異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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3章

45 ウラード開放

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 僕は相変わらず、ゴブリンナイトと一人で戦っていた。


「トリプルスラッシュ!」


 クリティカルコンボ21HIT!


「ギャッ!」


 ゴブリンナイトはダブルスラッシュのモーションだから、予見を意識しつつ、イエローステップで回避、からの・・・!


「トリプルスラッシュ!」

「ギャギャーッ!?」


 これでフレイムエクスプロージョンを使えたら、もう少し戦いの幅が広がるんだが、味方が近くにいると危なっかしくて使えない。
 やたらと範囲が広い火炎魔法だからな。

 と、次はパワースラッシュのモーションか。
 それなら、加速を発動してシャドウムーブで敵の背後に。
 シャドウバインドで拘束した後で重い一撃。

 加速Lv5アーツ『アクセルドライブ』を発動。


「パワースラッシュ・ドライブ!」

「ゲギャーッ!?」


 酷い悲鳴だな。
 絶叫マシンの宣伝に流用できるレベル。

 いや、そんなことを考えている場合ではない。

 ゴブリンナイトのHPがイエローゾーンに突入。
 つまり、残り五割を切った。

 ミレアの予想では、ここでゴブリンジェネラルとゴブリンソーサラーの追加もあり得るとかなんとか。

 現れたのは、ジェネラルとソーサラーが一体ずつ。
 ミレアの予想が大当たりになってしまった。
 この予想は当たってほしいような外れてほしいような、微妙な思いだった。


 フランは丁度一体目のジェネラルを倒したところだったので、二体目のジェネラルへと向かって行く。


「アスト兄!HP半減させるのが早いよっ!」

「すまんっ!調整する余裕が無かった!」


 余裕そうに見えて、実は結構ギリギリなのだ。
 一撃でも喰らったら一気に形勢をひっくり返されそうなので。

 ミレアもそこまでは求めていなかったはずだから、単なる愚痴だろう。

 こちらをちらっと見て、ソーサラー二体を相手に、暴風魔法を使用。
 タイミングを合わせて、シャドウムーブでミレアの傍へ移動し、火炎魔法を使用。


「エアリアルエクスプロージョン!」

「フレイムエクスプロージョン!」


《熟練度が一定に達し【火炎魔法】スキルがLv14になりました》


 火炎と暴風が混ざり合い、相乗効果を発揮。
 途轍もなく大きな爆音が鳴り響くのを、少し離れた場所で聴いた。
 僕とミレアはシャドウムーブで距離をとっていたので巻き込まれてはいない。

 シャドウムーブでミレアを連れていけることが分かったため、この作戦だ。
 ミレアよ、君はどんな頭の出来をしているのかな?
 出来れば僕にも少し分けてください。

 効率のいい作戦を実際に目の当たりにして、そう思わずには居られない。

 ついでに、フランの方も打ち合わせ通りに、タイミングを合わせてフランが弾き飛ばされたゴブリンジェネラルが大爆発に巻き込まれた。

 爆炎が晴れると、三体とも瀕死の重傷になっていた。

 うわぁ・・・火傷が痛そうだな・・・。
 同じ目には遭いたくないものだ。

 ソーサラーの魔法を喰らった?
 あれは大したことのない威力だったんだね、うん。

 と、感傷に浸っている暇はない。
 瀕死の敵をしとめなくてはならないのだ。
 僕の担当は後から湧いてきたゴブリンソーサラーだったな。


「アスト、よろしく頼む!」

「了解、ちゃんと掴まってろよ?シャドウムーブ!」


 僕とフランはゴブリンソーサラーの背後にできた影へ移動。


「パワースラッシュ!」

「パワースラスト!」

「「グゲッ!?」」


 二人同時にゴブリンソーサラーに止めを刺した。

 その頃ミレアはというと・・・。


「「ウォーターカッター!」」


 二つ同時にアクアカッターを放っていた。

 ・・・おい。
 それどうやってるんだ!?
 二つ同時に魔法なんて使えないはずだぞ!?

 非常に気になるが、例え兄妹であってもスキルの詮索はマナー違反だ。

 自主的に話してくれたりは・・・しないよな、多分。


 とにもかくにも、ミレアは片方のウォーターカッターでゴブリンナイトの牽制をしつつ、瀕死のゴブリンジェネラルをしとめた。

 器用なことするもんだなぁ・・・。


 残るはゴブリンナイトのみとなったので、僕たちは予定通りに一か所に集まり、再び強化魔法をかけ合う。


「フレイムアップ!」

「アクアアップ!エアリアルアップ!」


 僕はフランと自分自身にフレイムアップ。
 ミレアは全員にエアリアルアップを使用し、僕とフランにはアクアアップも。

 暴風魔法Lv1呪文アーツ『エアリアルアップ』は、平均速力を底上げする効果があるので、全員に必要。
 水流魔法Lv1呪文アーツ『アクアアップ』は、物理攻撃力を底上げする効果があるので、僕とフランに必要という訳だ。

 ミレアの物理攻撃力を底上げしても仕方ないのだ。


「アスト兄、フラン、もうひと頑張り、よろしくね!」

「はいよ」

「了解した」


 もうミレアがパーティーリーダーで良いんじゃないかな、これは。


 それはさておき、ゴブリンナイトとの戦いだ。

 役割は、僕が前衛でフランが中衛、ミレアが後衛兼司令塔。
 ここまできたら、奇をてらうこともない普通の布陣だ。
 ミレアはこのまま普通に戦えば勝てると踏んでいるのだろうし、僕も同意見だ。


 ゴブリンナイトに接近して、切り結んでいると、アーツのモーションが見えた。


《熟練度が一定に達し【予見】スキルがLv14になりました》


 僕を狙ったトリプルスラッシュなので、対応は慣れたものだ。
 イエローステップ、回避、ブルーステップ、受け流し、そしてカウンター攻撃。


「トリプルスラッシュ!」

「トリプルスラスト!」


 チェインクリティカルコンボ28HIT!


 ・・・うん?
 目の前を踊っている文字が微妙に違う気がする。
 まあ、大体わかるので問題は無いが。

 というかフラン、幾ら隙だらけだったとはいえ、三発ともクリティカルかよ。
 やっぱり人外認定は間違っていなかったな。


 ・・・うおおおっ!?
 唐突に寒気を感じたぞ!?
 フランがこちらを睨んでいるのだが、まさかバレたのか・・・?


「「エアリアルエクスプロージョン!」」


 まずっ!?ミレアの声が聴こえたので直ちにフランを連れてシャドウムーブ。

 移動先で見たのは、暴風がゴブリンナイトのHPバーを削っている様子。

 暴風が止むころに再び接近して戦う。
 この繰り返しで、敵のHPバーはぐんぐん減っていき・・・。


「パワースラッシュ・ドライブ!」

「パワースラスト!」

「グッ、ギャ!?」


 チェインクリティカルコンボ40HIT!の文字とともに、ゴブリンナイトのHPバーは二割五分を切った。

 つまり・・・


「二人とも、新しいパターンが増えるよ!要注意!」

「「了解!」」


 さて、上級剣術のアーツはどんなものかな?

 それらしきモーションが見えた瞬間に加速を発動。


「っ!?」


 それは、これまで習得してきた剣術アーツの集大成のようなアーツだった。

 様々な軌道から迫り、必要な間合いも一つ一つ異なる五連撃。

 僕は二発目までを迎撃し、三発目からは喰らった。
 加速を発動していても、初見で対応することは不可能だ。

 HPバーが一気に減って、あっという間にレッドゾーン間近になったぞ・・・。
 一度距離をとって回復しないと・・・!


「ダブルスラスト!」

「ウォーターカッター!」


 二人が注意を引いてくれている間にシャドウムーブで後退して、HP回復ポーションを連続使用。
 何だかんだで、これを使うのは珍しいな。
 相変わらず微妙な味をしている。


「アスト兄、大丈夫!?」

「何とかな。にしても、中級と上級の差って大きいんだな・・・」

「そうだね。剣の動きが欠片も見えないし、アスト兄がまともに喰らうなんて初めて見たよ・・・」


 いや、結構攻撃は喰らってるぞ?
 ミレアが知らないだけで。

 しかし、加速中でも見切れない速さと軌道、どうしたもんかな・・・。
 一応、連続では使えないらしく、僕の代わりとして前衛に入ったフランに使うそぶりは無い。

 今のうちに、スキルを取得しておく。
 軽業、反応、瞬発、起動予測。

 さっき使われたアーツの軌道を思い出していく。
 僕だって、無意味に喰らったわけでは無いのだ。
 ちゃんとどんな軌道を描くのかを頭に刻み付けておいた。


 ・・・よし、次はいける!


「フラン、交代!」

「っ、助かるっ!」


 フランもそろそろ厳しかったらしく、一度後退した。

 そして、図ったかのようなタイミングで、例のモーションが見えた。

 僕に何か恨みでもあるのか?
 直ちに加速を発動し、攻撃に備える。


「グギャッギャギャッ!!」


 例のアーツは五連撃。

 一発目はブルーステップからの受け流し。
 二発目と三発目はイエローステップからのダブルスラッシュで迎撃。
 この際、一発一発に『アクセルドライブ』を使用する。
 四発目はドライブスラッシュで迎撃。
 五発目は、ブルーステップからの受け流し。

 そして、カウンターで大ダメージを狙う!


