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舞踏会イベントの舞台裏 モブ令嬢編
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「何これ、凄く美味しいっ」
「タコの風味が効いてるわ」
「しかもヘルシーでス。ドレスの為の体型維持に皆必死なコの時期にピッタリな食べ物デすよー」
あの後、クラリアからの手土産?を手にアリスはユリアンヌ達のいる談話室に向かった。ドレスのカタログに夢中になっていたユリアンヌ達はアリスの手土産に夢中になっていた。
クリスマス舞踏会のドレスを美しく着こなす為に、採寸が済んだ生徒もまだの生徒も体型を美しく磨き上げる事に余念がない。
この世界ではドレスを着る時にはコルセットでウエストを締め付ける事が一般的だ。しかしクラリアやグレース世代からは不自然に締め付けてウエストを強調するより自然なウエストラインを見せるドレスが流行っていた。それは必然的に体型を美しく整えるのがとても大変でもあるという事。
バターたっぷりのクッキーや生クリームをふんだんに使ったケーキなんて以ての外。素敵にドレスを着こなす為に誰もがダイエットに励んでいた。
その中でアリスは一人で戴き物のバタークッキーをパクパクと食べていた。それを憎々しげにユリアンヌが睨むと、スッとアリス母のドレスのデザイン画を手に取った。
淡いピンクのバルーンパンツの上にひらひらのラップスカートを幾重にも重ねたデザインでコケてもOK。ウエストもリボンで調整可能なドレスとなっていた。
改めてそれを見たサーシャが呆れた顔になる。
「クリスマス舞踏会のドレスでそんな注文をする人なんてアリスくらいよ」
「そんな無茶な注文に素敵なデザインで応えるアリスのお母様って凄いと思うわ」
デザイン画を覗き込んで感心するエリアナにアリスは頭を掻いて、
「いや~、それ程でも」
「お母様が、凄いわ」
「本当に素敵なデザインよね、出来上がりはどんなかしら」
サーシャもデザイン画をうっとりと見つめ、アイシャも大きく頷いた。
「はい、素敵デ楽ちん。羨ましいデす。私の国の民族衣装ハとても体型にピッタリに作りマす。子豚が着るドレスはないデす」
ふーんとアリスは聞き流しながらバタークッキーをまた一枚と口に放り込む。
『……』
民意を代表したユリアンヌがアリスにでこピン。改めてドレスカタログを広げ直した。
「アリスは放っておいてドレスの候補を選びましょう。今日中に決めないと仮縫いが間に合わなくなるわ。あっちも気にしないで」
ユリアンヌの言葉に皆が頷く。
ドアの前で萎れた赤い薔薇を手にしたノーラが腰を抜かしたまま、虚空を見つめていた。
たこせんが無くなる前にノーラも正気を取り戻し、アリス以外は皆真剣にドレスカタログのページをめくっていた。
ユリアンヌはお気に入りのドレスやシューズの載ったカタログを抱きしめて溜め息をついた。
「このドレスが絶対に着たいけどパートナーを見つけられない身では高価い物は頼みづらいわ。靴を新調するのは諦めてドレス一本でいくかドレスと靴をセットで次の候補で妥協するか悩むわ」
「だからあの先輩でとりあえず手を打ちなさいな」
サーシャのツッコミにユリアンヌは、
「だって眉が繋がっているのよ」
ノーラとエリアナも溜め息をつく。
「抜いて頂けば良いのに。私なんてアプローチが一つも無いのよ」
「私に来たのは手足の生えたおたまじゃくし」
三人は揃ってサーシャを見る。
「父が拝む位なパートナーをGET出来ていればドレスも靴も選び放題なのに」
「パートナーを見つけられない身では姉のお下がりでも着とけとか言われかねないわ」
「私はお母様にとっておきのアクセサリーを借りる約束を取り付けていたの、パートナーを掴まえたらって条件で。とても無理そう」
肩を落とす三令嬢にアイシャがたこせんに伸ばしかけた手を引っ込めながら言った。
「諦めては駄目デすよ。素敵な男を捕まえテ皆でおニューのドレスで踊るノでス。私の婚約者、コサージュを贈ってくれマす♪彼の為にも体型をキープでス。ね~、サーシャ」
しかしたこせんからは目が離せずにアイシャはサーシャの肩に手を回してニコッと笑う。カタログを手に考え込んでいたサーシャは顔を上げると、慌てて笑顔で頷いた。
「…どうかした?」
サーシャの顔を怪訝そうに覗き込んだユリアンヌは、ぐいっとバタークッキー咥えたアリスの首根っこを掴むとサーシャの前に突き出した。
「心の中だけでなくリアルに一発なら叩いても良くてよ」
?!
