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3章
130 午後の予定
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ログアウトしてから気づいた。今週の買い出し、どうしよう。
いつもは日曜日にまとめ買いするのだが、今週の土曜からイベントなのだ。
そんな中で買いに行くのは出来れば避けたい。
「そういう訳で、明日の木曜か明後日の金曜に買いに行きます」
「あ、私も行く!」
買い物について話したら、そんな答えが返ってきた。
わざわざ付き合う必要もないんだぞ?
美鈴に料理を仕込むのは諦めたから。
何が悲しくて真っ黒になった目玉焼きを食べなければならないのか。
「荷物持ちが増えるのは有難いが、どうして付き合おうとするんだ?」
「うーん・・・お兄ちゃんが買い出しに行ってる時にゲームをやるのは、何か申し訳ないというか、嫌だから・・・」
「律儀な妹だな」
そんなこと気にしなくていいのに。
「そう言ってくれるのは嬉しいんだが・・・本当はログインしたいんだろ?」
「ギクッ!」
「いや、口で言うなよ、わざとらしい・・・」
「あははは・・・」
今度は笑って誤魔化すか。
まあいい、美鈴は買い物には連れて行かない。
「ま、どうしても気になるんなら、ログインしてから時間をとって掲示板の情報収集でもしてくれればいい。それも僕の利益になるのは間違いないから」
「うん・・・分かった。ありがと、お兄ちゃん」
レインの笑顔は最高だが、美鈴の笑顔も最高だ。
どっちも絶対に守ってやりたいものだ。
もっとも、そんな機会がくるか分からないし、来ない方が良いけども。
買い物は明後日の金曜日、午前中に行くことに決めた。
明日は投擲術と未来視を鍛えたいからな。
翌日、いつの間にかベッドに入り込んでいた美鈴を起こして、一緒に朝食。
白米、味噌汁、目玉焼き、サラダを美味しく頂き、ゲームの世界へ旅立った。
〇〇〇
ログインしてすぐに、アリアさんから声が掛かった。
「アスト、今日の午後から手は空いているかしら?」
「そうですね・・・投擲の練習はしたいですが、それは午前にできますから、時間は作れますよ?」
別に急いでやる必要も無いので構わないが、何か用事かな?
流石に弓の的になってくれとかいわれたら断るけど、ある程度なら引き受けるつもりでいるぞ。
「実は、闘技大会に備えて弓を鍛えたいのだけれど、狩りに付き合ってもらえないかしら・・・?」
「いいですよ?」
「・・・頼んでおいてあれだけれど、随分と即答だったわね」
「ええ。楽しそうですから、こちらからお願いしたいくらいですよ。
あ・・・どうせなら弓の戦い方も見ておきたいところですけど」
弓士のプレイヤーの戦い方はまともに見たことがない。
それが敗因にならないとも限らないので一度見ておきたいと思っていたのだ。
後回しにしているうちに大会二日前になってしまったけれど。
「あ、でも、生産作業の方はいいんですか?」
「ええ、問題ないわ。一つキャンセルが入ってしまったから時間が空いたのよ」
ああ、なるほど。
それでその時間を有効に使う為に狩りに出る、ということか。
「そういうことでしたら大丈夫ですね。昼食後、十三時にここでどうです?」
「そうね・・・それでいいわ。ありがとう、アスト」
「いえいえ、どういたしまして」
そんな訳で、午後からの予定は決まった。
「レインレイン、アスト兄が午後からアリアとデートなんだって」
「ええっ!?そんなぁ・・・!」
待て待て待て。
何の話をしているんだ!
デートなどではなく一緒に狩りに行くだけだぞ!
余計な誤解をレインに与えたミレアの奴は今すぐ懲らしめてやろう。
小声で話していても聴覚強化のおかげで聞こえるのだ。
「スケイルメイルの作業が終わって少し手が空くんだから、レインも一緒に行ってみたら?イベントのギルド戦に備えた連携の訓練にもなるよ?」
「で、でも。迷惑になるんじゃ・・・?」
うん?話の流れが変わったな。
レインは消極的な反応だが、少し静観してみよう。
「そ・れ・に!アスト兄と一緒に居られるよ?」
「っ・・・あの、アリアさん、私も行っていいでしょうか・・・?」
「ええ、勿論構わないし、私も有難く思うわ。アストもいいわよね?」
「いいですよ?
何故ニヤニヤしながら確定事項のように振舞ったのかは分かりませんが」
まるで僕が絶対に断らないと分かっているかのようじゃないか。
「アストさん、午後からよろしくお願いします・・・!」
「ああ。こちらこそよろしくな、レイン」
ま、細かいことはどうでもいいか。
ミレアには今度イクラ丼でも作ってあげよう。
実にファインプレーだった。
さて、ウレスタの町付近で木材を探しつつ投擲を鍛えよう。
あそこのコボルト相手なら良い練習になるはずだ。
いつもは日曜日にまとめ買いするのだが、今週の土曜からイベントなのだ。
そんな中で買いに行くのは出来れば避けたい。
「そういう訳で、明日の木曜か明後日の金曜に買いに行きます」
「あ、私も行く!」
買い物について話したら、そんな答えが返ってきた。
わざわざ付き合う必要もないんだぞ?
