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3章
177 使徒と悪魔駆除
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ノックをしたところ直ぐに返事があり、女性が表に出てきた。
「えっ・・・使徒様、ですか?・・・どういったご用件でしょうか?」
青い長髪が目立つ三十台前半くらいに見える女性。
ソフィアの年齢が僕と同じくらいだから、四十歳くらいでもおかしくないと思っていたが・・・随分若く見えるな。ま、よくある話だ。
キリっとした表情ながらも優しそうな雰囲気があり、どことなくソフィアの面影がある・・・って、逆か。この人の面影がソフィアにあるのか。
というか、今更なのだが、こっちの人は使徒かどうか一発で分かるのか?
「はじめまして。お察しの通り、僕は使徒をやっているアストです。今日はソフィアからの手紙を届けに参りました。詳しくはこちらをお読みください」
「はぁ・・・?」
半信半疑のようだが、手紙は受け取ってくれた。
読み進めるうちに警戒は解けていき、読み終わる頃には完全に信じてもらえた。
使徒を警戒する人というのは一定数居る。
初めはそうでもなかったのだが、一部のマナーが悪いプレイヤーから迷惑を被る人が出始めたからだ。いくら創世神の使いといえども、悪感情を持ってしまうのは避けられないだろう。
例えば、まるで人間ではないかのように扱われたり、見下されたり。
例えば、しつこくナンパされたり、暴力を振るわれたり。
例えば、家を破壊されたり、店を破壊されたり。
挙げていけばキリがないが、僕が知っているだけでこれだけある。
これだけされて百パーセント好意的で居られる人など少数派であろう。
一応言っておくが、別にそういう態度を許せないと思っている訳ではない。
NPCたちとどのように接するかは個々人の自由だし、そこにとやかく言うつもりなどない。そんな権利も無い。
ただ、僕個人としては普通の人間と同じように接しようとしているし、場合によっては彼ら彼女らの味方になることもやぶさかではない、と思っている。
それもまた一つの権利だからな。
「良かった・・・。アスト様、わざわざ届けて頂きありがとうございました。ソフィアが中々帰らなくて心配していたもので・・・本当に助かりました」
手紙に何が書かれていたかは知らないが、ソフィアを助けた事へのお礼もありそうだな。あれはお互い様だと思うのだが、まあいい。
「どういたしまして。あ、もう知らせが来ているかもしれませんが、夜間は外には出ないようにしてくださいね?今、色々ときな臭くなっていますから」
「はい。重々承知しております。それと、一つ謝罪を。アスト様のことはソフィアから聞かされていたのですが・・・娘が騙されているのではないかと疑っておりました。申し訳ありませんでした!」
へぇ?ソフィアが僕のことを話していたのか。
何をどんな風に伝えられていたのか分からないのでムズムズする。
「使徒にも色々居ますから、警戒して当然ですよ。僕は気にしてませんので、えっと・・・セフィリアさん、もお気になさらず」
こっそり解析させてもらって名前を見た。
ソフィアからも聞かされていたが、念のためだ。
間違ってたら恥ずかしいとかいうレベルじゃないし。
「では、僕はこれで失礼します」
さて、悪魔狩りの時間だ。遭遇即殲滅で。
闘技大会前になんでこんなイベントみたいになってるんだろうか・・・。
《熟練度が一定に達し【気配感知】スキルがLv10になりました》
《熟練度が一定に達し【消音】スキルがLv2になりました》
《熟練度が一定に達し【金剛力】スキルがLv6になりました》
小悪魔多過ぎだろっ!
数分に一回はエンカウントしてるぞ!?
インプとリトルインプはそこまで強くはない。
でも、経験値バーの伸びは同レベルの魔物より多めだろう。
だから不満はないのだが、出来ればマイナーデーモンの方が良い。
確かあれはキメラには及ばないまでもそれに近い経験値を持っていたはずだ。
闘技大会前に少しでも強くなっておこうという考えは別段おかしくあるまい。
そう思っていると、闇の中から迫ってくる人型の存在が。
すわマイナーデーモンか!?と思ったのだが、違ったようだ。
名前 ミア
種族 ドワーフ Lv22
第一職業 中級鍛冶師 Lv16
第二職業 中級盾士 Lv11
第三職業 錬金術師 Lv8
「なんだ、ミアか・・・」
「何で落ち込まれてるの!?何か悪い事でもした!?」
いや、悪いことはされてないんだが、こう・・・拍子抜けだったから。
それはさておき、鍛冶師のレベルが随分上がっているな。
そして、第三職業は道具師ではなく錬金術師か。
偏見かもしれないが、鍛冶と錬金って相性良さそうだよな。
道具は・・・火精霊の金槌があればしばらくは大丈夫という判断か。
犬人罠士の工具・・・コボルトツールもあるしな。
今度水精霊の器も貸してやろうかね?
