189 / 264
4章
188 VS神聖騎士団
しおりを挟む
ミレアと睨み合いが続く。
初手で優勢に立てるかどうかで、三割くらいは勝負が決まる。
決して失敗できないので、お互い慎重にならざるを得ない。
・・・ミレアのあんな真剣な顔、滅多に見ないぞ。
数分間の睨み合いの末、お互いに初手を――――
『皆さんお久しぶりです。司会進行役のシステマでございます。予選開始から三時間が経過しましたので、十分間かけて大幅にエリアを縮小します!広域マップでご確認ください!』
「「っ!?」」
打とうとしていた初手を取りやめて、マップを確認。
・・・どうやらこの場所も縮小対象のようだ。
「アスト兄!決着はまたいずれ!さらばっ!」
ミレアは不完全ながらも空を駆けて、その場を離脱していった。
正直助かった。
「はぁ・・・僕も移動しよう」
縮小対象エリアから離脱して一息。
改めてマップを確認すると、先程までの半分くらいの大きさになっていた。
ここからさらに戦いが加速する予感。
ミレアとは逆方向に逃げてきたので、しばらくは遭遇しないはずだ。
「ふぅ・・・『パワースローイング』!」
「っ、何ッ!」
隠密しながら忍び寄ってきていたプレイヤーを撃破。
止めは火傷のスリップダメージだった。
次の獲物は・・・六人程固まっているこいつらにしようか。
「パワー、ぐあっ!!」
「全員、あんまり強くはなかったな・・・」
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv2になりました》
ダメージは喰らってないが【城塞】のレベルが上がった。
これ、中々上がらないよな。レベル20上限のスキルなのに。
いや、寧ろこれくらいが普通で他のスキルがおかしいのか?
何となくそんな気がする。
そういえば、この辺りはソフィアの家があったな。
個人住宅は鍵が掛かっていて入れないのだが、ちょっと寄ってみるか。
「・・・鍵が開いてしまった」
家の扉に手を振れたところ、カチャッと開錠音が鳴ったのだ。
確認してみると、扉が開いてしまった、と。
そして玄関にはアイテムが配置されていた。
【親愛の回復薬】回復アイテム レア度7
HPMPAPを50%回復する。品質8
特定の条件を満たした者だけが獲得可能。
イベント以外でも使用に問題は無い。
とんでもないアイテムを手に入れてしまった・・・。
現状ではオーバースペックにも程があるだろうよ、これ。
どうしてこんなものが手に入ったのかは・・・何となく分かるけど。
玄関から内部は侵入不可エリアだったので退散。
どのみちこれ以上中へ入るつもりはなかったけどさ。
「ここの家の扉、開いてる!中を探索だっ!」
「それはご勘弁願おうか。『トリニティ・ロード』ッ!!」
「なっ――――」
土足で上がり込んできた奴を手っ取り早く仕留めた。
人のことを言える立場ではないが、コピーとはいえ無粋に過ぎる。
《プレイヤーを百五十人撃破してスキルポイントを4手に入れました》
家の扉はきちんと閉じて施錠しておいた。
勝手に上がり込んで失礼しました。
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv11になりました》
《熟練度が一定に達し【消音】スキルがLv5になりました》
《熟練度が一定に達し【金剛力】スキルがLv13になりました》
「畜生!これだけの人数で戦って、何故1ポイントもHPを削れないのだっ!?」
「第一に連携不足。第二に個人の技量不足。第三にペナルティを負い過ぎ。
細かい部分を挙げていけばキリが無い程理由はあるが、大体そんなところだ」
最初、二百人ほどの集団を察知したときは何事かと思ったぞ。
闘技場の中から反応があったのだが、乱戦というには戦闘音が無かったからな。
気になって覗いてみたところ、全員が神聖騎士団のメンバーだった。
その段階では共闘ペナルティを負っていなかったが、同じ場所で休憩中という言い訳が通った結果らしい。現在はしっかりHPが減少し続けている。
「クソっ!我々の休息を阻む者に鉄槌を下せえええっ!」
「いや、休憩しようとしてた僕に襲い掛かってきたのはそっちなんだが?」
「汝の罪を裁いてやろうという我々の高潔な目的を理解しないというのか!!」
「うん。欠片も理解出来ん」
話がどうつながっているのかさえ定かではないんだもの。
これを理解できる奴なんて・・・神聖騎士団くらいじゃないか?
・・・あ、こいつらのことだった。
「下手に出ていれば調子にのりおって!奴を神敵に定める!直ちに抹殺せよ!!」
「いつ下手に出たんだよ・・・。てか、神敵って何だし」
「黙って我々に殺されれていればよいのだ!」
「会話するだけ無駄だったな・・・」
というか、会話の間にもHPがガリガリ削れているがいいのか?
二百人ともなれば、毎秒1HP以上減っているように見えるが。
「ペナルティなどとは卑怯な真似をっ!正々堂々戦わんかっ!」
「もう意味わからん・・・」
まともに戦うのも面倒だし、回避一択で。
放っておけばそのうち自滅するだろう。
《プレイヤーを二百五十人撃破してスキルポイントを4獲得しました》
ほらな?言わんこっちゃない。
HPが少なかった奴らからバタバタと倒れていき、あっという間にこれだ。
なんでこいつら、集団として成立してるんだ?
未だにリーダーが誰なのか分からないんだが・・・この中に居るのかね?
