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第一章 討伐騎士団宿舎滞在編
34 君の名は……
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第一目的だった果物を買ったあとは他の露店をくるりと一周して、あらかたどこに何があるかを把握。
流石に生鮮魚店はなかったんだけど、干物屋さんみたいな海産物のお店があったのでそこでも爆買いした!
狙いは昆布だったんだけど、なんと!鰹節のようなものを発見。もちろん昆布もあった。
そしてびっくりなのがツナ!ツナがあったのよ!
正確に言えば魚のオイル漬けなのだけど、海がそこそこ遠いアズール国では魚と言えば干物とこのオイル漬けとの事。
宿舎に魚がなかったから海が遠いんだろうなと言うことは何となく察していたけれど。
ツナがあるならツナマヨが出来る!
それをパンに乗せてチーズをぱらりして……グリルで焼けばチーズがとろっとろのツナマヨパンになる……これはポールがハマるぞ……。
もちろん、あるだけ購入しました。
あとは豆屋。
色んな種類の豆があったんだけど、有難いことに大豆と小豆を発見しました!
そんなに作られていないみたいで、少ししか買えなかったんだけど、残念がっていたらルーが交渉してくれて定期的に宿舎に卸してくれることになった。
うちの子優秀すぎない?
そんなこんなで私の戦利品は思ったよりも大量になった訳だけど、便利なバックパックさんにかかれば手ぶらも同然なので助かった。
「はー……流石に疲れたや」
「大丈夫ですか?ここら辺で少し休憩しましょうか」
「そうだね~……」
久しぶりの外出と人混みに酔ったのか、急に疲れが出てしまった。さっきまではアドレナリン全開で買い物をしていたのだけれど、あらかた買ったあとは安心したのかなんなのか身体が警告を出したようだ。
ルーに導かれるまま、噴水の広場から離れてベンチに座った。
人混みもなく、目立たない一角を選んでくれる。ありがたやーありがたやー!
「僕は何か飲み物を買ってきますからここで待っててくださいね」
「はーい、行ってらっしゃい~……」
ベンチの背にくてっと身体を預け、掛けてくルーに手を振る。
小さくなる背中と、未だ賑わう噴水広場の人混みを遠くに見ながらぼんやり過ごす。
ああ、この景色だけ見ていればここが異世界なのだと思わないのに。
なんとも平和な日常風景だ。
この景色は日本で言うところの縁日のお祭りのようで、ふ、と幸せだった頃の思い出が蘇る。
私の隣にいた人。
もみくちゃにされる人混みの中、屋台巡りをしたあの寒い日。繋いだ手があたたかくて、それ以上に心まで満たされて幸せで、時が止まればいいと永遠を望んだ。
思い出せばすぐに思い浮かぶ遠い日。
……だめだ、考えるのはここまでにしよう。
空を見上げれば青空。
雲は流れているし、太陽も出ている。
寒くだってないしなんならあったかい。
思い出とは全く真逆の、春うららかな平和な午後ではないか。
ルーが戻ってきたら心配掛けちゃうからね。
私は泣いてない。
手の甲で乱暴に目元を拭い、また空を見つめる。
「どうしたの?」
……と、声をかけられたと同時に光が遮られ、後ろから覗き込んでくる知らない女の子の顔。
「ぎゃあああ!?だ、だれっ!?」
「あら、ごめんなさい。泣いているようでしたので、ついお声かけをしたの……びっくりさせたわね」
見上げていた体制から勢い良く起き上がり後ろを向く。
そこには私の大声に驚いたのか、口元を扇で隠し瞳をぱちくりとさせながら大人びた口調で謝罪するドレス姿の女の子。
……私知ってる。貴族だ!!
「あ、あの……えっと、申し訳ございません……!」
「ああ、いいのよ。固くならないで?そのまま」
貴族と気付き立ち上がろうとした私を女の子はにこやかに制し、それ以上にわざわざ回り込みベンチに座った。
ふおおおお!隣です!隣に!いい匂いの女の子ー!!
