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4章
200 妨害突破と控室
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目の前で通行止めをしている五十人ほどの男たち。
そのアイコンから《龍の咆哮》メンバーだというのはまるわかりだ。
しかし、通行止めによる妨害とはまた・・・大それた行動に出たものだな。
街中での戦闘行為は禁止されている。
故に、道を完全に塞いでいるこいつらを武力で退かすことは不可能。
となると・・・
「どうする?回り道する?」
「シエラ、それは無駄だと思うわ。人数的に、他の道にも陣取っていそうよ」
ま、そうだよな。
ウェザリアから闘技場までの道なら限られてるし、人員を割いて全ての道に配置していてもおかしくない。寧ろそれが自然だ。
「で、でしたら、GMコールをすれば・・・!」
「もうしたわよ?自力解決を推奨、だそうだけれど」
うーん・・・これも闘技大会のうちということなのかもしれない。
何も舞台上だけが戦いの場ではないのだ。
だがら、迷惑な話ではあるのだが、一概に非難するのもな・・・。
アリアさんは眉根を寄せている。
この状況を打開するいい考えが思いつかないようだ。
「ミレア、いけるか?」
「自分だけなら!だから、シエラはよろしくねっ!」
「了解、と」
「え?何?何の話してるの、二人とも?」
シエラはよく分かっていないようだが、問題は無い。
それでは失礼して・・・シエラを脇に抱える。
「ちょっ、なっ、この状況で何してるのアストっ!? ていうか、恥ずかしいから降ろしてっ!!」
「はいはい。口を閉じないと舌を噛むぞ? それと、ハラスメントコードは起動しないでくれるとありがたい。アリアさん、お先に失礼します」
「・・・ええ、分かったわ。試合、頑張って頂戴ね」
「はいはーい!」
アリアさんは僕とミレアのやろうとしていることを理解してくれたようだ。
まあ、馬鹿正直に妨害されてやるつもりなどないということで。
僕は、空中機動Lv1アーツ『二段ジャンプ』を使用して屋根に飛び乗った。
ミレアは風で空中移動して、同じく屋根の上に。
「それじゃ、無駄な妨害ご苦労様~」
「さらばっ!」
「ちょっ、まさかこれって・・・!」
呆然とする《龍の咆哮》を煽りつつ、建物の屋根を飛び移って移動を開始。
「・・・なっ、てめぇら待ちやがれっ!!」
「待てと言われて待つのは、レインに呼ばれたアスト兄だけだよっ!」
「おい!僕がチョロイみたいな言い方はやめろっ!」
「キャアアアアアアアッ!!」
ミレアが更に煽りつつ、その場を離脱。
土台、ファンタジー世界で完全な通行止めなんて不可能なのだよ。
シエラが五月蠅いが、大目に見てやろう。
「クソッ!団長直々の命令だってのにっ!!」
ふむふむ、首謀者は団長のリュウガとかいう男、と。
心のメモに書き加えておこう。
△△△
アストたちが去った後。
「はぁ・・・シエラさんが羨ましいです・・・」
「レイン・・・あなた、相当重傷よ?」
「うぃ。早くくっつけばいいのに」
などという会話があったとかなんとか。
▽▽▽
闘技場に到着。
時間は割とギリギリだが、まあよかろう。
「アストっ!!目が回るかと思ったよ!!
大体、スカートの女性をあんな風に脇に抱えるのはどうかと思うんだけど!?」
「そういうのはシステム的に保護されているから大丈夫なはずだぞ?」
「そういう問題じゃなーいっっ!!」
そんなこと言われても、シエラは跳べないんだから仕方なくやったのだ。
文句を言われる筋合いはない・・・こともないか。
主に女性としての尊厳的に。
少なくとも、誰かがレインに同じ真似をしようものなら、そいつをボコボコにしてやりたくなるのは間違いないだろう。
だがまあ、実際は態度ほど怒っているわけではなさそうだ。
言わば・・・親愛表現みたいな感じか?
本気で怒っているならハラスメントコードを起動しているはずだ。
ちなみにその場合、シエラは一回戦で不戦勝になる。
確実に勝てる手を使わないとは、何だかんだで甘くて優しい奴だよな。
「さて、各々の控室へ行こうか」
「はーい!」
「アスト、話はまだ終わってないよっ!
こうなったら、試合でボコボコに・・・・・・何、その温かい目は!?」
僕とミレアの温かい目に気づいたようだ。
何というか・・・小さな子供を見守るかのような視線をしていたと思う。
「さ、時間だ時間。早く行かないと遅れるぞ?シエラの控室は一番遠いんだし」
「あっ、やばっ!? せめて、一矢報いてみせるからっ!」
シエラはそう啖呵を切って、控室へと走っていった。
「と、ミレアの相手は闇鍋御膳だったな。油断して負けるなよ?」
「大丈夫っ!光で殲滅してくるよっ!」
「お前のその多彩さはどこから来るんだよ・・・」
「秘密だよっ! それじゃあアスト兄、また後でね!」
ミレアも自分の控室へ走っていった。
闇鍋御膳の実力はあまり知らないけど、ミレアなら大丈夫だろう。
・・・フラグ?
いやいや・・・そんなまさか、な?
