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4章
186 逃走と乱戦
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「普通こんな場所から縮小するか!?」
広域マップを確認したところ、現在地はエリア縮小の範囲そのままだった。
というか、すぐ傍の建物が縮小の波に呑まれて消えたので直ぐに理解させられた。
そういう訳で、現在激走中である。
すぐ後ろに縮小の波が迫ってきているのだ。
あれに呑まれたらリタイア扱いは確実だろうな。
「私もそう思いますっ!こんなところから縮小なんておかしいですよねっ!?」
「全くだな。だがブランシュ、現実を見るといい」
「言われずとも、分かっているからこそ全力で走っているのです・・・!」
逃げている途中で遭遇したブランシュが横を並走している。
戦闘していなくとも共闘扱いにならないのは、そんな余裕が無いからだろう。
むむむ?どうにもデジャブった気がするんだが・・・。
「しかし、相変わらず足が速いな・・・」
「はいっ!その代わりに物理攻撃力が初期値のままですがっ!」
それなら納得だ。
レベル的には僕が上なのに、速力は同じくらいなんておかしいと思ったんだ。
と、前方に同じく逃げるプレイヤーたちを発見。
その中の一人は見覚えがあるな。
名前 ディアス
種族 人間 Lv24
第一職業 中級剣士 Lv18
第二職業 中級盾士 Lv18
第三職業 中級小盾士 Lv15
やっぱりディアスじゃないか。
うーむ、またしてもデジャブった気がするぞ・・・?
あ、転んだプレイヤーが一人波に飲み込まれた。
ちょっと興味はあったんだが、どうなるんだろう?
・・・呑み込まれた瞬間、ポリゴンの欠片となって爆散した。南無。
「うむ。いけっ、ディアス!体当たり!」
「するわけないだろおおおおおっ!!」
「しかし、命令を無視されてしまった!」
「当たり前だああっ!あんなのに体当たりしたら死ぬわっ!」
そりゃそうだ。寧ろここで命令に従ったら正気を疑うぞ。
「アスト様っ、この状況で笑わせないでください!お腹が痛いですっ!」
ブランシュが腹部を押さえながら笑いを堪えている。
この状況で笑ってしまったら、体力的に厳しいことになりそうだな。
「いけっ、ディアス!なみのり!」
「波は波でも消滅の波じゃねぇかっ!?」
「ッ!ッッ~~!?」
ブランシュは涙目になりながらも何とか堪えている。もう一息か。
「残念!ディアスは目の前が真っ暗になった!」
「いつの間にか瀕死になった扱い!?」
「っ、くっ、あははははっ・・・!!瀕死にっ、あはははっ・・・!!」
「そこで笑うとか酷くね!?」
ブランシュの走るスピードが少し落ちた。しめしめ。
だが、そこでエリアの縮小が終了。
消滅と崩壊の波は消えてなくなった。惜しかったな。
「斬り捨て御免!」
「うおっ、アスト!?いきなり俺に攻撃かよ!」
「死ねぇぇぇぇぇっ!!」
「俺何か恨まれるようなことしたっけか!?」
何を言っているのか。
誰のせいでフランにつけ狙われたと思っているのだ。
こいつはここで始末してやろう。
決勝トーナメントに残れる実力者だが、構うものか。
周囲には約五十名ほどの、波から逃れてきたプレイヤーの姿がある。
大乱戦の予感・・・。
そう思っていた矢先、その場にいた者たちに矢が降り注いだ。
矢は正確にプレイヤーたちのクリティカルポイントを抉っていく。
何故か僕にだけ飛んでこないけど。
この精度・・・フレグランスか!
生憎とどこにいるのか探している暇は無い。
HPの削れた奴らを仕留めなくては!早い者勝ちだ!
ディアス?あんな奴は放っておけ。
「先手必勝!『ブレイズブラスト』っ!」
さて、何人倒せるかな?
