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4章
196 決勝進出の祝勝会
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「残念! 私の冒険はここで終わってしまった!」
「・・・いきなり何を言ってんの?」
元の場所に戻ってくるなり、シエラが項垂れてそんなことを言い出した。
戻ってきたのが同時なのは運営が時間を弄った結果だろうけど、何故項垂れるし。
・・・元々痛い子だったっけか?
「だってだって!一回戦の相手がアストなんだよ!?勝てる訳ないじゃん!!」
「ああ・・・そういうことか」
「えへへへ・・・。だから、なにとぞ手加減のほどを・・・ね?」
ふむ・・・そういうことなら答えは決まっている。
「残念! シエラ の 冒険 は ここ で 終わって しまった!」
「うわあああああんっ!?」
よりそれっぽく言ってやった。
シエラはその場で倒れ伏して泣き始めたのだった。
めでたしめでたし。
「・・・アスト、少しお話があるのだけれど?主に予選中のことで、ね?」
「・・・ハイ」
ちっともめでたくなかった。
アリアさんの笑顔が滅茶苦茶怖いデス。
「ですから、止めを刺したのはミレアですよ?」
「それは分かってるわ。別に倒されたこと自体はいいの。そういうルールなのだから。私が言いたいのは、何故あんなジワジワと追い詰める真似をしたのかということよ」
「そんなつもりは無かったんですけど・・・」
嘘ではないぞ?
確実を期すために追い込んだというだけで。
普通に近づければそんなことをせずとも不意打ちで仕留めたんだがな・・・。
「笑顔の貴方ににじり寄られるのがどれだけ心臓に悪かったか理解できるかしら?」
「はい。僕も今経験している最中なので、とてもよく分かります」
あ、今の発言は駄目なやつだ。
アリアさんの頬が引きつり始めた。
このままでは不味い!何かフォローをしなくては・・・!
「アリアさん、いつものクールキャラが壊れかけてますよ?」
「っ・・・!?」
お、上手くいったみたいだ。
アリアさんの顔が能面みたいになって・・・・・・あれ?
「アスト・・・レインに接触禁止令を出すわよ?」
「すみませんでしたっ!!」
これだからアリアさんには頭が上がらないんだよ・・・。
レインの為にしか使わない発言だから、非難もできないし。
事情はどうあれ僕が悪かったのだから謝るべきだった。
あれをレインにやっていたら嫌われていたかもしれないのだから。
反省しなくてはな・・・。
「話も終わったところで・・・ちょっとした祝勝会でもやろうかしらね?」
「あ、賛成です・・・!アストさんとミレア、シエラのお祝いをしましょう!」
「うぃ。私も賛成だよ」
ということで、アリアさんの鶴の一声で簡単な祝勝会が行われることに。
まだ予選が終わっただけなので、本当に簡単にだ。
それ自体はいいのだが・・・大事なことを忘れてないか?
「アリアさん、祝勝会用の料理は僕以外に作れるんですか?」
「・・・・・・あ」
うん。誰も料理スキル取得してないからな。
僕のお祝いでもあるのに僕が料理を作るとは・・・何だかなぁ。
ま、シエラとミレアを祝うということで、勘弁してやろう。
【ポテトフライ】料理アイテム レア度3
空腹度-30% 物理防御力+3 品質9
オークの油で揚げられたポテトフライ。
食事後三時間、物理防御力が上昇する。
【オーク肉の唐揚げ】料理アイテム レア度3
空腹度-40% 物理攻撃力+3 品質9
下味がつけられたオーク肉の唐揚げ。
食事後四時間、物理攻撃力が上昇する。
【カラードリンク】料理アイテム レア度2
空腹度-20% 魔法攻撃力+2 品質9
カラーポーションを応用した各種ドリンク。
様々な味のドリンクが一通り揃っている。
食事後二時間、魔法攻撃力が上昇する。
適当に用意した料理をみんなでパクつきつつ、予選の話になっていく。
主に、みんながどのように過ごしていたのかなどが中心だ。
僕としても非常に気になるところだ。
特にミレアが何をやらかしてあんな撃破数になったのか、とか。
レインがどこで敗退してしまったのか、とか。
「――――と、私の幸運はそこまでで、その後アストに見つかって、ミレアと挟まれたわ。呆れるほど酷い不運よね・・・」
「その状況になったら逃げきれる人なんて居ないに等しいですね・・・」
「全くだよ・・・。私は最後まで幸運に恵まれて生き残れたんだねぇ・・・」
アリアさんがちらちらこちらを見ながら話を終えた。
本当に弱いプレイヤーとしか遭遇せず、このままならいけるかも?
