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プロローグ2
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先生が授業を忘れて教室に来ない事がたまにある。
その時に直ぐに呼びに行く真面目な子と、嫌がるDQNと、本当に嫌がる子と内心は真面目な子に同意しつつ、DQNに乗って嫌がる子、そして静観する子に分かれる。
「先生がいらっしゃらない様なので、呼びに行ってきますね」
そうすかさず立ち上がる田中さん。
「はぁ? 真面目ちゃんかよ」
「来ないなら良いじゃん」
「自習なんじゃない?」
「呼びに行くとか空気読めないよな」
と、すかさずブーイングするDQN。
「じゃあ、多数欠でよくね? 皆も呼びに行かない方が良いよな。寝てようぜ!」
「同意する人、手あげて」
DQNが手を上げてと言うと、DQNが殆どが手を挙げるし、睨まれると気弱な奴は手を上げてしまう。
僕は手を挙げなかったが、多数欠はどう見てもDQNに分がある流れになる。
「学校に来ていると言うことは、親御さんにお金を払って貰って勉強をしに来てるわけですよね? 勉強をする事が私達の本分であり、義務であると……」
「うっせー。誰も親に頼んでねぇんだわ」
「別に勉強とかしたくねぇーけど、行け行けってうるせぇから来てるだけだし」
「来てるだけだけ、ウチら偉くない?」
田中さんの言葉がDQNに届く訳もなく、笑われている。
「とにかく、呼んで来ますから」
田中さんはさっさと教室を出て先生を呼びに行く。
「マジでアイツウゼー」
「調子こいてんよな」
「多数欠無視とか常識ねぇのかよ」
なぁ? と、皆に話しかけるDQN。
田中さんが先生を連れてくると普通に授業が開始された。
「田中さんは本当に真面目だね」
車の来ない赤信号、何人か走って渡って行く。
田中さんは青信号の点滅さえ無視せずに白線で立って待っていた。
帰り道は違うけど、僕は遠回りして田中さんの隣に立った。
「島くんも、こっちなんですか?」
「いや、天気が良いし遠回りしても良いかなって」
「雨が好きなんですか?」
アハハっと苦笑する僕に、田中さんも笑ってくれた。
並んで帰る僕たち。
田中さんが先生を呼びに行った間の事を話す。
「まぁ、かわいいじゃないですか。だってそんな事を言いつつ、先生が来たら静かにして授業を受けるんですから」
そう、田中さんはクスクス笑って見せる。
僕はそんな田中さんがカッコよくて綺麗で、余計に好きになる。
「あ、私、こっちです」
「あ、僕も」
「では、私はこっちなので……」
「僕もです……」
「あの、本屋に寄っていこうかと……」
「僕も」
本屋に寄ったり、スーパーで野菜を買ったりする田中さんに付き合った。
気づくと雨は晴れて薄暗くなっていた。
「では、ここで……」
「遅いから家まで行くよ」
この先は田んぼ道だ。
更に先に行くと林があったりして危ない。
「未智。今、帰り? 乗ってく?」
隣に自転車が止まった。
隣の男子校の生徒だ。
「乗ってくって何処に? そもそも自転車は二人乗り禁止ですよ」
「はいはい、歩きますよ」
「なんで夏樹まで?」
「夜道は危険だから」
「まだ夜道って時間じゃ……」
「細かい事を言うなよ。兎に角暗いからさ。荷物、カゴに乗せな」
「言い方が気に食わない」
「荷物をカゴに乗せさせて下さい」
「仕方ないですね」
田中さんと男子は仲が良さそうだ。
僕は内心ムカムカであるが、間に割って入れる言葉が思いつかなかった。
「てか、ソイツ誰?」
「人をソイツとか言わない。島くんです。クラスメイトの。私を心配して着いてきてくれたみたいです」
「ふーん、サンキュな。コイツ、抜けてるから。俺、コイツの家近所だし、チャリだたら後は俺に任せな!」
軟派な感じの男は僕の肩を叩く。
田中さんをコイツ呼ばわりとか、馴れ馴れしい。
思わず睨んでしまった。
お前が危ないんだよ。
「島くん、有難うございました。私は大丈夫なので。荷物も夏樹が乗せてくれるそうなので」
「お前も乗っても良いんだぜ?」
「何で夏樹の自転車に私が乗って、夏樹が歩くんですか。私が悪女みたいじゃないですか!」
「未智が悪女とか面白すぎるな」
「何が面白いんですか。すみません島くん。この人頭がおかしいんですよ。引かないであげてくださいね」
ハァーと溜息をつきつつ、フッと笑顔を見せる田中さん。
やっぱり田中さんの笑顔は可愛い。
この男に付きまとわれて困ってるんだね!
