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3章
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あの後、頭を冷やすためにログアウトした。
夕食の時間も近づいていたので丁度良かった。
「・・・あああっ!なんであんな甘い言葉を平気で吐けたんだっ、僕はっ!?」
ベッドから起き上がったところで、先程レインに言った言葉を思い出し、急激に恥ずかしさが込み上げてきた。
ああ、恥ずかしい・・・。次にどんな顔をして会えばいいのやら・・・。
色々考えだしたら、もう枕に顔をうずめて悶えることしか出来ない・・・。
一時間後。
ようやく落ち着いた。
考えても仕方がないから夕食の準備をしよう。
幸い、早めにログアウトしたから、夕食まではまだ時間がある。
今日のメニューはシチューだ。
「お兄ちゃん、レインを口説いたって本当?」
「ぶっ!?」
何故それを知っている!?
いや違う!あれは口説いたんじゃなくてフォローしただけだ!
「・・・ゴホン。何かの間違いじゃないか?」
「えー?シエラがメッセージでそう教えてくれたのに・・・」
「ほう・・・」
シエラには後で話をしなくてはならないようだ。
ログアウト前に、天然誑しだのスケコマシだのと言われたのはスルーしてやったのに。わざわざ自分から起爆スイッチを押しにくるとは驚きだ。
「ちなみに口説いてないなら、何をどんな風に言ったの?」
「ん?確か・・・どんな結果になっても、君のためになるのであれば僕は嬉しいし、最高に幸せだ。みたいなことを言った記憶があるな」
「・・・・・・はぅ」
美鈴の様子がおかしい。何がどうした。
頬が赤いが、今日はそんなに暑くないよな?
どんな風にと聞かれたから、わざわざその時の雰囲気を真似たのだが、お気に召さなかったか。
まあ、よくよく考えれば、僕が言っても似合わないよな。
「美鈴?そんなに駄目だったか?だとしたら、今後は二度と言わないように気をつけないとな」
「えっ?べ、別におかしくは無かったかなー、なんて」
じゃあ何で黙った上に変な反応をしたんだ。
フォローにしては微妙だし、誤魔化し切れてないぞ。
「はいはい。僕にそういうのが似合わないのは良くわかったよ」
「むー。そうじゃないのに・・・・・・。次は私に向けて言ってほしいなぁ・・・」
後半部分は聞き取れなかったが、どうでもいいか。
ないとは思うが、僕の悪口だったら二、三日立ち直れないかもしれないし。
夕食を終えてFSOへログイン。
ウェザリアの工房に降り立った。
「シエラさんや。ちょーっと、お・は・な・し、しようか?」
「・・・・・・お手柔らかにお願いしますです」
うん。素直なのが一番だ。
美鈴にあらぬ誤解を与えたことは小言を言うだけで許してやろう。
さて、夜も遅いが冒険者ギルドへ到着。
ソフィアに頼んで討伐依頼を受注し、直後に達成した。
ウェザリアでの売却代金も合わせて300万ゴールドくらいだな。討伐報酬自体も悪くないし、やはり新しい素材は高く売れる。
「そういえば、ソフィアはいつ来ても居るけど、ちゃんと休めてるのか?」
「ええ、最近は忙しいですが、月に一度はお休みを頂いていますよ。あ、でも・・・そろそろお休みを取れる日が増えそうなんです・・・!」
月に一度って・・・ハードワークだな。
プレイヤーの対応で忙しい時期なのだろうし、どうしようもない部分もあるんだろうけど、少しだけ気の毒に思う。
理由は分からないが、休みが増えそうなのは良かった。眼鏡を直しながらそう告げたソフィアも嬉しそうだ。
「それは良かった。だが、どうして休みが増えたんだ?」
「あ・・・それは、ですね・・・」
言いよどむのは何故なのだろう。僕には言いにくいことか?
「あー、言いにくいなら言わなくてもいいんだぞ?」
「っ、いえ、言わせてください。実は・・・受付の担当にはとあるノルマが課されていまして。そのノルマを超えた分だけ待遇が良くなるのです」
何と世知辛いシステムなのか。
だが、言い辛そうにしていたのは何故だろう。もしかして、そのノルマとやらに関係あるのだろうか。
「ふーん?それで、休みとは何の関係が?」
「そのノルマというのが、ですね・・・担当している使徒の方々からの買取金額やご活躍の次第についてのことでして。アスト様が大変ご活躍してくださっているおかげで、私の休日や給金の方が良くなっております。アスト様からすれば不愉快なお話でしょうけれど、隠していたくはありませんでしたので・・・」
なるほど。そういうことだったのか。本当に世知辛いシステムだ。
通りで他の受付嬢は、やけに積極的でプレイヤーへの態度が良いんだな。
そういえば、ソフィアのところで受付をしたのは、唯一声を掛けてこなかったのと一番落ち着いていそうだという理由でだった。
彼女の生真面目な性格からして、プレイヤーを自分の利益の為に利用するのが嫌だったんだろう。ただの推測だけどな。
「そうか。あ、別に不愉快なんて思わないぞ?僕は自分のやりたいようにやっているだけだし、その上でソフィアの助けになるなら、文句なんて何一つない」
「・・・私は。アスト様の担当になることができて、本当に良かった・・・!」
心からの感謝が籠ったその言葉は、とても胸に響いた。
もう、彼女をNPCだと考えるのは無理だな。
ソフィアは、れっきとした一人の人間だ。そう思うようにしよう。大多数の人は馬鹿なことだと思うかもしれないがな。
夕食の時間も近づいていたので丁度良かった。
「・・・あああっ!なんであんな甘い言葉を平気で吐けたんだっ、僕はっ!?」
ベッドから起き上がったところで、先程レインに言った言葉を思い出し、急激に恥ずかしさが込み上げてきた。
ああ、恥ずかしい・・・。次にどんな顔をして会えばいいのやら・・・。
色々考えだしたら、もう枕に顔をうずめて悶えることしか出来ない・・・。
一時間後。
ようやく落ち着いた。
考えても仕方がないから夕食の準備をしよう。
幸い、早めにログアウトしたから、夕食まではまだ時間がある。
今日のメニューはシチューだ。
「お兄ちゃん、レインを口説いたって本当?」
「ぶっ!?」
何故それを知っている!?
