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4章
220 準決勝 VS サクラ 前編
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『時間になりましたので始めましょう!準決勝第二試合、対戦カードはこちら!』
予選二位 『【瞬刻の戦神】アスト』 《ウェザリア》
VS
予選十一位『【大自然の旋律】サクラ』 《桜花絢爛》
『サクラ選手は準々決勝で予選三位のフラン選手に大逆転勝利を収めて準決勝!
対するアスト選手は、予選七位のリュウガ選手を圧倒しての準決勝進出!
その実力は拮抗していると思われますが・・・果たして勝負の行方はっ!!』
目線の先に立つサクラは・・・相変わらずほわんほわんしてるな。
なんというか、戦意がそがれていくのを感じる。
これでフランに勝っているのだから驚きだ。
それ以前に戦っていたら、絶対に油断して痛い目をみていただろう。
ある意味、フランに救われた結果か。
『それでは、準決勝第二試合・・・開始ですっ!!』
試合が始まって直ぐ、サクラが横笛で曲を奏で始めた。
CMなどで聞いたことがある、落ち着いた曲調だ。
「では、いきますね?『速縛の旋律・第一章』!」
「っ・・・速度低下のデバフか。実際に喰らってみると、キツイな・・・」
デバフのアイコンが表示され、平均速力が一割減になっている。
これの重ね掛けが厄介なのだ。
非常に体が重く感じられ、いつも通りにパフォーマンスが出来ない。
些細なミスから大打撃を喰らいかねないな・・・。
とりあえず、待っていても勝てないのだから、ひたすらに攻める!
手加減は一切なしだ!
「『エンドレスステップ』『ブラックステップ』
『トリプルダッシュ』『ハイドウォーク』!」
「壁を作りましょうかね・・・。『ロックウォール』です~」
笛を吹きながら喋るって、どんなやり方してるんだよ・・・。
壁の横から回り込むと、そこにサクラが・・・居ないっ!?
「続きまして、『攻縛の旋律・第一章』です。どうぞお聞きください~」
いつの間にか壁の上に居るし!
というか、聞いている暇なんて・・・ああ、物理攻撃力と魔法攻撃力が一割減に。
この即効性は反則じゃないか・・・?
いや、待て。多分これこそが彼女のアナザースキルなのだ。
言うならば・・・アナザースキル「音感」といったところか?
試合前、楽器演奏についてアリアさんに調べてもらったのだが、これが意外なことにネタ武器扱いだった。
なんでも、ただ吹くだけでは碌に効果が出ないのだとか。
恐らくだが、音に対する理解が高ければ高いほど、効果速度と効果の大きさが高くなるのだと思われる。
つまり、サクラのアナザースキル「音感」は、音への適性が最大値になるのでは、ということだ。
もしかしたら、彼女には違ったように世界が見えているのかもしれない。
・・・ちょっと興味があるな。
僕も壁の上に飛び乗って・・・はあっ!?
飛び乗る前にサクラが壁から反対側に飛び降りた!?
何故にアドバンテージを自分から捨てるんだ・・・!?
「続きまして~『守縛の旋律・第一章』です~」
「うげっ・・・今度は物理防御力と魔法防御力か・・・」
もたもたしていられないのだが、どうにもペースが乱されていけない。
フローリアやフランはこれにやられたのだろう。
彼女は、勝利を目指してこそいるが、そこに拘ってはいない。
ただ純粋に、この時間を我が儘に楽しんでいる。
だからこそ、突拍子もない行動に思えてしまうのだ。
「『シャドウムーブ』」
影移動で壁を隔てていたサクラの背後に移動。
そして攻撃・・・ではなく問いかけ。
「なあサクラ、君には世界がどんな風に見えているんだ?」
「世界は・・・音ですね」
「へぇ、そうなのか。もっと詳しく知りたいところだが時間が無いな。またの機会に聞かせてくれ」
「はい~。いつでもお教えしますよ~?」
ふむ・・・音、か。
僕には分からない感覚だが・・・頭で考えずに戦ってみるか。
多分、それが一番の近道だ。
「続きまして~っ、『クレイボール』です~!」
何も考えずに、持っている【精霊の剣】を投げたところ、旋律の使用を中止させることに成功した。
サクラは驚いた顔をしていたが・・・今はとても嬉しそうだ。
なるほど、これでいいのか。
少しだけではあるが、見えてきた気がする。
イメージは・・・流れに身を任せる感じだ。
「『フィフススローイング』『フォーススローイング』!」
灼銀獅子のナイフを計十八本、空へと放り投げた。
「いくぞ?『シャドウムーブ』『トリニティ・ロード』!」
「いきますよ~?『呪撃の旋律』!」
僕の攻撃は通常ヒットに終わり、サクラは新たな旋律を使用。
HPバーがジリジリと減り始めた。
これでいい。
この調子でやれば、問題は無い。
「あはっ・・・リズムを変えますから、ちゃんとついてきてくださいね~?」
「望むところだ。僕も精一杯楽しませてもらうとするよ」
予選二位 『【瞬刻の戦神】アスト』 《ウェザリア》
VS
予選十一位『【大自然の旋律】サクラ』 《桜花絢爛》
『サクラ選手は準々決勝で予選三位のフラン選手に大逆転勝利を収めて準決勝!