「じゃあ、また明日、学校で」
田中さんは僕に手を振って夏樹という男と帰って行った。
僕はただ悔しく見てるだけしか出来なかった。
その時に直ぐに呼びに行く真面目な子と、嫌がるDQNと、本当に嫌がる子と内心は真面目な子に同意しつつ、DQNに乗って嫌がる子、そして静観する子に分かれる。
「先生がいらっしゃらない様なので、呼びに行ってきますね」
そうすかさず立ち上がる田中さん。
「はぁ? 真面目ちゃんかよ」
「来ないなら良いじゃん」
「自習なんじゃない?」
「呼びに行くとか空気読めないよな」
と、すかさずブーイングするDQN。
「じゃあ、多数欠でよくね? 皆も呼びに行かない方が良いよな。寝てようぜ!」
「同意する人、手あげて」
DQNが手を上げてと言うと、DQNが殆どが手を挙げるし、睨まれると気弱な奴は手を上げてしまう。
僕は手を挙げなかったが、多数欠はどう見てもDQNに分がある流れになる。
「学校に来ていると言うことは、親御さんにお金を払って貰って勉強をしに来てるわけですよね? 勉強をする事が私達の本分であり、義務であると……」
「うっせー。誰も親に頼んでねぇんだわ」
「別に勉強とかしたくねぇーけど、行け行けってうるせぇから来てるだけだし」
「来てるだけだけ、ウチら偉くない?」
田中さんの言葉がDQNに届く訳もなく、笑われている。
「とにかく、呼んで来ますから」
田中さんはさっさと教室を出て先生を呼びに行く。
「マジでアイツウゼー」
「調子こいてんよな」
「多数欠無視とか常識ねぇのかよ」
なぁ? と、皆に話しかけるDQN。
田中さんが先生を連れてくると普通に授業が開始された。
「田中さんは本当に真面目だね」
車の来ない赤信号、何人か走って渡って行く。
田中さんは青信号の点滅さえ無視せずに白線で立って待っていた。
帰り道は違うけど、僕は遠回りして田中さんの隣に立った。
「島くんも、こっちなんですか?」
「いや、天気が良いし遠回りしても良いかなって」
「雨が好きなんですか?」
アハハっと苦笑する僕に、田中さんも笑ってくれた。
並んで帰る僕たち。
田中さんが先生を呼びに行った間の事を話す。
「まぁ、かわいいじゃないですか。だってそんな事を言いつつ、先生が来たら静かにして授業を受けるんですから」
そう、田中さんはクスクス笑って見せる。
僕はそんな田中さんがカッコよくて綺麗で、余計に好きになる。
「あ、私、こっちです」
「あ、僕も」
「では、私はこっちなので……」
「僕もです……」
「あの、本屋に寄っていこうかと……」
「僕も」
本屋に寄ったり、スーパーで野菜を買ったりする田中さんに付き合った。
気づくと雨は晴れて薄暗くなっていた。
「では、ここで……」
「遅いから家まで行くよ」
この先は田んぼ道だ。
更に先に行くと林があったりして危ない。
「未智。今、帰り? 乗ってく?」
隣に自転車が止まった。
隣の男子校の生徒だ。
「乗ってくって何処に? そもそも自転車は二人乗り禁止ですよ」
「はいはい、歩きますよ」
「なんで夏樹まで?」
「夜道は危険だから」
「まだ夜道って時間じゃ……」
「細かい事を言うなよ。兎に角暗いからさ。荷物、カゴに乗せな」
「言い方が気に食わない」
「荷物をカゴに乗せさせて下さい」
「仕方ないですね」
田中さんと男子は仲が良さそうだ。
僕は内心ムカムカであるが、間に割って入れる言葉が思いつかなかった。
「てか、ソイツ誰?」
「人をソイツとか言わない。島くんです。クラスメイトの。私を心配して着いてきてくれたみたいです」
「ふーん、サンキュな。コイツ、抜けてるから。俺、コイツの家近所だし、チャリだたら後は俺に任せな!」
軟派な感じの男は僕の肩を叩く。
田中さんをコイツ呼ばわりとか、馴れ馴れしい。
思わず睨んでしまった。
お前が危ないんだよ。
「島くん、有難うございました。私は大丈夫なので。荷物も夏樹が乗せてくれるそうなので」
「お前も乗っても良いんだぜ?」
「何で夏樹の自転車に私が乗って、夏樹が歩くんですか。私が悪女みたいじゃないですか!」
「未智が悪女とか面白すぎるな」
「何が面白いんですか。すみません島くん。この人頭がおかしいんですよ。引かないであげてくださいね」
ハァーと溜息をつきつつ、フッと笑顔を見せる田中さん。
やっぱり田中さんの笑顔は可愛い。
この男に付きまとわれて困ってるんだね!
「じゃあ、また明日、学校で」
田中さんは僕に手を振って夏樹という男と帰って行った。
僕はただ悔しく見てるだけしか出来なかった。
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