「ミアっ、はぐれるから急に走り出さないでよっ・・・!」
「うぃ。アストを見つけたからつい・・・」
ミアを追いかけて暗闇の中から現れたのは、シエラ。
二人で一緒に行動していたようだ。ミアは盾士だから一人じゃ戦えない。言われてみれば複数での行動が自然だった。
しかし、また悪魔じゃなかったなぁ・・・。
「二人とも、わざわざ済まないな。急な連絡だったのに、わざわざ手を貸してくれてありがとう」
「丁度一段落ついたところだから、大丈夫」
「私は作業を始める前だったからね。あ、【蒼炎虎の石】は受け取ったよ。あれは難物だから少し時間が掛かりそう・・・」
今までの宝石と毛色が違い過ぎるし、それは仕方あるまい。
シエラのレベルは・・・19か。もう一つで第三職業だな。
中級宝飾師のレベルは10となっているが、まだカットについては不可能か。
本当に苦難の道だな・・・。
「そうか・・・。そういえば、ミアは何か用だったのか?」
僕を見つけて走り寄ってきたのなら、何か用事があるはずだ。
シエラより先に見つけたのは・・・暗視スキルのおかげかな。
「うぃ。投槍はまだだけど、投擲用のナイフは完成したから、持ってきたよ」
「おっ、それは有難い!銀のナイフも悪くないが、少々スペック不足になってきた感は否めないからなぁ・・・」
ミアの作製だけあって他で見る銀製のナイフより随分いい品なのだが、それでも素材が銀では限界があるのだ。ここらで切り替えたい。
ミアが収納から取り出して見せてくれたのは、灼銀に輝く綺麗なナイフだった。
「えっ・・・使徒様、ですか?・・・どういったご用件でしょうか?」
青い長髪が目立つ三十台前半くらいに見える女性。
ソフィアの年齢が僕と同じくらいだから、四十歳くらいでもおかしくないと思っていたが・・・随分若く見えるな。ま、よくある話だ。
キリっとした表情ながらも優しそうな雰囲気があり、どことなくソフィアの面影がある・・・って、逆か。この人の面影がソフィアにあるのか。
というか、今更なのだが、こっちの人は使徒かどうか一発で分かるのか?
「はじめまして。お察しの通り、僕は使徒をやっているアストです。今日はソフィアからの手紙を届けに参りました。詳しくはこちらをお読みください」
「はぁ・・・?」
半信半疑のようだが、手紙は受け取ってくれた。
読み進めるうちに警戒は解けていき、読み終わる頃には完全に信じてもらえた。
使徒を警戒する人というのは一定数居る。
初めはそうでもなかったのだが、一部のマナーが悪いプレイヤーから迷惑を被る人が出始めたからだ。いくら創世神の使いといえども、悪感情を持ってしまうのは避けられないだろう。
例えば、まるで人間ではないかのように扱われたり、見下されたり。
例えば、しつこくナンパされたり、暴力を振るわれたり。
例えば、家を破壊されたり、店を破壊されたり。
挙げていけばキリがないが、僕が知っているだけでこれだけある。
これだけされて百パーセント好意的で居られる人など少数派であろう。
一応言っておくが、別にそういう態度を許せないと思っている訳ではない。
NPCたちとどのように接するかは個々人の自由だし、そこにとやかく言うつもりなどない。そんな権利も無い。
ただ、僕個人としては普通の人間と同じように接しようとしているし、場合によっては彼ら彼女らの味方になることもやぶさかではない、と思っている。
それもまた一つの権利だからな。
「良かった・・・。アスト様、わざわざ届けて頂きありがとうございました。ソフィアが中々帰らなくて心配していたもので・・・本当に助かりました」
手紙に何が書かれていたかは知らないが、ソフィアを助けた事へのお礼もありそうだな。あれはお互い様だと思うのだが、まあいい。
「どういたしまして。あ、もう知らせが来ているかもしれませんが、夜間は外には出ないようにしてくださいね?今、色々ときな臭くなっていますから」
