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4章
216 運営公認の報復行為
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《熟練度が一定に達し【上級槍術】スキルがLv13になりました》
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv20になりました》
《【魔力隠蔽】スキルが最高値になりました》
《【魔力遮断】スキルが派生しました》
《熟練度が一定に達し【連携】スキルがLv11になりました》
《熟練度が一定に達し【疾風】スキルがLv7になりました》
《熟練度が一定に達し【鷹の目】スキルがLv20になりました》
《【鷹の目】スキルが最高値になりました》
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv8になりました》
《準々決勝に勝利してスキルポイントを4獲得しました》
『・・・はっ!? け、決着! 勝者、『【瞬刻の戦神】アスト』選手っ!!
余りにも情け容赦ない連続攻撃に、リュウガ選手は手も足も出ませんでした!
というか物凄く怖いです! なのに不思議と格好良く見えてしまいますっ!!』
『システマによる最後の評価は置いておくにしても、素晴らしい連続技でしたね。
あれだけ多彩なアーツを当然のように流れるが如く繋げるさまは、圧巻の一言。
ここまでの試合ではその強さをあまり見られませんでしたが、流石は優勝候補!』
二人のコメントの後、静まり返った観客席から拍手と歓声が鳴り響いた。
もっと受けが悪いかと思っていたのだが、意外と普通・・・?
というか、前の二試合よりも声援が大きいような気もする。
中にはリュウガをボコボコにしたことを称賛する声も。
あんな酷い試合を見せたというのにこれとは、余程嫌われてたんだな、アイツ。
『これにて、個人戦ベスト4が出そろいました!
準決勝第一試合、ミレア選手VSフレグランス選手は三十分後に開始します!』
さて、観客席に戻ろうか。
ここからは試合間隔もそれなりに空くし、第一試合はそちらで見られるのだ。
・・・スキル枠が空いたし、新しいスキルでも取得しようかね?
「よっ!アスト兄の鬼畜外道悪魔っ!」
「誰が悪魔だっ!?」
「鬼畜と外道は否定しないのね・・・」
観客席にて、いきなりミレアの揶揄いを喰らった。
アリアさんは疲れたように頭を押さえ、呆れた雰囲気だ。
こっちも意外と普通だな。
「アスト、ナイスだったよ。凄くスカッとした」
「そうそう! あれに懲りたら二度とあんな真似をされないと思うし!」
「お、おう・・・そんなに鬱憤が溜まってたのか・・・」
どう見ても本気の目なので、相当イラついていたらしい。
これ、僕が見てないところでもいろいろあったんじゃないか?
でないと、ミアの満面の笑みは説明がつかん。
「ミアって、笑うと意外と・・・・・・普通だな」
「普通って何!? いつもは普通ではないとでも!?」
いつもが普通だと思っているのか?
だとしたら酷い勘違いもあったものだ。
・・・見る人によっては威圧されてると勘違いするような表情なんだぞ?
「あの・・・私としては、アストさんにペナルティが無いか心配で・・・!」
「それなら大丈夫だから安心してくれ。間違いなく運営からお咎めは入らない」
「何故そう言い切れるのかしら?」
レインが心配そうに見ているが、特に僕を嫌いになってはいないらしい。
一番不安だった部分なので心底安堵する。
アリアさんの問いの答えは・・・まあ簡単だ。
「だってGMコールをした時、自力解決を推奨、となってましたよね? なら、どんな手段で迷惑行為への制裁をしようが、運営は感知しない、ということです」
「それって屁理屈ではないかしら・・・?」
「屁理屈ではありませんよ。現にペナルティは無いですから」
大体がして、降参の意思を見せていたリュウガが降参にならなかったのだ。
それ自体がまずおかしい。
たとえ口をきけずとも、意志を示せば降参が認められるはずだ。
共闘ペナルティと同じだな。
つまり、あの制裁は運営公認ということだ。
僕だってリュウガの口を潰したのは、観客に聞かせない為だし。
特殊なスタンスではあるが、妙にリアルなことだ。
それにしても、だ。
ウェザリアには信用のおける者しか入れない仕組みである。
しかし、決して根っからの善人が集まっている訳では無さそうだ。
普通はあの行いを非難するものだからな。
善人であることと信頼できることは必ずしも同一しないということか。
一体アリアさんやレインはどうやって判別しているんだろうか。
「それにしても、これで二人とも準決勝進出だねぇ!」
「シエラはボコボコにされて一回戦負けしたけどねっ!」
「ちょっ!?それをいま言うの!?相手がアストなんだから仕方ないじゃん!!」
シエラとミレアがやんややんやと騒いでいる。
ふと横を見ると、レインと視線が交錯した。
・・・優しく微笑まれてしまった。
「やっぱりレインは天使だな・・・」
「アストさんっ!揶揄うのはやめてくださいっ!!」
「いや、本気で言ってるんだが?」
「ふえっ!? そ、それなら・・・いいですけど」
良いんかいっ!