アストの状況
――――――――――――――――――――――――――――――――
『予選バトルロイヤル開催中!』 <残り二時間>
・参加人数 21611人
・残り人数 5003人/21611人
・撃破人数 250 与ダメージ 49550 被ダメージ 0
・広域マップ確認
・回復アイテム使用
・ランキング閲覧
・―――
――――――――――――――――――――――――――――――――
初手で優勢に立てるかどうかで、三割くらいは勝負が決まる。
決して失敗できないので、お互い慎重にならざるを得ない。
・・・ミレアのあんな真剣な顔、滅多に見ないぞ。
数分間の睨み合いの末、お互いに初手を――――
『皆さんお久しぶりです。司会進行役のシステマでございます。予選開始から三時間が経過しましたので、十分間かけて大幅にエリアを縮小します!広域マップでご確認ください!』
「「っ!?」」
打とうとしていた初手を取りやめて、マップを確認。
・・・どうやらこの場所も縮小対象のようだ。
「アスト兄!決着はまたいずれ!さらばっ!」
ミレアは不完全ながらも空を駆けて、その場を離脱していった。
正直助かった。
「はぁ・・・僕も移動しよう」
縮小対象エリアから離脱して一息。
改めてマップを確認すると、先程までの半分くらいの大きさになっていた。
ここからさらに戦いが加速する予感。
ミレアとは逆方向に逃げてきたので、しばらくは遭遇しないはずだ。
「ふぅ・・・『パワースローイング』!」
「っ、何ッ!」
隠密しながら忍び寄ってきていたプレイヤーを撃破。
止めは火傷のスリップダメージだった。
次の獲物は・・・六人程固まっているこいつらにしようか。
「パワー、ぐあっ!!」
「全員、あんまり強くはなかったな・・・」
《熟練度が一定に達し【城塞】スキルがLv2になりました》
ダメージは喰らってないが【城塞】のレベルが上がった。
これ、中々上がらないよな。レベル20上限のスキルなのに。
いや、寧ろこれくらいが普通で他のスキルがおかしいのか?
何となくそんな気がする。
そういえば、この辺りはソフィアの家があったな。
個人住宅は鍵が掛かっていて入れないのだが、ちょっと寄ってみるか。
「・・・鍵が開いてしまった」
家の扉に手を振れたところ、カチャッと開錠音が鳴ったのだ。
確認してみると、扉が開いてしまった、と。
そして玄関にはアイテムが配置されていた。
【親愛の回復薬】回復アイテム レア度7
HPMPAPを50%回復する。品質8
特定の条件を満たした者だけが獲得可能。
イベント以外でも使用に問題は無い。
とんでもないアイテムを手に入れてしまった・・・。
現状ではオーバースペックにも程があるだろうよ、これ。
どうしてこんなものが手に入ったのかは・・・何となく分かるけど。
玄関から内部は侵入不可エリアだったので退散。
どのみちこれ以上中へ入るつもりはなかったけどさ。
「ここの家の扉、開いてる!中を探索だっ!」
「それはご勘弁願おうか。『トリニティ・ロード』ッ!!」
「なっ――――」
土足で上がり込んできた奴を手っ取り早く仕留めた。
人のことを言える立場ではないが、コピーとはいえ無粋に過ぎる。
《プレイヤーを百五十人撃破してスキルポイントを4手に入れました》
家の扉はきちんと閉じて施錠しておいた。
勝手に上がり込んで失礼しました。
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv11になりました》
《熟練度が一定に達し【消音】スキルがLv5になりました》
《熟練度が一定に達し【金剛力】スキルがLv13になりました》
「畜生!これだけの人数で戦って、何故1ポイントもHPを削れないのだっ!?」
「第一に連携不足。第二に個人の技量不足。第三にペナルティを負い過ぎ。
細かい部分を挙げていけばキリが無い程理由はあるが、大体そんなところだ」
最初、二百人ほどの集団を察知したときは何事かと思ったぞ。
闘技場の中から反応があったのだが、乱戦というには戦闘音が無かったからな。
気になって覗いてみたところ、全員が神聖騎士団のメンバーだった。
その段階では共闘ペナルティを負っていなかったが、同じ場所で休憩中という言い訳が通った結果らしい。現在はしっかりHPが減少し続けている。
「クソっ!我々の休息を阻む者に鉄槌を下せえええっ!」
「いや、休憩しようとしてた僕に襲い掛かってきたのはそっちなんだが?」
「汝の罪を裁いてやろうという我々の高潔な目的を理解しないというのか!!」
「うん。欠片も理解出来ん」
話がどうつながっているのかさえ定かではないんだもの。
これを理解できる奴なんて・・・神聖騎士団くらいじゃないか?
・・・あ、こいつらのことだった。
「下手に出ていれば調子にのりおって!奴を神敵に定める!直ちに抹殺せよ!!」
「いつ下手に出たんだよ・・・。てか、神敵って何だし」
「黙って我々に殺されれていればよいのだ!」
「会話するだけ無駄だったな・・・」
というか、会話の間にもHPがガリガリ削れているがいいのか?
二百人ともなれば、毎秒1HP以上減っているように見えるが。
「ペナルティなどとは卑怯な真似をっ!正々堂々戦わんかっ!」
「もう意味わからん・・・」
まともに戦うのも面倒だし、回避一択で。
放っておけばそのうち自滅するだろう。
《プレイヤーを二百五十人撃破してスキルポイントを4獲得しました》
ほらな?言わんこっちゃない。
HPが少なかった奴らからバタバタと倒れていき、あっという間にこれだ。
なんでこいつら、集団として成立してるんだ?
未だにリーダーが誰なのか分からないんだが・・・この中に居るのかね?
アストの状況
――――――――――――――――――――――――――――――――
『予選バトルロイヤル開催中!』 <残り二時間>
・参加人数 21611人
・残り人数 5003人/21611人
・撃破人数 250 与ダメージ 49550 被ダメージ 0
・広域マップ確認
・回復アイテム使用
・ランキング閲覧
・―――
――――――――――――――――――――――――――――――――
0
お気に入りに追加
4,949
あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる