異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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2章

24 影狼の森

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 現実世界に帰還した僕は、早速夕食を作る。



「ただいまお兄ちゃん!」

「ああ、美鈴。もうすぐ出来るから、座って待っててくれるか?」

「はーい!」


 うん、実に良い子だ。

 これで反抗期になったら、早くしろ、みたいに言われるのだろうか。


 ・・・何か悲しくなってきた。


 いや、今は料理を完成させなければ。

 トンカツにキャベツを添えて、ソースはお好みでいいから今は無し。

 味噌汁は良さそうだし、ご飯もよそって・・・完成だ。


「お待たせ、美鈴。今日はトンカツな」

「わーい!お兄ちゃんの料理なら何でも好きだけど、やっぱりこれだよね!」


 トンカツは得意料理なので、そう言って貰えるとありがたい。

 時間の無い時にトンカツというのは、我が家では割と定番だったりする。


「んー!美味しい!」


 美鈴がソースをかけたトンカツを頬張って、とても美味しそうにしている。

 ここまで喜んでくれると、作り甲斐があるというものだ。

 不味い物は不味いと言ってくれる美鈴なので、なおのこと。




 夕食後、食器の片づけをしようとすると、美鈴から声が掛かる。


「あっ、片づけは私がやるから!」

「え?別に自分でやるぞ?」

「いいの!お兄ちゃんばっかりに押し付ける訳にはいかないから!」


 そう言って、美鈴は片づけをし始めた。

 本当にできた妹だ。

 僕も片付けに参加する。

 二人でやった方が早いからな。


 美鈴もくだらない意地は張らずに、一緒に片づけをしている。


「そう言えばお兄ちゃん、どこまで進んだの?」

「ん?あんまり変わってないぞ。先にある森をある程度探索したくらいか」


 マップの境界には安全地帯があることも、一緒に伝えておいた。


「そっかー。どこを拠点に攻略すれば良いか迷っていたから、良い知らせだね」

「そうだな。安全にログアウト出来る場所が無いと、確かに厳しいよな」


 そういう美鈴の調子はどうなのだろうか。


「美鈴の方はどうなんだ?」

「私?上位種相手にレベル上げしてる最中で、今はレベル8になったよ」


 美鈴も順調なようで何より。


 掲示板を見る限り、西の平原にはそこそこのプレイヤーが進出しているが、南には殆ど進んでいる者が居ない。

 大きな川があって、先へ進めないそうだ。


 水泳系のスキルを取ろうとして川に入った者は、あえなく溺死したらしい。

 おまけにメインウェポンをロストしたとか。

 挑戦した勇者には黙祷を捧げておこう。


「あ、それと、ウェザリアから勧誘を受けたんだよね・・・」

「へぇ、美鈴もか」

「ということは、お兄ちゃんも?」

「ああ、昨日勧誘されたよ」


 兄弟揃って信用して貰えるとは、嬉しいことだ。

 美鈴も返答は保留中で、迷っているみたいだ。


 組織に所属するのは、メリットとデメリット、両方存在するからなぁ・・・。



 数分後、片づけを終えて、美鈴と一緒に再びログインした。

 





 影狼の森(仮称)を探索していると、見慣れない魔物が出現した。


 ホロウシャドウウルフ Lv2
 魔物 上位変異種 同格
 スキル 隠密 影魔法 


 影魔法は初めて聞いたのだが、魔物専用の魔法か、それとも未発見の魔法か。

 そう思っていると、突然敵の姿が消えた。


「・・・っ!?」


 サーチⅡを使用していると、突如背後に敵の反応が現れた。

 まさか、影を移動したのかっ!


 急なことで回避し切れずに、HPバーを一割ほど削られた。

 そして再び消えるホロウシャドウウルフ。

 夜間であるために周囲には影しかなく、どこに現れるのか見当もつかない。


 僕は、余計な情報を遮断する為に目を閉じて、サーチⅡを使用。



 ・・・・・・左後ろに反応!



 加速を発動して、すぐ傍まで迫っていた狼の攻撃を回避した。


《熟練度が一定に到達し【回避】スキルがLv9になりました》


 空中を移動している狼の弱点をウィークネスで把握し、そこへ攻撃する。


「パワースラッシュ!ダブルスラッシュ!スラッシュ!」


 カウンター気味に入った攻撃は全てクリティカルヒット。

 クリティカルコンボ4HIT!と表示され、狼のHPバーは風前の灯に。


「ファイアストーム!」


 火魔法Lv10の呪文アーツで止めを刺して、勝利した。


《アストのレベルが12になりました》
《能力値ポイントを2獲得しました》
《スキルポイントを1獲得しました》
《第一職業が中級剣士Lv3になりました》
《第二職業が火魔法使いLv10になりました》
《条件を満たしました。クラスアップが可能です》
《熟練度が一定に到達し【中級剣術】スキルがLv4になりました》
《熟練度が一定に到達し【火炎魔法】スキルがLv2になりました》
《熟練度が一定に到達し【直感】スキルがLv9になりました》


 能力値ポイントは、魔法攻撃力と魔法防御力へ。


 ホロウシャドウウルフというのは、レアモンスターというやつかもしれないな。

 根拠のない推測だが、夜にのみ低確率で出現する、とか。


 火魔法使いは火炎魔法士へとクラスアップさせた。



【虚影狼の毛皮】素材アイテム レア度3
 ホロウシャドウウルフの毛皮。
 高い隠密性を誇る。

【虚影狼の魔石】素材アイテム レア度3
 ホロウシャドウウルフの魔石。
 内部には強い影の力が秘められている。
 使用すると影魔法を取得可能になる。


《熟練度が一定に到達し【解体】スキルがLv9になりました》
《熟練度が一定に到達し【解析】スキルがLv9になりました》


 虚影狼の魔石の方が気になるな。

 影魔法を取得可能になる、ということは、スキルポイントが必要ということか。


 少し考えたが、使用して損も無いので使用することに。


《取得可能なスキルに【影魔法】が追加されました》


 取得については、とりあえず保留で。

 スキルポイントの使い過ぎは、後で困りそうなので、余裕が出来るまでは持ち越しになりそうだな。


 それじゃあ、もう少し探索を続けてからログアウトしよう。

 そうしたら、もう一体ホロウシャドウウルフが出現したりして。


 ・・・流石にそれは無いか。








 名前 アスト

 種族 人間 Lv12
 第一職業 中級剣士 Lv3
 第二職業 火炎魔法士 Lv1
 スキルポイント6

 アナザースキル
 加速Lv3

 マスタースキル
 剣術Lv10〔Master〕火魔法Lv10〔Master〕

 スキル
 中級剣術Lv4 火炎魔法Lv2 解析Lv9
 解体Lv9 錬金Lv8 発見Lv8
 索敵Lv9 照準Lv8 回避Lv9
 疾走Lv4 直感Lv9 闇魔法耐性Lv6
 盲目耐性Lv6

 称号
 開拓者 冒険者 使徒 越境者 
 ジャイアントキリング

 基礎能力値

 物理攻撃力 16
 物理防御力 16
 魔法攻撃力 13(↑1)
 魔法防御力 13(↑1)
 平均速力  14

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