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49.みんな一緒に過す時間
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ハディはメイドに部屋を与えてくれた。
狭い部屋だと思ったが、地下室が有り、これまた広い地下室である。
地下室に降りて直ぐの場所に部屋を作って貰ったらしい。
ただ、本当に地下室が広く入り組んでいる様で、絶対に奥には入るなと、ウルフさんに厳重に注意されたとか。
服を着替えたユリアはメイドに連れられて部屋を出る。
1階に降りるとラフな格好のハディが手迎えてくれた。
「ウルフに軽食を作らせたんだ。食べられるかな? 君達も食べて」
ハディはユリアの手を掴むと部屋に招き入れる。
広い部屋は、ソファーで寛げる場所や、食事様のテーブル。窓際にはハンモックまである。
これはリビングだ。
こういう作りをしてきるのは珍しいと。
「変な作りでごめんね。こうすると部屋が有効活用出来るんだ。皆で部屋で過す事が多くてね」
「使用人と同じ部屋を使うんですか?」
「うん。君もそうでしょ? 私はウルフ達を使用人と言うよりは仲間だと思ってるしね」
ハディはフフッと微笑むと、ユリアをテーブルに座らせる。
戸惑った様子のメイド達も座らせると、ハディは「ちょと待っててね」と、言って部屋を出てしまう。
「私達まで良いのかしら?」
「緊張しちゃうわ」
ドキドキした様子のメイド達。
ユリアもドキドキしてまう。
「お待たせ、昨日は疲れただろうからリゾットとサラダだけだけど、もっと食べたい様なら言ってね。ウルフが作るから」
「あわわ、旦那様!?」
「まだ旦那様と呼ぶのは速いかな?」
ウルフも持っているが、多すぎると思ったのか、ハディも手伝って料理を運んで来てしまった為、メイド二人が恐縮して立ち上がってしまう。
「こういう事は私達の仕事ですので、どうか言いつけて下さいませ!!」
家のメイドが土下座する勢いでお願いしている。
「あ、そうだよね。ごめん、ウルフにも良く怒られるんだよ」
「そうですよ。もう少し自重してくださいね」
「はいはい」
ウルフに言われ、ハハっと苦笑しつつ、テーブルに皿を並べるハディ。
「もう、主は座っていて下さい!」
俺の話聞いてた!?
と、ウルフは頭を抑えそうになっていた。
食事の準備が出来、皆テーブルにつく。
使用人もメイドも全員一緒に食事をするなんて素敵だ。
何処からともなく飛んで来た白い鳩もテーブルにとまる。
ハディが小皿に餌を入れて置いたので、れを食べている。
かわいい。
「この子はポーちゃん。伝書鳩だよ。あと、彼処に居るのがバウ」
「え?」
バウ?
視線を動かすとゴールデンレトリバーが側でご飯を食べている。
いつの間に!
クッションか何かだと思いこんでしまったらしい。
「子犬の頃に主人が拾ってきてしまいましてね。猫も居るんですけど、今、散歩に出かけたみたいですね」
そうウルフは溜息混じりに説明してくれる。
「まぁ、こんな事言ってるウルフも子供の頃に私が拾ったみたいなものだけどね」
「俺はちがいますよ。主を気に入って付いて来ちまっただけです。魅力的な主が悪い!」
「本当に家まで付いてきちゃって困ったよ」
「犬や猫は拾うくせに!」
プイッとちょっと拗ねるウルフだが、どう言う事??
