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4章
241 ギルド戦準備 その2
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システマは理解できたか確認をとったあと、次の説明へ移った。
「続いて、先程の説明にもあった<ギルドフラッグ>について説明いたします」
システマの説明が始まると、青い旗と赤い旗の二つが出現。
彼女は青を右手で、赤を左手で、それぞれ棒の部分を掴み取った。
「こちらの青い旗がウェザリアの<ギルドフラッグ>。
こちらの赤い旗が敵対ギルドの<ギルドフラッグ>です。
すなわち、自分たち以外のフラッグは全て赤く見えるということです」
ほう・・・これは何気に重要なことなのではないか?
だって、ミレアが難しい顔をしているから。
・・・冗談はさておき、自分でも考えよう。
今の説明が重要だと仮定すると・・・どういう可能性があるんだ?
自分たちのフラッグ以外、全て赤く見える。
それはつまり・・・・・・見分けがつかないということ。
例えば、Aというギルドが上位に居て、僕たちはそこのポイントを減らしたいと仮定する。
まんまとフラッグを奪ったはいいが、途中で他の旗を持ったギルド員と交戦して、旗が混ざってしまったらどうなるのか。
その場合は、どちらが標的のフラッグか分からなくなってしまうということ。
「システマ、その旗は収納可能なのか?」
「いえ。敵味方問わず、大会システムへ収納することは不可能です個人戦同様に、事前に指定したアイテムの出し入れが可能なだけですので」
「そういえば回復アイテムはどうなるのかな?」
「ギルド戦において回復は、一部例外を除いて禁止となっております」
一部例外を除いて、というと・・・大会専用アイテムなら回復可能なのか。
確か、アイテムボックスにAP回復とMP回復が一つずつあったはず。
それで、だ。
フラッグが収納不可ということは、奪ったものを奪われる可能性もあるな。
その辺はもう少し詳しく聞かないと分からないか。
丁度説明が再開されるようだし、耳を傾けよう。
「そして、この赤いフラッグは自陣に持ち帰ってから三十分が経過するとポイントになります。逆に、奪われた青いフラッグは敵陣に持ち込まれてから三十分で消滅し、喪失ポイントが加算されると同時に元の場所へ再出現します」
「自陣というのはどの範囲を指すのかしら?」
「今回において自陣とは、城周囲も含めた拠点エリア内部、という意味になります。なお、該当範囲には青い線が引かれますので、間違えることはないでしょう」
「・・・ありがとう。つまり、範囲内ならどこに敵の旗があってもいい訳ね」
例えば、僕が赤い旗を持って該当エリア内をうろついててもいい訳だ。
拠点の広さにもよるが、そういう戦法もアリだな。
しかしそうなると、旗を敵陣に持って行かれた場合、取り戻すのは困難か。
「あの、自分たちのフラッグを設置する場所は決まっているのでしょうか・・・?」
「いえ、それについてはギルド内で相談して決めてください。自陣内であればどこに設置してあっても構いません」
「そうですか。では、なるべく分かり辛いところに設置した方が良さそうですね」
そう言いつつ僕の方に微笑みかけてくるレイン。
不味い、不意打ちだったせいで心臓が五月蠅くなってきた・・・。
はぁ・・・相変わらず天使だな、レインは。
いや、以前にも増して天使のようになった気がする。
多分、幸せに当てられた僕の錯覚なのだろうけど。
「では、最後に諸注意の方を。
一つ、攻城戦の開始は正午から二十時までの八時間。
二つ、期間中は時間が三倍加速されますので、実質二十四時間になります。
三つ、ログアウト休憩は自由ですが、その間も時間は経過するのでご注意を。
四つ、自陣内に居れば自動回復速度が上昇しますので、是非ご利用ください。
五つ、HPを全損した方たちはこちらで転送を行いますのでご了承ください」
三倍加速か。
個人戦の時はそんなもの無かったので今回が初導入だな。
注意すべきは、五分ログアウトしたら試合会場では十五分経過している点か。
休憩は必要だし、ある程度は事前にローテーションを組んだ方が良いかね?
「――――疑問点が無いようでしたら、拠点の選択を開始してください。開始までの残り時間は<二時間四十五分>となっております」
「了解したわ。これから拠点を決めさせてもらうわね」
「かしこまりました。お決まりになりましたら私まで知らせてください」
そうアリアさんに返事をしたシステマは一歩後ろへ下がって目を瞑った。
「さあ、拠点の場所を決めましょうか」
「転移水晶は使えないみたいだし、どこでもいいんじゃないかな?」
シエラ・・・いいわけ無いだろう?
それくらい僕でも分かるのに。
「・・・それで、私たちは少数精鋭のギルドよ」
「素直に、えり好みし過ぎるせいで人数が少な『アスト?』と・・・すんません」
いかん、完全に藪蛇だった。
これではシエラのことを笑えないではないか。
寧ろシエラに笑われるまである。
・・・なんかムカついてきた。
「シエラって物凄く馬鹿っぽい見た目してるよな」
「なんでなんの前触れも無くディスられてるのっ!?」
むしゃくしゃしてやった。
割と反省も後悔もしていない。
それはさておき。
「・・・だから、できるだけ敵に囲まれない位置取りが必要よ」
まあ、簡単に言えばそういうことだ。
他のギルドからのウチへのスタンスは、大きく分けて二つ。
強敵である故に積極的の攻勢に出るor無視して他のギルドへ旗を奪いに行く。
自分たちとしては防御に飽和に飽和して攻められないという状況にはなってほしくない。そのため後者になってくれた方がありがたい。
だから、攻め辛い拠点を選ぶことが重要だ。
でも、そう思っても私情で突っかかってくるギルドが居そうだよなぁ・・・。
それから僕たちは十五分程全員で悩んで、拠点を選択したのだった。
「続いて、先程の説明にもあった<ギルドフラッグ>について説明いたします」
システマの説明が始まると、青い旗と赤い旗の二つが出現。
彼女は青を右手で、赤を左手で、それぞれ棒の部分を掴み取った。
「こちらの青い旗がウェザリアの<ギルドフラッグ>。
こちらの赤い旗が敵対ギルドの<ギルドフラッグ>です。
すなわち、自分たち以外のフラッグは全て赤く見えるということです」
ほう・・・これは何気に重要なことなのではないか?