対するアスト選手は、予選七位のリュウガ選手を圧倒しての準決勝進出!
その実力は拮抗していると思われますが・・・果たして勝負の行方はっ!!』
目線の先に立つサクラは・・・相変わらずほわんほわんしてるな。
なんというか、戦意がそがれていくのを感じる。
これでフランに勝っているのだから驚きだ。
それ以前に戦っていたら、絶対に油断して痛い目をみていただろう。
ある意味、フランに救われた結果か。
『それでは、準決勝第二試合・・・開始ですっ!!』
試合が始まって直ぐ、サクラが横笛で曲を奏で始めた。
CMなどで聞いたことがある、落ち着いた曲調だ。
「では、いきますね?『速縛の旋律・第一章』!」
「っ・・・速度低下のデバフか。実際に喰らってみると、キツイな・・・」
デバフのアイコンが表示され、平均速力が一割減になっている。
これの重ね掛けが厄介なのだ。
非常に体が重く感じられ、いつも通りにパフォーマンスが出来ない。
些細なミスから大打撃を喰らいかねないな・・・。
とりあえず、待っていても勝てないのだから、ひたすらに攻める!
手加減は一切なしだ!
「『エンドレスステップ』『ブラックステップ』
『トリプルダッシュ』『ハイドウォーク』!」
「壁を作りましょうかね・・・。『ロックウォール』です~」
笛を吹きながら喋るって、どんなやり方してるんだよ・・・。
壁の横から回り込むと、そこにサクラが・・・居ないっ!?
「続きまして、『攻縛の旋律・第一章』です。どうぞお聞きください~」
いつの間にか壁の上に居るし!
というか、聞いている暇なんて・・・ああ、物理攻撃力と魔法攻撃力が一割減に。
この即効性は反則じゃないか・・・?
いや、待て。多分これこそが彼女のアナザースキルなのだ。
言うならば・・・アナザースキル「音感」といったところか?
試合前、楽器演奏についてアリアさんに調べてもらったのだが、これが意外なことにネタ武器扱いだった。
なんでも、ただ吹くだけでは碌に効果が出ないのだとか。
恐らくだが、音に対する理解が高ければ高いほど、効果速度と効果の大きさが高くなるのだと思われる。
つまり、サクラのアナザースキル「音感」は、音への適性が最大値になるのでは、ということだ。
もしかしたら、彼女には違ったように世界が見えているのかもしれない。
・・・ちょっと興味があるな。
僕も壁の上に飛び乗って・・・はあっ!?
飛び乗る前にサクラが壁から反対側に飛び降りた!?
何故にアドバンテージを自分から捨てるんだ・・・!?
「続きまして~『守縛の旋律・第一章』です~」
「うげっ・・・今度は物理防御力と魔法防御力か・・・」
もたもたしていられないのだが、どうにもペースが乱されていけない。
フローリアやフランはこれにやられたのだろう。
彼女は、勝利を目指してこそいるが、そこに拘ってはいない。
ただ純粋に、この時間を我が儘に楽しんでいる。
だからこそ、突拍子もない行動に思えてしまうのだ。
「『シャドウムーブ』」
影移動で壁を隔てていたサクラの背後に移動。
そして攻撃・・・ではなく問いかけ。
「なあサクラ、君には世界がどんな風に見えているんだ?」
「世界は・・・音ですね」
「へぇ、そうなのか。もっと詳しく知りたいところだが時間が無いな。またの機会に聞かせてくれ」
「はい~。いつでもお教えしますよ~?」
ふむ・・・音、か。
僕には分からない感覚だが・・・頭で考えずに戦ってみるか。
多分、それが一番の近道だ。
「続きまして~っ、『クレイボール』です~!」
何も考えずに、持っている【精霊の剣】を投げたところ、旋律の使用を中止させることに成功した。
サクラは驚いた顔をしていたが・・・今はとても嬉しそうだ。
なるほど、これでいいのか。
少しだけではあるが、見えてきた気がする。
イメージは・・・流れに身を任せる感じだ。
「『フィフススローイング』『フォーススローイング』!」
灼銀獅子のナイフを計十八本、空へと放り投げた。
「いくぞ?『シャドウムーブ』『トリニティ・ロード』!」
「いきますよ~?『呪撃の旋律』!」
僕の攻撃は通常ヒットに終わり、サクラは新たな旋律を使用。
HPバーがジリジリと減り始めた。
これでいい。
この調子でやれば、問題は無い。
「あはっ・・・リズムを変えますから、ちゃんとついてきてくださいね~?」
「望むところだ。僕も精一杯楽しませてもらうとするよ」
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