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4章
224 決勝戦 VS ミレア 前編1
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『いよいよこの時がやってまいりました!闘技大会個人戦、その決勝戦!
万を超える参加者の中からこの舞台に勝ち上がってきたのは・・・この二人!』
システマがそこまで喋ったところで、係員にサインを出され、舞台に入場する。
『まずはこの人! 多彩な戦闘方にて数多の敵を打ち倒し、全てに勝ってきた男!
この決勝戦も見事勝利で飾れるのか!? 『【瞬刻の戦神】アスト』選手っ!!』
舞台に乗って、端っこから少し進んだ場所で止まる。
何気に細かい指示を出されたので、ちょっと驚きだよ・・・。
僕の入場が終わると、次はミレアの入場が始まる。
『対するはこの人! 既知か未知かを問わず、幾多もの魔法を使いこなす女!
此度も超弩級魔法で敵を叩きつぶすのか!?『【虹の賢者】ミレア』選手っ!!』
ミレアが観客に手を振りながら入場してきた。
相変わらず、どこに出しても恥ずかしくない妹だ。
だがシステマよ、何故そんな不吉なことを言うのか・・・。
割と冗談になっていないんだが?
ミレアも定位置について、選手の入場は終了。
『そしてそして、驚く事無かれ!この二人、何と同じギルド《ウェザリア》所属!
本来は手を取り合って戦う仲間が、この決勝戦という舞台で激突する熱い展開!
果たしてどちらの選手に勝利の女神が微笑むのか!嫌が応にも盛り上がります!』
『いやぁ、今回のイベントは大成功です。観客の反応からもそれがよく分かります。
成功の一役を担ってくれた二人には、開発室を代表して最大限の感謝を捧げます。
どちらが勝つにせよ、悔いが残らないように、精一杯戦ってください・・・!!』
何やらシステマとエフエスタが熱いんだが・・・。
ついでに観客席の盛り上がりも凄いことになっている。
あちこちから声援が飛び、僕やミレアの名前を呼ぶ声が聞こえてくる。
ミレアに応援が傾くかと思いきや、意外と僕も人気らしい。
驚きではあるが、純粋に嬉しいものがあるな、これは。
僕は剣を取り出して、構える。
ミレアは杖を取り出して構える。
・・・ミレア、いつになく真剣な表情だな。
『それでは、個人戦最後となる開始宣言をしたいと思います。
両者、準備が終わったようですので・・・・・・個人戦決勝、開始っ!!』
試合が始まった。
予選でも思ったが、この開始直後は一、二を争うくらいに重要な箇所になる。
僕の切り札、加速Lv10アーツ『オーバーアクセル』はAPを全快時の50%消費する大技だ。『瞬刻の戦神』の称号効果たるAP消費半減があっても、一度の試合で使えるのは最大で四回だろう。
自動回復1.2倍が無ければ、実質三回までになっていたと思われる。
そのたった四回しか使えない切り札を、最初の一手で・・・切る!!
「『オーバーアクセル』っ!」
「『複合詠唱』っ!」
お互いにアナザースキルの切り札たるアーツを使用。
どう転んでも、最初はこの展開にしかならないのは分かっていた。
さもなくば、その時点で流れを完全に握られ、勝ち目が潰えてしまうのだから。
限界を超えて加速し、ミレアに迫りつつ光速へと達する。
ミレアは・・・目が合った。
やはりこちらを認識しているな。
極限まで加速した時の中で、僕は先程身につけたばかりの<固有武技>使用。
「―――<固有魔法>『ギガグラビトン・メテオ』っっ!!」
「―――<固有武技>『フォトン・エンドロール』っっ!!」
ミレアが制止したまま魔法を放ち、僕はそれを迎撃することになる。
僕に向けて、赤熱した巨大隕石が迫り・・・・・・
ガッキィィィィィンンッ!!
・・・物理法則を超越した斬撃で、隕石を真っ二つに切り裂いた。
隕石は二つに分かたれた状態で舞台に直撃し、前回同様に舞台を大破させた。
ミレアは自分の魔法なのでダメージを受けず、僕は激突の余波を光速で回避。
体感時間で十秒が経過し、アーツが終了。
初手は痛み分けということで、一度仕切り直しか。
『い、一体何が起こったのでしょうかっ!!試合が始まったかと思えば、次の瞬間には舞台が消滅しましたっ!!エフエスタさんっ、どういうことなのでしょう!?』
『私にもさっぱりですね。途轍もない力が瞬く間にぶつかり合ったということしか分かりませんでした・・・!』
一息ついたからか、システマとエフエスタの声が頭に入ってきた。
その数秒後、思いの外早く、土煙が晴れた。
『おおおっ!? 舞台は無くなれど両者無傷!何という激戦なのでしょうかっ!』
『あの二人は人間をやめていますねぇ。いえ、VRの申し子と言うべきでしょうか』
VRの申し子、ね・・・。
合っているような、いないような・・・。
まあいいか、試合再開だ。
ミレアを見ると、MPが残り四分の三くらいになっている。
僕のAPも同様に四分の三。
そういえば、久しく解析していなかったな。
一度確認してみよう。
万を超える参加者の中からこの舞台に勝ち上がってきたのは・・・この二人!』
システマがそこまで喋ったところで、係員にサインを出され、舞台に入場する。
『まずはこの人! 多彩な戦闘方にて数多の敵を打ち倒し、全てに勝ってきた男!
