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王宮裏事情解決編
55 フラグって言うものは回収するためにある
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名:山野ケイ
齢:26
種:異世界人・お料理聖女(見習い)
Lv:15
体力:25
魔力:99
攻撃:?
防御:100
スキル:空っぽ
固有スキル:mamazon
加護:女神の加護
「……何これ」
「貴女のステータス」
「……え、ちょっとまって魔力量」
「増えすぎ」
「なんでえええええ!?」
「だから、凄いことなってるって言ったでしょ!」
その他にも何故かお料理聖女(見習い)とか加護が読めるようになってるし!
あ、でもレベルはようやく大人と同じになってる。
ルーと一緒に魔法のお勉強したからかな?そうだといいな。いや、絶対そうだ。
「レベルは別として、自分の魔力量が分かってないのに基礎も何も無いわよ、本当」
「ごもっともでーす」
なんでこんなになってるの?とかそういうのは一旦置いとかれたけど、まあ、異世界から来てるからなのか、規格外の成長スピードで赤ちゃんから大人になったね、て言われた。
いや、こちとら元から成人済の大人の女ですから。やっと身体と精神とこの世界とのバランスが取れたってことなのでは!?
ん?でも待てよ、この世界の成人って17歳そこらじゃん、まだ年齢と釣り合ってない!
やっとこの世界の成人と同じレベルになったのは喜ばしいけど、つまり私はこの世界で言う赤ちゃんレベルの時から基礎ステータスがすでにやばかったって訳だ。
もしこれで長く王宮にいたら、やはり異世界人は聖女!とか祀られてた!?
セーーーフ!あのバカ王子にバレなくてよかった!
そして、まとめると私がやってた魔力操作は勢い良く水が流れている滝のような所に無謀にもコップで水を汲んでいるような馬鹿さ加減だった、ということだ。
そりゃ割れるよ、魔石さん。
女神様の話では、これで自分の魔力量が分かったら次は源泉からパイプを通すように穏やかに道を作って水を汲める場所を作るイメージで魔力を流し込め、と言われました。
まあ所謂、中継所というか、水道と蛇口とか、井戸とかそういうイメージでやれ、という事ね。
そういうことが出来てからの魔力操作らしい。
うーむ、これは一度には出来ないから自己練習しないとだな。
そんな感じで魔力の方は解決?した。
「この、攻撃が『?』と言うのは?」
「ああ、それなんだけど……固有スキルに関係あるそうなのよ」
「え、調べてくれたんですか!?」
「そうよっ!大変だったんだからね!?」
今にも食いつかん如きの女神さん、ちょっ、近い近い。
「貴女の世界の神様から他の異世界の神様から……飛び回って聞きまくったんだからね!」
「すみません、本当……」
私の事サポートするって本当だったんだ……。ちょっと本気で忘れてたの可哀想になってきた。
「そう思うなら敬って欲しいわ」
「あ、思考読めるんだったこの人」
なんでもありな夢の中(……か、分からんけど)女神様は説明を続けた。
「貴女の固有スキル、mamazonは合言葉を唱えると魔力と引き換えに攻撃魔法やら生活魔法やら、あらゆる知識から望みのままにサポートしてくれるAIだ、て貴女の世界の神様が言ってたわ」
「合言葉、ね……」
なんとなく分かってしまった。
mamazon……それは取り寄せられないものは無いのでは無いかと言われるネット界最大にして最強の通販サイト。そしてその通販サイトを起動せし合言葉を唱えると出てくるAIとくれば……アレしかない。
「その合言葉は……」
「「おっけービーグル」」
……ですよね。
「なんで合言葉知ってるのよお!」
「いや、だってもともとこちらの世界の技術ですし」
「それもそっか」
納得早いです、女神様。
「合言葉を唱えるとAIが貴女の望みのまま好きなものを取り寄せたりスキル取得出来るみたい。まあ、限りも制限もあるみたいだけど」
「……危険なスキルですね……」
「え?そうなの?」
……え?なぜそう思わないのかが逆に問いたいですが?
なんでも、と言うのは多分語弊だろうけど魔力さえあれば希望に近しいものを検索して案内してくれるなど悪用したらとんでもない事になる。
核を作りたいとか願ったらそれなりに検索してそれなりのものが出来てしまうのでは?と思ったけどする気もないしこれからもしないのでこの考えは封印。
「あの、多分わたし固有スキルはしばらく使わないかもです……ってか今まで必要なかったから使う未来が浮かばないです」
「まあまあ、使い方知ってるだけでも知らないよりは良いんだし。必要になった時でいいんじゃない?」
「はあ……」
「こっちはあなたがいればそれだけで良いのだから!レッツえんじょい、異世界!なのよ!」
「……女神様、地球の神様に何教えられたの」
そんなこんなで自分のステータスやスキルを説明されて。
ちょっと欲しいスキルがあったから何個か取得したら魔力切れになりそうになったのでそこで辞めた。魔力切れ起こしたら死んじゃうからね!
