異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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3章

152 デートの待ち合わせ

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《熟練度が一定に達し【中級投擲術】スキルがLv16になりました》
《熟練度が一定に達し【幻影魔法】スキルがLv13になりました》
《熟練度が一定に達し【梟の目】スキルがLv20になりました》
《【梟の目】スキルが最高値になりました》
《熟練度が一定に達し【鷲の目】スキルがLv16になりました》


 境界地帯を抜けてイウスの町まで戻ってきた。


「今日はありがとうございました、アストさん」

「どういたしまして。レインと一緒に居られて、楽しい時間だったよ」

「わ、私も楽しかったです・・・!ではまた明日、よろしくお願いします・・・!」


 レインは顔を赤らめながらそう言い残してログアウトしていった。
 まだ少し早いが、僕ももう少ししたらログアウトして寝よう。
 明日遅刻したら洒落にならないしな。








《熟練度が一定に達し【中級錬金】スキルがLv16になりました》
《称号『熟練生産者』を獲得しました》
《取得可能スキルに【創気】が追加されました》


 ログアウト前にポーションを作ったら問題発生。
 なんと、新しい称号とスキルが増えてしまった。
 称号の名前からして熟練戦士や熟練魔法士と同じ系統だろうか。



<熟練生産者>
 生産スキルの合計値が50に到達した者の証。
 称号スキル【創気】を取得可能になる。



 説明を見た感じでは同じように思える。
 新たなスキル【創気】は全基礎能力値を僅かに上昇させるらしい。
 ただし、上昇率は魔気や闘気よりも低めとのこと。

 そういえば、生産に関わってくる能力値って何だ?
 錬金や料理では意識したことが無いんだが・・・。
 創気の効果のことをを考えるなら・・・・・・もしかして、全ての基礎能力値が関わっている、とか?

 ん・・・分からん。
 創気の取得は一先ず保留にして、ログアウトしよう。



 〇〇〇



「飛鳥さんっ、お待たせしました・・・!」

「いや、今来たところだから」


 嘘です。三十分前には来てました。
 まだデートの前段階だというのに何やってんだか。
 遅刻するよりはマシだが、ソワソワし過ぎだった。

 僕も優香もそこそこラフな格好なのでデートという印象は無い。
 だからどうというわけでもないが、今くらいは緊張せずにいこう。どうせ後から途轍もなく緊張することになるんだろうし。


 雑談をしながら買い物をしている最中、ふと気づいた。
 優香の表情がいつもより硬い。緊張しているようだ。
 何とか解してあげたいところだが・・・・・・難しいか?


「そういえば、料理の腕の方はどうだ?」

「は、はい!す、少しは上達していると思います・・・!」


 表情もそうだが、言動も間違いなく硬くなっているな。
 ここで緊張しなくていいと言っても逆効果になりかねないし、どうしたものかね。


 結局、気の利いたことも言えず、終始緊張したままで買い物を終えた。
 このあたりは経験の無さが痛いな・・・。
 嘆いていても仕方ないので、次に備えよう。

 一度帰るために背を向けて歩いている優香。
 彼女に申し訳ないことをしたと思いつつ、僕も一度帰宅する。

 次の待ち合わせは十二時に駅前だ。
 これは、僕が緊張している余裕なんてなさそうだ。
 できるだけ優香を楽しませてあげたいな。
 僕の好感度が上がれば尚良い。



 家に帰って着替えを済ませた後、わざわざFSOからログアウトしてきていた美鈴に見送りを受けた。


「お兄ちゃん、精一杯頑張って!優香に振られたら慰めてあげるからっ!」

「縁起でもないこと言うなよ!」


 大して緊張せずに済んでいたのに、急激に不安になってきた・・・!
 一度深呼吸して・・・・・・落ち着いた。


「ふぅ・・・それじゃあ、行ってくる」

「逝ってらっしゃい、お兄ちゃん!」

「・・・・・・今何か変なイントネーションじゃなかったか?」

「気のせい気のせい!」


 怪しい・・・が、まあいいか。
 そんな感じで美鈴に見送られて、家を出た。

 ドアが閉まる直前、何やら美鈴の顔が曇っていた気がするが、そこまで心配しなくとも大丈夫のはずだ。多分。
 いきなり振られる確率なんて一%も無いだろう。きっと。

 ・・・何かフラグっぽいので余計なことを考えるのはやめておこう。







 駅前のモニュメントがある待ち合わせ場所で待つことしばし。

 分かりやすい場所を指定したのだが、優香の姿は現れない。
 意図的に焦らしている・・・ということは無いと思うが、万が一そうなのだとしたら相当有効だな。それくらいに先程からドキドキさせられている。


 自分に落ち着けと何度も言い聞かせながら待ち続け・・・・・・。

 
 ・・・約束の十二時を過ぎても、優香が姿を現すことはなかった。

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