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4章
206 フラン VS ルノア・ヴァイス
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フレグランスが舞台から去り、ようやく歓声が収まった。
彼女が使用したアーツは七つ。
一つ目は・・・短弓術Lv10アーツ『クイックアロー』。
これは矢の速度と弓系アーツの発動を早める効果がある。
二つ目は・・・長弓術Lv10アーツ『リモートアロー』。
弓系アーツを物理的な障害を迂回して目標地点へ届ける効果。
風の物理壁を迂回したのはこれのせいだろう。
三つ目は・・・上級短弓術Lv1アーツ『アブソリュート・ワン』と思われる。
名前と状況からして効果は・・・その次に放つ弓系アーツを必中にするもの。
風の妨害を突き抜けたのは、この必中効果によるものか。
四つ目は・・・中級短弓術Lv10アーツ『アローレイン』。
使用者が認識できる範囲である数の矢を同時に放つアーツ。
フレグランスは百本くらいだったか?
五つ目は・・・上級弓術Lv1アーツ『レイン・ボウ』と思われる。
見た感じでは、直前の弓系アーツを自動で七倍にする効果だ。
これによって矢が七百本に増殖した。
六つ目は・・・中級長弓術Lv10『ブラインドアロー』。
矢の後ろに同威力の隠し矢を自動で生成するアーツだったはず。
これにより、矢の数が千五百本近くに増大した。
最後の七つ目は・・・中級弓術Lv20アーツ『クリティカルスナイプ』。
このアーツで選択した矢は、対象に命中すればクリティカルヒットになる。
最終的なコンボ数は50を余裕で越えていた。
相手がボス級に強ければ、1500コンボになったのだろう。
推測も混じっているが、大きくは外していまい。
今のを防ぐには・・・どうすればいいんだ?
「ミレア、何か対策はあるか?」
「無いと思うよ?強いていうなら、撃たせない事ことと、矢が切れるのを待つこと。それと、土壁の箱にでも閉じこもれば・・・途中までは防げると思うよ?」
「やっぱそんなもんか・・・」
矢が切れるなんてフレグランスも注意しているだろうし、望み薄。
土箱のなかに隠れるのも、そんな短時間で隙間の無い箱を作れるかというと、事前に準備しているミレア以外では無理だろう。
実質、撃たせないようにするしかないということだ。
だが、フレグランスは七つのアーツを僅か数秒で発動させた。
数秒でも彼女を自由にさせたら負けということだ。
あのレベルのプレイヤーを絶えず邪魔し続けることが、どれだけ難しいか。
近接戦はそこまで得意じゃない・・・とも言い切れない。
彼女は短弓も使うのだし、普通に長剣並みのショートレンジで戦える。
能動的に物理で矢を破壊するという手もないではない。
風の物理壁を迂回した以上は、破壊は可能ということだろうから。
しかし、あの数の矢を全て破壊するのは・・・。
「七連続アーツのせいでAPの消費は激しいみたいだけど、受ける側が一度目を防げなければ、それもデメリットにはならんよな・・・」
「そうだよねぇ・・・。私、あれと戦うのかぁ・・・」
さらりとブレイブのことが無視されているが、まあいいか。
何らかの勝算は立ったのかもしれない。
・・・現実逃避でないことを祈ろう。
さて、大画面に表示された次の対戦カードは・・・
予選三位 『【深紅の槍神】フラン』 《無所属》
VS
予選十四位『【雷の先導者】ルノア・ヴァイス』 《桜花絢爛》
と、またまた注目カードだ。
フランについては語るまでもないだろう。赤い戦闘狂だ。
一回戦では《忍者戦隊》のギルマス、サスケというプレイヤーを倒している。
その戦闘動画を見たら・・・うん、忍者だった。
手裏剣とかどこで用意したんだよ。
・・・ちょっと欲しいかも。
ルノア・ヴァイスという女性プレイヤーは、《桜花絢爛》のサブマスター。
金髪でかなりの美人であることが分かる。
顔や体型に大きな変化は加えられないし、リアルでもかなり美人なのだろうな。
一回戦では、ギルド《金色の翼》のギルドマスター、ゴールデン英二というプレイヤーに勝利。どこかで見たような名前だな。
戦い方は、雷系魔法を使う魔法剣士。
雷魔法Lv5呪文アーツ『エレキスタン』。
轟雷魔法Lv1呪文アーツ『サンダーフラッシュ』。
これらの魔法で、現在フランの動きを上手く阻害しながら戦っている。
その表情は殆ど動かず、冷静に状況を把握しているのが分かる。
そこらの槍士では彼女に傷一つ付けられないだろう。
だが、相手はあのフランだ。
阻害魔法の重ね掛けで隙が生まれたフランにルノアが剣による刺突を放つ。
確実に決まるはずだったその刺突は・・・フランに紙一重で回避された。
ここで初めて、ルノアの表情が驚愕を表すものに変化した。
まあ普通、今のを回避できるなんて思わないよな・・・。
そこからフランが優勢に戦いを進め、ルノアのHPを削り切った。
ルノアは清々しさの窺える表情でポリゴンの欠片となって爆散した。
フランのHPは五割をギリギリ割り込んだところであった。
『決着っ!勝者『【深紅の槍神】フラン』選手っ!!』
『流石は、神の名が付く称号の持ち主ですね。大変素晴らしい戦いぶりでした。惜しくも敗北してしまったルノア選手も、剣と魔法を上手く噛み合わせた戦い方は非常に美しかった』
うん?エフエスタの言い方からして、神という文字が入った称号は特殊だと?