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv8になりました》
《熟練度が一定に達し【疾風】スキルがLv5になりました》
《熟練度が一定に達し【金剛力】スキルがLv11になりました》
「俺は逃げさせてもらう!こんな場所にいられるかぐはっ!?」
死亡フラグみたいなことを言い出したプレイヤーを投擲で仕留めた。
例によって徒党を組まれたので、集団との戦いに突入している。
どうしてペナルティを追ってまでやろうとするのだろうか・・・。
「『シャイニングエクスプロージョン』!」
「くっ、また混乱かよっ!」
「おらっ、『パワースラッシュ』!」
「きゃあっ・・・!『ライトヒール』っ!」
ブランシュは連合に加わらず、個人で戦っている。
後衛回復役だから不利かと思っていたが、そうでもなかった。
機動力と隠密性を生かして上手く戦っているし、ダメージは魔法で回復できる。
これを仕留めるのは容易ではないだろう。
そして、いつの間にかディアスは消えていた。
早いうちに逃げ出したらしい。一体いつの間に。
「うおおおおっ!『ジャイアントパワースラッシュ』だあっ!」
「ちっ、『ブルーステップ』『流水』・・・『パワースラッシュ』っ!」
「何だとおおおっ!?」
男はそう叫んだ後、HPが消滅して、爆散。
連合のリーダー格を仕留めたことで、周囲に動揺が走った。
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【消音】スキルがLv4になりました》
《熟練度が一定に達し【金剛力】スキルがLv12になりました》
《プレイヤーを百人撃破してスキルポイント4を獲得しました》
今のでちょうど百人斬りか。
残りは十三人。
いや、フレグランスの矢で三人やられたので十人。
あれ?いつの間にかブランシュが居ない?
やられたとも思い辛いが・・・ああ、隠密で逃げたのか。いい判断だ。
僕も追いかける余裕は無いしな。
さて、残り十人のうち半分は仕留めたいところだな。
アストの状況
――――――――――――――――――――――――――――――――
『予選バトルロイヤル開催中!』 <残り四時間十分>
・参加人数 21611人
・残り人数 15120人/21611人
・撃破人数 100 与ダメージ 18030 被ダメージ 0
・広域マップ確認
・回復アイテム使用
・ランキング閲覧
・―――
――――――――――――――――――――――――――――――――
広域マップを確認したところ、現在地はエリア縮小の範囲そのままだった。
というか、すぐ傍の建物が縮小の波に呑まれて消えたので直ぐに理解させられた。
そういう訳で、現在激走中である。
すぐ後ろに縮小の波が迫ってきているのだ。
あれに呑まれたらリタイア扱いは確実だろうな。
「私もそう思いますっ!こんなところから縮小なんておかしいですよねっ!?」
「全くだな。だがブランシュ、現実を見るといい」
「言われずとも、分かっているからこそ全力で走っているのです・・・!」
逃げている途中で遭遇したブランシュが横を並走している。
戦闘していなくとも共闘扱いにならないのは、そんな余裕が無いからだろう。
むむむ?どうにもデジャブった気がするんだが・・・。
「しかし、相変わらず足が速いな・・・」
「はいっ!その代わりに物理攻撃力が初期値のままですがっ!」
それなら納得だ。
レベル的には僕が上なのに、速力は同じくらいなんておかしいと思ったんだ。
と、前方に同じく逃げるプレイヤーたちを発見。
その中の一人は見覚えがあるな。
名前 ディアス
種族 人間 Lv24
第一職業 中級剣士 Lv18
第二職業 中級盾士 Lv18
第三職業 中級小盾士 Lv15
やっぱりディアスじゃないか。
うーむ、またしてもデジャブった気がするぞ・・・?
あ、転んだプレイヤーが一人波に飲み込まれた。
ちょっと興味はあったんだが、どうなるんだろう?
