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3章

139 訓練終了と出発目前

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「クレイボール!」

「ブルーステップ!流水!」


 レインが放った土球を、タイミングを合わせて受け流す。
 速度にブーストが掛かるようになったので、以前より受け流しづらくなった。
 着々と練習の成果が出ているな。

 マスタースキルは意図的にブーストを掛けることが可能で、それが自然とできるかどうかで魔法戦の優劣が分かれる一端となる。
 ブーストを掛けられない者は掛けられる者に中々勝てないだろうな。
 なにせ、同じ能力値による同じ魔法でも威力や速度に差が出るのだから。
 他に、精密なコントロールなども重要になってくる。

 また、呪文名やアーツ名は言葉にすれば、対応する魔法とアーツが意識しなくとも発動するので便利だが、言葉を口にする時間も惜しくなる時もあるので善し悪しだ。
 場合によっては言葉にせず無詠唱、無言で発動させる必要がある。
 ただし、それは何気に高等技術であり、上手く想像して念じることが出来なければ発動が失敗して大ピンチとなるだろう。

 レインはブーストについては感覚を掴めたようだが、無詠唱はまだ無理のようだ。
 こればかりはひたすらに練習して体に覚え込ませるしかないので難しいところだ。


「ストーンエクスプロージョン!」

「おっ?・・・よっ、はっ・・・と!」


 レインが新しく習得したであろう呪文アーツを使ってきた。
 使えないと思わせての不意打ちの一手としては有効なので、悪くはない。
 とはいえ、闘技大会では使えない戦法だが。

 石の爆発群から逃げる為、未来視Lv1アーツ『フューチャー・アイズ』を使用。
 魔法の軌道を把握して、その上に二段ジャンプで飛び乗り、勢いのままレインの目の前に着地した。


「ええっ!?スマッシュ!」

「杖術の方は、まだまだだな。まあ、マスターしていない以上は仕方がないか」


 杖の一撃を回避して、レインに剣を突き付けた。
 もう何回目か数えるのをやめたが、二十回は超えているはずだ。


「またダメージすら与えられませんでしたね・・・」

「そう落ち込むな。間違いなく成長しているし、その速度も早いと思うぞ?」


 これはお世辞でもなく本当のことだ。
 言われたことを実践して、何回かの試行で感覚を掴むなど、簡単な事ではない。
 もっとも、感覚を掴んだだけでは駄目なのだが。

 教えた感じ、レインは秀才タイプだと思う。
 このまま指導を続ければ、もっと伸びるだろう。


「時間も迫ってるし、接近された時の対応について教えて、終わりにしよう」

「はい!よろしくお願いします・・・!」


 うんうん。こうまでやる気を見せてくれると、教える方も楽しいものだ。
 自分の成長にも繋がるから、実に有意義だ。











「っ、クレイストーム!パワースマッシュ!」

「よっ、と!パワースラスト!」


 レインに接近したところで、二人の中間点に魔法が炸裂。
 このタイミングだと回避が困難なので、有効な手段だ。
 このやり方で問題となるのは、自分もダメージを喰らうことと、動きを阻害した相手に一撃加えて距離を取る時間を稼がなければならないことだ。

 また、自爆に等しいので、何度も出来ることではない。
 HPが減れば、それだけ負けが近づくのだから。

 土壁を作れればいいのだが、流石にそれはできないことだ。
 幾らマスタースキルでも、土球を土壁には変えられないのである。

 ちなみに僕は、持っていた剣を地面に刺して足場にし、空中に跳び上がって二段ジャンプで回避した。


「とまあ、人から教えられた作戦は、それだけ対策もされ得るということで。自分なりのやり方を考えることも重要な訳だ」

「はい、胸に刻んでおきます。ありがとうございました、アストさん」


 レインは槍を額に突き付けられながら、豊かな胸に手を置いて、そう言った。
 理解してもらえたようで何より。
 その体勢は胸が強調されているように見えるのでやめてほしいけどな。


《熟練度が一定に達し【魔力感知】スキルがLv3になりました》
《熟練度が一定に達し【気配隠蔽】スキルがLv7になりました》
《熟練度が一定に達し【瞬動】スキルがLv16になりました》


