異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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3章

77 無情なるガチャ

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 休憩を終え、ほぼ最短ルートで影狼の森を移動する。


「レッドステップ!パワースラッシュ!」

「ギャウンッ!?」


 シャドウウルフのHPがなくなり、戦闘勝利。

 アリアさんたちは、シャドウウルフ三体を相手にしている。
 コツは教えておいたので、今のところ優勢。


「いきます!クレイストーム!」

「右側の一体に集中攻撃!パワーアロー!」

「ダブルスラッシュ!」


 レインの魔法で土埃が起きた。その隙に単体へ集中攻撃か。
 頭数を減らすのは常套手段だ。
 ミアは盾で殴っている。その内攻撃アーツを覚えられるといいね。

 程なくしてシャドウウルフ三体は全滅した。


「お見事です。連携も嵌まってましたし、言うことなしです」

「そう。けれど、流石に精神がすり減るわね・・・」

「隠密が得意な敵しか居ませんからね・・・」


 慣れるまでは確かにキツイだろうな。
 もうすぐ森を抜けるけど。








《熟練度が一定に達し【気配察知】スキルがLv17になりました》
《熟練度が一定に達し【大発見】スキルがLv16になりました》
《熟練度が一定に達し【受け流し】スキルがLv20になりました》
《【受け流し】スキルが最高値になりました》
《熟練度が一定に達し【梟の目】スキルがLv8になりました》
《熟練度が一定に達し【遠見】スキルがLv10になりました》
《【遠見】スキルが最高値になりました》


「森を抜けたわね・・・」

「疲れた・・・」

「私も精神的に限界だよ・・・」

「皆さん、あと少しですから頑張ってください・・・!」


 みんな消耗しているようだ。
 胸の前に手を置いて健気に励ますレインが可愛い件。


「アストさん、どうかなさいましたか?」

「いや、何でもないよ。先へ進もう」

「あっ、はい・・・!」








 時刻は正午前。

 イスタリアの町に到着した。


「到着、ですね。お疲れ様でした」

「お疲れ様。ここまでありがとう、アスト」


 代表でアリアさんがお礼を言ってくる。


「・・・レインの方がよかったかしら?」

「いえいえ、そんなことはありませんよ!」


 視界の端に頬を赤らめるレインの姿が映り込んだ。
 ああもう・・・恥ずかしいったらありゃしない。


「では、僕はログアウトしますので、また」

「あっ・・・」


 レインが何か言った気がするが、逃げるが勝ちだ。
 これ以上留まったら、また揶揄われる気がするのだ。










 昼食はネギトロ丼とツナサラダなどなど。


「お兄ちゃん、大好き!」

「ブホッ!げほっ、ごほっ・・・!?」


 急に何を言い出すんだこの妹は!

 いや、待て、落ち着け。
 おかしな意味ではないはずだ。兄妹愛云々の話だ。
 ログアウト前がアレだったせいで変に意識してしまっただけだ。
 何もおかしなことは無い。


「ごほっ・・・。そうかそうか。僕も美鈴が大好きだぞ」

「うんうん!だからね、ガチャを引くところを見せてほしいなぁ・・・なんて」

「だが断る」

「えええっ!?なんでっ!?」


 自分の胸に手を当てて聞いてみろ!
 人をおちょくりおって!


「お願いお兄ちゃん・・・!見せて・・・?」

「ぐっ・・・」

「ね・・・?」


 上目遣いで軽く首を傾げてお願いとは・・・!


 数秒の葛藤を経て、イスタリアの町に来ることを条件にして許可した。
 あんな風にお願いされて断るとか無理だ。
 うちの妹が、将来的に男をたぶらかしそうで怖い。


「こんなことするのはお兄ちゃんだけだからねっ!」

「はいはい。分かりやすいお世辞をありがとうな、美鈴」

「むぅぅ・・・」


 何故唸るし。
 一体何が不満なのやら。











 ログインしたら早速シルバーチケットを使う。
 美鈴はアライアの町に居たらしいので、すぐにやってきた。


「では・・・」

「ゴクリ・・・!」

「シルバーチケットを使用!」

「待ってました!」


 ウェザリアの新店舗の中でチケットを使用した。
 すると、白髪女性が現れた。
 どうやら運営アバターらしい。


「ご利用ありがとうございます。シルバーチケットの使用を確認しましたので、こちらの機械を三度回してください」

「えっと・・・あなたは?」

「私はAIシステムのアイシスと申します。以後、よろしくお願いいたします」

「あ、うん。よろしく?」


 アイシスは無表情なのだが、感情はありそうだ。
 運営の人がアバターを操っているわけではないんだよな・・・?


