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3章
178 灼銀獅子のナイフ
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ミアが取り出して見せたのは灼銀色に輝く綺麗なナイフ。
夜闇の中だからか、いっそ幻想的なほどだ。
【灼銀獅子のナイフ】武器アイテム レア度5
ATK+7 MATK+4 火傷状態発生[小] 品質9
柄の部分に獅子の意匠が施された灼銀色のナイフ。
刃が突き刺さった相手に一定確率で火傷を負わせる。
どうにも見づらいな、と思ったらまた表記が変わった。
それにしても、これは凄い。レア度5というとボスドロップと同じランクで、一般的には早々作製できないものだ。ミアであればそうでもないのだが、これの凄いところは他にある。
まず、火傷の状態異常を確率で負わせることが可能な点。
状態異常を駆使すれば、格上と随分戦いやすくなるだろう。
次に、これが一本だけでない点。
同じ品質のナイフが目の前に二十本も存在していた。
使用者が使いやすいように、欠片のブレもなく全て同じ規格だ。
持ってみた感じでは、どれも他との違いが分からない。
「火精霊の金槌が無かったら、ここまで上手くはいかなかったと思う。自分だけの力ではないけど、どれも自信作だよ・・・・・・どう?」
「・・・・・・」
「無視!?」
「ん、いや、ちょっと握り心地を確かめていた。このナイフ、言う事無し。最高の出来上がりだ。ありがとな、ミア」
「うぃ。どういたしまして」
お世辞抜きで絶賛したのが伝わったのか、ミアはちょっと誇らしげだ。
もっと威張ってもいいと思うぞ。あんまり似合わないだろうけど。
「ちなみに、材料は何を使ったんだ?」
「ん、炎熱獅子の牙と銀鉱石、火炎鉱石、水流鉱石・・・ブレイズポーション」
「ブレイズポーションっ!?」
なんだそりゃあ!?
何を思ってそんなものを混ぜたっ!
混ぜるな危険!という言葉を知らないのか!?
「ちょっと閃いたからやってみた。反省も後悔もしていない」
「おいおい、本気かよ・・・」
本職ができると思ったんなら口を挟むのもおかしいかもしれないが・・・。
だが、要らないからと売却した蒼炎虎のドロップをそこに突っ込むとは。
まあ、上手くいったのなら何も言うまいよ・・・。
「最初は上手くいかなかった。錬金スキルを取得して少し成長させるまでに、炎熱獅子素材を半分くらい駄目にしたよ」
「おいっ!?」
どこも上手くいってなかった!
貴重なレア度4の素材を半分も駄目にしたのかよっ!
道理でナイフの数が少ないと思ったんだ!
待て待て待て。
じゃあなにか?もしかしたら全部だめにしていたかもしれないと?
まさか、錬金術師になったのはそういう理由か!
いつからそんなマッドサイエンティストみたいになったんだよっ・・・!
