13 / 264
2章
13 東へ向かう
しおりを挟む
一度アライアの町へ戻って、獲得したアイテムを売却する。
「あっ、アスト兄!先にログインするなんてズルい!」
アリアさんのギルドへ辿り着くと、ミレアが声を掛けて来た。
しかし、それだけでズルいって・・・。
子供じゃあるまいし。
「アストの方はどうしたの?何かうちに用事かしら」
「ええ、アイテムの売却に」
僕はむくれているミレアを放置して、牙兎の肉などを出していく。
「ああっ!もうこんなに狩ってきてる!アスト兄、私を捨てていくの!?」
おい。
「ちょっと待てミレア。人聞きの悪いことを言わないでくれ・・・」
「捨てる・・・お二人はそんな関係で・・・!」
「レインも本気にしないでくれ・・・。冗談だからさ」
冗談・・・だよな?
ミレアの表情は本気で言っているように見えなくもない。
「そもそも、今日からは別行動だろうに」
「・・・あっ、そうだった」
ミレアは瞬時に表情を変えて、何事も無かったかのように振舞っている。
ほんとに分からん・・・。
「冗談だったのですか・・・驚きました」
「修羅場かと思ってヒヤヒヤした・・・こんなところでやらないで欲しいわね」
僕が怒られてしまった。
解せぬ。
まあ、それは良い。
要らないアイテムを売却して、約25000ゴールドを受け取った。
「それと、ポーションの売却についてなんですが・・・」
「・・・!」
アリアさんはエルフ耳をピクピクさせて、興味津々。
何か琴線を刺激するようなことを言っただろうか?
「・・・エルフってポーションが好きなんですか?美味しく無いですよ?」
「違うわよ!ポーションは不足しているから、ぜひ買い取りたいの!」
アリアさんは頬を赤く染めている。
このゲームは芸が細かい。
「アリアさんのギルドに錬金を使える人は居ないんですか?」
「・・・ゴホン。ウチのギルドに錬金術師は居ないわ」
「そうなんですか・・・」
「錬金術師自体、相当少ないし、途中でやめてしまう人も続出しているのよ」
アリアさんの話では、ポーションくらいNPCの店で買えば良いと判断して、錬金を取得する人間は殆ど居なかったのだとか。
普通は問題ないはずだったのだが・・・。
ところがどっこい、まさかの品切れが起こってしまった、と。
「おまけに、錬金のガラス瓶作成が地味で、やめる人が後を絶たないの」
「そして、後続もその情報を外部から手に入れて、錬金を取得しない、と」
「見事な悪循環だね。そんな中でLv5になったアスト兄は凄いのだ!」
まあ、確かに地味な作業ではあったが、あれくらいなら何とかなるレベルだ。
凄いかどうかは別とするが。
「そんな訳だから、喜んで買い取らせて貰うわよ?」
「では、お言葉に甘えて」
僕は使っていないHPポーションを全て取り出した。
「・・・多いわね」
「駄目でしたか?」
「いえ、多い分には有難いけれど、自分では使わないのかしら?」
「ダメージなんて滅多に喰らいませんし、少しあれば問題ありませんよ?」
今日もここまではダメージを喰らってないし、大丈夫だろう。
アリアさんは僕のHPバーを見て納得したらしく、全て買い取ってくれた。
呆れた雰囲気なのは、きっと気のせいだ。
「・・・高すぎませんか?」
「現状の需要からすれば、妥当な買取価格よ」
僕が受け取った金額は、150000ゴールド。
売ったポーションは100個なので、1つ1500ゴールド。
兎二体分と考えれば、それほどおかしくはない、のか・・・?
ちなみに、アーツポイントを消費して作成するので、大量には作れない。
作成に必要なAPは2で、初期値のAPは100。
今日ログインしてから合間合間に作成し、100個を少し超えている。
これで所持金は、312000ゴールド也。
錬金というだけあって、かなり儲かるようだ。
「ありがとう、アスト。これで多少は需要を満たせるわ」
「どういたしまして」
「出来れば、次もウチに売ってくれると助かるわね」
ギルドの知名度と信用を上げるために、有効なのだろう。
断る理由も無いので承諾しておく。
「アスト兄・・・少しだけお金を貸して欲しいかなぁーって・・・」
恐らく、僕が売った牙兎の皮で、防具の強化を考えているのだろう。
だが残念。
先程の冗談で動揺させられた借りを返すのだ。
「うん、だめだよ」
「えええっ!?アスト兄が反抗期っ!?」
誰が反抗期だ。
結局、ミレアのお願いに根負けして、お金を貸すことになった。
まあ、ミレアの事だから、すぐに名を上げて有名プレイヤーになるだろう。
貸しを作って置いて損はないはずだ。
その辺りの僕の思考を見越してお願いしてくるのだから、我が妹ながら凄い。
名前 アスト
種族 人間 Lv7
職業 剣士 Lv7
スキルポイント3
アナザースキル
加速Lv2
スキル
剣術Lv8 火魔法Lv3 解析Lv5
解体Lv5 錬金Lv6 発見Lv4
索敵Lv4 照準Lv3 回避Lv1
称号
開拓者 冒険者 使徒
基礎能力値
物理攻撃力 15
物理防御力 14
魔法攻撃力 10
魔法防御力 10
平均速力 13
「あっ、アスト兄!先にログインするなんてズルい!」
アリアさんのギルドへ辿り着くと、ミレアが声を掛けて来た。
しかし、それだけでズルいって・・・。
子供じゃあるまいし。
「アストの方はどうしたの?何かうちに用事かしら」
「ええ、アイテムの売却に」
僕はむくれているミレアを放置して、牙兎の肉などを出していく。
「ああっ!もうこんなに狩ってきてる!アスト兄、私を捨てていくの!?」
おい。
「ちょっと待てミレア。人聞きの悪いことを言わないでくれ・・・」
「捨てる・・・お二人はそんな関係で・・・!」
「レインも本気にしないでくれ・・・。冗談だからさ」
冗談・・・だよな?