そして女神様から、お祈りはしなくてもいいからたまには連絡して来いと釘をさされ、女神様との交流は終わったのであった。
**********
「……ィ……ケ、イ……」
うーん、うるさいな。
気持ちよく寝てるのに起こすのは誰だよ!
「ケイ!」
「んひっ!?」
一際大きな声で呼ばれたので素っ頓狂な声を出してしまった。
そして一瞬にして目覚めると、そこには見知らぬ天井と、めっちゃ綺麗な団長さんの顔……。
「……ここはどこ? 私は誰?」
「!? 分からないのか!?」
「あ、違う違う、異世界ジョーク、冗談です、冗談!!」
慌てふためく団長さんが、今にも飛び出して行きそうなのを必死で止めつつ起き上がる。
私の様子をみて、平気そうだと判断したのか団長さんは溜息を吐くと座っていた椅子に座り直した。
「いきなり倒れたから吃驚した」
「すみません……ちょっと、神託が」
「神託!?」
私は異世界から来ているし、女神様も信徒に神託が~……とか言ってたから神託など当たり前に有るもんと思ってたけど違ったみたいだ。
やらかした、な。
興味津々と言った感情と信じられないと言った感情が複雑に混ざりあった表情の団長さんが目の前にいる。
これはもう自分から言ってしまったものなので先程の女神様との事を白状した。
言っちゃダメとか言われてないし大丈夫だよね?
団長さんによると、私が倒れてから一時間くらいしかたって無かったみたいで、夢の中はもっと長くいた感覚だったのでそれは驚いた。女神様と話した内容等――……まあ、魔力とかレベルとか上がったよ、とかその他もろもろ――を大まかに説明して、団長さんは納得したようだ。
私の固有スキルは使い方を間違えれば危険だから内緒にしたけど、話し終わってから団長さんから『私の目に狂いはなかった』と極上の笑顔を頂きまして、ますます私を聖女と崇め護りますとのお言葉を頂いてしまいました。
……正直勘弁してほしい。
私は聖女(見習い)なので!聖女じゃないです!!
「私の体調は良いので、そろそろ神殿から出ましょう」
ここにいるとなんか危なそう……というか先程から部屋の隅にいる信徒もコチラをちらちらソワソワと視線をくれたりしているので、多分神託の話が聞こえたんだろう。口止めしないと私に関する噂が広まるような気がしてならない。
私の提案に団長さんも同意してくれてベットから立ち上がらせてくれた……と思ったらそのまま見事に抱きしめられ、お姫様抱っこなう。
「あの、団長さん……? 降ろし……」
「ケイは気にしなくていい」
喉がひゅっ、となる位の、キラキラ貴族モードの団長さんがそこにいました。
もう、二度と、倒れない。
齢:26
種:異世界人・お料理聖女(見習い)
Lv:15
体力:25
魔力:99
攻撃:?
防御:100
スキル:空っぽ
固有スキル:mamazon
加護:女神の加護
「……何これ」
「貴女のステータス」
「……え、ちょっとまって魔力量」
「増えすぎ」
「なんでえええええ!?」
「だから、凄いことなってるって言ったでしょ!」
その他にも何故かお料理聖女(見習い)とか加護が読めるようになってるし!
あ、でもレベルはようやく大人と同じになってる。
ルーと一緒に魔法のお勉強したからかな?そうだといいな。いや、絶対そうだ。
「レベルは別として、自分の魔力量が分かってないのに基礎も何も無いわよ、本当」
「ごもっともでーす」
なんでこんなになってるの?とかそういうのは一旦置いとかれたけど、まあ、異世界から来てるからなのか、規格外の成長スピードで赤ちゃんから大人になったね、て言われた。
いや、こちとら元から成人済の大人の女ですから。やっと身体と精神とこの世界とのバランスが取れたってことなのでは!?
ん?でも待てよ、この世界の成人って17歳そこらじゃん、まだ年齢と釣り合ってない!
やっとこの世界の成人と同じレベルになったのは喜ばしいけど、つまり私はこの世界で言う赤ちゃんレベルの時から基礎ステータスがすでにやばかったって訳だ。
もしこれで長く王宮にいたら、やはり異世界人は聖女!とか祀られてた!?
セーーーフ!あのバカ王子にバレなくてよかった!
