【完結】俺の可愛い牛

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 白金哉汰(しろがねかなた)は白金家の跡取り息子であり、今や大企業の社長である。
 哉汰の会社は乳牛の販売に携わっていた。
 愛玩乳牛のミルクは人気で、特に白金のミルクは格別で有る。
 乳牛は哉汰が自らを施設に出向き、試し飲みをして選んでいた。
 
 哉汰は幼い頃から周りに乳牛やら闘牛が居た。
 屋敷の周りで警備を固めるのは闘牛であるし、屋敷の執事も牛であった。
 そして、用意された自分専用の執事、幼い友達とも言えるソレも牛であった。

 牛五郎が屋敷に来た時。
 なんて可愛い子なんだろうかと思った。
 綺麗な顔立ち、クリクリと大きな瞳に長いまつ毛、綺麗な黒髪は後ろで束ねていた。
 唇はふっくらとして軟らかそうで。
 生まれて始めてキスしてみたいなんて思った瞬間であった。
 唇と同じ薄紅色をした綺麗な乳首も可愛かった。
 乳牛の乳首に口を付けて吸ってみたいなんて思ったのも始めてだった。
 牛は主に体温が高いので殆ど服を着せない。
 執事は一応、服を着せるが、胸元は見える様に開けられているのだ。
 勿論、機能的な用途がある。
 闘牛は良いのだが、乳牛の血が混ざっている執事はお乳が張る事が有る。
 それを見逃さない為だ。
 溜まったお乳をそのままにしておくと、病気になったりして、彼らにとっても良くないのだ。
 普通の乳牛ならお胸が張れば自分から搾乳してくれと意思表示するのだが、人間の血が濃いと、羞恥心が勝り、意思表示出来ない個体が多くなる。
 執事になるのは人間の血が多い個体が多いので、こうしているのだ。
 胸元が大きく空いているその制服は牛五郎も嫌がっいる様子だった。
 胸元を隠そうとしていた。 
 やっぱり牛五郎も恥ずかしがりやさんなんだなと、思った。

 哉汰は牛五郎に一目惚れであった。
 
 今では牛五郎の考えを手に取るように解る。
 アレは自分を人間だと思っている。 
 そして、愛玩動物になどなりたくないと。
 いつか執事も辞めて人間として独り立ちするのだと。
 その為に隠れて色々勉強しているのも知っている。
 執事の仕事が終わった後、こっそり夜間学校に通っている事も知っていた。
 そんな努力家で野心も強い。
 生意気な牛五郎が哉汰は可愛くて可愛くて仕方ない。
 早く俺の愛玩動物だと解らせたい。
 そんな努力をしたって無駄なんだと。
 何処にもやるわけ無いのに。
 牛五郎は俺の愛玩動物なんだから。
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