異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!

リュース

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1章

5 美鈴とミレア

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 最後のラビットを狩って町へ戻って来た。

 まずは冒険者ギルドで報酬を貰って、それから美鈴を捜そう。




 冒険者ギルドに入ると、流石にそこそこの人数が存在した。


「すみません、依頼の達成報告をしたいのですが」

「かしこまりました。・・・ラビット十体の討伐で2000ゴールドになります」

「ありがとうございます」


 お金を受け取りながら依頼一覧を確認すると、ファングラビットの依頼があった。

 内容は、ファングラビットの討伐で、報酬は5000ゴールド。


「すみません、こっちの依頼も良いですか?」


 少し不安だったが、無事に達成が認められた。

 僕は計7000ゴールドの報酬を受け取って、ギルドを後にした。






 さて、美鈴はどこにいるのやら。

 容姿の大きな変更は出来ないから、すぐに分かると思ったのだが。


 おっ、それらしき赤髪長髪の人物を発見。

 念のためアナライズを使用。



 名前 ミレア

 種族 人間 Lv1
 職業 風魔法使い Lv1



 事前に名前は聞いていたので、美鈴で間違いない。


「ミレア、何してるんだ?」

「あっ、お兄ちゃん」


 ゲームの中で兄呼ばわりはやめて欲しいのだが。


「流石にそれは・・・。名前で呼んでくれ・・・」

「じゃあ、アスト兄で」

「はぁ、まあいいか。それで、何してるんだ?」


 見たところ、美鈴は何かを待っているようだが。


「ふふふ・・・聞いて驚け!なんと、木工師に武器を作って貰っているのだ!」

「おおっ、もう生産職に知り合いができたのか!」

「その通り!開始時からずっと探し回って、さっき見つけたところなんだ!」


 初回は1000本だから、その中に生産職は、100人くらいか。

 ログインしていない人も居るだろうし、よく見つけたものだ。


「凄いぞ、ミレア。いきなり草原へ向かった僕とは大違いだ」

「そうでしょう!もっと褒めて、アスト兄!」

「よしよし、流石はミレア。人とは目の付け所が違う」

「えっへん!えへへ・・・!」


 ミレアはとても嬉しそうだ。

 いい加減ブラコンなところは直した方が良いと思うのだが・・・。

 僕は好かれて嫌というわけでもないので、何も言えない。


 ちなみに、褒め言葉はお世辞ではない。

 鍛冶師の初期アイテムに鉄鉱石があるなど、中々予想できることではないのだ。

 木工師も同様である。


 そうしていると、奥から金髪で耳の尖った女性が出て来た。


「お待たせ、杖の方はできたわよ・・・って、何でドヤ顔なの?」

「えっ?あっ、それが私の杖っ!?ありがとう!」

「えっ、ええ、どういたしまして・・・」


 ミレアのドヤ顔に疑問はあったようだが、接近されてお礼を言われ、やや狼狽しているのが伺える。

 ミレアは感謝を直接的にドカンと伝えるので、こういう反応になりやすい。


 失礼して、アナライズを使用。


 名前 アリア

 種族 エルフ Lv2
 職業 木工師 Lv2


 耳が尖っているのは、エルフだからか。


「・・・と、代金は3000ゴールドね」

「はーい。アスト兄、お金貸してっ!」

「おい」


 さっきの賞賛を返せ。

 僕の行動を読んでの依頼だったのだろうから、凄いことに変わりは無いが・・・。

 それでもやはり、借金は情けなかろう。


「大体、初期の所持金は1000ゴールド。僕の分を合わせても足りないぞ?」

「アスト兄のことだから、きっとそれくらいは稼いで来るかな、と・・・」


 それで、先に作成依頼を出した訳か。

 生産職の材料にも限りはあるだろうし、間違いなく正しい判断だ。

 やっぱりミレアは頭がいい。


「全く・・・。ほれ、2000ゴールドな?」

「おおっ、流石!ありがとう、アスト兄!」


 くっ、この笑顔は反則だ。


「・・・確かに受け取ったわ。まさか、いきなり押しかけられるとはね・・・」

「うちの妹が済みません、アリアさん」

「ああ、いいのよ。こっちとしても良い取引だったし」


 手っ取り早く金銭を手に入れられたので、全く問題は無いらしい。


「それで、あなたも依頼かしら?」

「ああ・・・僕は鍛冶師と服飾師を捜してまして・・・」

「あら、そうなの?鍛冶師と服飾師ならここに居るわよ?」


 アリアが指さしたのは、建物の奥。

 どうやら、すでにギルドを立ち上げているらしい。


「ミア!レイン!お客さんよ!」


 アリアが建物の奥へ呼びかけた。


「うぃ、直ぐに行くよ」

「少し待ってください・・・!」



 名前 ミア

 種族 ドワーフ Lv2
 職業 鍛冶師 Lv2


 出て来たのは、茶髪の少女。


「それで、作成依頼があるのは君かな?素材持ち込みなら可能だよ」

「でしたら、これで武器を作成可能ですかね・・・?」


 僕は牙兎の牙を取り出して見せた。


「えっ・・・!?これ、どこでっ!?」


 詰め寄られてしまった。

 やはり珍しかったのだろうか?

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