そして、まとめると私がやってた魔力操作は勢い良く水が流れている滝のような所に無謀にもコップで水を汲んでいるような馬鹿さ加減だった、ということだ。
そりゃ割れるよ、魔石さん。
女神様の話では、これで自分の魔力量が分かったら次は源泉からパイプを通すように穏やかに道を作って水を汲める場所を作るイメージで魔力を流し込め、と言われました。
まあ所謂、中継所というか、水道と蛇口とか、井戸とかそういうイメージでやれ、という事ね。
そういうことが出来てからの魔力操作らしい。
うーむ、これは一度には出来ないから自己練習しないとだな。
そんな感じで魔力の方は解決?した。
「この、攻撃が『?』と言うのは?」
「ああ、それなんだけど……固有スキルに関係あるそうなのよ」
「え、調べてくれたんですか!?」
「そうよっ!大変だったんだからね!?」
今にも食いつかん如きの女神さん、ちょっ、近い近い。
「貴女の世界の神様から他の異世界の神様から……飛び回って聞きまくったんだからね!」
「すみません、本当……」
私の事サポートするって本当だったんだ……。ちょっと本気で忘れてたの可哀想になってきた。
「そう思うなら敬って欲しいわ」
「あ、思考読めるんだったこの人」
なんでもありな夢の中(……か、分からんけど)女神様は説明を続けた。
「貴女の固有スキル、mamazonは合言葉を唱えると魔力と引き換えに攻撃魔法やら生活魔法やら、あらゆる知識から望みのままにサポートしてくれるAIだ、て貴女の世界の神様が言ってたわ」
「合言葉、ね……」
なんとなく分かってしまった。
mamazon……それは取り寄せられないものは無いのでは無いかと言われるネット界最大にして最強の通販サイト。そしてその通販サイトを起動せし合言葉を唱えると出てくるAIとくれば……アレしかない。
「その合言葉は……」
「「おっけービーグル」」
……ですよね。
「なんで合言葉知ってるのよお!」
「いや、だってもともとこちらの世界の技術ですし」
「それもそっか」
納得早いです、女神様。
「合言葉を唱えるとAIが貴女の望みのまま好きなものを取り寄せたりスキル取得出来るみたい。まあ、限りも制限もあるみたいだけど」
「……危険なスキルですね……」
「え?そうなの?」
……え?なぜそう思わないのかが逆に問いたいですが?
なんでも、と言うのは多分語弊だろうけど魔力さえあれば希望に近しいものを検索して案内してくれるなど悪用したらとんでもない事になる。
核を作りたいとか願ったらそれなりに検索してそれなりのものが出来てしまうのでは?と思ったけどする気もないしこれからもしないのでこの考えは封印。
「あの、多分わたし固有スキルはしばらく使わないかもです……ってか今まで必要なかったから使う未来が浮かばないです」
「まあまあ、使い方知ってるだけでも知らないよりは良いんだし。必要になった時でいいんじゃない?」
「はあ……」
「こっちはあなたがいればそれだけで良いのだから!レッツえんじょい、異世界!なのよ!」
「……女神様、地球の神様に何教えられたの」
そんなこんなで自分のステータスやスキルを説明されて。
ちょっと欲しいスキルがあったから何個か取得したら魔力切れになりそうになったのでそこで辞めた。魔力切れ起こしたら死んじゃうからね!
そして女神様から、お祈りはしなくてもいいからたまには連絡して来いと釘をさされ、女神様との交流は終わったのであった。
**********
「……ィ……ケ、イ……」
うーん、うるさいな。
気持ちよく寝てるのに起こすのは誰だよ!
「ケイ!」
「んひっ!?」
一際大きな声で呼ばれたので素っ頓狂な声を出してしまった。
そして一瞬にして目覚めると、そこには見知らぬ天井と、めっちゃ綺麗な団長さんの顔……。
「……ここはどこ? 私は誰?」
「!? 分からないのか!?」
「あ、違う違う、異世界ジョーク、冗談です、冗談!!」
慌てふためく団長さんが、今にも飛び出して行きそうなのを必死で止めつつ起き上がる。
私の様子をみて、平気そうだと判断したのか団長さんは溜息を吐くと座っていた椅子に座り直した。
「いきなり倒れたから吃驚した」
「すみません……ちょっと、神託が」
「神託!?」
私は異世界から来ているし、女神様も信徒に神託が~……とか言ってたから神託など当たり前に有るもんと思ってたけど違ったみたいだ。
やらかした、な。
興味津々と言った感情と信じられないと言った感情が複雑に混ざりあった表情の団長さんが目の前にいる。
これはもう自分から言ってしまったものなので先程の女神様との事を白状した。
言っちゃダメとか言われてないし大丈夫だよね?
団長さんによると、私が倒れてから一時間くらいしかたって無かったみたいで、夢の中はもっと長くいた感覚だったのでそれは驚いた。女神様と話した内容等――……まあ、魔力とかレベルとか上がったよ、とかその他もろもろ――を大まかに説明して、団長さんは納得したようだ。
私の固有スキルは使い方を間違えれば危険だから内緒にしたけど、話し終わってから団長さんから『私の目に狂いはなかった』と極上の笑顔を頂きまして、ますます私を聖女と崇め護りますとのお言葉を頂いてしまいました。
……正直勘弁してほしい。
私は聖女(見習い)なので!聖女じゃないです!!
「私の体調は良いので、そろそろ神殿から出ましょう」
ここにいるとなんか危なそう……というか先程から部屋の隅にいる信徒もコチラをちらちらソワソワと視線をくれたりしているので、多分神託の話が聞こえたんだろう。口止めしないと私に関する噂が広まるような気がしてならない。
私の提案に団長さんも同意してくれてベットから立ち上がらせてくれた……と思ったらそのまま見事に抱きしめられ、お姫様抱っこなう。
「あの、団長さん……? 降ろし……」
「ケイは気にしなくていい」
喉がひゅっ、となる位の、キラキラ貴族モードの団長さんがそこにいました。
もう、二度と、倒れない。
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