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3章
68 バーサクブレイズハウンド
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「アスト様の冒険者ランクはEになりました。おめでとうございます!」
「どうもありがとうございます」
説明を聞く前に依頼を達成したら、冒険者ランクがEに上がった。
これでようやく一人前らしいので、まだまだこれからだが。
「それで、緊急クエストの件なんだが・・・」
「はい、ご説明いたします。数時間前、使徒の方々が加護のお力で町へ戻ってきたことが発端です」
使徒・・・そんな設定もあったな。加護というのは、死に戻りか?
今は関係ないだろうし、軽く流して先を促す。
「その方たち曰く、東の草原で巨大なハウンドに襲われた、と。ギルドの方で調査しましたところ、それが事実であることを確認し、町へ被害が及ぶ前に、緊急クエストを発令させていただきました」
「なるほど。それで、そのハウンド変異種の情報は?」
「それについては、巨大であるということ以外は不明です。解析できる距離まで接近するのは危険だという判断ですので」
まあ、それは仕方がないな。やや引っ掛かりはあるが。
「これは関係ないことですが、緊急クエスト発令については、受付さんが判断しているので?」
「いえ。決定を下されたのはギルドマスターです。それから、今更ではありますが、私の名前はソフィアと申します。以後お見知り置きを」
「あ、うん。僕はアストだ。よろしく」
「よろしくお願いします、アスト様」
本当に今更だな。これまで何度も顔を合わせているのに。
ちなみに、いつも依頼達成の報告をしていた受付嬢がソフィアだ。
年齢は、僕よりも少し上くらいで、青い長髪とキリっとした顔つき、メガネが特徴だ。メガネは掛けていないこともあるけど。
今思えば、受付さんにも名前があって当然だったかもしれない。
今までNPCと殆ど関わってこなかったので実感は無かったが、プレイヤーとなんら変わらないし。
このゲームは本当にリアルだ。
「じゃあ、僕も緊急クエストを受注しますね」
「かしこまりました、手続きいたします。・・・・・・ご武運を」
期待しながらも心配そうな表情をするソフィア。
これは、ゲームの設定という考えは一度捨てた方がいいな。
でないと、そのうちに手痛いしっぺ返しを喰らいそうだ。
アライアの町の東門から外に出て、東を目指す。
途中で掲示板を覗いてみると、緊急クエストについての情報があがっていた。
緊急クエストを知ったプレイヤーたちや、大手のギルドが討伐に乗り出していることが分かった。
早い者勝ちなので、もう倒されているかもしれないな。
それならそれで仕方ないし、素直に諦めるか。
《熟練度が一定に達し【気配察知】スキルがLv16になりました》
《熟練度が一定に達し【大発見】スキルがLv14になりました》
《熟練度が一定に達し【縮地】スキルがLv13になりました》
ソフィアから聞いた目撃情報のあった場所へ急行。
すると、既に戦いは始まっていた。
「HPバーが三本って・・・レイドボスかよ・・・」
敵の強さに唖然とするしかない。
もっと弱い奴を想像していたのだが、これを一人で倒すとか無理だろ。
バーサクブレイズハウンド Lv3
レイドボス 魔物 ユニーク 格上
??? ??? ??? ???
本当にレイドボスだったし。
それと、ユニークというのは何のことだ。最上位種とかではないのか?
レベルは低いが、格上の二文字がダーククリムゾンだ。
ここまで濃いのは初めてかもしれない。
「ブレスが来るぞっ!!盾士は防げ!!」
「無茶言うなよっ!あんなの喰らったら中級でも瀕死だ!!」
「じゃあどうしろってんだ!」
「知るかよ!俺に聞くんじゃねぇ!」
何か喧嘩してるっぽいな。
そんな言い合いしてたら勝てるものも勝てなくなると思うのだが。素人考えなのだろうか。
「グルルァァァァァア!!」
炎犬の吐いた炎ブレスに前衛のタンク部隊が呑み込まれた。
かなりの数が死に戻ったな。火傷を負いながら死に戻る感覚がトラウマにならなければいいのだが。
いや、痛覚を切ってあれば問題ないのか。僕は感覚がおかしくなるから痛覚そのままだけど。
生き残った者も瀕死で、火傷が酷い。
スリップダメージで今にも死に戻りそうだ。
ポーションで回復するにしても、痛い出費になるんじゃないかな。
「第五部隊、前に出ろ!」
指揮官役の男が叫んでいる。
よく見れば全員同じギルドの所属らしく、輝く剣のアイコンが見える。
全部で百人以上居るから、かなり大規模。
噂に聞く神聖騎士団だろう。
あんまり評判がよろしくないギルドだ。
レイドシステムを検索・・・八パーティー四十八人までか。
三レイド百四十四人体制といったところか。既に残り二レイド分くらいの人数しかいないけど。
そうしているうちに、次々と死に戻っていく神聖騎士団のプレイヤー。
明らかに前衛が仕事をしてない気がするが、あのブレスの威力では責められないのではないだろうか。
「だらしないぞ前衛!何故ブレスを耐えられない!?第九部隊、前進!」
普通に前衛が責められていた。
指揮にも問題がありそうだが、わざわざ口を出すつもりもない。当然手も出さない。
特に後者はシステム的に無理だしな。人数オーバーになる。
第三レイドは精鋭部隊らしく、全員クラスチェンジ済みだ。
作戦、変えないの?
