異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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3章

124 高難易度と雷撃

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「「「かはっ・・・!?」」」


 あの後、時間が無駄なので全員纏めて戦うと言ったら、意気揚々と挑んできた。
 全員揃って返り討ちだけど。


「ミレア、終わったから作戦会議に混ぜてくれ」

「アスト兄に教える作戦なんて無いよ!」


 ・・・それは酷いんじゃないか、妹よ。


「アスト兄は自由に戦わせた方が良さそうだから、だよ?仲間外れじゃないよ?」

「・・・ああ、そういうことか。驚かせるなよ・・・」


 あと少しで涙が流れるところだった。
 まあ、相手が変則的な敵だから、遊撃役をつくるのは悪い作戦ではなかろう。

 討伐対象たるバーサクマグネモールは空に浮いたままこちらを睨んでいる。
 ミレア曰く、電磁浮遊のようなものではないか、とのこと。
 生憎、僕たちは戦闘エリアの外に居るので、睨んでも無意味だ。

 全員に、フレイムアップなどの強化魔法を掛け終わり、準備は完了。


「それじゃあ、合図したら戦闘エリアに入ってね!」

「了解」

「了解したわ」


 僕と、ちゃっかり混ざっていたエルフの女性、セレナが返事をした。
 確か、前回のレイドボス戦にも居たよな?この廃人め。
 他のメンバーも各々了承の返事をし、いざ決戦。


「いっせーのーでっ!・・・の合図で入ってね?」

「「「「「「ちょっ!?」」」」」」


 全員止まる事など出来ずに戦闘エリアに入ってしまった。
 前もあったな、こういうこと。
 というか、ミレアも普通に入ってるじゃないか。


「グモオオオオオオっ!!」

「みんなっ、戦闘開始っ!」


 巨大な漆黒のモグラによる叫び声とミレアの掛け声が開戦の合図となった。


「先手必勝だよ!
 フレイムエクスプロージョン!
 アクアエクスプロージョン!
 エアリアルエクスプロージョン!
 スノウエクスプロージョン!
 ダークネスエクスプロージョン!
 シャイニングエクスプロージョン!」

「「「「なんだそりゃあああっ!?」」」」


 ミレアが開戦と同時に呪文アーツを使用。
 ダブってて聞こえ辛かったが、多分六種類。
 妹よ、いつからそんなことが出来るようになってたんですかねぇ・・・。
 そりゃあ、みんなツッコみたくもなるさ。

 ・・・あ、火傷のアイコンがモグラの上に浮かんだ。


「こらーっ!呆けてないで戦わなきゃ!」

「「「誰のせいだ、誰の!!」」」


 みんなそういいつつも攻撃を開始している。
 空に浮かんでいるので、主に遠距離攻撃で。


「スラッシュショット!」

「「「フレイムエクスプロージョン!」」」

「「エアリアルエクスプロージョン!」」


 魔法がモグラに殺到し、直撃。
 ミレアの言う通り、あまり小回りは効かないようだ。
 曰く、小回りが効くのであればとっくの昔に攻撃してきている、とのこと。
 モグラが待機してやり過ごそうとしていたのにも理由があったということだ。


「グモッ!」


 モグラが声を上げて、雷の爆発を地上に落とした。
 何名かが回避に失敗してダメージを負う。
 すぐに光明魔法で回復してもらえたが・・・バーサクブレイズハウンドとは難易度が桁違いに高いぞ、コイツ。
 以前のはチュートリアルみたいなものだったのかもしれない。


「魔法防御部隊一班!次からは範囲魔法で相殺して!パターン把握に徹するよ!」

「「「了解!」」」


 相手の情報も殆ど無いので、このようにその場その場で対応を考える必要がある。
 指揮官役が居ないとあっという間に統制がとれなくなって全滅だろうな。

 続いて、モグラの手から雷が発射され、一瞬で前衛一人に着弾。
 余りにも速過ぎて、見て回避することは不可能な魔法だな。
 魔法を喰らった前衛のHPは、重装備だったにも関わらず一気にレッドゾーンへ。


「回復魔法部隊!直ぐに回復して!気絶して倒れた人は回収!」

「「シャイニングハイヒール!」」

「ライトヒール!」


 雷撃を喰らったプレイヤーは気絶と麻痺のアイコンが浮かんでいる。
 治療法が無いというのはこうも厄介なのか・・・!
 このままではジリ貧になりそうだが、ミレアもそのくらいは分っているだろうし、わざわざ口にはしない。
 
 しかし、あの雷撃はどうやって対応するべきだ?
 ミレアはどんな策を立てるだろうか。


「アスト兄!滅多にこないと思うけど、今の攻撃の対応をお願い!」

「まさかの丸投げっ!?」


 僕を超人か何かだと誤解してやいないか?
 信頼の裏返しだと思えば悪い気はしないけども。


 その後、雷の爆発―ライトニングエクスプロージョンが何度か飛んできたが、ことごとく魔法防御部隊によって相殺されている。
 その間にも魔法攻撃部隊は魔法攻撃を繰り返してダメージを積む。
 ゆっくりながらも、三段あるHPバーはじわじわと減っている。

 ちなみに、今回のレイドメンバー四十八人は、前衛十一人と後衛三十七人だ。
 ミレア、早い者勝ちと言っておきながら、ある程度選別したな?
 どうりで不満のあるやつが前衛職ばかりだと思った。

 ・・・待てよ?
 申請は早い者勝ちだと言っていたが、選別しないとも言ってなかったような。
 とんだ屁理屈だな。


《熟練度が一定に達し【魔力察知】スキルがLv16になりました》


 モグラから大きな魔力を察知した。
 このモーションは恐らく、あの雷撃。
 狙いは・・・少し離れた場所に居るミレアか!


「っ、アスト兄!」


 その予想は的中し、ミレアに向けて超高速の雷撃が放たれた。

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