いや、そこまで深い意味は無いのかもしれないが・・・少し気になる。
まあいいか。そのうち分かるかもしれないし、悩んでも仕方ない。
と、次の試合が始まるか。
確か、こちらも注目の一戦だったな。
彼女が使用したアーツは七つ。
一つ目は・・・短弓術Lv10アーツ『クイックアロー』。
これは矢の速度と弓系アーツの発動を早める効果がある。
二つ目は・・・長弓術Lv10アーツ『リモートアロー』。
弓系アーツを物理的な障害を迂回して目標地点へ届ける効果。
風の物理壁を迂回したのはこれのせいだろう。
三つ目は・・・上級短弓術Lv1アーツ『アブソリュート・ワン』と思われる。
名前と状況からして効果は・・・その次に放つ弓系アーツを必中にするもの。
風の妨害を突き抜けたのは、この必中効果によるものか。
四つ目は・・・中級短弓術Lv10アーツ『アローレイン』。
使用者が認識できる範囲である数の矢を同時に放つアーツ。
フレグランスは百本くらいだったか?
五つ目は・・・上級弓術Lv1アーツ『レイン・ボウ』と思われる。
見た感じでは、直前の弓系アーツを自動で七倍にする効果だ。
これによって矢が七百本に増殖した。
六つ目は・・・中級長弓術Lv10『ブラインドアロー』。
矢の後ろに同威力の隠し矢を自動で生成するアーツだったはず。
これにより、矢の数が千五百本近くに増大した。
最後の七つ目は・・・中級弓術Lv20アーツ『クリティカルスナイプ』。
このアーツで選択した矢は、対象に命中すればクリティカルヒットになる。
最終的なコンボ数は50を余裕で越えていた。
相手がボス級に強ければ、1500コンボになったのだろう。
推測も混じっているが、大きくは外していまい。
今のを防ぐには・・・どうすればいいんだ?
「ミレア、何か対策はあるか?」
「無いと思うよ?強いていうなら、撃たせない事ことと、矢が切れるのを待つこと。それと、土壁の箱にでも閉じこもれば・・・途中までは防げると思うよ?」
「やっぱそんなもんか・・・」
矢が切れるなんてフレグランスも注意しているだろうし、望み薄。
土箱のなかに隠れるのも、そんな短時間で隙間の無い箱を作れるかというと、事前に準備しているミレア以外では無理だろう。
実質、撃たせないようにするしかないということだ。
だが、フレグランスは七つのアーツを僅か数秒で発動させた。
数秒でも彼女を自由にさせたら負けということだ。
あのレベルのプレイヤーを絶えず邪魔し続けることが、どれだけ難しいか。
近接戦はそこまで得意じゃない・・・とも言い切れない。
彼女は短弓も使うのだし、普通に長剣並みのショートレンジで戦える。
能動的に物理で矢を破壊するという手もないではない。
風の物理壁を迂回した以上は、破壊は可能ということだろうから。
しかし、あの数の矢を全て破壊するのは・・・。
「七連続アーツのせいでAPの消費は激しいみたいだけど、受ける側が一度目を防げなければ、それもデメリットにはならんよな・・・」
「そうだよねぇ・・・。私、あれと戦うのかぁ・・・」
さらりとブレイブのことが無視されているが、まあいいか。
何らかの勝算は立ったのかもしれない。
・・・現実逃避でないことを祈ろう。
さて、大画面に表示された次の対戦カードは・・・
予選三位 『【深紅の槍神】フラン』 《無所属》
VS
予選十四位『【雷の先導者】ルノア・ヴァイス』 《桜花絢爛》
と、またまた注目カードだ。
フランについては語るまでもないだろう。赤い戦闘狂だ。
一回戦では《忍者戦隊》のギルマス、サスケというプレイヤーを倒している。
その戦闘動画を見たら・・・うん、忍者だった。
手裏剣とかどこで用意したんだよ。
・・・ちょっと欲しいかも。
ルノア・ヴァイスという女性プレイヤーは、《桜花絢爛》のサブマスター。
金髪でかなりの美人であることが分かる。
顔や体型に大きな変化は加えられないし、リアルでもかなり美人なのだろうな。
一回戦では、ギルド《金色の翼》のギルドマスター、ゴールデン英二というプレイヤーに勝利。どこかで見たような名前だな。
戦い方は、雷系魔法を使う魔法剣士。
雷魔法Lv5呪文アーツ『エレキスタン』。
轟雷魔法Lv1呪文アーツ『サンダーフラッシュ』。
これらの魔法で、現在フランの動きを上手く阻害しながら戦っている。
その表情は殆ど動かず、冷静に状況を把握しているのが分かる。
そこらの槍士では彼女に傷一つ付けられないだろう。
だが、相手はあのフランだ。
阻害魔法の重ね掛けで隙が生まれたフランにルノアが剣による刺突を放つ。
確実に決まるはずだったその刺突は・・・フランに紙一重で回避された。
ここで初めて、ルノアの表情が驚愕を表すものに変化した。
まあ普通、今のを回避できるなんて思わないよな・・・。
そこからフランが優勢に戦いを進め、ルノアのHPを削り切った。
ルノアは清々しさの窺える表情でポリゴンの欠片となって爆散した。
フランのHPは五割をギリギリ割り込んだところであった。
『決着っ!勝者『【深紅の槍神】フラン』選手っ!!』
『流石は、神の名が付く称号の持ち主ですね。大変素晴らしい戦いぶりでした。惜しくも敗北してしまったルノア選手も、剣と魔法を上手く噛み合わせた戦い方は非常に美しかった』
うん?エフエスタの言い方からして、神という文字が入った称号は特殊だと?
いや、そこまで深い意味は無いのかもしれないが・・・少し気になる。
まあいいか。そのうち分かるかもしれないし、悩んでも仕方ない。
と、次の試合が始まるか。
確か、こちらも注目の一戦だったな。
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