「パワースラッシュ・ドライブ!」

「グギャ・・・?」


 ゴブリンナイトは、理解できない、といった表情をしている。
 今の攻防、傍から見れば、剣がぶつかる音が三回聴こえただけだろうな。

 ゴブリンナイトのHPバーががくんと減って、残り一割ほどになった。


《熟練度が一定に達し【中級剣術】スキルがLv16になりました》
《熟練度が一定に達し【見切り】スキルがLv13になりました》
《熟練度が一定に達し【舞踏】スキルがLv13になりました》
《熟練度が一定に達し【受け流し】スキルがLv13になりました》
《熟練度が一定に達し【軌道予測】スキルがLv5になりました》
《熟練度が一定に達し【軽業】スキルがLv4になりました》
《熟練度が一定に達し【瞬発】スキルがLv4になりました》
《熟練度が一定に達し【反応】スキルがLv5になりました》



「「エアリアルエクスプロージョン!」」

「っ、シャドウムーブっ!」


 ミレアの奴、容赦無いなっ!?

 フランも僕と入れ替わるようにゴブリンナイトに接近し、攻撃。


「パワースラスト!トリプルスラスト!」


 では、美味しい所をいただくとしようか。


「シャドウバインド!シャドウムーブ!」


 ゴブリンナイトを拘束し、その背後に移動。


「パワースラッシュ・ドライブ!」


 赤いオーラが発生した直後のゴブリンナイトに一撃が入り、そのHPバーをゼロにした。



《アストのレベルが20になりました》
《能力値ポイントを4獲得しました》
《スキルポイントを2獲得しました》
《第一職業が中級剣士Lv11になりました》
《第二職業が火炎魔法士Lv10になりました》
《熟練度が一定に達し【加速】スキルがLv6になりました》
《熟練度が一定に達し【中級剣術】スキルがLv17になりました》
《熟練度が一定に達し【火炎魔法】スキルがLv15になりました》
《熟練度が一定に達し【予見】スキルがLv15になりました》
《熟練度が一定に達し【立体機動】スキルがLv11になりました》
《熟練度が一定に達し【軽業】スキルがLv7になりました》
《熟練度が一定に達し【瞬発】スキルがLv7になりました》

《第三エリアボス『ゴブリンナイト』が初討伐されました》
《討伐者は初回討伐報酬と単独討伐報酬を獲得しました》
《境界ボス初討伐ボーナスとしてスキルポイントを3獲得しました》

《称号『開放者Ⅱ』を獲得しました》

《ウラードの町が開放されました》


 能力値ポイントは全て魔法防御力へ振っておく。

 にしても、単独討伐報酬?
 まあ、考察は後回しで良い。


 はぁ・・・。
 思ったよりも激戦になったが、いい経験になった。

 僕は、笑顔でこちらに近づいてくるミレアとフランを見ながら、そう思った。









 名前 アスト

 種族 人間 Lv20
 第一職業 中級剣士 Lv11
 第二職業 火炎魔法士 Lv10
 スキルポイント18

 アナザースキル
 加速Lv6

 マスタースキルⅠ
 剣術Lv10〔Master〕火魔法Lv10〔Master〕
 索敵Lv10〔Master〕発見Lv10〔Master〕
 解析Lv10〔Master〕錬金Lv10〔Master〕

 マスタースキルⅡ
 回避Lv10〔Master〕直感Lv10〔Master〕
 照準Lv10〔Master〕疾走Lv10〔Master〕
 闇魔法耐性Lv10〔Master〕
 盲目耐性Lv10〔Master〕 
 視覚強化Lv10〔Master〕
 暗視Lv10〔Master〕予測Lv10〔Master〕
 迎撃Lv10〔Master〕ステップLv10〔Master〕

 マスタースキルⅢ
 影魔法Lv10〔Master〕魔剣術Lv10〔Master〕

 スキル
 中級剣術Lv17 火炎魔法Lv15 解体Lv13
 中級錬金Lv6 気配察知Lv11 大発見Lv9
 分析Lv10 予見Lv15 立体機動Lv11 
 火魔法耐性Lv3 火傷耐性Lv3 見切りLv13
 舞踏Lv13 受け流しLv13 軌道予測Lv5
 軽業Lv7 瞬発Lv7 反応Lv5
  

 称号
 開拓者 冒険者 使徒 越境者Ⅱ 開放者Ⅱ
 ジャイアントキリング

 基礎能力値

 物理攻撃力 17    (+13)
 物理防御力 16    (+17)
 魔法攻撃力 17    (+ 8)
 魔法防御力 22(↑4)(+ 8)
 平均速力  16    (+20)

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