でもそれなら否のあろうはずもない。
これからは誰憚ることなく正直に言うとしよう。
もじもじして恥ずかしそうなレインが可愛い。
頬が赤くなっていないか手を当ててさりげなく確認する姿がまた・・・。
「今ならレインが如何に天使かについて論文を書ける気がする」
「そんな論文は書かないでくださいっ! 怒りますよっ!?」
「ちなみに、ミアはどうあがいても天使ではないな」
「誰もそんなこと聞いてないけど!?」
まあ何にせよ、ウェザリアに入って良かった。
皆の様子に微笑んでいるアリアさんを眺めながら、心からそう思ったのだった。
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv20になりました》
《【魔力隠蔽】スキルが最高値になりました》
《【魔力遮断】スキルが派生しました》
《熟練度が一定に達し【連携】スキルがLv11になりました》
《熟練度が一定に達し【疾風】スキルがLv7になりました》
《熟練度が一定に達し【鷹の目】スキルがLv20になりました》
《【鷹の目】スキルが最高値になりました》
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv8になりました》
《準々決勝に勝利してスキルポイントを4獲得しました》
『・・・はっ!? け、決着! 勝者、『【瞬刻の戦神】アスト』選手っ!!
余りにも情け容赦ない連続攻撃に、リュウガ選手は手も足も出ませんでした!
というか物凄く怖いです! なのに不思議と格好良く見えてしまいますっ!!』
『システマによる最後の評価は置いておくにしても、素晴らしい連続技でしたね。
あれだけ多彩なアーツを当然のように流れるが如く繋げるさまは、圧巻の一言。
ここまでの試合ではその強さをあまり見られませんでしたが、流石は優勝候補!』
二人のコメントの後、静まり返った観客席から拍手と歓声が鳴り響いた。
もっと受けが悪いかと思っていたのだが、意外と普通・・・?
というか、前の二試合よりも声援が大きいような気もする。
中にはリュウガをボコボコにしたことを称賛する声も。
あんな酷い試合を見せたというのにこれとは、余程嫌われてたんだな、アイツ。
『これにて、個人戦ベスト4が出そろいました!
準決勝第一試合、ミレア選手VSフレグランス選手は三十分後に開始します!』
さて、観客席に戻ろうか。
ここからは試合間隔もそれなりに空くし、第一試合はそちらで見られるのだ。
・・・スキル枠が空いたし、新しいスキルでも取得しようかね?
「よっ!アスト兄の鬼畜外道悪魔っ!」
「誰が悪魔だっ!?」
「鬼畜と外道は否定しないのね・・・」
観客席にて、いきなりミレアの揶揄いを喰らった。
アリアさんは疲れたように頭を押さえ、呆れた雰囲気だ。
こっちも意外と普通だな。
「アスト、ナイスだったよ。凄くスカッとした」
「そうそう! あれに懲りたら二度とあんな真似をされないと思うし!」
「お、おう・・・そんなに鬱憤が溜まってたのか・・・」
どう見ても本気の目なので、相当イラついていたらしい。
これ、僕が見てないところでもいろいろあったんじゃないか?
でないと、ミアの満面の笑みは説明がつかん。
「ミアって、笑うと意外と・・・・・・普通だな」
「普通って何!? いつもは普通ではないとでも!?」
いつもが普通だと思っているのか?
だとしたら酷い勘違いもあったものだ。
・・・見る人によっては威圧されてると勘違いするような表情なんだぞ?
「あの・・・私としては、アストさんにペナルティが無いか心配で・・・!」
「それなら大丈夫だから安心してくれ。間違いなく運営からお咎めは入らない」
「何故そう言い切れるのかしら?」
レインが心配そうに見ているが、特に僕を嫌いになってはいないらしい。
一番不安だった部分なので心底安堵する。
アリアさんの問いの答えは・・・まあ簡単だ。
「だってGMコールをした時、自力解決を推奨、となってましたよね? なら、どんな手段で迷惑行為への制裁をしようが、運営は感知しない、ということです」
「それって屁理屈ではないかしら・・・?」
「屁理屈ではありませんよ。現にペナルティは無いですから」
大体がして、降参の意思を見せていたリュウガが降参にならなかったのだ。
それ自体がまずおかしい。
たとえ口をきけずとも、意志を示せば降参が認められるはずだ。
共闘ペナルティと同じだな。
つまり、あの制裁は運営公認ということだ。
僕だってリュウガの口を潰したのは、観客に聞かせない為だし。
特殊なスタンスではあるが、妙にリアルなことだ。
それにしても、だ。
ウェザリアには信用のおける者しか入れない仕組みである。
しかし、決して根っからの善人が集まっている訳では無さそうだ。
普通はあの行いを非難するものだからな。
善人であることと信頼できることは必ずしも同一しないということか。
一体アリアさんやレインはどうやって判別しているんだろうか。
「それにしても、これで二人とも準決勝進出だねぇ!」
「シエラはボコボコにされて一回戦負けしたけどねっ!」
「ちょっ!?それをいま言うの!?相手がアストなんだから仕方ないじゃん!!」
シエラとミレアがやんややんやと騒いでいる。
ふと横を見ると、レインと視線が交錯した。
・・・優しく微笑まれてしまった。
「やっぱりレインは天使だな・・・」
「アストさんっ!揶揄うのはやめてくださいっ!!」
「いや、本気で言ってるんだが?」
「ふえっ!? そ、それなら・・・いいですけど」
良いんかいっ!
でもそれなら否のあろうはずもない。
これからは誰憚ることなく正直に言うとしよう。
もじもじして恥ずかしそうなレインが可愛い。
頬が赤くなっていないか手を当ててさりげなく確認する姿がまた・・・。
「今ならレインが如何に天使かについて論文を書ける気がする」
「そんな論文は書かないでくださいっ! 怒りますよっ!?」
「ちなみに、ミアはどうあがいても天使ではないな」
「誰もそんなこと聞いてないけど!?」
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