かくして、前衛が全滅し、壁の無くなった後衛も蹂躙された。
高さ三メートルほどの犬から逃げ回る状況は、まさに阿鼻叫喚。
ほどなくして、三レイド全てが全滅した。
「グラアアアッ!」
そんな咆哮とともにに、バーサクブレイズハウンドのHPは全快した。
システムの説明通りだけど、なくなりかけていた一本目のHPバーが全快する光景は、ちょっと見たくなかったかもしれない。
名前 アスト
種族 人間 Lv22
第一職業 中級剣士 Lv13
第二職業 火炎魔法士 Lv11
第三職業 舞踏家 Lv11
スキルポイント14
アナザースキル
加速Lv6
マスタースキルⅠ
剣術Lv10〔Master〕火魔法Lv10〔Master〕
索敵Lv10〔Master〕発見Lv10〔Master〕
解析Lv10〔Master〕錬金Lv10〔Master〕
料理Lv10〔Master〕
中級剣術Lv20〔Master〕
マスタースキルⅡ
回避Lv10〔Master〕直感Lv10〔Master〕
照準Lv10〔Master〕疾走Lv10〔Master〕
暗視Lv10〔Master〕予測Lv10〔Master〕
迎撃Lv10〔Master〕ステップLv10〔Master〕
軽業Lv10〔Master〕瞬発Lv10〔Master〕
闇魔法耐性Lv10〔Master〕
火魔法耐性Lv10〔Master〕
盲目耐性Lv10〔Master〕
視覚強化Lv10〔Master〕
火傷耐性Lv10〔Master〕
マスタースキルⅢ
影魔法Lv10〔Master〕魔剣術Lv10〔Master〕
スキル
上級剣術Lv1 火炎魔法Lv18 解体Lv15
中級錬金Lv10 気配察知Lv16 大発見Lv14
分析Lv15 予見Lv19 立体機動Lv16
見切りLv17 舞踏Lv18 受け流しLv18
軌道予測Lv15 反応Lv15 疾駆Lv16
中級料理Lv5 縮地Lv13
称号
開拓者 冒険者 使徒 越境者Ⅱ 開放者Ⅱ
ジャイアントキリング
基礎能力値
物理攻撃力 18(+18)
物理防御力 16(+21)
魔法攻撃力 18(+ 8)
魔法防御力 23(+ 8)
平均速力 17(+20)
「どうもありがとうございます」
説明を聞く前に依頼を達成したら、冒険者ランクがEに上がった。
これでようやく一人前らしいので、まだまだこれからだが。
「それで、緊急クエストの件なんだが・・・」
「はい、ご説明いたします。数時間前、使徒の方々が加護のお力で町へ戻ってきたことが発端です」
使徒・・・そんな設定もあったな。加護というのは、死に戻りか?
今は関係ないだろうし、軽く流して先を促す。
「その方たち曰く、東の草原で巨大なハウンドに襲われた、と。ギルドの方で調査しましたところ、それが事実であることを確認し、町へ被害が及ぶ前に、緊急クエストを発令させていただきました」
「なるほど。それで、そのハウンド変異種の情報は?」
「それについては、巨大であるということ以外は不明です。解析できる距離まで接近するのは危険だという判断ですので」
まあ、それは仕方がないな。やや引っ掛かりはあるが。
「これは関係ないことですが、緊急クエスト発令については、受付さんが判断しているので?」
「いえ。決定を下されたのはギルドマスターです。それから、今更ではありますが、私の名前はソフィアと申します。以後お見知り置きを」
「あ、うん。僕はアストだ。よろしく」
「よろしくお願いします、アスト様」
本当に今更だな。これまで何度も顔を合わせているのに。
ちなみに、いつも依頼達成の報告をしていた受付嬢がソフィアだ。
年齢は、僕よりも少し上くらいで、青い長髪とキリっとした顔つき、メガネが特徴だ。メガネは掛けていないこともあるけど。
今思えば、受付さんにも名前があって当然だったかもしれない。
今までNPCと殆ど関わってこなかったので実感は無かったが、プレイヤーとなんら変わらないし。
このゲームは本当にリアルだ。
「じゃあ、僕も緊急クエストを受注しますね」
「かしこまりました、手続きいたします。・・・・・・ご武運を」
期待しながらも心配そうな表情をするソフィア。
これは、ゲームの設定という考えは一度捨てた方がいいな。
でないと、そのうちに手痛いしっぺ返しを喰らいそうだ。
アライアの町の東門から外に出て、東を目指す。
途中で掲示板を覗いてみると、緊急クエストについての情報があがっていた。
緊急クエストを知ったプレイヤーたちや、大手のギルドが討伐に乗り出していることが分かった。
早い者勝ちなので、もう倒されているかもしれないな。
それならそれで仕方ないし、素直に諦めるか。
《熟練度が一定に達し【気配察知】スキルがLv16になりました》
《熟練度が一定に達し【大発見】スキルがLv14になりました》
《熟練度が一定に達し【縮地】スキルがLv13になりました》
ソフィアから聞いた目撃情報のあった場所へ急行。
すると、既に戦いは始まっていた。
「HPバーが三本って・・・レイドボスかよ・・・」
敵の強さに唖然とするしかない。
もっと弱い奴を想像していたのだが、これを一人で倒すとか無理だろ。
バーサクブレイズハウンド Lv3
レイドボス 魔物 ユニーク 格上
??? ??? ??? ???
