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3章

87 渡川に挑戦

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 冗談のような手紙を読み、朝食を終えて、FSOにログイン。

 あんな冗談を書く父親ではなかった気がするんだがな・・・。
 よく揶揄われはしたけど。


 ログインした直後、アリアさんに捕まった。


「・・・アスト、高品質ポーションについて問い合わせが殺到しているわ」


 そういえば話してませんでした。
 状況的に、レインに気をとられたからなんて口が裂けても言えない。

 ここは一つ、誤魔化してみよう。


「気のせいですよ、気のせい」

「無駄な誤魔化しをするのなら、レインと接触禁止にするわよ?」

「とあるアイテムを使いました。これです」


 思わずモノまで見せてしまった。
 そこまで求められてはいなかったのに。

 あ、ウェザリアには情報の提供義務が無い。
 善意の情報提供のみなので、アリアさんとしては定期販売が可能か聞きたかったんだろうな。

 別に隠すつもりもなかったので話してもいいのだが、受け取る側が負担に思わないかどうかだけが心配だ。善意を受けっぱなしだと辛いものがあるだろうし。


「水精霊の器・・・そんなものが・・・。もしかしたら他の生産スキルにも似たようなアイテムが・・・」

「アリアさん、大丈夫ですか?」

「・・・・・・。」


 反応が無い。考え込んでしまったみたいだ。
 仕方が無いので少し待機。


「・・・・・・ハッ!?ごめんなさい、考え込んでいたわ」

「お気になさらず。それで、ですね・・・一応定期販売は可能ですが、個数は今まで通りになりそうです」

「そう・・・とても有難いわ。でも、無理はしないでちょうだいね?」


 少しばかり不安そうな顔を向けられているが、無理はしないぞ?
 楽しめなくなったら本末転倒だ。


「分かってますよ。現状、目一杯楽しんでますから大丈夫です」

「ならばいいのだけれど・・・。困ったことがあったら相談して頂戴ね?あなたはウェザリアの一員であり、私たちはいつもお世話になっているのだから」


 妙にアリアさんからの好感度が上がっている気がする。
 何故こうなった。
 もっと好感度を上げるべき人が居るだろうに。

 まあ、嫌な気はしないので別にいいのだが。


「その時は相談させてもらいますよ。では、失礼します」









 アリアさんに見送られて、ウェザリアを出た。

 しかし、今日はどうしようかな・・・?
 そう考えながら町を歩いていると、見知ったプレイヤーが。



 名前 ディアス

 種族 人間 Lv17
 第一職業 中級剣士 Lv8
 第二職業 中級盾士 Lv7



 やはりディアスか。スルーしてよし。


「おいっ!なんで見て見ぬふりをしたんだよ!」

「素通りしてくれなかったか・・・」

「普通は挨拶くらいするんじゃねぇか・・・?」


 そう言われても、ディアスだし。
 こいつは年下っぽいし、こういう扱いが一番しっくりくる。
 他の知り合いも似たような扱いだしな。


「それで、何か用か?」

「え?いや、用というほどのことは無いけどよ・・・」

「・・・友達居ないのか?」

「違ぇよ!人に勝手にレッテルを貼るなよ!?」


 そんなにムキにならなくとも、冗談なのにな。

 ・・・うん?ディアスに会ったら思い出した。


「ディアス、今日は川で溺れないのか?」

「いつもは溺れてるみたいな言い方!?」

「よし、決めた。今日は南へ行こう」

「話を振っておいて聞いてねぇし!」


 ディアスのことはさておき、南には川があるんだった。
 水中機動と水中歩行があれば、なんとかなるんじゃないか?