突然のピンチに慌てたアリスはバタークッキーを飲み込むとたこせんを咥え直した。顔を引き攣らせたアイシャが手を振り上げる。それを見たサーシャはプッと吹き出した。
「やぁね、アリスったら。そうじゃないの、実は私、ドレスを新調するのを止めようと思っているの」
サーシャの言葉にその場の全員の目が丸くなった。
「どうして?あんなに楽しみにしていたのに」
「まさかウチの父より贅沢者でリカルドの家格じゃ物足りないとか寝言を」
口々に言う皆にサーシャは笑顔で首を振る。
「違う、違う。両親は好きなドレスを選びなさいって言ってくれているわ。でも実は下の兄の結婚が決まって」
『…ああ』
サーシャの家の事情に皆複雑な表情で言葉に詰まる。貴族でなくても結婚は何かと物入りだ。
「学園の入学が決まった時のパーティーで着たドレスを直して着ようかと思っているの。パートナーと贈り合うアクセサリーもお互い借り物を用意する予定だったから止めにして」
「ソレも止めるのデすか~」
悲しそうな顔になるアイシャにサーシャは笑顔で、
「実はリカルドが安くても手元に残せるアクセサリーを贈りたいって言ってくれて、お互いに負担のない程度のアクセサリーをお揃いで贈り合う事にしたの」
「何気に惚気るのね」
エリアナが冷静に言葉を返し、皆で可笑しそうに笑う。
「…」
アリスはパリッとたこせんを噛んだ。
私がカイルルートに入った場合、カイルがヒロインに贈るアイテムはドレス。キラキラなヤツ。ゲーム設定通りにカイルがドレスを贈ってくれるなら母のドレスが浮く事になる。のでサーシャさえ良ければ着てもらう事が可能だ。でもパンツ丸出し防止機能付きドレスを用意するような女に果たして王子様はドレスをプレゼントしてくれるのだろうか?
ウウウと唸るアリスにサーシャは首を傾げた。
「どうしたの?別にクッキーを食べた位で怒らないわよ、ちょっとイラッとするけど」
「するんだ…」
アリスは慌ててたこせんを飲み込んでテヘッと笑った。
難しい事はクラリア様に相談しよう。私より遥かにかしこさカンストだから、皆が新品ドレスの中で一人古いドレスとか盛り下がり要素を吹き飛ばす素敵アイデアを授けて貰おうっと。
クラリアに丸投げを決めたアリスは安心してバタークッキーに手を伸ばし掛け、ふと思い出した。子供の頃の出来事のひとつ。
「あのね、子供の頃のお祭りの時の事なんだけど。母が父に作った花飾りが凄く綺麗だったの。ウチは鍛冶屋だから父が端材でキレイな飾りボタンを作ったのね。それを花飾りのポイントとして付けて母も自分用に同じデザインでひと回り小さな花飾りを作ってお揃いで付けてたの。周りの人も褒めていて」
ガシッ。
エリアナがアリスの手を取った。
「それよっ。お揃いの花飾りにアクセサリーをポイントにあしらうのよ。アクセサリーは記念に残せるし、やっばりお揃いは映えるしアガるもの。ナイスよ、アリス」
「銀製のアクセサリーなら手頃で素敵なデザインの物が見つかるわよ」
ユリアンヌがカタログをかき回し始めて、ノーラは庭師の人が用意してくれる花のリストを引っ張り出した。
「皆で合わせて外出許可を取っテ店で直接選ぶのも有りデすよ~」
『確かに有り』
アイシャの意見に皆頷き、サーシャはいたずらっぽい瞳でアリスを見た。
「皆で出掛けるのは良いわね」
「すーすーすー」
アリスはというと一人うつらうつらと舟を漕いでいた。くいっとアイシャがアリスの頬をつまんで引っ張った。
「私だってダンスの練習ヲひたすらにずっとシています。でも食って寝るハ豚になるノです。どうしてアリスは子鹿でいられるのデすかぁ?」
反対側の頬を引っ張ったユリアンヌも、
「最近のアリスは腹筋も割れてきてスタイルがとても良くなってきたわ。私だってダンスの自主練は人よりしているし食事制限だってしているのに何故私は我が儘ボディを脱げないの?」
両頬をむにゅっと引っ張られたアリスは、それでも眠っていた。
「すーすーすー」
「タコの風味が効いてるわ」
「しかもヘルシーでス。ドレスの為の体型維持に皆必死なコの時期にピッタリな食べ物デすよー」