だって、ミレアが難しい顔をしているから。
・・・冗談はさておき、自分でも考えよう。
今の説明が重要だと仮定すると・・・どういう可能性があるんだ?
自分たちのフラッグ以外、全て赤く見える。
それはつまり・・・・・・見分けがつかないということ。
例えば、Aというギルドが上位に居て、僕たちはそこのポイントを減らしたいと仮定する。
まんまとフラッグを奪ったはいいが、途中で他の旗を持ったギルド員と交戦して、旗が混ざってしまったらどうなるのか。
その場合は、どちらが標的のフラッグか分からなくなってしまうということ。
「システマ、その旗は収納可能なのか?」
「いえ。敵味方問わず、大会システムへ収納することは不可能です個人戦同様に、事前に指定したアイテムの出し入れが可能なだけですので」
「そういえば回復アイテムはどうなるのかな?」
「ギルド戦において回復は、一部例外を除いて禁止となっております」
一部例外を除いて、というと・・・大会専用アイテムなら回復可能なのか。
確か、アイテムボックスにAP回復とMP回復が一つずつあったはず。
それで、だ。
フラッグが収納不可ということは、奪ったものを奪われる可能性もあるな。
その辺はもう少し詳しく聞かないと分からないか。
丁度説明が再開されるようだし、耳を傾けよう。
「そして、この赤いフラッグは自陣に持ち帰ってから三十分が経過するとポイントになります。逆に、奪われた青いフラッグは敵陣に持ち込まれてから三十分で消滅し、喪失ポイントが加算されると同時に元の場所へ再出現します」
「自陣というのはどの範囲を指すのかしら?」
「今回において自陣とは、城周囲も含めた拠点エリア内部、という意味になります。なお、該当範囲には青い線が引かれますので、間違えることはないでしょう」
「・・・ありがとう。つまり、範囲内ならどこに敵の旗があってもいい訳ね」
例えば、僕が赤い旗を持って該当エリア内をうろついててもいい訳だ。
拠点の広さにもよるが、そういう戦法もアリだな。
しかしそうなると、旗を敵陣に持って行かれた場合、取り戻すのは困難か。
「あの、自分たちのフラッグを設置する場所は決まっているのでしょうか・・・?」
「いえ、それについてはギルド内で相談して決めてください。自陣内であればどこに設置してあっても構いません」
「そうですか。では、なるべく分かり辛いところに設置した方が良さそうですね」
そう言いつつ僕の方に微笑みかけてくるレイン。
不味い、不意打ちだったせいで心臓が五月蠅くなってきた・・・。
はぁ・・・相変わらず天使だな、レインは。
いや、以前にも増して天使のようになった気がする。
多分、幸せに当てられた僕の錯覚なのだろうけど。
「では、最後に諸注意の方を。
一つ、攻城戦の開始は正午から二十時までの八時間。
二つ、期間中は時間が三倍加速されますので、実質二十四時間になります。
三つ、ログアウト休憩は自由ですが、その間も時間は経過するのでご注意を。
四つ、自陣内に居れば自動回復速度が上昇しますので、是非ご利用ください。
五つ、HPを全損した方たちはこちらで転送を行いますのでご了承ください」
三倍加速か。
個人戦の時はそんなもの無かったので今回が初導入だな。
注意すべきは、五分ログアウトしたら試合会場では十五分経過している点か。
休憩は必要だし、ある程度は事前にローテーションを組んだ方が良いかね?
「――――疑問点が無いようでしたら、拠点の選択を開始してください。開始までの残り時間は<二時間四十五分>となっております」
「了解したわ。これから拠点を決めさせてもらうわね」
「かしこまりました。お決まりになりましたら私まで知らせてください」
そうアリアさんに返事をしたシステマは一歩後ろへ下がって目を瞑った。
「さあ、拠点の場所を決めましょうか」
「転移水晶は使えないみたいだし、どこでもいいんじゃないかな?」
シエラ・・・いいわけ無いだろう?
それくらい僕でも分かるのに。
「・・・それで、私たちは少数精鋭のギルドよ」
「素直に、えり好みし過ぎるせいで人数が少な『アスト?』と・・・すんません」
いかん、完全に藪蛇だった。
これではシエラのことを笑えないではないか。
寧ろシエラに笑われるまである。
・・・なんかムカついてきた。
「シエラって物凄く馬鹿っぽい見た目してるよな」
「なんでなんの前触れも無くディスられてるのっ!?」
むしゃくしゃしてやった。
割と反省も後悔もしていない。
それはさておき。
「・・・だから、できるだけ敵に囲まれない位置取りが必要よ」
まあ、簡単に言えばそういうことだ。
他のギルドからのウチへのスタンスは、大きく分けて二つ。
強敵である故に積極的の攻勢に出るor無視して他のギルドへ旗を奪いに行く。
自分たちとしては防御に飽和に飽和して攻められないという状況にはなってほしくない。そのため後者になってくれた方がありがたい。
だから、攻め辛い拠点を選ぶことが重要だ。
でも、そう思っても私情で突っかかってくるギルドが居そうだよなぁ・・・。
それから僕たちは十五分程全員で悩んで、拠点を選択したのだった。
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