見たところルーくらいの年の瀬かな?12~14歳くらい?幼いけど、めちゃくちゃ美人。
ゆるふわウェーブの髪はハーフテールで結ってあり赤いリボンが金髪の髪によく映えてる。
これぞブロンド!黄金!という輝かしくて美しい髪。そして瞳は紫というなんとも神秘的じゃありませんか!!それが元々美しい顔立ちのこの子のポテンシャルを格段にあげている。
アメジストみたいにキラキラ輝いててずっと見ていたいくらい。
着ているドレスもピンク生地に白レースがふんだんにあしらわれていて、それが下品じゃなく、幼いこの子の雰囲気に似合ってる。生地もいいものなのだと一目で分かるくらいふわふわとしていて、風になびく度に揺らめいて、いやもう、纏う雰囲気が上流階級の方なんだと言わしめております。
てか!なんでこんな所に上流階級の方いるのーー?!迷子?迷子なのー!?
どうしたらいいの!ルーのバカー!いるじゃん、上流階級ーー!!
「ねえ、もしよろしければこれ、お使いになって?」
差し出されたのは白のレース付きハンカチ。
溢れんばかりのロイヤリティに抵抗かなわず受けとったけど……この光沢と手触りはシルクだ。
やっべえモン受け取ったぜぇ……。
「ありがとうござい、ます……」
「ふふ、そんな敬語じゃなくていいわよ。私はヴェロニカ。ベリーと呼んでちょうだい」
「そ、そんな!上流階級の方を愛称で呼べません!」
「あら、わたくしがいいと言っておりますのよ?是非、呼んでちょうだいな」
「は、はぃ……」
花が咲く笑顔ってこういうやつを言うんだなって私は思いました。
ヴェロニカ……じゃなく、ベリーの美しさにぼーっと見とれてしまって生返事しか出来ない。不甲斐ない……いやもう、本物のお貴族のお嬢様ってこんなにもたおやかで美しくて眩しいんだね!!平伏したい……今すぐにでも平伏したいという衝動が抑えきれない!!
ハンカチも受け取ってそのままの私に、ベリーはそっとハンカチをひいて再び自分の手にすると、涙で濡れてる目尻をふんわり優しく拭ってくれた。
「へ……?あ、ちょっ、ベリー様!?」
「見ていたけれど……女の子が乱暴に涙を拭ってはいけないわ。お肌が痛みますもの」
あーら見ーてたーのねー……恥ずかしい所を見られてしまった。気まづい。
というか、これは何プレイなんだろうか???
綺麗な顔が近いです。
これ、私が変態だったらご褒美になるくらいのことされてますよね?
ああ、されるがままにしか出来ない私をお許しください……天に召されそうです。
「ヴェロニカ様ーー!?どこにー!!」
「はっ!!!」
っ!?本当に意識飛んでた!?
あまりにも衝撃的事件に脳が自然と現実逃避していたのか、ベリーを探すメイドの甲高い声にはっとする。
「あらあら、早い迎えだわ。……ごめんなさい、行かなくちゃ」
そう言うと持っていたハンカチを再び私の手に握らせ、ベリーはベンチから立ち上がる。
「また会えるといいわね、ケイ。ハンカチはあげるわ?好きに使って。では、ごきげんよう」
扇で口元を隠しつつこれまた優雅に去っていくベリー。
私は夢でも見たのだろうか?なんとも雅な時間はここが中庭のベンチなのだということをすっかり忘れさせていた。
しばらく夢見心地で惚けていたら、飲み物を持ったルーが帰ってきた。
「ケイ様?どうしたんです?」
「え!?い、いや……うん、夢見てた……」
「よっぽどお疲れだったんですね……」
呆れと心配が混ざったルーの言葉に曖昧に笑って答えて持っている飲み物を受け取る。
一口飲むとそれはみかんのような、リンゴのような、甘い果物のジュースだった。
「んー!美味しい!」
「お口にあって何よりです。これはマリンカの実のジュースで、よく果実酒などに使われますね」
「さっぱりしてていいね、これ。買っていきたい!お酒作ろうよ!」
「ではまた果物の露店へいきましょうか。終わったら露店で何か食べましょう」
「うん!」
ぐいっと一気に飲み干し、そのままベンチから離れる。
何となく、さっき出会ったベリーの事はルーには言わない方がいいと思ったので咄嗟に秘密にしてしまった。
団長さんが居ない今、上流階級と出くわしたなんて言って余計な心配を掛けたくないから。
まあ、小さな女の子だったし、大丈夫っしょ!