そう思った時の僕による襲撃だったらしい。
ご愁傷さまです。
「ミアはどうだったの?」
「うぃ?私は、早い段階で乱戦に巻き込まれて、その中の一人にやられたよ」
「何か地味だな」
「うるさいアストっ!」
だって、本当に地味な退場の仕方だったから・・・。
アリアさんの話の後だったからか、余計にそう聞こえてしまうのだよ。
「それで、どんな人にやられたの?」
「黒髪の片手剣使い、だと思う。あっという間にやられちゃった」
「・・・おい、こっちを見るな!僕じゃないぞ!?」
確かに髪のベースは黒だけども!
「確か、《花鳥風月》のマークがあったと思う」
「ああ・・・それってレイヴンじゃないか?そりゃあ強いわけだ」
「知ってるの、アスト?」
「知ってるも何も、そいつと戦ったし。アレに初見で対応するのは難しいだろうな」
頭の中に浮かぶのは、黒髪で中性的な容姿を持つ女性プレイヤー。
短剣と片手剣、大剣の剣系武器三種を操る凄腕だった。
あの剣系アーツのコンボには凄まじいセンスと努力を感じられたぞ。
「でもアスト兄、勝ったんだよね?」
「ああ。予選で戦った中では一、二を争う強さだったが、なんとか」
「ダメージは喰らったの?」
「いや?ノーダメージ、というか、戦闘自体が十秒くらいで終わったし」
・・・おい。何故そんな呆れた顔になるんだ。
加速してたんだからしょうがないだろう!?
あ、シエラが改めて絶望的な表情になった。
「シエラ、顔が絶望的だぞ?」
「その言い方はおかしいよね!?言わんとするところは分かるけどさっ!!」
「・・・いきなり何を言ってんの?」
元の場所に戻ってくるなり、シエラが項垂れてそんなことを言い出した。
戻ってきたのが同時なのは運営が時間を弄った結果だろうけど、何故項垂れるし。
・・・元々痛い子だったっけか?
「だってだって!一回戦の相手がアストなんだよ!?勝てる訳ないじゃん!!」
「ああ・・・そういうことか」
「えへへへ・・・。だから、なにとぞ手加減のほどを・・・ね?」
ふむ・・・そういうことなら答えは決まっている。
「残念! シエラ の 冒険 は ここ で 終わって しまった!」
「うわあああああんっ!?」
よりそれっぽく言ってやった。
シエラはその場で倒れ伏して泣き始めたのだった。
めでたしめでたし。
「・・・アスト、少しお話があるのだけれど?主に予選中のことで、ね?」
「・・・ハイ」
ちっともめでたくなかった。
アリアさんの笑顔が滅茶苦茶怖いデス。
「ですから、止めを刺したのはミレアですよ?」
「それは分かってるわ。別に倒されたこと自体はいいの。そういうルールなのだから。私が言いたいのは、何故あんなジワジワと追い詰める真似をしたのかということよ」
「そんなつもりは無かったんですけど・・・」
嘘ではないぞ?
確実を期すために追い込んだというだけで。
普通に近づければそんなことをせずとも不意打ちで仕留めたんだがな・・・。
「笑顔の貴方ににじり寄られるのがどれだけ心臓に悪かったか理解できるかしら?」
「はい。僕も今経験している最中なので、とてもよく分かります」
あ、今の発言は駄目なやつだ。
アリアさんの頬が引きつり始めた。
このままでは不味い!何かフォローをしなくては・・・!
「アリアさん、いつものクールキャラが壊れかけてますよ?」
「っ・・・!?」
お、上手くいったみたいだ。
アリアさんの顔が能面みたいになって・・・・・・あれ?