本当にレイドボスだったし。
それと、ユニークというのは何のことだ。最上位種とかではないのか?
レベルは低いが、格上の二文字がダーククリムゾンだ。
ここまで濃いのは初めてかもしれない。
「ブレスが来るぞっ!!盾士は防げ!!」
「無茶言うなよっ!あんなの喰らったら中級でも瀕死だ!!」
「じゃあどうしろってんだ!」
「知るかよ!俺に聞くんじゃねぇ!」
何か喧嘩してるっぽいな。
そんな言い合いしてたら勝てるものも勝てなくなると思うのだが。素人考えなのだろうか。
「グルルァァァァァア!!」
炎犬の吐いた炎ブレスに前衛のタンク部隊が呑み込まれた。
かなりの数が死に戻ったな。火傷を負いながら死に戻る感覚がトラウマにならなければいいのだが。
いや、痛覚を切ってあれば問題ないのか。僕は感覚がおかしくなるから痛覚そのままだけど。
生き残った者も瀕死で、火傷が酷い。
スリップダメージで今にも死に戻りそうだ。
ポーションで回復するにしても、痛い出費になるんじゃないかな。
「第五部隊、前に出ろ!」
指揮官役の男が叫んでいる。
よく見れば全員同じギルドの所属らしく、輝く剣のアイコンが見える。
全部で百人以上居るから、かなり大規模。
噂に聞く神聖騎士団だろう。
あんまり評判がよろしくないギルドだ。
レイドシステムを検索・・・八パーティー四十八人までか。
三レイド百四十四人体制といったところか。既に残り二レイド分くらいの人数しかいないけど。
そうしているうちに、次々と死に戻っていく神聖騎士団のプレイヤー。
明らかに前衛が仕事をしてない気がするが、あのブレスの威力では責められないのではないだろうか。
「だらしないぞ前衛!何故ブレスを耐えられない!?第九部隊、前進!」
普通に前衛が責められていた。
指揮にも問題がありそうだが、わざわざ口を出すつもりもない。当然手も出さない。
特に後者はシステム的に無理だしな。人数オーバーになる。
第三レイドは精鋭部隊らしく、全員クラスチェンジ済みだ。
作戦、変えないの?
かくして、前衛が全滅し、壁の無くなった後衛も蹂躙された。
高さ三メートルほどの犬から逃げ回る状況は、まさに阿鼻叫喚。
ほどなくして、三レイド全てが全滅した。
「グラアアアッ!」
そんな咆哮とともにに、バーサクブレイズハウンドのHPは全快した。
システムの説明通りだけど、なくなりかけていた一本目のHPバーが全快する光景は、ちょっと見たくなかったかもしれない。
名前 アスト
種族 人間 Lv22
第一職業 中級剣士 Lv13
第二職業 火炎魔法士 Lv11
第三職業 舞踏家 Lv11
スキルポイント14
アナザースキル
加速Lv6
マスタースキルⅠ
剣術Lv10〔Master〕火魔法Lv10〔Master〕
索敵Lv10〔Master〕発見Lv10〔Master〕
解析Lv10〔Master〕錬金Lv10〔Master〕
料理Lv10〔Master〕
中級剣術Lv20〔Master〕
マスタースキルⅡ
回避Lv10〔Master〕直感Lv10〔Master〕
照準Lv10〔Master〕疾走Lv10〔Master〕
暗視Lv10〔Master〕予測Lv10〔Master〕
迎撃Lv10〔Master〕ステップLv10〔Master〕
軽業Lv10〔Master〕瞬発Lv10〔Master〕
闇魔法耐性Lv10〔Master〕
火魔法耐性Lv10〔Master〕
盲目耐性Lv10〔Master〕
視覚強化Lv10〔Master〕
火傷耐性Lv10〔Master〕
マスタースキルⅢ
影魔法Lv10〔Master〕魔剣術Lv10〔Master〕
スキル
上級剣術Lv1 火炎魔法Lv18 解体Lv15
中級錬金Lv10 気配察知Lv16 大発見Lv14
分析Lv15 予見Lv19 立体機動Lv16
見切りLv17 舞踏Lv18 受け流しLv18
軌道予測Lv15 反応Lv15 疾駆Lv16
中級料理Lv5 縮地Lv13
称号
開拓者 冒険者 使徒 越境者Ⅱ 開放者Ⅱ
ジャイアントキリング
基礎能力値
物理攻撃力 18(+18)
物理防御力 16(+21)
魔法攻撃力 18(+ 8)
魔法防御力 23(+ 8)
平均速力 17(+20)
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