あの後、クラリアからの手土産?を手にアリスはユリアンヌ達のいる談話室に向かった。ドレスのカタログに夢中になっていたユリアンヌ達はアリスの手土産に夢中になっていた。
クリスマス舞踏会のドレスを美しく着こなす為に、採寸が済んだ生徒もまだの生徒も体型を美しく磨き上げる事に余念がない。
この世界ではドレスを着る時にはコルセットでウエストを締め付ける事が一般的だ。しかしクラリアやグレース世代からは不自然に締め付けてウエストを強調するより自然なウエストラインを見せるドレスが流行っていた。それは必然的に体型を美しく整えるのがとても大変でもあるという事。
バターたっぷりのクッキーや生クリームをふんだんに使ったケーキなんて以ての外。素敵にドレスを着こなす為に誰もがダイエットに励んでいた。
その中でアリスは一人で戴き物のバタークッキーをパクパクと食べていた。それを憎々しげにユリアンヌが睨むと、スッとアリス母のドレスのデザイン画を手に取った。
淡いピンクのバルーンパンツの上にひらひらのラップスカートを幾重にも重ねたデザインでコケてもOK。ウエストもリボンで調整可能なドレスとなっていた。
改めてそれを見たサーシャが呆れた顔になる。
「クリスマス舞踏会のドレスでそんな注文をする人なんてアリスくらいよ」
「そんな無茶な注文に素敵なデザインで応えるアリスのお母様って凄いと思うわ」
デザイン画を覗き込んで感心するエリアナにアリスは頭を掻いて、
「いや~、それ程でも」
「お母様が、凄いわ」
「本当に素敵なデザインよね、出来上がりはどんなかしら」
サーシャもデザイン画をうっとりと見つめ、アイシャも大きく頷いた。
「はい、素敵デ楽ちん。羨ましいデす。私の国の民族衣装ハとても体型にピッタリに作りマす。子豚が着るドレスはないデす」
ふーんとアリスは聞き流しながらバタークッキーをまた一枚と口に放り込む。
『……』
民意を代表したユリアンヌがアリスにでこピン。改めてドレスカタログを広げ直した。
「アリスは放っておいてドレスの候補を選びましょう。今日中に決めないと仮縫いが間に合わなくなるわ。あっちも気にしないで」
ユリアンヌの言葉に皆が頷く。
ドアの前で萎れた赤い薔薇を手にしたノーラが腰を抜かしたまま、虚空を見つめていた。
たこせんが無くなる前にノーラも正気を取り戻し、アリス以外は皆真剣にドレスカタログのページをめくっていた。
ユリアンヌはお気に入りのドレスやシューズの載ったカタログを抱きしめて溜め息をついた。
「このドレスが絶対に着たいけどパートナーを見つけられない身では高価い物は頼みづらいわ。靴を新調するのは諦めてドレス一本でいくかドレスと靴をセットで次の候補で妥協するか悩むわ」
「だからあの先輩でとりあえず手を打ちなさいな」
サーシャのツッコミにユリアンヌは、
「だって眉が繋がっているのよ」
ノーラとエリアナも溜め息をつく。
「抜いて頂けば良いのに。私なんてアプローチが一つも無いのよ」
「私に来たのは手足の生えたおたまじゃくし」
三人は揃ってサーシャを見る。
「父が拝む位なパートナーをGET出来ていればドレスも靴も選び放題なのに」
「パートナーを見つけられない身では姉のお下がりでも着とけとか言われかねないわ」
「私はお母様にとっておきのアクセサリーを借りる約束を取り付けていたの、パートナーを掴まえたらって条件で。とても無理そう」
肩を落とす三令嬢にアイシャがたこせんに伸ばしかけた手を引っ込めながら言った。
「諦めては駄目デすよ。素敵な男を捕まえテ皆でおニューのドレスで踊るノでス。私の婚約者、コサージュを贈ってくれマす♪彼の為にも体型をキープでス。ね~、サーシャ」
しかしたこせんからは目が離せずにアイシャはサーシャの肩に手を回してニコッと笑う。カタログを手に考え込んでいたサーシャは顔を上げると、慌てて笑顔で頷いた。
「…どうかした?」
サーシャの顔を怪訝そうに覗き込んだユリアンヌは、ぐいっとバタークッキー咥えたアリスの首根っこを掴むとサーシャの前に突き出した。
「心の中だけでなくリアルに一発なら叩いても良くてよ」
?!