いや違う!あれは口説いたんじゃなくてフォローしただけだ!
「・・・ゴホン。何かの間違いじゃないか?」
「えー?シエラがメッセージでそう教えてくれたのに・・・」
「ほう・・・」
シエラには後で話をしなくてはならないようだ。
ログアウト前に、天然誑しだのスケコマシだのと言われたのはスルーしてやったのに。わざわざ自分から起爆スイッチを押しにくるとは驚きだ。
「ちなみに口説いてないなら、何をどんな風に言ったの?」
「ん?確か・・・どんな結果になっても、君のためになるのであれば僕は嬉しいし、最高に幸せだ。みたいなことを言った記憶があるな」
「・・・・・・はぅ」
美鈴の様子がおかしい。何がどうした。
頬が赤いが、今日はそんなに暑くないよな?
どんな風にと聞かれたから、わざわざその時の雰囲気を真似たのだが、お気に召さなかったか。
まあ、よくよく考えれば、僕が言っても似合わないよな。
「美鈴?そんなに駄目だったか?だとしたら、今後は二度と言わないように気をつけないとな」
「えっ?べ、別におかしくは無かったかなー、なんて」
じゃあ何で黙った上に変な反応をしたんだ。
フォローにしては微妙だし、誤魔化し切れてないぞ。
「はいはい。僕にそういうのが似合わないのは良くわかったよ」
「むー。そうじゃないのに・・・・・・。次は私に向けて言ってほしいなぁ・・・」
後半部分は聞き取れなかったが、どうでもいいか。
ないとは思うが、僕の悪口だったら二、三日立ち直れないかもしれないし。
夕食を終えてFSOへログイン。
ウェザリアの工房に降り立った。
「シエラさんや。ちょーっと、お・は・な・し、しようか?」
「・・・・・・お手柔らかにお願いしますです」
うん。素直なのが一番だ。
美鈴にあらぬ誤解を与えたことは小言を言うだけで許してやろう。
さて、夜も遅いが冒険者ギルドへ到着。
ソフィアに頼んで討伐依頼を受注し、直後に達成した。
ウェザリアでの売却代金も合わせて300万ゴールドくらいだな。討伐報酬自体も悪くないし、やはり新しい素材は高く売れる。
「そういえば、ソフィアはいつ来ても居るけど、ちゃんと休めてるのか?」
「ええ、最近は忙しいですが、月に一度はお休みを頂いていますよ。あ、でも・・・そろそろお休みを取れる日が増えそうなんです・・・!」
月に一度って・・・ハードワークだな。
プレイヤーの対応で忙しい時期なのだろうし、どうしようもない部分もあるんだろうけど、少しだけ気の毒に思う。
理由は分からないが、休みが増えそうなのは良かった。眼鏡を直しながらそう告げたソフィアも嬉しそうだ。
「それは良かった。だが、どうして休みが増えたんだ?」
「あ・・・それは、ですね・・・」
言いよどむのは何故なのだろう。僕には言いにくいことか?
「あー、言いにくいなら言わなくてもいいんだぞ?」
「っ、いえ、言わせてください。実は・・・受付の担当にはとあるノルマが課されていまして。そのノルマを超えた分だけ待遇が良くなるのです」
何と世知辛いシステムなのか。
だが、言い辛そうにしていたのは何故だろう。もしかして、そのノルマとやらに関係あるのだろうか。
「ふーん?それで、休みとは何の関係が?」
「そのノルマというのが、ですね・・・担当している使徒の方々からの買取金額やご活躍の次第についてのことでして。アスト様が大変ご活躍してくださっているおかげで、私の休日や給金の方が良くなっております。アスト様からすれば不愉快なお話でしょうけれど、隠していたくはありませんでしたので・・・」
なるほど。そういうことだったのか。本当に世知辛いシステムだ。
通りで他の受付嬢は、やけに積極的でプレイヤーへの態度が良いんだな。
そういえば、ソフィアのところで受付をしたのは、唯一声を掛けてこなかったのと一番落ち着いていそうだという理由でだった。
彼女の生真面目な性格からして、プレイヤーを自分の利益の為に利用するのが嫌だったんだろう。ただの推測だけどな。
「そうか。あ、別に不愉快なんて思わないぞ?僕は自分のやりたいようにやっているだけだし、その上でソフィアの助けになるなら、文句なんて何一つない」
「・・・私は。アスト様の担当になることができて、本当に良かった・・・!」
心からの感謝が籠ったその言葉は、とても胸に響いた。
もう、彼女をNPCだと考えるのは無理だな。
ソフィアは、れっきとした一人の人間だ。そう思うようにしよう。大多数の人は馬鹿なことだと思うかもしれないがな。
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