「お兄ちゃん、早く回してよっ!」

「おっと、そうだったな」


 では一回目。

 ガラガラガラガラガラガラ・・・ポン。


 これは・・・!


「おめでとうございます。『たわし』が当たりました」

「ちっともめでたくないんだが!?」

「「ぶふっ・・・!」」


 何故にたわし!?運営出てこい!
 アイシスが無表情なのに笑いを堪えているように見えるのは見間違いか!?

 ミレアとシエラは噴き出してるし・・・!


「くっ・・・もう一度だ!」


 ガラガラガラガラガラガラ・・・ポン。


「おめでとうございます。『たわし』が当たりました。・・・ッ!ッッ!?」


 アイシスの様子がおかしい。
 これはアレか。笑いを堪えているのか。


「なあアイシス。笑いたいなら笑ってもいいんだぞ?」

「っ・・・あははははははっ・・・!!二連続たわしってどんな確率・・・!!」

「予想以上に大笑いだな!?」


 くっ・・・!なんてこったい・・・!
 これはどんな辱めだ・・・!


《称号『アイシスキラー』を獲得しました》


 称号!?アイシスキラーって何だ!


 アイシスキラー
 無感情なアイシアを心の底から笑わせた者の証。
 アイシスからの親愛度+50%。NPCの好感度上昇率微上昇。


 もういい!次だ!


「どうぞ。またたわしが出ないといいですねっ・・・!・・・ッ!ッッ!!」

「・・・・・・」


 アイシスがバンバンとガチャを叩いている。
 必死に笑いを堪えようとしているが、まるで隠せていない。
 涙目&笑顔のアイシスは意外と可愛いが・・・それにしても笑い過ぎだろ。


「最後の一回・・・!」


 頼むから、たわし以外でお願いします・・・!








 名前 アスト

 種族 人間 Lv23
 第一職業 中級剣士 Lv16
 第二職業 火炎魔法士 Lv12
 第三職業 舞踏家 Lv13
 スキルポイント11

 アナザースキル
 加速Lv7  

 マスタースキルⅠ
 剣術Lv10〔Master〕火魔法Lv10〔Master〕
 索敵Lv10〔Master〕発見Lv10〔Master〕
 解析Lv10〔Master〕錬金Lv10〔Master〕
 料理Lv10〔Master〕槍術Lv10〔Master〕
 中級剣術Lv20〔Master〕

 マスタースキルⅡ
 回避Lv10〔Master〕直感Lv10〔Master〕
 照準Lv10〔Master〕疾走Lv10〔Master〕    
 暗視Lv10〔Master〕予測Lv10〔Master〕
 迎撃Lv10〔Master〕ステップLv10〔Master〕
 軽業Lv10〔Master〕瞬発Lv10〔Master〕
 遠見Lv10〔Master〕
 闇魔法耐性Lv10〔Master〕
 火魔法耐性Lv10〔Master〕
 盲目耐性Lv10〔Master〕
 視覚強化Lv10〔Master〕
 火傷耐性Lv10〔Master〕
 予見Lv20〔Master〕舞踏Lv20〔Master〕
 受け流しLv20〔Master〕

 マスタースキルⅢ
 影魔法Lv10〔Master〕魔剣術Lv10〔Master〕

 スキル
 上級剣術Lv1 火炎魔法Lv19 解体Lv15
 中級錬金Lv11 気配察知Lv17 大発見Lv16
 分析Lv17 立体機動Lv18 見切りLv19
 軌道予測Lv18 反応Lv17 疾駆Lv17
 中級料理Lv6 縮地Lv16 アクロバットLv11
 梟の目Lv8 中級槍術Lv2

 称号
 開拓者 冒険者 使徒 越境者Ⅱ 開放者Ⅱ
 ジャイアントキリング レイドボス討伐者
 アイシスキラー

 基礎能力値

 物理攻撃力 18(+18)
 物理防御力 16(+21)
 魔法攻撃力 18(+ 8)
 魔法防御力 25(+ 8)
 平均速力  17(+20)

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