・・・ふぅ。落ち着いた。
以前レインに失敗は気にするなと言った手前、責めることは出来ん。
素材は痛いが、また狩ってくればいい。
ミアは今回の件で間違いなく腕を上げたのだし、文句は無い。
ただ、一つだけ言わせてくれ。
「ミア、メッセージでも何でもいいから、事前に一言くれてもいいんだぞ?」
「・・・うぃ。熱中してて忘れてた」
「はぁ・・・ミアはやっぱりミアか」
「どういう意味!?」
深い意味など無いさ。そのままの意味だ。
・・・さ、ナイフの試し打ちでもしようかね。
《『アスト』のレベルが32になりました》
《能力値ポイントを2獲得しました》
《スキルポイントを1獲得しました》
《第一職業が<上級剣士>Lv8になりました》
《熟練度が一定に達し【上級剣術】スキルがLv11になりました》
《熟練度が一定に達し【幻影魔法】スキルがLv19になりました》
《熟練度が一定に達し【魔力感知】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【鉄壁】スキルがLv10になりました》
《【鉄壁】スキルが最大値になりました》
《マスタースキル【鉄壁】【触覚強化】を確認しました》
《プレイヤースキルの条件達成を確認しました》
《取得可能スキルに【城塞】が追加されました》
とんだ激戦になってしまった。
最初はマイナーデーモン一体だけだったのに、次々に集られて、気づけば倒したマイナーデーモンの数は六体。
出てきてくれとは思ったが、限度というものがあるだろう・・・。
能力値ポイントは魔法防御力へ2ポイント。
悪魔の魔法で痛い目を見たのがこの選択に影響している。
増えたばかりのポイントを消費し【城塞】スキルを取得。
これで残りポイントは0だ。寂しくなったものだな。
マイナーデーモンからは【劣悪魔の結晶】を三つ回収。
浄化された【水の石】はいくらあっても困らないので、有難く頂いておく。
生産職の共通見解として、かなり貴重なアイテムだというものがあったのだ。
無論、僕も錬金をする身としては同一見解である。
買い取り値の方も一つ二十五万ゴールドと馬鹿にならない金額だ。
三つで七十五万とは・・・ボロいな。
それ以外のインプやらリトルインプは爆散しただけで何も残さなかった。
ミアとシエラは既に退散しておりこの場に居ない。
何とも運の無いことだ。戦闘に参加していれば分け前があったのに。
少しは状況が改善されていればいいんだが、効果があったのかは未知数だ。
どのみち、そろそろログアウトの時間なので、これ以上は何もできないのだが。
新しいナイフ【灼銀獅子のナイフ】の使い心地は実に素晴らしい。
体感としては、十回命中すれば一度は火傷を負わせることができている。
それによるスリップダメージは非情に有用だ。
ナイフそのものによるダメージも大きい。
なにせ、硬牙の剣と同じ攻撃力を持っているのだから。
もっとも、硬牙の剣よりはダメージが小さい。
これは武器の種類によるのだろう。
同じ攻撃力でもナイフと斧が同じダメージとか、あり得ないからな。
調子にのってナイフを投げまくったせいか、【上級剣術】のスキルレベルが上がってしまった。前回上がってからそれほど経っていないのに、だ。
ナイフも剣の範疇ということか。大変結構。
さて、ウェザリアに戻ってログアウトしよう。
夜闇の中だからか、いっそ幻想的なほどだ。
【灼銀獅子のナイフ】武器アイテム レア度5
ATK+7 MATK+4 火傷状態発生[小] 品質9
柄の部分に獅子の意匠が施された灼銀色のナイフ。
刃が突き刺さった相手に一定確率で火傷を負わせる。
どうにも見づらいな、と思ったらまた表記が変わった。
それにしても、これは凄い。レア度5というとボスドロップと同じランクで、一般的には早々作製できないものだ。ミアであればそうでもないのだが、これの凄いところは他にある。
まず、火傷の状態異常を確率で負わせることが可能な点。
状態異常を駆使すれば、格上と随分戦いやすくなるだろう。
次に、これが一本だけでない点。
同じ品質のナイフが目の前に二十本も存在していた。
使用者が使いやすいように、欠片のブレもなく全て同じ規格だ。
持ってみた感じでは、どれも他との違いが分からない。
「火精霊の金槌が無かったら、ここまで上手くはいかなかったと思う。自分だけの力ではないけど、どれも自信作だよ・・・・・・どう?」
「・・・・・・」
「無視!?」
「ん、いや、ちょっと握り心地を確かめていた。このナイフ、言う事無し。最高の出来上がりだ。ありがとな、ミア」
「うぃ。どういたしまして」
お世辞抜きで絶賛したのが伝わったのか、ミアはちょっと誇らしげだ。
もっと威張ってもいいと思うぞ。あんまり似合わないだろうけど。
「ちなみに、材料は何を使ったんだ?」
「ん、炎熱獅子の牙と銀鉱石、火炎鉱石、水流鉱石・・・ブレイズポーション」
「ブレイズポーションっ!?」
なんだそりゃあ!?
何を思ってそんなものを混ぜたっ!
混ぜるな危険!という言葉を知らないのか!?