 では、これにて訓練終了。
 丁度時間なのでアリアさんのところへ行こう。

 
「レイン、そろそろ待ち合わせ場所に行こう」

「はい・・・!」


 そう声を掛けてから歩き出すと、レインが横に並んで歩きだした。
 なんというか・・・こういうのもいいな。








「・・・アリアさん、何をしているので?」

「・・・一部加工に失敗して落ち込んでいるのよ。レア度5の素材は難物ね」


 地面に座って項垂れていたアリアさんは、そう力なく答えながら立ち上がると、深いため息を吐いた。

 レインは隣で、うんうんと首を縦に振りながら同意している。
 そういえば、劣水竜鱗はレア度5だったな。相当苦労させられたのだろう。


「もう時間よね。直ぐに準備をするから入口で待っていてちょうだい」


 僕とレインは肯定の返事をして、入口に向かった。

 あ、行き先に着いて決めてなかった。
 さて、どこへ狩りにいこうかね・・・?
 




 名前 アスト

 種族 人間 Lv30
 第一職業 上級剣士 Lv4
 第二職業 火焔魔法士 Lv4
 第三職業 舞闘家 Lv4
 スキルポイント20

 アナザースキル
 加速Lv8  

 マスタースキルⅠ
 剣術Lv10〔Master〕火魔法Lv10〔Master〕
 索敵Lv10〔Master〕発見Lv10〔Master〕
 解析Lv10〔Master〕錬金Lv10〔Master〕
 料理Lv10〔Master〕槍術Lv10〔Master〕
 投擲術Lv10〔Master〕隠密Lv10〔Master〕
 中級剣術Lv20〔Master〕火炎魔法Lv20〔Master〕
 中級槍術Lv20〔Master〕気配察知Lv20〔Master〕
 大発見Lv20〔Master〕分析Lv20〔Master〕
 魔力察知Lv20〔Master〕

 マスタースキルⅡ
 回避Lv10〔Master〕直感Lv10〔Master〕
 照準Lv10〔Master〕疾走Lv10〔Master〕    
 暗視Lv10〔Master〕予測Lv10〔Master〕
 迎撃Lv10〔Master〕ステップLv10〔Master〕
 軽業Lv10〔Master〕瞬発Lv10〔Master〕
 遠見Lv10〔Master〕歩法Lv10〔Master〕
 聴覚強化Lv10〔Master〕触覚強化Lv10〔Master〕
 闇魔法耐性Lv10〔Master〕
 火魔法耐性Lv10〔Master〕
 水魔法耐性Lv10〔Master〕
 盲目耐性Lv10〔Master〕
 視覚強化Lv10〔Master〕
 火傷耐性Lv10〔Master〕
 予見Lv20〔Master〕舞踏Lv20〔Master〕
 受け流しLv20〔Master〕見切りLv20〔Master〕
 立体機動Lv20〔Master〕疾駆Lv20〔Master〕
 軌道予測Lv20〔Master〕縮地Lv20〔Master〕
 アクロバットLv20〔Master〕反応Lv20〔Master〕
 水中歩行Lv20〔Master〕水中機動Lv20〔Master〕

 マスタースキルⅢ
 影魔法Lv10〔Master〕魔剣術Lv10〔Master〕

 スキル 
 上級剣術Lv8 上級槍術Lv8 中級投擲術Lv9
 火焔魔法Lv8 中級錬金Lv15 中級料理Lv13
 解体Lv18 気配感知Lv7 魔力感知Lv3
 気配隠蔽Lv7 梟の目Lv17 空間把握Lv17
 先手Lv15 忍び足Lv16 瞬動Lv16
 鷲の目Lv12 闘気Lv8 舞闘Lv8 連携Lv7
 空中機動Lv6 未来視Lv3 

 称号
 開拓者 冒険者 使徒 越境者Ⅱ 開放者Ⅱ
 ジャイアントキリング レイドボス討伐者Ⅱ
 アイシスキラー 熟練戦士 小金持ち
 クリティカルマスター 上級剣士 強奪者
 複合製作者 ユニーククリエイター

 基礎能力値

 物理攻撃力 24(+26)
 物理防御力 22(+24)
 魔法攻撃力 22(+14)
 魔法防御力 26(+10)
 平均速力  23(+29)

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