異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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4章

215 準々決勝 VS リュウガ

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 試合が始まり、僕とリュウガは臨戦態勢に入った。


「ふん、上手く妨害は切り抜けたようだが、俺の圧倒的強さの前に貴様が屈する未来は変わらん!」

「・・・・・・。」

「竜人は初期能力値が通常の1.5倍で成長率も同じ。俺の能力はレベル50相当に達しているのだからな!」


 何だコイツ。
 しかめっ面をしたかと思いきや、いきなり語りだした。


「貴様はプレイヤー中最高レベルのようだが、真の最高レベルは俺様だっ!」


 いや、それは違うんじゃないか?
 仮にそうだとしても、だったらどうしたというのか。

 あ、一応解析しておこう。



 名前 リュウガ

 種族 竜人 Lv25
 第一職業 上級格闘士 Lv3
 第二職業 上級剣士 Lv2
 第三職業 上級拳士 Lv1



 見た目の通り、魔法の無い脳筋系だった。


「だというのに貴様は、俺が手に入れるはずだった栄誉を横から掠め取った!断じて許すわけにはいかん!俺様が直々にこの場で制裁を加えてやろう!」


 駄目だ。段々と理解できる範疇を越え始めた。
 言わんとするところは分かるが、どう考えても的外れな言い分だ、多分。

 ・・・もう始めていいかい?


「貴様とミレアとかいうガキには多くの団員を殲滅された!此度はその復讐もさせてもらうっ!!」

「いや、それは大会のルールだろ?それに、お前らに倒されたプレイヤーの面子はどうなるんだ?」

「そんなことは知ったことではないっ!このままでは我々の面子が丸つぶれだ!」


 コイツ、頭大丈夫か?
 要は、自分は犯罪者になっても許されるが、他の者は許さん、みたいな意味だし。

 方向性は違うがブレイブを思い出して更にムカついた。

 もういいや。無駄な問答はやめて戦闘開始で。


「俺様の偉大さを、しかとその身にきざぐはっ!?」

「やっぱ隙だらけだな。基礎能力値は高いが、それだけだし」


 準備していたシャドウムーブや隠密系スキルを使用しつつ、背後から切り裂いた。
 一度見せた戦法だというのに、予習もしてないのかよ、コイツは。

 能力値的に格下には勝てても、格上相手には手も足もでないタイプだ。

 だからこそ、恵まれた種族の割にレベルが低いのだろう。
 レベルの上がり方は他と同じみたいなのに。

 HPバーは・・・クリティカルの割にあまり削れていないが、ダメージ自体はちゃんと通っている。
 そこだけが懸念だったが、これで負けは無くなったな。


「貴様ぁっ!!不意打ちとは小癪なっ!まあいい、本気になった俺様の速度にはついてこれまいっ!」


 リュウガが高速で移動し始めた。
 確かにかなり速いし、僕より速力は上だろう。

 ただなぁ・・・これは駄目だろう。

 動きが分かりやすい上に、能力値を生かし切れていない。
 レベル50相当と言うには、あまりにも遅い。

 と、いう訳で・・・


「喰らえっ!『パワーインパクト』っ!」

「はいはい。『流水』からの換装・・・『トリニティ・ロード』っ!」

「なにぃぃっ!?俺様の動きが見えているだとぉっ!?」


 見えてはいないが、簡単に予想できるんだよ。
 換装で敵のバランスを崩して懐に潜り込むのは容易かった。


「まだだぁっ!『パワーナックル』!」

「馬鹿の一つ覚えか・・・『流水』『オラクレア・ペンタグラム』!」


 ステップを踏みながらカウンターを喰らわせた。

 クリティカルコンボ9HIT! の文字が躍っている。
 如何にダメージが通り辛くとも。コンボを積めばダメージは増えていく。
 これでどうやって負けろというのか。

 ・・・途轍もなく退屈だ。さっさと終わらせよう。


「舐めやがってぇぇっ!喰らえ、パワーイン『ブレイズブラスト』がああっ!?」


 リュウガの顔に、超至近距離から火焔魔法を炸裂させた。
 闘技大会中は痛覚設定固定だし、かなり痛いだろうな。ざまあ。


「『ブラックステップ』『フィフススローイング』
 『スラスト』『ダブルスラスト』『トリプルスラスト』
 『スラッシュ』『ダブルスラッシュ』『トリプルスラッシュ』
 『パワースラスト』『パワースラッシュ』『トリニティ・ロード』
 『ファントムクリエイト』『ファントムペイン』『ファントムリバース』」

「ぐはっ、げはっ、がはっ・・・!?
 や、やめっ・・・ぎゃはっ!?ぶべらばっ・・・!?」


 クリティカルコンボ36HIT!


 顔面のクリティカルポイントを狙って連続攻撃。
 弱いのにダメージが通り辛いので、面白いようにコンボが繋がる。

 なんかちょっと面白くなってきた。
 サンドバッグを殴る人の気持ちが少しわかったかもしれない。
 刺突剣だったら更に面白かったかも。

 人をいたぶって遊ぶ趣味は無いぞ?
 これはただの逆恨みによる復讐なのだ。

 それに、こうすることでウェザリアに舐めた真似をする奴が減るはずだ。

 どれ、もう一丁。


「『トリプルスラッシュ』『トリプルスラスト』『フォーススローイング』
 『パワースラスト』『トリプルスローイング』『トリニティ・ロード』
 『ブレイズブラスト』『オラクレア・ペンタグラム』『フレイムキャノン』」

「やめへくえっ!!こうはんっ!ほうさんするっ!!」


 顔面を狙い続けたら心が折れて降参しそうだったので、口を潰しておいた。
 クリティカルコンボは60HITとなり、リュウガのHPは風前の灯だ。

 VRにおいてレベルやスキルなど外殻に過ぎないというのにな。
 VRMMOの何たるかを分かっていないコイツは徹底的に潰しておこう。
 でないと僕にとって迷惑だ。

 傲慢結構。
 僕、というより僕の一家は大体そんな感じなのだ。


「――――。それじゃ、二度とVRに戻ってこないことを祈ってるぞ」


 最後は何の変哲もない、スキルも何も伴わない蹴りで、倒れ込んでいたリュウガを全力で蹴り飛ばし、そのHPを全損させた。

 はぁ・・・スッキリした。

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