「ちょっと閃いたからやってみた。反省も後悔もしていない」
「おいおい、本気かよ・・・」
本職ができると思ったんなら口を挟むのもおかしいかもしれないが・・・。
だが、要らないからと売却した蒼炎虎のドロップをそこに突っ込むとは。
まあ、上手くいったのなら何も言うまいよ・・・。
「最初は上手くいかなかった。錬金スキルを取得して少し成長させるまでに、炎熱獅子素材を半分くらい駄目にしたよ」
「おいっ!?」
どこも上手くいってなかった!
貴重なレア度4の素材を半分も駄目にしたのかよっ!
道理でナイフの数が少ないと思ったんだ!
待て待て待て。
じゃあなにか?もしかしたら全部だめにしていたかもしれないと?
まさか、錬金術師になったのはそういう理由か!
いつからそんなマッドサイエンティストみたいになったんだよっ・・・!
・・・ふぅ。落ち着いた。
以前レインに失敗は気にするなと言った手前、責めることは出来ん。
素材は痛いが、また狩ってくればいい。
ミアは今回の件で間違いなく腕を上げたのだし、文句は無い。
ただ、一つだけ言わせてくれ。
「ミア、メッセージでも何でもいいから、事前に一言くれてもいいんだぞ?」
「・・・うぃ。熱中してて忘れてた」
「はぁ・・・ミアはやっぱりミアか」
「どういう意味!?」
深い意味など無いさ。そのままの意味だ。
・・・さ、ナイフの試し打ちでもしようかね。
《『アスト』のレベルが32になりました》
《能力値ポイントを2獲得しました》
《スキルポイントを1獲得しました》
《第一職業が<上級剣士>Lv8になりました》
《熟練度が一定に達し【上級剣術】スキルがLv11になりました》
《熟練度が一定に達し【幻影魔法】スキルがLv19になりました》
《熟練度が一定に達し【魔力感知】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に達し【鉄壁】スキルがLv10になりました》
《【鉄壁】スキルが最大値になりました》
《マスタースキル【鉄壁】【触覚強化】を確認しました》
《プレイヤースキルの条件達成を確認しました》
《取得可能スキルに【城塞】が追加されました》
とんだ激戦になってしまった。
最初はマイナーデーモン一体だけだったのに、次々に集られて、気づけば倒したマイナーデーモンの数は六体。
出てきてくれとは思ったが、限度というものがあるだろう・・・。
能力値ポイントは魔法防御力へ2ポイント。
悪魔の魔法で痛い目を見たのがこの選択に影響している。
増えたばかりのポイントを消費し【城塞】スキルを取得。
これで残りポイントは0だ。寂しくなったものだな。
マイナーデーモンからは【劣悪魔の結晶】を三つ回収。
浄化された【水の石】はいくらあっても困らないので、有難く頂いておく。
生産職の共通見解として、かなり貴重なアイテムだというものがあったのだ。
無論、僕も錬金をする身としては同一見解である。
買い取り値の方も一つ二十五万ゴールドと馬鹿にならない金額だ。
三つで七十五万とは・・・ボロいな。
それ以外のインプやらリトルインプは爆散しただけで何も残さなかった。
ミアとシエラは既に退散しておりこの場に居ない。
何とも運の無いことだ。戦闘に参加していれば分け前があったのに。
少しは状況が改善されていればいいんだが、効果があったのかは未知数だ。
どのみち、そろそろログアウトの時間なので、これ以上は何もできないのだが。
新しいナイフ【灼銀獅子のナイフ】の使い心地は実に素晴らしい。
体感としては、十回命中すれば一度は火傷を負わせることができている。
それによるスリップダメージは非情に有用だ。
ナイフそのものによるダメージも大きい。
なにせ、硬牙の剣と同じ攻撃力を持っているのだから。
もっとも、硬牙の剣よりはダメージが小さい。
これは武器の種類によるのだろう。
同じ攻撃力でもナイフと斧が同じダメージとか、あり得ないからな。
調子にのってナイフを投げまくったせいか、【上級剣術】のスキルレベルが上がってしまった。前回上がってからそれほど経っていないのに、だ。
ナイフも剣の範疇ということか。大変結構。
さて、ウェザリアに戻ってログアウトしよう。
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