美鈴に料理を仕込むのは諦めたから。
何が悲しくて真っ黒になった目玉焼きを食べなければならないのか。
「荷物持ちが増えるのは有難いが、どうして付き合おうとするんだ?」
「うーん・・・お兄ちゃんが買い出しに行ってる時にゲームをやるのは、何か申し訳ないというか、嫌だから・・・」
「律儀な妹だな」
そんなこと気にしなくていいのに。
「そう言ってくれるのは嬉しいんだが・・・本当はログインしたいんだろ?」
「ギクッ!」
「いや、口で言うなよ、わざとらしい・・・」
「あははは・・・」
今度は笑って誤魔化すか。
まあいい、美鈴は買い物には連れて行かない。
「ま、どうしても気になるんなら、ログインしてから時間をとって掲示板の情報収集でもしてくれればいい。それも僕の利益になるのは間違いないから」
「うん・・・分かった。ありがと、お兄ちゃん」
レインの笑顔は最高だが、美鈴の笑顔も最高だ。
どっちも絶対に守ってやりたいものだ。
もっとも、そんな機会がくるか分からないし、来ない方が良いけども。
買い物は明後日の金曜日、午前中に行くことに決めた。
明日は投擲術と未来視を鍛えたいからな。
翌日、いつの間にかベッドに入り込んでいた美鈴を起こして、一緒に朝食。
白米、味噌汁、目玉焼き、サラダを美味しく頂き、ゲームの世界へ旅立った。
〇〇〇
ログインしてすぐに、アリアさんから声が掛かった。
「アスト、今日の午後から手は空いているかしら?」
「そうですね・・・投擲の練習はしたいですが、それは午前にできますから、時間は作れますよ?」
別に急いでやる必要も無いので構わないが、何か用事かな?
流石に弓の的になってくれとかいわれたら断るけど、ある程度なら引き受けるつもりでいるぞ。
「実は、闘技大会に備えて弓を鍛えたいのだけれど、狩りに付き合ってもらえないかしら・・・?」
「いいですよ?」
「・・・頼んでおいてあれだけれど、随分と即答だったわね」
「ええ。楽しそうですから、こちらからお願いしたいくらいですよ。
あ・・・どうせなら弓の戦い方も見ておきたいところですけど」
弓士のプレイヤーの戦い方はまともに見たことがない。
それが敗因にならないとも限らないので一度見ておきたいと思っていたのだ。
後回しにしているうちに大会二日前になってしまったけれど。
「あ、でも、生産作業の方はいいんですか?」
「ええ、問題ないわ。一つキャンセルが入ってしまったから時間が空いたのよ」
ああ、なるほど。
それでその時間を有効に使う為に狩りに出る、ということか。
「そういうことでしたら大丈夫ですね。昼食後、十三時にここでどうです?」
「そうね・・・それでいいわ。ありがとう、アスト」
「いえいえ、どういたしまして」
そんな訳で、午後からの予定は決まった。
「レインレイン、アスト兄が午後からアリアとデートなんだって」
「ええっ!?そんなぁ・・・!」
待て待て待て。
何の話をしているんだ!
デートなどではなく一緒に狩りに行くだけだぞ!
余計な誤解をレインに与えたミレアの奴は今すぐ懲らしめてやろう。
小声で話していても聴覚強化のおかげで聞こえるのだ。
「スケイルメイルの作業が終わって少し手が空くんだから、レインも一緒に行ってみたら?イベントのギルド戦に備えた連携の訓練にもなるよ?」
「で、でも。迷惑になるんじゃ・・・?」
うん?話の流れが変わったな。
レインは消極的な反応だが、少し静観してみよう。
「そ・れ・に!アスト兄と一緒に居られるよ?」
「っ・・・あの、アリアさん、私も行っていいでしょうか・・・?」
「ええ、勿論構わないし、私も有難く思うわ。アストもいいわよね?」
「いいですよ?
何故ニヤニヤしながら確定事項のように振舞ったのかは分かりませんが」
まるで僕が絶対に断らないと分かっているかのようじゃないか。
「アストさん、午後からよろしくお願いします・・・!」
「ああ。こちらこそよろしくな、レイン」
ま、細かいことはどうでもいいか。
ミレアには今度イクラ丼でも作ってあげよう。
実にファインプレーだった。
さて、ウレスタの町付近で木材を探しつつ投擲を鍛えよう。
あそこのコボルト相手なら良い練習になるはずだ。
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