・・・呑み込まれた瞬間、ポリゴンの欠片となって爆散した。南無。
「うむ。いけっ、ディアス!体当たり!」
「するわけないだろおおおおおっ!!」
「しかし、命令を無視されてしまった!」
「当たり前だああっ!あんなのに体当たりしたら死ぬわっ!」
そりゃそうだ。寧ろここで命令に従ったら正気を疑うぞ。
「アスト様っ、この状況で笑わせないでください!お腹が痛いですっ!」
ブランシュが腹部を押さえながら笑いを堪えている。
この状況で笑ってしまったら、体力的に厳しいことになりそうだな。
「いけっ、ディアス!なみのり!」
「波は波でも消滅の波じゃねぇかっ!?」
「ッ!ッッ~~!?」
ブランシュは涙目になりながらも何とか堪えている。もう一息か。
「残念!ディアスは目の前が真っ暗になった!」
「いつの間にか瀕死になった扱い!?」
「っ、くっ、あははははっ・・・!!瀕死にっ、あはははっ・・・!!」
「そこで笑うとか酷くね!?」
ブランシュの走るスピードが少し落ちた。しめしめ。
だが、そこでエリアの縮小が終了。
消滅と崩壊の波は消えてなくなった。惜しかったな。
「斬り捨て御免!」
「うおっ、アスト!?いきなり俺に攻撃かよ!」
「死ねぇぇぇぇぇっ!!」
「俺何か恨まれるようなことしたっけか!?」
何を言っているのか。
誰のせいでフランにつけ狙われたと思っているのだ。
こいつはここで始末してやろう。
決勝トーナメントに残れる実力者だが、構うものか。
周囲には約五十名ほどの、波から逃れてきたプレイヤーの姿がある。
大乱戦の予感・・・。
そう思っていた矢先、その場にいた者たちに矢が降り注いだ。
矢は正確にプレイヤーたちのクリティカルポイントを抉っていく。
何故か僕にだけ飛んでこないけど。
この精度・・・フレグランスか!
生憎とどこにいるのか探している暇は無い。
HPの削れた奴らを仕留めなくては!早い者勝ちだ!
ディアス?あんな奴は放っておけ。
「先手必勝!『ブレイズブラスト』っ!」
さて、何人倒せるかな?
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv8になりました》
《熟練度が一定に達し【疾風】スキルがLv5になりました》
《熟練度が一定に達し【金剛力】スキルがLv11になりました》
「俺は逃げさせてもらう!こんな場所にいられるかぐはっ!?」
死亡フラグみたいなことを言い出したプレイヤーを投擲で仕留めた。
例によって徒党を組まれたので、集団との戦いに突入している。
どうしてペナルティを追ってまでやろうとするのだろうか・・・。
「『シャイニングエクスプロージョン』!」
「くっ、また混乱かよっ!」
「おらっ、『パワースラッシュ』!」
「きゃあっ・・・!『ライトヒール』っ!」
ブランシュは連合に加わらず、個人で戦っている。
後衛回復役だから不利かと思っていたが、そうでもなかった。
機動力と隠密性を生かして上手く戦っているし、ダメージは魔法で回復できる。
これを仕留めるのは容易ではないだろう。
そして、いつの間にかディアスは消えていた。
早いうちに逃げ出したらしい。一体いつの間に。
「うおおおおっ!『ジャイアントパワースラッシュ』だあっ!」
「ちっ、『ブルーステップ』『流水』・・・『パワースラッシュ』っ!」
「何だとおおおっ!?」
男はそう叫んだ後、HPが消滅して、爆散。
連合のリーダー格を仕留めたことで、周囲に動揺が走った。
《熟練度が一定に達し【魔力隠蔽】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【消音】スキルがLv4になりました》
《熟練度が一定に達し【金剛力】スキルがLv12になりました》
《プレイヤーを百人撃破してスキルポイント4を獲得しました》
今のでちょうど百人斬りか。
残りは十三人。
いや、フレグランスの矢で三人やられたので十人。
あれ?いつの間にかブランシュが居ない?
やられたとも思い辛いが・・・ああ、隠密で逃げたのか。いい判断だ。
僕も追いかける余裕は無いしな。
さて、残り十人のうち半分は仕留めたいところだな。
アストの状況
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『予選バトルロイヤル開催中!』 <残り四時間十分>
・参加人数 21611人
・残り人数 15120人/21611人
・撃破人数 100 与ダメージ 18030 被ダメージ 0
・広域マップ確認
・回復アイテム使用
・ランキング閲覧
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