それにしても本当に綺麗だったな……仕草も洗練されてて、鈴みたいな可愛い声で、いかにも貴族のお嬢様で。
次、会えたらもっとちゃんと話してみたいな。
「……ん?てか私名乗ってなくない?なんで私の名前知ってたんだ……?」
今更に浮かんだ疑問は、人混みの喧騒に紛れて消えた。
流石に生鮮魚店はなかったんだけど、干物屋さんみたいな海産物のお店があったのでそこでも爆買いした!
狙いは昆布だったんだけど、なんと!鰹節のようなものを発見。もちろん昆布もあった。
そしてびっくりなのがツナ!ツナがあったのよ!
正確に言えば魚のオイル漬けなのだけど、海がそこそこ遠いアズール国では魚と言えば干物とこのオイル漬けとの事。
宿舎に魚がなかったから海が遠いんだろうなと言うことは何となく察していたけれど。
ツナがあるならツナマヨが出来る!
それをパンに乗せてチーズをぱらりして……グリルで焼けばチーズがとろっとろのツナマヨパンになる……これはポールがハマるぞ……。
もちろん、あるだけ購入しました。
あとは豆屋。
色んな種類の豆があったんだけど、有難いことに大豆と小豆を発見しました!
そんなに作られていないみたいで、少ししか買えなかったんだけど、残念がっていたらルーが交渉してくれて定期的に宿舎に卸してくれることになった。
うちの子優秀すぎない?
そんなこんなで私の戦利品は思ったよりも大量になった訳だけど、便利なバックパックさんにかかれば手ぶらも同然なので助かった。
「はー……流石に疲れたや」
「大丈夫ですか?ここら辺で少し休憩しましょうか」
「そうだね~……」
久しぶりの外出と人混みに酔ったのか、急に疲れが出てしまった。さっきまではアドレナリン全開で買い物をしていたのだけれど、あらかた買ったあとは安心したのかなんなのか身体が警告を出したようだ。
ルーに導かれるまま、噴水の広場から離れてベンチに座った。
人混みもなく、目立たない一角を選んでくれる。ありがたやーありがたやー!
「僕は何か飲み物を買ってきますからここで待っててくださいね」
「はーい、行ってらっしゃい~……」
ベンチの背にくてっと身体を預け、掛けてくルーに手を振る。
小さくなる背中と、未だ賑わう噴水広場の人混みを遠くに見ながらぼんやり過ごす。
ああ、この景色だけ見ていればここが異世界なのだと思わないのに。
なんとも平和な日常風景だ。
この景色は日本で言うところの縁日のお祭りのようで、ふ、と幸せだった頃の思い出が蘇る。
私の隣にいた人。
もみくちゃにされる人混みの中、屋台巡りをしたあの寒い日。繋いだ手があたたかくて、それ以上に心まで満たされて幸せで、時が止まればいいと永遠を望んだ。
思い出せばすぐに思い浮かぶ遠い日。
……だめだ、考えるのはここまでにしよう。
空を見上げれば青空。
雲は流れているし、太陽も出ている。
寒くだってないしなんならあったかい。
思い出とは全く真逆の、春うららかな平和な午後ではないか。
ルーが戻ってきたら心配掛けちゃうからね。
私は泣いてない。
手の甲で乱暴に目元を拭い、また空を見つめる。
「どうしたの?」
……と、声をかけられたと同時に光が遮られ、後ろから覗き込んでくる知らない女の子の顔。
「ぎゃあああ!?だ、だれっ!?」
「あら、ごめんなさい。泣いているようでしたので、ついお声かけをしたの……びっくりさせたわね」
見上げていた体制から勢い良く起き上がり後ろを向く。
そこには私の大声に驚いたのか、口元を扇で隠し瞳をぱちくりとさせながら大人びた口調で謝罪するドレス姿の女の子。
……私知ってる。貴族だ!!
「あ、あの……えっと、申し訳ございません……!」
「ああ、いいのよ。固くならないで?そのまま」
貴族と気付き立ち上がろうとした私を女の子はにこやかに制し、それ以上にわざわざ回り込みベンチに座った。
ふおおおお!隣です!隣に!いい匂いの女の子ー!!
