それまでに店の整理をし、契約先に挨拶をするということで仮決定です。
まずは、簡単な掃除からですね。
数時間後、掃除は終了。
もうすぐお昼ですので、それまでの時間で妖怪書を読むことに。
午後からは契約先への御挨拶です。
妖怪書を読んでいると昨晩気になってことが分かりました。
妖怪と契約することで、契約者の人間は変異するそうです。
・・・衝撃の事実が発覚したね。私はいつの間にか人間をやめたようです。
変異すると、ごく短い睡眠時間で健康を保てるとのこと。
他にも幾つか注意点がありましたので頭に入れておきます。
その後も読み込んでいき、昨日低位悪霊を封印して手に入れた<低位符>についても知りました。
<低位符>は使い捨てで、小さな衝撃波を生み出すことができるそうです。
勿論、霊的な攻撃なので悪霊にダメージを与えられます。
ですが、格上に過ぎる悪霊にはそこまでのダメージは与えられないようで。
例えば、<低位符>による衝撃波は妖怪には殆ど効かない、ということです。
使いどころは要練習ですが、無駄遣いも出来ませんね。
現在、手元にある<低位符>は二枚だけですから。
それと、重要なことが一つ。
武装召喚は詠唱を省略できるそうですが、その場合は数秒しか顕現出来ません。
緊急時以外はキチンと詠唱しなくてはなりませんね。
そんな情報を含め、妖怪書に書かれた内容には全て目を通しました。
流石にすべてを覚えてはいませんが、何処に何が書いてあるかは把握済み。
コートのポケットに入れておくようにすれば、いつでも調べられますね。
妖怪書の紛失に備えてコピーをとっておきました。念には念を入れよう。
持っていくのはコピーでいいよね。
昼食はホットドッグのようなものになりました。
近いうちと言わず、今日中に行かないとピンチでした。
昼食を終えて妖怪書の知識を思い出して覚える作業。
分からないところは本を見て思い出す。
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・・・よし、契約先へ挨拶に行こう!
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