控室で寛いでいると、係員の人に呼ばれた。
時間も九時五分前なので、もう始まるのだろう。
僕は係員の案内に従って、舞台へ向かうのだった。
そのアイコンから《龍の咆哮》メンバーだというのはまるわかりだ。
しかし、通行止めによる妨害とはまた・・・大それた行動に出たものだな。
街中での戦闘行為は禁止されている。
故に、道を完全に塞いでいるこいつらを武力で退かすことは不可能。
となると・・・
「どうする?回り道する?」
「シエラ、それは無駄だと思うわ。人数的に、他の道にも陣取っていそうよ」
ま、そうだよな。
ウェザリアから闘技場までの道なら限られてるし、人員を割いて全ての道に配置していてもおかしくない。寧ろそれが自然だ。
「で、でしたら、GMコールをすれば・・・!」
「もうしたわよ?自力解決を推奨、だそうだけれど」
うーん・・・これも闘技大会のうちということなのかもしれない。
何も舞台上だけが戦いの場ではないのだ。
だがら、迷惑な話ではあるのだが、一概に非難するのもな・・・。
アリアさんは眉根を寄せている。
この状況を打開するいい考えが思いつかないようだ。
「ミレア、いけるか?」
「自分だけなら!だから、シエラはよろしくねっ!」
「了解、と」
「え?何?何の話してるの、二人とも?」
シエラはよく分かっていないようだが、問題は無い。
それでは失礼して・・・シエラを脇に抱える。
「ちょっ、なっ、この状況で何してるのアストっ!? ていうか、恥ずかしいから降ろしてっ!!」
「はいはい。口を閉じないと舌を噛むぞ? それと、ハラスメントコードは起動しないでくれるとありがたい。アリアさん、お先に失礼します」
「・・・ええ、分かったわ。試合、頑張って頂戴ね」
「はいはーい!」
アリアさんは僕とミレアのやろうとしていることを理解してくれたようだ。
まあ、馬鹿正直に妨害されてやるつもりなどないということで。
僕は、空中機動Lv1アーツ『二段ジャンプ』を使用して屋根に飛び乗った。
ミレアは風で空中移動して、同じく屋根の上に。
「それじゃ、無駄な妨害ご苦労様~」
「さらばっ!」
「ちょっ、まさかこれって・・・!」
呆然とする《龍の咆哮》を煽りつつ、建物の屋根を飛び移って移動を開始。
「・・・なっ、てめぇら待ちやがれっ!!」
「待てと言われて待つのは、レインに呼ばれたアスト兄だけだよっ!」
「おい!僕がチョロイみたいな言い方はやめろっ!」
「キャアアアアアアアッ!!」
ミレアが更に煽りつつ、その場を離脱。
土台、ファンタジー世界で完全な通行止めなんて不可能なのだよ。
シエラが五月蠅いが、大目に見てやろう。
「クソッ!団長直々の命令だってのにっ!!」
ふむふむ、首謀者は団長のリュウガとかいう男、と。
心のメモに書き加えておこう。
△△△
アストたちが去った後。
「はぁ・・・シエラさんが羨ましいです・・・」
「レイン・・・あなた、相当重傷よ?」
「うぃ。早くくっつけばいいのに」
などという会話があったとかなんとか。
▽▽▽
闘技場に到着。
時間は割とギリギリだが、まあよかろう。
「アストっ!!目が回るかと思ったよ!!
大体、スカートの女性をあんな風に脇に抱えるのはどうかと思うんだけど!?」
「そういうのはシステム的に保護されているから大丈夫なはずだぞ?」
「そういう問題じゃなーいっっ!!」
そんなこと言われても、シエラは跳べないんだから仕方なくやったのだ。
文句を言われる筋合いはない・・・こともないか。
主に女性としての尊厳的に。
少なくとも、誰かがレインに同じ真似をしようものなら、そいつをボコボコにしてやりたくなるのは間違いないだろう。
だがまあ、実際は態度ほど怒っているわけではなさそうだ。
言わば・・・親愛表現みたいな感じか?
本気で怒っているならハラスメントコードを起動しているはずだ。
ちなみにその場合、シエラは一回戦で不戦勝になる。
確実に勝てる手を使わないとは、何だかんだで甘くて優しい奴だよな。
「さて、各々の控室へ行こうか」
「はーい!」
「アスト、話はまだ終わってないよっ!
こうなったら、試合でボコボコに・・・・・・何、その温かい目は!?」
僕とミレアの温かい目に気づいたようだ。
何というか・・・小さな子供を見守るかのような視線をしていたと思う。
「さ、時間だ時間。早く行かないと遅れるぞ?シエラの控室は一番遠いんだし」
「あっ、やばっ!? せめて、一矢報いてみせるからっ!」
シエラはそう啖呵を切って、控室へと走っていった。
「と、ミレアの相手は闇鍋御膳だったな。油断して負けるなよ?」
「大丈夫っ!光で殲滅してくるよっ!」
「お前のその多彩さはどこから来るんだよ・・・」
「秘密だよっ! それじゃあアスト兄、また後でね!」
ミレアも自分の控室へ走っていった。
闇鍋御膳の実力はあまり知らないけど、ミレアなら大丈夫だろう。
・・・フラグ?
いやいや・・・そんなまさか、な?
控室で寛いでいると、係員の人に呼ばれた。
時間も九時五分前なので、もう始まるのだろう。
僕は係員の案内に従って、舞台へ向かうのだった。
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