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3章

102 バースト再び

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 冒険者ギルドを出て転移水晶へ向かう。

 あの後、ソフィアにもう少し話を聞いたのだが、どうやら町の開放はかなりポイント(?)が高いらしい。
 自分一人でいくら頑張っても、その他大勢のプレイヤーには勝てないと思っていたのだが、そうでもないということだ。
 ソフィアのためという訳でもないが、この調子で楽しんでいこう。

 転移水晶で転移したのはイスタリアの町。
 ここから南へ向かうと、開放したばかりのウィルカの町に着くので、そちらの境界ボスが倒されてないか確認しに行くのだ。
 町はそこそこ賑わっており、プレイヤーが結構な数存在している。
 ウェザリアも繁盛しているようで何よりだ。







《熟練度が一定に達し【梟の目】スキルがLv10になりました》
《熟練度が一定に達し【先手】スキルがLv5になりました》


 町の周りにはファングラビットしかいないので、先手のスキルを使いつつ不意打ちで確殺。ただ、半分くらいは途中で気づかれているのでよろしくない。
 そういえば、幾つか取得を保留しているスキルがあったな。
 聴覚強化、嗅覚強化、触覚強化、そして忍び足。どれも有用そうなのは間違いないので取得しよう。









《熟練度が一定に達し【忍び足】スキルがLv3になりました》
《熟練度が一定に達し【聴覚強化】スキルがLv5になりました》
《熟練度が一定に達し【触覚強化】スキルがLv5になりました》


 空いているスキル枠は4つなので、一つ残すために嗅覚強化以外を取得した。
 現在は、イスタリアの西から南に掛けて続いている影狼の森を進んでいる。

 二つの強化スキルは空間把握と同じ時に取得できるようになったので、ある程度は効果の予想をしていた。
 その予想は正解で、気配感知と合わせて周囲の把握がしやすくなった。
 また、目が無い背後の動きも、よりよく分かるように。

 とまあ、そういう訳で・・・。


「つまり、背後が死角だというのは安易な考えだということだ」

「・・・何がつまりなのか分からねぇが、てめぇが化け物なのは分かった」


 影狼の森で襲ってきた、バースト。
 以前ウェザリアに襲い掛かってきた奴だ。

 背後から槍で一突き・・・というのを事前に察知していたので、ギリギリで半身になって回避してカウンターを入れた。
 その時の驚愕の表情といったら・・・・・・ごちそうさまです。
 お笑い芸人みたいなナイスリアクションだったぞ。笑いを堪えるのが大変だ。


「あはははははははっ!!」

「何笑ってやがる!いきなり意味不明だ!」

「お前の顔が面白くてな。あはははははっ!」

「てめぇぇぇぇぇぇっ!!」


 一応誉め言葉なんだが、気に障ったか?