ミレアの表情は本気で言っているように見えなくもない。
「そもそも、今日からは別行動だろうに」
「・・・あっ、そうだった」
ミレアは瞬時に表情を変えて、何事も無かったかのように振舞っている。
ほんとに分からん・・・。
「冗談だったのですか・・・驚きました」
「修羅場かと思ってヒヤヒヤした・・・こんなところでやらないで欲しいわね」
僕が怒られてしまった。
解せぬ。
まあ、それは良い。
要らないアイテムを売却して、約25000ゴールドを受け取った。
「それと、ポーションの売却についてなんですが・・・」
「・・・!」
アリアさんはエルフ耳をピクピクさせて、興味津々。
何か琴線を刺激するようなことを言っただろうか?
「・・・エルフってポーションが好きなんですか?美味しく無いですよ?」
「違うわよ!ポーションは不足しているから、ぜひ買い取りたいの!」
アリアさんは頬を赤く染めている。
このゲームは芸が細かい。
「アリアさんのギルドに錬金を使える人は居ないんですか?」
「・・・ゴホン。ウチのギルドに錬金術師は居ないわ」
「そうなんですか・・・」
「錬金術師自体、相当少ないし、途中でやめてしまう人も続出しているのよ」
アリアさんの話では、ポーションくらいNPCの店で買えば良いと判断して、錬金を取得する人間は殆ど居なかったのだとか。
普通は問題ないはずだったのだが・・・。
ところがどっこい、まさかの品切れが起こってしまった、と。
「おまけに、錬金のガラス瓶作成が地味で、やめる人が後を絶たないの」
「そして、後続もその情報を外部から手に入れて、錬金を取得しない、と」
「見事な悪循環だね。そんな中でLv5になったアスト兄は凄いのだ!」
まあ、確かに地味な作業ではあったが、あれくらいなら何とかなるレベルだ。
凄いかどうかは別とするが。
「そんな訳だから、喜んで買い取らせて貰うわよ?」
「では、お言葉に甘えて」
僕は使っていないHPポーションを全て取り出した。
「・・・多いわね」
「駄目でしたか?」
「いえ、多い分には有難いけれど、自分では使わないのかしら?」
「ダメージなんて滅多に喰らいませんし、少しあれば問題ありませんよ?」
今日もここまではダメージを喰らってないし、大丈夫だろう。
アリアさんは僕のHPバーを見て納得したらしく、全て買い取ってくれた。
呆れた雰囲気なのは、きっと気のせいだ。
「・・・高すぎませんか?」
「現状の需要からすれば、妥当な買取価格よ」
僕が受け取った金額は、150000ゴールド。
売ったポーションは100個なので、1つ1500ゴールド。
兎二体分と考えれば、それほどおかしくはない、のか・・・?
ちなみに、アーツポイントを消費して作成するので、大量には作れない。
作成に必要なAPは2で、初期値のAPは100。
今日ログインしてから合間合間に作成し、100個を少し超えている。
これで所持金は、312000ゴールド也。
錬金というだけあって、かなり儲かるようだ。
「ありがとう、アスト。これで多少は需要を満たせるわ」
「どういたしまして」
「出来れば、次もウチに売ってくれると助かるわね」
ギルドの知名度と信用を上げるために、有効なのだろう。
断る理由も無いので承諾しておく。
「アスト兄・・・少しだけお金を貸して欲しいかなぁーって・・・」
恐らく、僕が売った牙兎の皮で、防具の強化を考えているのだろう。
だが残念。
先程の冗談で動揺させられた借りを返すのだ。
「うん、だめだよ」
「えええっ!?アスト兄が反抗期っ!?」
誰が反抗期だ。
結局、ミレアのお願いに根負けして、お金を貸すことになった。
まあ、ミレアの事だから、すぐに名を上げて有名プレイヤーになるだろう。
貸しを作って置いて損はないはずだ。
その辺りの僕の思考を見越してお願いしてくるのだから、我が妹ながら凄い。
名前 アスト
種族 人間 Lv7
職業 剣士 Lv7
スキルポイント3
アナザースキル
加速Lv2
スキル
剣術Lv8 火魔法Lv3 解析Lv5
解体Lv5 錬金Lv6 発見Lv4
索敵Lv4 照準Lv3 回避Lv1
称号
開拓者 冒険者 使徒
基礎能力値
物理攻撃力 15
物理防御力 14
魔法攻撃力 10
魔法防御力 10
平均速力 13
42
お気に入りに追加
4,937
あなたにおすすめの小説
神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜
FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio
通称、【GKM】
これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。
世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。
その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。
この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。
その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
身体強化って、何気にチートじゃないですか!?
ルーグイウル
ファンタジー
病弱で寝たきりの少年「立原隆人」はある日他界する。そんな彼の意志に残ったのは『もっと強い体が欲しい』。
そんな彼の意志と強靭な魂は世界の壁を越え異世界へとたどり着く。でも目覚めたのは真っ暗なダンジョンの奥地で…?
これは異世界で新たな肉体を得た立原隆人-リュートがパワーレベリングして得たぶっ飛んだレベルとチートっぽいスキルをひっさげアヴァロンを王道ルートまっしぐら、テンプレート通りに謳歌する物語。
初投稿作品です。つたない文章だと思いますが温かい目で見ていただけたらと思います。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる