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「小フーガ ト短調」 バッハ

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<タイトル>

しょうフーガ ト短調 BWV578

<作曲者>

ヨハン・セバスティアン・バッハ

<おすすめCD>

ヘルムート・ヴァルヒャ(オルガン)

アルヒーフ(レーベル)

<解説>

 大バッハのオルガン曲の中で、「トッカータとフーガ ニ短調」と並び、おそらくもっともポピュラーな作品だと思います。

 自分は中学校の音楽の授業で鑑賞したのが最初です。

 「小フーガ」という呼び方は、同じくバッハのオルガン曲「幻想曲とフーガ ト短調 BWV542」と区別するためであり、彼の作品番号である「BWV番号」――ドイツ語で「Bach Werke Verzeichnis」が整理される前の名残なごりです。

 作曲時期には諸説ありますが、短い音型おんけいを数学的に配置して作れており、4せいのフーガを形成しています。

 あっという間に終わってしまう長さですが、とても印象的な音楽ですね。

 バッハの論理的な思考回路には、ひたすら敬服するばかりです。

 おすすめはバッハの演奏に生涯をささげた伝説的オルガニストであるヴァルヒャのものです。

 彼は生後に受けた予防接種の後遺症で視力が弱くなり、16歳で失明しています。

 記憶した楽譜の情報によって、音楽をかなでていたのですね。

 幾多いくたの困難と向き合った不屈の精神には、強くはげまされるものがあります。

 ヴァルヒャはバッハのオルガン作品全集を出していますので、オルガン曲の好きな方は座右ざゆうにぜひ。
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