「ディアス、一緒に来るか?」

「よくわからんがまた溺れるのは御免だぜ?」

「大丈夫だ。武器は拾ってやる」

「せめて骨を拾ってくれよ!・・・って、それだと武器がアストの物になるじゃねぇか!」


 その通り。落とした武器はしばらくすると所有権がリセットされるのだ。
 そこにすぐ気づくとは、なかなかやりおる。


「まあ、なんなら見ているだけでもいいし、好きにすればいいさ」

「・・・そういうことなら、一緒に行かせてもらうぜ」


 こうして、ディアスとパーティーを組むことになったのだった。












《熟練度が一定に達し【中級槍術】スキルがLv15になりました》


「なあアスト、いつから槍使いになったんだ・・・?」

「いつからもなにも、剣士のままだが?」

「さっきから槍しか使ってないんだが!?」


 そうは言っても、剣が必要なほどの敵は居ないのだから仕方あるまい。
 クリティカルヒットが望ましいが、ラビットとハウンドであれば、既に一撃でしとめられるのだ。

 町を出て直ぐに川へ到着。
 川幅は二十メートルも無いが、左右どちらを見ても、川が延々と続いている。


「なあ、この川ってエリアの端まで続いてるのか?」

「ああ、実際に確認したから間違いないぜ」

「じゃあ、その先は?」

「俺は行ってないが、その先へ踏み込んだ奴らは仲良く死に戻りだ」


 ま、三マス目の難易度では厳しいよな。


「さて、川に入ってみるか」

「おいおい、マジで入んのかよ・・・死に戻ってもしらねぇぞ?」

「大丈夫だ。いい感じのスキルを覚えたからな」

「はぁ!?そんなスキルがあんのか!?」


 そういえば掲示板に載せてなかったな。後で載せておこう。


「ああ。水中歩行と水中機動だ。あとで掲示板に載せておこう」

「よっしゃ!これでリベンジが出来るぜ!」


 興奮しているディアスを放置して、少しずつ川に入ってみる。


「これは・・・ごぼっ!・・・ぷはっ!」


 ギリギリ溺れはしないが、溺れかけだ・・・!


「アスト!大丈夫か!?」

「大丈夫だっ!ゴボボボボボッ!?」

「アスト!?」


 これ、向こう岸に辿り着けるのか・・・!?







 名前 アスト

 種族 人間 Lv24
 第一職業 中級剣士 Lv18
 第二職業 火炎魔法士 Lv15
 第三職業 舞踏家 Lv15
 スキルポイント13

 アナザースキル
 加速Lv7  

 マスタースキルⅠ
 剣術Lv10〔Master〕火魔法Lv10〔Master〕
 索敵Lv10〔Master〕発見Lv10〔Master〕
 解析Lv10〔Master〕錬金Lv10〔Master〕
 料理Lv10〔Master〕槍術Lv10〔Master〕
 中級剣術Lv20〔Master〕火炎魔法Lv20〔Master〕

 マスタースキルⅡ
 回避Lv10〔Master〕直感Lv10〔Master〕
 照準Lv10〔Master〕疾走Lv10〔Master〕    
 暗視Lv10〔Master〕予測Lv10〔Master〕
 迎撃Lv10〔Master〕ステップLv10〔Master〕
 軽業Lv10〔Master〕瞬発Lv10〔Master〕
 遠見Lv10〔Master〕
 闇魔法耐性Lv10〔Master〕
 火魔法耐性Lv10〔Master〕
 水魔法耐性Lv10〔Master〕
 盲目耐性Lv10〔Master〕
 視覚強化Lv10〔Master〕
 火傷耐性Lv10〔Master〕
 予見Lv20〔Master〕舞踏Lv20〔Master〕
 受け流しLv20〔Master〕見切りLv20〔Master〕
 立体機動Lv20〔Master〕疾駆Lv20〔Master〕

 マスタースキルⅢ
 影魔法Lv10〔Master〕魔剣術Lv10〔Master〕

 スキル
 上級剣術Lv3 中級槍術Lv15 火焔魔法Lv1
 中級錬金Lv12 中級料理Lv9 解体Lv16
 気配察知Lv18 大発見Lv17 分析Lv17
 軌道予測Lv19 反応Lv17 縮地Lv18
 アクロバットLv16 梟の目Lv8 水中歩行Lv14
 水中機動Lv14 闘気Lv5 舞闘Lv4 

 称号
 開拓者 冒険者 使徒 越境者Ⅱ 開放者Ⅱ
 ジャイアントキリング レイドボス討伐者
 アイシスキラー 熟練戦士 小金持ち

 基礎能力値

 物理攻撃力 20(+26)
 物理防御力 16(+24)
 魔法攻撃力 18(+14)
 魔法防御力 25(+10)
 平均速力  17(+22)

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