ユリアは首を傾げるが、深く聞くのはやめておく事にした。
「私も紹介しますね。家のメイドのツルとクレーンです」
「私がツルです」
「私がクレーンです。私達もお嬢様のお父上に助けて頂いて、拾って頂いたのです」
「そうなんだね。僕はハディ。宜しくね」
ハディも自己紹介して、握手を求めると、メイド二人と握手を交わしてくれるのだった。
食事を終え、片付けはウルフとメイド二人でやると言うので、ハディとユリアは広いソファーで寛いでいた。
いつの間にか帰ってきた猫がユリアの膝に乗ってくる。
「わぁ、可愛い。お名前は何て言うんですか?」
「ミーちゃん」
「ミーちゃんですか。よしよし」
喉を撫でるとゴロゴロ喉を鳴らしてくれてる。
どうやらハディ公子は鳴き声で名前を付けるらい。
「お風呂入るよね? 使用人達とは別れているし、私はもう使ったから、ユリアの良い時に入って」
「有難うございます。では、入らせて頂きますね」
食後30分は過ぎたし良いだろう。
ユリアはハディに案内して貰い、お風呂を教えてもうと、入らせて頂く事にした。
なんと、ハディの家のお風呂も温泉であった。
アイリスの家とは違い、こじんまりとした一人用のお風呂である。
大きいお風呂も良いが、やはり小さい方が落ち着くなぁ。
地下室を作った時に出たのだろうか、そんな事を考えながら温泉で疲れを癒やすユリアだった。
狭い部屋だと思ったが、地下室が有り、これまた広い地下室である。
地下室に降りて直ぐの場所に部屋を作って貰ったらしい。
ただ、本当に地下室が広く入り組んでいる様で、絶対に奥には入るなと、ウルフさんに厳重に注意されたとか。
服を着替えたユリアはメイドに連れられて部屋を出る。
1階に降りるとラフな格好のハディが手迎えてくれた。
「ウルフに軽食を作らせたんだ。食べられるかな? 君達も食べて」
ハディはユリアの手を掴むと部屋に招き入れる。
広い部屋は、ソファーで寛げる場所や、食事様のテーブル。窓際にはハンモックまである。
これはリビングだ。
こういう作りをしてきるのは珍しいと。
「変な作りでごめんね。こうすると部屋が有効活用出来るんだ。皆で部屋で過す事が多くてね」
「使用人と同じ部屋を使うんですか?」
「うん。君もそうでしょ? 私はウルフ達を使用人と言うよりは仲間だと思ってるしね」
ハディはフフッと微笑むと、ユリアをテーブルに座らせる。
戸惑った様子のメイド達も座らせると、ハディは「ちょと待っててね」と、言って部屋を出てしまう。
「私達まで良いのかしら?」
「緊張しちゃうわ」
ドキドキした様子のメイド達。
ユリアもドキドキしてまう。
「お待たせ、昨日は疲れただろうからリゾットとサラダだけだけど、もっと食べたい様なら言ってね。ウルフが作るから」
「あわわ、旦那様!?」
「まだ旦那様と呼ぶのは速いかな?」
ウルフも持っているが、多すぎると思ったのか、ハディも手伝って料理を運んで来てしまった為、メイド二人が恐縮して立ち上がってしまう。
「こういう事は私達の仕事ですので、どうか言いつけて下さいませ!!」
家のメイドが土下座する勢いでお願いしている。
「あ、そうだよね。ごめん、ウルフにも良く怒られるんだよ」
「そうですよ。もう少し自重してくださいね」
「はいはい」
ウルフに言われ、ハハっと苦笑しつつ、テーブルに皿を並べるハディ。
「もう、主は座っていて下さい!」
俺の話聞いてた!?
と、ウルフは頭を抑えそうになっていた。
食事の準備が出来、皆テーブルにつく。
使用人もメイドも全員一緒に食事をするなんて素敵だ。
何処からともなく飛んで来た白い鳩もテーブルにとまる。
ハディが小皿に餌を入れて置いたので、れを食べている。
かわいい。
「この子はポーちゃん。伝書鳩だよ。あと、彼処に居るのがバウ」
「え?」
バウ?
視線を動かすとゴールデンレトリバーが側でご飯を食べている。
いつの間に!
クッションか何かだと思いこんでしまったらしい。
「子犬の頃に主人が拾ってきてしまいましてね。猫も居るんですけど、今、散歩に出かけたみたいですね」
そうウルフは溜息混じりに説明してくれる。
「まぁ、こんな事言ってるウルフも子供の頃に私が拾ったみたいなものだけどね」
「俺はちがいますよ。主を気に入って付いて来ちまっただけです。魅力的な主が悪い!」
「本当に家まで付いてきちゃって困ったよ」
「犬や猫は拾うくせに!」
プイッとちょっと拗ねるウルフだが、どう言う事??
ユリアは首を傾げるが、深く聞くのはやめておく事にした。
「私も紹介しますね。家のメイドのツルとクレーンです」
「私がツルです」
「私がクレーンです。私達もお嬢様のお父上に助けて頂いて、拾って頂いたのです」
「そうなんだね。僕はハディ。宜しくね」
ハディも自己紹介して、握手を求めると、メイド二人と握手を交わしてくれるのだった。
食事を終え、片付けはウルフとメイド二人でやると言うので、ハディとユリアは広いソファーで寛いでいた。
いつの間にか帰ってきた猫がユリアの膝に乗ってくる。
「わぁ、可愛い。お名前は何て言うんですか?」
「ミーちゃん」
「ミーちゃんですか。よしよし」
喉を撫でるとゴロゴロ喉を鳴らしてくれてる。
どうやらハディ公子は鳴き声で名前を付けるらい。
「お風呂入るよね? 使用人達とは別れているし、私はもう使ったから、ユリアの良い時に入って」
「有難うございます。では、入らせて頂きますね」
食後30分は過ぎたし良いだろう。
ユリアはハディに案内して貰い、お風呂を教えてもうと、入らせて頂く事にした。
なんと、ハディの家のお風呂も温泉であった。
アイリスの家とは違い、こじんまりとした一人用のお風呂である。
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