異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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4章

191 VS《花鳥風月》幹部 レイヴン

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 撃破人数ランキングを見て、思わず噴き出してしまった。
 それだけ、そこに載っていた内容が驚愕に値するものだったのだ。

 具体的には、こんな感じだ。

 ・【撃破人数ランキング】
  一位 〖ミレア〗 479人
  二位 〖アスト〗 384人
  三位 〖フラン〗 265人


 ミレアどんだけ撃破してんだ!?
 僕だって手なんて抜いてないはずなのに、百人近く差がついているぞ!?

 被ダメージこそ三位になっていたが、総合ランキングではトップ。
 一体どんな戦い方したんだよ・・・。

 って、早く次の敵を探さないと、ミレアに持っていかれる!
 ええい、仕方ない。今回は質よりも量だ!
 覚えたばかりの【気配制御】と【気配感知】を使用する。

 ・・・あっちに弱い集団が固まっているな。
 では、行こうか。









《第三職業が〖舞闘家Lv10〗になりました》
《熟練度が一定に達し【疾風】スキルがLv6になりました》
《熟練度が一定に達し【超反応】スキルがLv3になりました》
《熟練度が一定に達し【鷹の目】スキルがLv5になりました》


 ふぅ。いまので四百二十五人目だな。
 熟練度的にはショボいが、そこは妥協しなければ。

 エリアはかなり縮小され、半径五百メートルの円形くらいの大きさだ。
 そのため、プレイヤーとの遭遇率はかなり高い。
 障害物は沢山あるので、そこまで人が多いという感じはしないのだが。


「さて、これで一対一だな。結構強いみたいだが、そのギルドマークは・・・」

「うちのギルドは《花鳥風月》って言うっすよ。自分はそこのサブマスターっす」

「・・・その口調、素か?」

「放っておいてほしいっす! 変なのは自覚してるっすから!」


 どうやら素のようだ。
 絶滅危惧種並みに珍しいんじゃないか?


「ふむ・・・珍しいモノは狩りたくなるのが性というものだ。諦めてくれ」

「色々間違ってないっすか!?」


 知らんな。時間も無いのでさっさとやろう。


「ところで、あんたのそのHP、回復した状態っすよね・・・?」

「ん?まだ回復アイテムは一度も使っていないが?」

「・・・化け物っすか」


 失敬な。そういうお前だって半分以上HPが残っているじゃないか。
 そういえば、こいつの名前は・・・。



 名前 レイヴン

 種族 人間 Lv25
 第一職業 上級剣士 Lv1
 第二職業 中級短剣士 Lv17
 第三職業 中級大剣士 Lv15

 
 いくつか注目するところはあるが、一番気になるのは、やはりあれだろう。


「・・・男?」

「失敬な!?こう見えて自分は女っすよ!」


 だって、中性的な見た目だし、名前も男っぽいし。
 勘違いしても仕方あるまい。

 まあいいか。では・・・勝負!

 補助系スキルと隠密系スキルを全て使用し、背後をとる。
 自分の居た場所には幻影を残しておく。


「・・・『イエローステップ』『トリプルスラスト』!」

「んなっ・・・うしろに!?」


 効果音も殆ど無かったので奇襲に気づけなかったようだ。


「『インパクトスラッシュ』っす!」

「今のは大剣術アーツだったか・・・。一撃で三発とも弾くとはな」


 予想外ではあったが、掴んだ流れは手放さない。


「『メガスラッシュ』『リターンスラッシュ』っす!」

「武装換装。『ブルーステップ』『流水』・・・『オラクレア・ペンタグラム』!」

「そんな無茶苦茶な!?」


 ただの剣で大剣二連撃を軽く受け流されて驚愕しているようだ。
 大きいことは一つの強みではあるが、必ず弱点も内包しているものだ。


「これならどうっすか!?
 『エッジブースト』『オラクレア・ペンタグラム』『リターンスラッシュ』!」


 剣の切れ味を上げる、中級短剣術Lv20アーツ『エッジブースト』。
 上級剣術Lv1アーツ『オラクレア・ペンタグラム』。
 直前の剣術系アーツを再現する、大剣術Lv10アーツ『リターンスラッシュ』。

 これらを組み合わせることで、高威力の十連撃が繰り出される。

 なるほど、よく考えられた戦法だ。剣系武器三種使いの強みだな。
 ・・・ちょっと格好良いかも。

 上手く繋げるために相応の才能と努力が必要なのは間違いない。
 魔眼の見立て、濃い青色は間違っていなかった。

 迎撃は途中で無理が出る。
 対策としてベターなのはダメージを最小に抑えることなのだろう。

 ・・・だが、断る。

 加速Lv1アーツ『アクセラレーション』を使用。
 更に、舞闘家Lv10職業アーツ『コネクトステップ』を使用。
 合成するのは、赤、青、黄の三色。
 初の試みだが・・・僕の勘が可能だと言っている。
 

「ふぅ・・・『ブラックステップ』っっ!!」


 加速した感覚の中、迫りくる十連撃を三種ステップの複合で、全て紙一重で回避。
 その上で一歩ずつ確実にレイヴンへ迫る。
 彼女を射程に収めたところで、加速が切れた。


「『トリニティ・ロード』『オラクレア・ペンタグラム』っ!!」

「そんなっ、ぐっ・・・!?」


 大きくHPを減らされてふっ飛ばされたレイヴン。
 地に伏しながらも、目を見開いて驚愕を露わにしている。
 今の攻撃に余程自信があったと見える。
 恐らく、全て回避されるなど、理解の埒外だったのだろう。

 僕も、あの速度のアーツを回避したのは、我ながら凄いと思う。


「いい勝負だったよ。じゃあな、レイヴン」

「くっ・・・次は負けないっすっっ!!」


 どうやらかなりの負けず嫌いだったようだ。
 未だその戦意は衰えていない。次に戦う時が楽しみだな。

 僕は、倒れたまま起き上がれないレイヴンに止めを刺した。


「自分は、花鳥風月の四天王の中でも最弱!」


 おい馬鹿やめろ。
 これで最弱なんて、流石に冗談だろう・・・?






 アストの状況

――――――――――――――――――――――――――――――――
『予選バトルロイヤル開催中!』 <残り五十分>

 ・参加人数 21611人 
 ・残り人数 2688人/21611人

 ・撃破人数 426 与ダメージ 82210 被ダメージ 0

 ・広域マップ確認
 ・回復アイテム使用
 ・ランキング閲覧
 ・―――
――――――――――――――――――――――――――――――――
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