見たところルーくらいの年の瀬かな?12~14歳くらい?幼いけど、めちゃくちゃ美人。
ゆるふわウェーブの髪はハーフテールで結ってあり赤いリボンが金髪の髪によく映えてる。
これぞブロンド!黄金!という輝かしくて美しい髪。そして瞳は紫というなんとも神秘的じゃありませんか!!それが元々美しい顔立ちのこの子のポテンシャルを格段にあげている。
アメジストみたいにキラキラ輝いててずっと見ていたいくらい。
着ているドレスもピンク生地に白レースがふんだんにあしらわれていて、それが下品じゃなく、幼いこの子の雰囲気に似合ってる。生地もいいものなのだと一目で分かるくらいふわふわとしていて、風になびく度に揺らめいて、いやもう、纏う雰囲気が上流階級の方なんだと言わしめております。
てか!なんでこんな所に上流階級の方いるのーー?!迷子?迷子なのー!?
どうしたらいいの!ルーのバカー!いるじゃん、上流階級ーー!!
「ねえ、もしよろしければこれ、お使いになって?」
差し出されたのは白のレース付きハンカチ。
溢れんばかりのロイヤリティに抵抗かなわず受けとったけど……この光沢と手触りはシルクだ。
やっべえモン受け取ったぜぇ……。
「ありがとうござい、ます……」
「ふふ、そんな敬語じゃなくていいわよ。私はヴェロニカ。ベリーと呼んでちょうだい」
「そ、そんな!上流階級の方を愛称で呼べません!」
「あら、わたくしがいいと言っておりますのよ?是非、呼んでちょうだいな」
「は、はぃ……」
花が咲く笑顔ってこういうやつを言うんだなって私は思いました。
ヴェロニカ……じゃなく、ベリーの美しさにぼーっと見とれてしまって生返事しか出来ない。不甲斐ない……いやもう、本物のお貴族のお嬢様ってこんなにもたおやかで美しくて眩しいんだね!!平伏したい……今すぐにでも平伏したいという衝動が抑えきれない!!
ハンカチも受け取ってそのままの私に、ベリーはそっとハンカチをひいて再び自分の手にすると、涙で濡れてる目尻をふんわり優しく拭ってくれた。
「へ……?あ、ちょっ、ベリー様!?」
「見ていたけれど……女の子が乱暴に涙を拭ってはいけないわ。お肌が痛みますもの」
あーら見ーてたーのねー……恥ずかしい所を見られてしまった。気まづい。
というか、これは何プレイなんだろうか???
綺麗な顔が近いです。
これ、私が変態だったらご褒美になるくらいのことされてますよね?
ああ、されるがままにしか出来ない私をお許しください……天に召されそうです。
「ヴェロニカ様ーー!?どこにー!!」
「はっ!!!」
っ!?本当に意識飛んでた!?
あまりにも衝撃的事件に脳が自然と現実逃避していたのか、ベリーを探すメイドの甲高い声にはっとする。
「あらあら、早い迎えだわ。……ごめんなさい、行かなくちゃ」
そう言うと持っていたハンカチを再び私の手に握らせ、ベリーはベンチから立ち上がる。
「また会えるといいわね、ケイ。ハンカチはあげるわ?好きに使って。では、ごきげんよう」
扇で口元を隠しつつこれまた優雅に去っていくベリー。
私は夢でも見たのだろうか?なんとも雅な時間はここが中庭のベンチなのだということをすっかり忘れさせていた。
しばらく夢見心地で惚けていたら、飲み物を持ったルーが帰ってきた。
「ケイ様?どうしたんです?」
「え!?い、いや……うん、夢見てた……」
「よっぽどお疲れだったんですね……」
呆れと心配が混ざったルーの言葉に曖昧に笑って答えて持っている飲み物を受け取る。
一口飲むとそれはみかんのような、リンゴのような、甘い果物のジュースだった。
「んー!美味しい!」
「お口にあって何よりです。これはマリンカの実のジュースで、よく果実酒などに使われますね」
「さっぱりしてていいね、これ。買っていきたい!お酒作ろうよ!」
「ではまた果物の露店へいきましょうか。終わったら露店で何か食べましょう」
「うん!」
ぐいっと一気に飲み干し、そのままベンチから離れる。
何となく、さっき出会ったベリーの事はルーには言わない方がいいと思ったので咄嗟に秘密にしてしまった。
団長さんが居ない今、上流階級と出くわしたなんて言って余計な心配を掛けたくないから。
まあ、小さな女の子だったし、大丈夫っしょ!
それにしても本当に綺麗だったな……仕草も洗練されてて、鈴みたいな可愛い声で、いかにも貴族のお嬢様で。
次、会えたらもっとちゃんと話してみたいな。
「……ん?てか私名乗ってなくない?なんで私の名前知ってたんだ……?」
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ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
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平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
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