君の歌声が一番好き『完結』

文字の大きさ
上 下
12 / 12

12

しおりを挟む
 今までの王は幽閉され、王の間には新たな国王が立つ。
 集められた国民に挨拶をする。
 その後、光の騎士団と闇の騎士団が集められた。

「我が国は長年、そちらの国と併合しようと持ちかけていたのですが、聞き入れらられず、バリアが強固で此方からおもむく事は出来ませんでした。バリアが弱くなった所をつかせて頂きました。しかし、我々は貴方達と手を取りあえたらと思っています」

 そう、手を差し出し、握手を求める新たな王には見覚えがある。

「薬屋ではなかったのか?」
「薬屋が片手間で王をしています」

 フフっと笑うのは獣人の翠だ。




 隣国には素晴らしい技術と魔力が有り、我が国の光の騎士団、闇の騎士団と力を合わせれば、安全な道を確保出来き、自由に行き来き出来るようになると言う事だった。
 隣国はずっと光の騎士団と闇の騎士団の力が欲しかったらしい。
 すぐに新体制で動く事になった。
 新たな王の命令で、闇の騎士団は再結成され、新たに隣国の騎士団とも手を取る事になった。
 隣国の騎士団は火の騎士団と水の騎士団である。


 新たな体制になり、国は目まぐるしく発展した。
 闇の騎士団の力がは認められ、虐げられる事は無くなったし、隣国の素晴らしい作曲家によって、不協和音にならずに光の騎士団はアイドル活動も続けられた。
 発展した技術力で歌が各自の持つプレイヤーなるものに落とし込まれ、好きな時に好きな場所で聞くことが出来るのだ。
 隣国の力によって、闇の騎士団への負担も少なくなった。
 



「結局、ログハウスを立てたんですね」

 オニキスは元の森の中に、新しいログハウスを建て直した。

「木の香りが好きでね。側に湖が有るのも良いだろう? しかも温泉はかけ流し、こんな贅沢無いだろう」
「何で僕を新居に呼んでくれたんですか?」
「色々あったが丸く収まって良かったな。何となく、君と呑みたくなったんだよ」
「良いですね」

 中も何も変わって無くて、オニキスは本当に好みの家を建てていた事がわかり、ホッとするアメジスだ。

「メインストリートの僕の家にも今度遊びに来て下さいね」

 そうオニキスを家に誘うアメジス。
 オニキスの暮らしは憧れるが、やはりアメジスはメインストリートの家が気に入っていた。

「ああ、でもメインストリートがお祭り騒ぎで煩い時は、いつでも俺の家に来てくれ」
「有難うございます」
「俺達はもう親友だと思う」
「僕もそう思います」

 酒を乾杯しながら恥ずかしげに言うオニキス。
 本当は恋人になりないですとは、とても言えない。
 親友であるという特別なポジションに置いて貰えた事が今は嬉しいアメジスだった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

太陽に恋する花は口から出すには大きすぎる

きよひ
BL
片想い拗らせDK×親友を救おうと必死のDK 高校三年生の蒼井(あおい)は花吐き病を患っている。 花吐き病とは、片想いを拗らせると発症するという奇病だ。 親友の日向(ひゅうが)は蒼井の片想いの相手が自分だと知って、恋人ごっこを提案した。 両思いになるのを諦めている蒼井と、なんとしても両思いになりたい日向の行末は……。

悪役Ωは高嶺に咲く

菫城 珪
BL
溺愛α×悪役Ωの創作BL短編です。1話読切。

火傷の跡と見えない孤独

リコ井
BL
顔に火傷の跡があるユナは人目を避けて、山奥でひとり暮らしていた。ある日、崖下で遭難者のヤナギを見つける。ヤナギは怪我のショックで一時的に目が見なくなっていた。ユナはヤナギを献身的に看病するが、二人の距離が近づくにつれ、もしヤナギが目が見えるようになり顔の火傷の跡を忌み嫌われたらどうしようとユナは怯えていた。

記憶の代償

槇村焔
BL
「あんたの乱れた姿がみたい」 ーダウト。 彼はとても、俺に似ている。だから、真実の言葉なんて口にできない。 そうわかっていたのに、俺は彼に抱かれてしまった。 だから、記憶がなくなったのは、その代償かもしれない。 昔書いていた記憶の代償の完結・リメイクバージョンです。 いつか完結させねばと思い、今回執筆しました。 こちらの作品は2020年BLOVEコンテストに応募した作品です

別れの夜に

大島Q太
BL
不義理な恋人を待つことに疲れた青年が、その恋人との別れを決意する。しかし、その別れは思わぬ方向へ。

【完結】トルーマン男爵家の四兄弟

谷絵 ちぐり
BL
コラソン王国屈指の貧乏男爵家四兄弟のお話。 全四話+後日談 登場人物全てハッピーエンド保証。

高嶺の花宮君

しづ未
BL
幼馴染のイケメンが昔から自分に構ってくる話。

【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。

桜月夜
BL
 前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。  思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

処理中です...