突然のピンチに慌てたアリスはバタークッキーを飲み込むとたこせんを咥え直した。顔を引き攣らせたアイシャが手を振り上げる。それを見たサーシャはプッと吹き出した。
「やぁね、アリスったら。そうじゃないの、実は私、ドレスを新調するのを止めようと思っているの」
サーシャの言葉にその場の全員の目が丸くなった。
「どうして?あんなに楽しみにしていたのに」
「まさかウチの父より贅沢者でリカルドの家格じゃ物足りないとか寝言を」
口々に言う皆にサーシャは笑顔で首を振る。
「違う、違う。両親は好きなドレスを選びなさいって言ってくれているわ。でも実は下の兄の結婚が決まって」
『…ああ』
サーシャの家の事情に皆複雑な表情で言葉に詰まる。貴族でなくても結婚は何かと物入りだ。
「学園の入学が決まった時のパーティーで着たドレスを直して着ようかと思っているの。パートナーと贈り合うアクセサリーもお互い借り物を用意する予定だったから止めにして」
「ソレも止めるのデすか~」
悲しそうな顔になるアイシャにサーシャは笑顔で、
「実はリカルドが安くても手元に残せるアクセサリーを贈りたいって言ってくれて、お互いに負担のない程度のアクセサリーをお揃いで贈り合う事にしたの」
「何気に惚気るのね」
エリアナが冷静に言葉を返し、皆で可笑しそうに笑う。
「…」
アリスはパリッとたこせんを噛んだ。
私がカイルルートに入った場合、カイルがヒロインに贈るアイテムはドレス。キラキラなヤツ。ゲーム設定通りにカイルがドレスを贈ってくれるなら母のドレスが浮く事になる。のでサーシャさえ良ければ着てもらう事が可能だ。でもパンツ丸出し防止機能付きドレスを用意するような女に果たして王子様はドレスをプレゼントしてくれるのだろうか?
ウウウと唸るアリスにサーシャは首を傾げた。
「どうしたの?別にクッキーを食べた位で怒らないわよ、ちょっとイラッとするけど」
「するんだ…」
アリスは慌ててたこせんを飲み込んでテヘッと笑った。
難しい事はクラリア様に相談しよう。私より遥かにかしこさカンストだから、皆が新品ドレスの中で一人古いドレスとか盛り下がり要素を吹き飛ばす素敵アイデアを授けて貰おうっと。
クラリアに丸投げを決めたアリスは安心してバタークッキーに手を伸ばし掛け、ふと思い出した。子供の頃の出来事のひとつ。
「あのね、子供の頃のお祭りの時の事なんだけど。母が父に作った花飾りが凄く綺麗だったの。ウチは鍛冶屋だから父が端材でキレイな飾りボタンを作ったのね。それを花飾りのポイントとして付けて母も自分用に同じデザインでひと回り小さな花飾りを作ってお揃いで付けてたの。周りの人も褒めていて」
ガシッ。
エリアナがアリスの手を取った。
「それよっ。お揃いの花飾りにアクセサリーをポイントにあしらうのよ。アクセサリーは記念に残せるし、やっばりお揃いは映えるしアガるもの。ナイスよ、アリス」
「銀製のアクセサリーなら手頃で素敵なデザインの物が見つかるわよ」
ユリアンヌがカタログをかき回し始めて、ノーラは庭師の人が用意してくれる花のリストを引っ張り出した。
「皆で合わせて外出許可を取っテ店で直接選ぶのも有りデすよ~」
『確かに有り』
アイシャの意見に皆頷き、サーシャはいたずらっぽい瞳でアリスを見た。
「皆で出掛けるのは良いわね」
「すーすーすー」
アリスはというと一人うつらうつらと舟を漕いでいた。くいっとアイシャがアリスの頬をつまんで引っ張った。
「私だってダンスの練習ヲひたすらにずっとシています。でも食って寝るハ豚になるノです。どうしてアリスは子鹿でいられるのデすかぁ?」
反対側の頬を引っ張ったユリアンヌも、
「最近のアリスは腹筋も割れてきてスタイルがとても良くなってきたわ。私だってダンスの自主練は人よりしているし食事制限だってしているのに何故私は我が儘ボディを脱げないの?」
両頬をむにゅっと引っ張られたアリスは、それでも眠っていた。
「すーすーすー」
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