「まあいいや。やるなら受けて立つぞ?」

「ちっ・・・余裕だな。前回のリベンジだっ!」

「こいっ・・・・・・アホ!」

「バーストだっ!変装のときに適当につけた偽名を引っ張んじゃねぇっ!!」


 文句をつけながらも槍で刺突を繰り出してきた。
 槍のランクが下がっているようだが・・・僕が奪ったせいか。
 気の毒だな。戦利品だから返さないけど。


「トリプルスラストっ!」

「おっ、トリプルスラッシュ!前より刺突が速くなってるな」

「平気で叩き落してるくせに良く言うぜっ!ダブルスラスト!」


 二連刺突をオレンジステップで回避してカウンター。


「ダブルスラッシュ!・・・を中断してトリプルスラスト!」

「はあっ!?」


 どうにも、バーストに読まれている気配があったので変更した。


《熟練度が一定に達し【聴覚強化】スキルがLv6になりました》
《熟練度が一定に達し【触覚強化】スキルがLv6になりました》


 確信できたのは、五感系スキルのおかげもあるのだろう。
 無くても何とかなったとは思うが。


「ぐはっ・・・てめぇっ!それはどんな手品だっ!」

「ん?手品のスキルなんて取得してないぞ?」

「そうじゃねぇよ!?クールタイムのことだっ!」


 クールタイム?
 ああ、アーツを強制終了させるとアーツがしばらく使えなくなる奴な。


「だって剣じゃなくて槍だし」

「そんな理屈が通用するわけねぇだろっ!?そんなことができたら全員二つ以上の武器スキルを取得するに決まってるだろうがっ!」

「そんなこと言われても、出来たものは出来たし」


 一体何が不満だというのか。


「このっ・・・人外がっ!」

「僕は日本人だぞ?」

「外人じゃねぇ!人外だっ!」


 それは失礼。
 では・・・忍び足+グリーンステップ。
 これで一瞬僕を見失うだろう。


「っ!?スラスト!」

「流水!・・・覚悟はいいな?」

「っ、しまっ・・・!」


 きちんと狙いを付けずに放たれた刺突など完璧に受け流せる。
 バーストは・・・隙だらけだ。
 左手の槍を仕舞い、右手に剣を装備。この裏技で、受け流し行動と同時に・・・いや、完全に受け流し切る少し前から攻撃へ移ることが可能。
 バーストの目が見開かれた。


「オラクレア・ペンタグラム!」

「ぐあああっ!チクショーがあああっ!!」


 バーストのHPバーは消失し、ポリゴンの欠片となって爆散。


《熟練度が一定に達し【気配感知】スキルがLv3になりました》
《熟練度が一定に達し【梟の目】スキルがLv11になりました》
《熟練度が一定に達し【忍び足】スキルがLv4になりました》
《熟練度が一定に達し【聴覚強化】スキルがLv7になりました》
《熟練度が一定に達し【触覚強化】スキルがLv7になりました》


 ふぅ・・・。
 戦闘勝利だな・・・っ!?

 嫌な予感がした直後、僕へ向けて何かが飛んできたのを察知した。
 この絶妙なタイミングはっ・・・回避、出来ないっ!?






 名前 アスト

 種族 人間 Lv26
 第一職業 上級剣士 Lv2
 第二職業 火焔魔法士 Lv1
 第三職業 舞闘家 Lv2
 スキルポイント22

 アナザースキル
 加速Lv8  

 マスタースキルⅠ
 剣術Lv10〔Master〕火魔法Lv10〔Master〕
 索敵Lv10〔Master〕発見Lv10〔Master〕
 解析Lv10〔Master〕錬金Lv10〔Master〕
 料理Lv10〔Master〕槍術Lv10〔Master〕
 中級剣術Lv20〔Master〕火炎魔法Lv20〔Master〕
 中級槍術Lv20〔Master〕気配察知Lv20〔Master〕

 マスタースキルⅡ
 回避Lv10〔Master〕直感Lv10〔Master〕
 照準Lv10〔Master〕疾走Lv10〔Master〕    
 暗視Lv10〔Master〕予測Lv10〔Master〕
 迎撃Lv10〔Master〕ステップLv10〔Master〕
 軽業Lv10〔Master〕瞬発Lv10〔Master〕
 遠見Lv10〔Master〕歩法Lv10〔Master〕
 闇魔法耐性Lv10〔Master〕
 火魔法耐性Lv10〔Master〕
 水魔法耐性Lv10〔Master〕
 盲目耐性Lv10〔Master〕
 視覚強化Lv10〔Master〕
 火傷耐性Lv10〔Master〕
 予見Lv20〔Master〕舞踏Lv20〔Master〕
 受け流しLv20〔Master〕見切りLv20〔Master〕
 立体機動Lv20〔Master〕疾駆Lv20〔Master〕
 軌道予測Lv20〔Master〕縮地Lv20〔Master〕
 アクロバットLv20〔Master〕反応Lv20〔Master〕
 水中歩行Lv20〔Master〕水中機動Lv20〔Master〕

 マスタースキルⅢ
 影魔法Lv10〔Master〕魔剣術Lv10〔Master〕

 スキル 
 上級剣術Lv6 上級槍術Lv5 火焔魔法Lv4
 中級錬金Lv12 中級料理Lv9 解体Lv16
 大発見Lv18 分析Lv18 気配感知Lv3
 梟の目Lv11 空間把握Lv12 先手Lv5
 忍び足Lv4 闘気Lv6 舞闘Lv6 連携Lv5
 空中機動Lv3 聴覚強化Lv7 触覚強化Lv7 

 称号
 開拓者 冒険者 使徒 越境者Ⅱ 開放者Ⅱ
 ジャイアントキリング レイドボス討伐者
 アイシスキラー 熟練戦士 小金持ち
 クリティカルマスター 上級剣士 強奪者

 基礎能力値

 物理攻撃力 22(+26)
 物理防御力 18(+24)
 魔法攻撃力 20(+14)
 魔法防御力 26(+10)
 平均速力  23(+22)

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