「アスト・・・レインに接触禁止令を出すわよ?」
「すみませんでしたっ!!」
これだからアリアさんには頭が上がらないんだよ・・・。
レインの為にしか使わない発言だから、非難もできないし。
事情はどうあれ僕が悪かったのだから謝るべきだった。
あれをレインにやっていたら嫌われていたかもしれないのだから。
反省しなくてはな・・・。
「話も終わったところで・・・ちょっとした祝勝会でもやろうかしらね?」
「あ、賛成です・・・!アストさんとミレア、シエラのお祝いをしましょう!」
「うぃ。私も賛成だよ」
ということで、アリアさんの鶴の一声で簡単な祝勝会が行われることに。
まだ予選が終わっただけなので、本当に簡単にだ。
それ自体はいいのだが・・・大事なことを忘れてないか?
「アリアさん、祝勝会用の料理は僕以外に作れるんですか?」
「・・・・・・あ」
うん。誰も料理スキル取得してないからな。
僕のお祝いでもあるのに僕が料理を作るとは・・・何だかなぁ。
ま、シエラとミレアを祝うということで、勘弁してやろう。
【ポテトフライ】料理アイテム レア度3
空腹度-30% 物理防御力+3 品質9
オークの油で揚げられたポテトフライ。
食事後三時間、物理防御力が上昇する。
【オーク肉の唐揚げ】料理アイテム レア度3
空腹度-40% 物理攻撃力+3 品質9
下味がつけられたオーク肉の唐揚げ。
食事後四時間、物理攻撃力が上昇する。
【カラードリンク】料理アイテム レア度2
空腹度-20% 魔法攻撃力+2 品質9
カラーポーションを応用した各種ドリンク。
様々な味のドリンクが一通り揃っている。
食事後二時間、魔法攻撃力が上昇する。
適当に用意した料理をみんなでパクつきつつ、予選の話になっていく。
主に、みんながどのように過ごしていたのかなどが中心だ。
僕としても非常に気になるところだ。
特にミレアが何をやらかしてあんな撃破数になったのか、とか。
レインがどこで敗退してしまったのか、とか。
「――――と、私の幸運はそこまでで、その後アストに見つかって、ミレアと挟まれたわ。呆れるほど酷い不運よね・・・」
「その状況になったら逃げきれる人なんて居ないに等しいですね・・・」
「全くだよ・・・。私は最後まで幸運に恵まれて生き残れたんだねぇ・・・」
アリアさんがちらちらこちらを見ながら話を終えた。
本当に弱いプレイヤーとしか遭遇せず、このままならいけるかも?
そう思った時の僕による襲撃だったらしい。
ご愁傷さまです。
「ミアはどうだったの?」
「うぃ?私は、早い段階で乱戦に巻き込まれて、その中の一人にやられたよ」
「何か地味だな」
「うるさいアストっ!」
だって、本当に地味な退場の仕方だったから・・・。
アリアさんの話の後だったからか、余計にそう聞こえてしまうのだよ。
「それで、どんな人にやられたの?」
「黒髪の片手剣使い、だと思う。あっという間にやられちゃった」
「・・・おい、こっちを見るな!僕じゃないぞ!?」
確かに髪のベースは黒だけども!
「確か、《花鳥風月》のマークがあったと思う」
「ああ・・・それってレイヴンじゃないか?そりゃあ強いわけだ」
「知ってるの、アスト?」
「知ってるも何も、そいつと戦ったし。アレに初見で対応するのは難しいだろうな」
頭の中に浮かぶのは、黒髪で中性的な容姿を持つ女性プレイヤー。
短剣と片手剣、大剣の剣系武器三種を操る凄腕だった。
あの剣系アーツのコンボには凄まじいセンスと努力を感じられたぞ。
「でもアスト兄、勝ったんだよね?」
「ああ。予選で戦った中では一、二を争う強さだったが、なんとか」
「ダメージは喰らったの?」
「いや?ノーダメージ、というか、戦闘自体が十秒くらいで終わったし」
・・・おい。何故そんな呆れた顔になるんだ。
加速してたんだからしょうがないだろう!?
あ、シエラが改めて絶望的な表情になった。
「シエラ、顔が絶望的だぞ?」
「その言い方はおかしいよね!?言わんとするところは分かるけどさっ!!」
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