異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

文字の大きさ
上 下
148 / 264
3章

148 タブレット

しおりを挟む
 休憩を終えて南方第二エリア、イウスの町を目指す。


「シャドウバインド!シャドウエッジ!」

「クレイアロー!ストーンエクスプロージョン!」


 スライム相手にはやはり魔法攻撃が効きやすい。
 敵のスライム上位種は二十体。
 敵の数が少ない時なら良いスキル上げになるのだが、こうも多いとまずは頭数を減らす必要がある。
 
 シャドウエッジは範囲魔法の割に消費が少ないのでこういう時に便利だ。
 時間が夜に差し掛かっているのもプラス要素に。


「レッドステップ!パワースラッシュ!」

「クレイボール!」


 レインのサポートを受けつつ残りのスライムを斬り捨てていく。
 後衛の援護があるとサクサク倒せるな。
 レインの魔法制御能力が格段に上達しているので尚更に。


《熟練度が一定に達し【幻影魔法】スキルがLv8になりました》
《熟練度が一定に達し【気配隠蔽】スキルがLv15になりました》
《熟練度が一定に達し【先手】スキルがLv17になりました》
《熟練度が一定に達し【舞闘】スキルがLv9になりました》


 スライムを全て仕留めて戦闘終了。

 幻影魔法についてだが、そのまま使うだけでは察知系のスキルで看破される。
 気配察知では剣の不存在そのものを、魔力察知では幻影魔法の魔力を、それぞれ見つけられて怪しまれるということだ。
 それでも初見であればある程度の効果を期待できると思うが。

 やはり、魔力隠蔽のスキルはじきに必要になるな。
 ちゃんと覚えておこう。
 何はともあれ、先に幻影魔法をカンストさせたいところだ。

 スライムのドロップ品はポーションに使えるのでキッチリ解体して回収。

 それでは、先に進もう。










《熟練度が一定に達し【梟の目】スキルがLv19になりました》
《熟練度が一定に達し【魔気】スキルがLv3になりました》


「アストさん、あれ・・・!」

「ああ。また訳の分からん魔物だな・・・」


 イウスの町を経由した後、そこから南へ向かったのだが、こんな魔物が。



 オーバーレッドスライム Lv3
 魔物 上位種Ⅱ 格下
 スキル 火焔魔法 



 初見の魔物だが、強さ的にはそこまででもない。レインと同格だ。


「クレイアロー!クレイストーム!」

「トリプルスローイング!」


 レインは魔法で、僕は六本のナイフで先制。
 悪魔戦で八本投げたのだが、あれ以来使えていない。
 あれは火事場の馬鹿力のようなものだったのかもしれないな。

 その後、サクッと仕留めて解体を使用。



【極赤の実】素材アイテム レア度4
 とことんまで赤い色をした実。
 異常に強い火の力を感じる。



 うーん・・・少し気になることが出来たな。
 このアイテムは是非ほしい。


「レイン、これは僕が実験に使ってもいいか?」

「ええ、構いませんよ。でも、実験というと・・・?」

「ん、丁度いい時間だし、町に戻ってからだな」


 そういう訳で、一度切り上げてイウスの町へ戻る。


「そういえばレインはいつまで狩りを続けられるんだ?」

「えっと・・・私は、今日は夜中まで大丈夫ですよ・・・!」

「そうか。ならまだ大丈夫だな。
 余計なお世話かもしれないが、あまり夜更かしはしないようにな?」

「うっ・・・そうですね・・・。でも、折角アストさんと・・・」


 後半は聞こえなかったが、これ以上は言うまい。
 それでは・・・実験開始だ。

 用意するのは以前作製してそのままだった赤核玉と、今回手に入れた極赤の実。

 まずは極赤の実をすりつぶす。
 その際、水精霊の器の力を借りて綺麗な水を混ぜる。
 すると、赤というには濃すぎる液体が出来上がった。

 次に、その液体に赤核玉を投入して、馴染ませる。
 その際、火を当てて乾かすことを忘れずに。
 すると、出来上がったのは赤いマジックタブレットだ。



【マジックタブレット】使用アイテム レア度4
 とある製法により作製可能なタブレット。
 使用してから一定時間、魔法の威力を高める。
 火属性なら赤いタブレットを使用すべし。



 品質が示されていないのは以前ビッグフォーススライムからドロップしたものと同じだな。
 その理由はよく分からないままだ。


「マジックタブレット・・・以前お聞きしたアイテムですね。
 なるほど・・・このようにして作製するんですか・・・!」

「上手くいくかは分からなかったけどな。これで遠慮なくタブレットを使用できそうだ。もっとも、必要になった機会は殆ど無いけど」


 強いて言うなら、エルダートレント戦か。
 あの時は赤いタブレットを二つ使ったのだが、それでも大変だった。


「これもカラーポーションと一緒に、時機を見て販売、ですね?」

「ああ。それらの材料がそこそこウェザリアにも入るようになったし、イベントが終わったくらいで販売開始がいいかもしれないな」

「アリアさんの喜ぶ耳・・・いえ、顔が目に浮かびます」


 ああ・・・レインも気づいてたんだな、アリアさんの悪い癖。

 なお、周囲にプレイヤーは居ないが、少しボリュームを落としている。
 既にイウスを拠点に狩りを行う者もそこそこいるのだし、警戒は必要だ。

 ちなみに、値段設定については相談して決めてある。
 赤、青、黄が一本十五万ゴールド。ランダム回復の緑は一本十二万ゴールド。

 どう考えてもぼったくりな気がしてならない。
 供給量的にこれくらいが丁度良いのでは、というアリアさんの私見なのだが。
 状況によって値段を上下させることになるだろう。

 タブレットはユニークアイテムでもないので、もう少しお手頃価格になる予定。
 それでも初心者プレイヤーには購入できない値段になると思うが。


《熟練度が一定に達し【中級料理】スキルがLv14になりました》


 もう一つタブレットを作ったところで中級料理がレベルアップ。
 もう材料も無いので、今回はここまでだ。


「さて、これからフィールドで経験値を稼ぐつもりなんだが、レインも来るか?」

「はい、勿論。是非ご一緒させてください・・・!」

しおりを挟む
感想 715

あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)

ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。 流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定! 剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。 せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!? オマケに最後の最後にまたもや神様がミス! 世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に なっちゃって!? 規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。 ……路上生活、そろそろやめたいと思います。 異世界転生わくわくしてたけど ちょっとだけ神様恨みそう。 脱路上生活!がしたかっただけなのに なんで無双してるんだ私???

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。 *ちょっとネタばれ 水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!! *11月にHOTランキング一位獲得しました。 *なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。 *パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

処理中です...