この決勝戦も見事勝利で飾れるのか!? 『【瞬刻の戦神】アスト』選手っ!!』
舞台に乗って、端っこから少し進んだ場所で止まる。
何気に細かい指示を出されたので、ちょっと驚きだよ・・・。
僕の入場が終わると、次はミレアの入場が始まる。
『対するはこの人! 既知か未知かを問わず、幾多もの魔法を使いこなす女!
此度も超弩級魔法で敵を叩きつぶすのか!?『【虹の賢者】ミレア』選手っ!!』
ミレアが観客に手を振りながら入場してきた。
相変わらず、どこに出しても恥ずかしくない妹だ。
だがシステマよ、何故そんな不吉なことを言うのか・・・。
割と冗談になっていないんだが?
ミレアも定位置について、選手の入場は終了。
『そしてそして、驚く事無かれ!この二人、何と同じギルド《ウェザリア》所属!
本来は手を取り合って戦う仲間が、この決勝戦という舞台で激突する熱い展開!
果たしてどちらの選手に勝利の女神が微笑むのか!嫌が応にも盛り上がります!』
『いやぁ、今回のイベントは大成功です。観客の反応からもそれがよく分かります。
成功の一役を担ってくれた二人には、開発室を代表して最大限の感謝を捧げます。
どちらが勝つにせよ、悔いが残らないように、精一杯戦ってください・・・!!』
何やらシステマとエフエスタが熱いんだが・・・。
ついでに観客席の盛り上がりも凄いことになっている。
あちこちから声援が飛び、僕やミレアの名前を呼ぶ声が聞こえてくる。
ミレアに応援が傾くかと思いきや、意外と僕も人気らしい。
驚きではあるが、純粋に嬉しいものがあるな、これは。
僕は剣を取り出して、構える。
ミレアは杖を取り出して構える。
・・・ミレア、いつになく真剣な表情だな。
『それでは、個人戦最後となる開始宣言をしたいと思います。
両者、準備が終わったようですので・・・・・・個人戦決勝、開始っ!!』
試合が始まった。
予選でも思ったが、この開始直後は一、二を争うくらいに重要な箇所になる。
僕の切り札、加速Lv10アーツ『オーバーアクセル』はAPを全快時の50%消費する大技だ。『瞬刻の戦神』の称号効果たるAP消費半減があっても、一度の試合で使えるのは最大で四回だろう。
自動回復1.2倍が無ければ、実質三回までになっていたと思われる。
そのたった四回しか使えない切り札を、最初の一手で・・・切る!!
「『オーバーアクセル』っ!」
「『複合詠唱』っ!」
お互いにアナザースキルの切り札たるアーツを使用。
どう転んでも、最初はこの展開にしかならないのは分かっていた。
さもなくば、その時点で流れを完全に握られ、勝ち目が潰えてしまうのだから。
限界を超えて加速し、ミレアに迫りつつ光速へと達する。
ミレアは・・・目が合った。
やはりこちらを認識しているな。
極限まで加速した時の中で、僕は先程身につけたばかりの<固有武技>使用。
「―――<固有魔法>『ギガグラビトン・メテオ』っっ!!」
「―――<固有武技>『フォトン・エンドロール』っっ!!」
ミレアが制止したまま魔法を放ち、僕はそれを迎撃することになる。
僕に向けて、赤熱した巨大隕石が迫り・・・・・・
ガッキィィィィィンンッ!!
・・・物理法則を超越した斬撃で、隕石を真っ二つに切り裂いた。
隕石は二つに分かたれた状態で舞台に直撃し、前回同様に舞台を大破させた。
ミレアは自分の魔法なのでダメージを受けず、僕は激突の余波を光速で回避。
体感時間で十秒が経過し、アーツが終了。
初手は痛み分けということで、一度仕切り直しか。
『い、一体何が起こったのでしょうかっ!!試合が始まったかと思えば、次の瞬間には舞台が消滅しましたっ!!エフエスタさんっ、どういうことなのでしょう!?』
『私にもさっぱりですね。途轍もない力が瞬く間にぶつかり合ったということしか分かりませんでした・・・!』
一息ついたからか、システマとエフエスタの声が頭に入ってきた。
その数秒後、思いの外早く、土煙が晴れた。
『おおおっ!? 舞台は無くなれど両者無傷!何という激戦なのでしょうかっ!』
『あの二人は人間をやめていますねぇ。いえ、VRの申し子と言うべきでしょうか』
VRの申し子、ね・・・。
合っているような、いないような・・・。
まあいいか、試合再開だ。
ミレアを見ると、MPが残り四分の三くらいになっている。
僕のAPも同様に四分の三。
そういえば、久しく解析していなかったな。
一度確認してみよう。
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