「はい。重々承知しております。それと、一つ謝罪を。アスト様のことはソフィアから聞かされていたのですが・・・娘が騙されているのではないかと疑っておりました。申し訳ありませんでした!」
へぇ?ソフィアが僕のことを話していたのか。
何をどんな風に伝えられていたのか分からないのでムズムズする。
「使徒にも色々居ますから、警戒して当然ですよ。僕は気にしてませんので、えっと・・・セフィリアさん、もお気になさらず」
こっそり解析させてもらって名前を見た。
ソフィアからも聞かされていたが、念のためだ。
間違ってたら恥ずかしいとかいうレベルじゃないし。
「では、僕はこれで失礼します」
さて、悪魔狩りの時間だ。遭遇即殲滅で。
闘技大会前になんでこんなイベントみたいになってるんだろうか・・・。
《熟練度が一定に達し【気配感知】スキルがLv10になりました》
《熟練度が一定に達し【消音】スキルがLv2になりました》
《熟練度が一定に達し【金剛力】スキルがLv6になりました》
小悪魔多過ぎだろっ!
数分に一回はエンカウントしてるぞ!?
インプとリトルインプはそこまで強くはない。
でも、経験値バーの伸びは同レベルの魔物より多めだろう。
だから不満はないのだが、出来ればマイナーデーモンの方が良い。
確かあれはキメラには及ばないまでもそれに近い経験値を持っていたはずだ。
闘技大会前に少しでも強くなっておこうという考えは別段おかしくあるまい。
そう思っていると、闇の中から迫ってくる人型の存在が。
すわマイナーデーモンか!?と思ったのだが、違ったようだ。
名前 ミア
種族 ドワーフ Lv22
第一職業 中級鍛冶師 Lv16
第二職業 中級盾士 Lv11
第三職業 錬金術師 Lv8
「なんだ、ミアか・・・」
「何で落ち込まれてるの!?何か悪い事でもした!?」
いや、悪いことはされてないんだが、こう・・・拍子抜けだったから。
それはさておき、鍛冶師のレベルが随分上がっているな。
そして、第三職業は道具師ではなく錬金術師か。
偏見かもしれないが、鍛冶と錬金って相性良さそうだよな。
道具は・・・火精霊の金槌があればしばらくは大丈夫という判断か。
犬人罠士の工具・・・コボルトツールもあるしな。
今度水精霊の器も貸してやろうかね?
「ミアっ、はぐれるから急に走り出さないでよっ・・・!」
「うぃ。アストを見つけたからつい・・・」
ミアを追いかけて暗闇の中から現れたのは、シエラ。
二人で一緒に行動していたようだ。ミアは盾士だから一人じゃ戦えない。言われてみれば複数での行動が自然だった。
しかし、また悪魔じゃなかったなぁ・・・。
「二人とも、わざわざ済まないな。急な連絡だったのに、わざわざ手を貸してくれてありがとう」
「丁度一段落ついたところだから、大丈夫」
「私は作業を始める前だったからね。あ、【蒼炎虎の石】は受け取ったよ。あれは難物だから少し時間が掛かりそう・・・」
今までの宝石と毛色が違い過ぎるし、それは仕方あるまい。
シエラのレベルは・・・19か。もう一つで第三職業だな。
中級宝飾師のレベルは10となっているが、まだカットについては不可能か。
本当に苦難の道だな・・・。
「そうか・・・。そういえば、ミアは何か用だったのか?」
僕を見つけて走り寄ってきたのなら、何か用事があるはずだ。
シエラより先に見つけたのは・・・暗視スキルのおかげかな。
「うぃ。投槍はまだだけど、投擲用のナイフは完成したから、持ってきたよ」
「おっ、それは有難い!銀のナイフも悪くないが、少々スペック不足になってきた感は否めないからなぁ・・・」
ミアの作製だけあって他で見る銀製のナイフより随分いい品なのだが、それでも素材が銀では限界があるのだ。ここらで切り替えたい。
ミアが収納から取り出して見せてくれたのは、灼銀に輝く綺麗なナイフだった。
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