異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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3章

144 悪魔の情報

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「レイン、さっきのは悪くないと思うわ。
 でも、アストの手を胸に抱え込むぐらいはしても良かったんじゃないかしら?」

「そ、そんなことっ・・・!私にはできませんっ・・・!」

「はぁ・・・。ヘタレるところが似た者同士で、お似合いの二人よね・・・」


 アリアさんとレインが信じられないくらいに小声で話している。
 全く聞き取れないので聞き耳スキルでも取得してやろうかと思ったほどだ、


「ところで、さっきの小悪魔と悪魔は何だったのかしら・・・?」

「さぁ・・・?
 厳重討伐対象となっていましたし、普通の魔物ではないのでしょうけど・・・」


 碌な情報が無いのでそれ以上のことなど分からない。
 ただ・・・このゲームにストーリーがあるかは分からないが、あるのだとしたらそこに関わっている可能性が高いかもしれない。


「あ・・・!アリアさん、掲示板に小悪魔の情報が載ってました!」

「「えっ?」」


 掲示板をチェックしていたレインが関連情報を見つけてくれたようだ。
 僕とアリアさんはレインのウィンドウを覗き込む。


「情報は・・・イスタリア、イウス、イウェスティア、イノーザンが多いわね」

「その先にはプレイヤーがあまり進んでいませんからね。
 あ、でも、北西のウェルトの町と南西のウレスタの町付近で遭遇報告が何件か」

「どれも死に戻り報告ですけど、マイナーデーモンの情報もありますね」


 まとめると、一マス先のエリアにはリトルインプとインプの目撃情報が。
 こちらは普通に討伐されていることが殆どだが、中には死に戻りもあった。

 二マス先の第三エリアでは、数えられるほどではあるが目撃情報アリ。
 こちらではインプとリトルインプに追加で、マイナーデーモンが出現。
 マイナーデーモンによる死に戻りが殆どだ。
 小悪魔とは一線を画す実力だったので、油断すればあっという間だろうな。

 全てに共通するのは、倒した小悪魔がアイテムを残さずに爆散してしまう点。
 苦労して倒したのに収穫が無いとなれば、そりゃあ掲示板も荒れるだろうさ。
 なお、戦闘方法はさまざまで統一性が無い。

 何ともきな臭くなってきたものだ。


「アリアさん、これって調査のしようもないですよね?」

「そうね・・・悪魔がどういう存在なのかも分からないし・・・」


 結局はどうしようもないということになる。
 ならば、考えても仕方がなかろう。

 そういう訳で、引き続きレベル上げと技術向上を行うことに決定。


「そういえばアスト、いつの間にか私の呼び方が戻っているわね」

「へ・・・?」


 アリアさんの呼び方・・・?
 変えた覚えすら無いんだが・・・?


「アストさん、悪魔に向かって行く前、呼び捨てにしてましたよ?それと、敬語もありませんでした」

「・・・完全に無意識だな。全く記憶にない」

「あの時のアストは・・・普段と違う雰囲気だったわ・・・。
 何というか、こう・・・冷静に怒りを纏っていたような感じね」

「はぁ・・・」


 そんな風に言われても全然分からん。
 とても気になるのだが、気にしてもしかたないことだ。


「普段の優しいアストさんもいいですけど、ああいうアストさんもそれはそれでいいと思いました・・・!」


 うん、レインがそう思ってくれてるならそれでいいや。
 後は些細な問題だろう。

 あ、次から悪魔を見つけたら即抹殺で。
 完全な私怨で個人的にも厳重討伐対象に認定しておこう。











《熟練度が一定に達し【中級投擲術】スキルがLv11になりました》
《熟練度が一定に達し【鷲の目】スキルがLv14になりました》


 リザードマンを狩りながら先へ進み、ウィルカの町に到着。
 途中で小悪魔に一度だけ遭遇したが、アリアさんとレインが速攻で葬った。

 そしてアリアさんは、ウィルカ内部と周辺の土地を気に入ったようだ。


「ここは少し手を加えれば、大規模な農業地帯になると思うのよね・・・」

「でも、ウェザリアに農業スキル持ちは居ませんよね?」

「ええ。農業スキル持ち自体少ない上に、人柄の条件をクリアできるプレイヤーは少ないのよ。まだ一人も見つかっていないわ。稲穂の件はまだ先になりそうね」


 アリアさんは忙しい中、新しいメンバーのスカウトにも奔走している。
 だが、いい人材が居ないとのこと。


「どいつもこいつも外面ばかり取り繕って、内面が汚い奴ばかり・・・!」

「アリアさん、落ち着いてください・・・!」


 レインが怒れるアリアさんを宥めているが、僕は正直関わりたくない。


「外面なんてどうでもいいから、内面が綺麗な人は居ないのかしらねっ・・・!」

「絶対に信用できる人となると早々居ませんから仕方ありません・・・!
 現状、六人集まっているだけでも奇跡的なことなんですから・・・!」


 おおう・・・それって随分ハードルが高くないか?
 あと、遠回しに僕の外面が良くないと言われた気がする。
 ただの被害妄想ならいいんだけど・・・。


「特に男なんて、いやらしい視線を向けてくる奴まで・・・!」

「ああ・・・あれは、隠せていると思っている分、逆に嫌ですよね。
 確かに、普通なら絶対に気づかれないような微細な変化ですし・・・」
 

 何だろう。
 グサグサと胸に刺さる言葉が放たれ続けているのだが。
 どうして僕が加入を認められたのか不思議になってきた。


「・・・それでよく僕の加入を認めましたね?」

「「・・・え?」」


 その反応はどう受け取ればいいんだろうか。
 誰か教えて。

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