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94話
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「私は翠さんを特別に愛しています」
そう気付けば翠の手を強く握って伝えてしまっていた。
「俺を…… 笑美さんが?」
何で?
どうして?
ああ、これは夢かな??
翠は状況を飲み込めない。
頬を抓ったりしてみる。
よく解らなかった。
「ごめんなさい。気持ち悪いですよね……」
笑美は言ってしまってから言ってしまったと後悔し、冷や汗を流す。
どうしよう。
一緒に居られないと言われた。
私は正気で居られるだろうか。
翠さんに酷い事してしまわないだろうか。
自分自身が怖い。
「俺も、笑美さんを愛しています」
「え?」
怖くて俯いていた笑美に、そう言ったのは翠だ。
翠さんが?
私を愛している??
本当に??
「あの、愛してるといっても広い意味合いが有るので誤解していると思うのですが……」
「俺は笑美さんとキスしたりセックスしたりしたい愛してるです。笑美さんの愛しているはどんな愛してるですか?」
「えっと……」
上手く頭が回らない笑美。
キスしたりセックスしたりしたい愛してる。
それは、本当に翠さんは私を愛してると言う事か?
「ご、ごめんなさい。気持ち悪い事を言ってますよね……」
言葉を続けない笑美は困惑した様子に見え、翠はまた口を滑らせたと思った。
笑美さんと自分の愛は違ったんだ。
そうだよな。
同じ訳ないのに……
期待してしまった。
馬鹿だ俺……
「私も…… キスしたりセックスしたりしたい愛してるです」
俯く翠にそう言ったのは笑美である。
顔を上げる翠。
頬を少し赤くした笑美と目が合う。翠はも顔が熱くなるのを感じた。
「あの、愛してます笑美さん」
「私も愛してます翠さん」
「あの、ジュノさんとハワードみたいに、俺達も恋人同士ですか?」
「そうですね。そうなります」
「夢みたいだ……」
目を見つめる笑美から顔を反らして照れる翠。
笑美も口には出さないが夢みたいである。
「愛してます翠さん…… キスしても?」
愛が通じたのだ。
初めてのキスがしたい。
「はい。あ、どうしよう……」
顔を上げた翠は困った表情をした。
「どうしました?」
「笑美さんとセックスしたいんですが、その、やり方を聞く前に笑美さんがジュノさんを送り返してしまいましたから…… その、やり方が解らなくて……」
翠は本当に困ったと言う表情だ。
もしかしてジュノを送り返した時に残念そうな顔をしたのはそれか。
思わずクスクス笑ってしまう笑美。
それにしても、何でそんな話になったのだろう。
不思議だ。
「大丈夫ですよ。セックスの事ならベッドで私が教えます」
フフっと微笑む笑美。
「キスは出来ますよね?」
そう翠に尋ねれば、こくこく頷いた。
笑美は翠の頬に手をあてると優しく口付けするのだった。
そう気付けば翠の手を強く握って伝えてしまっていた。
「俺を…… 笑美さんが?」
何で?
どうして?
ああ、これは夢かな??
翠は状況を飲み込めない。
頬を抓ったりしてみる。
よく解らなかった。
「ごめんなさい。気持ち悪いですよね……」
笑美は言ってしまってから言ってしまったと後悔し、冷や汗を流す。
どうしよう。
一緒に居られないと言われた。
私は正気で居られるだろうか。
翠さんに酷い事してしまわないだろうか。
自分自身が怖い。
「俺も、笑美さんを愛しています」
「え?」
怖くて俯いていた笑美に、そう言ったのは翠だ。
翠さんが?
私を愛している??
本当に??
「あの、愛してるといっても広い意味合いが有るので誤解していると思うのですが……」
「俺は笑美さんとキスしたりセックスしたりしたい愛してるです。笑美さんの愛しているはどんな愛してるですか?」
「えっと……」
上手く頭が回らない笑美。
キスしたりセックスしたりしたい愛してる。
それは、本当に翠さんは私を愛してると言う事か?
「ご、ごめんなさい。気持ち悪い事を言ってますよね……」
言葉を続けない笑美は困惑した様子に見え、翠はまた口を滑らせたと思った。
笑美さんと自分の愛は違ったんだ。
そうだよな。
同じ訳ないのに……
期待してしまった。
馬鹿だ俺……
「私も…… キスしたりセックスしたりしたい愛してるです」
俯く翠にそう言ったのは笑美である。
顔を上げる翠。
頬を少し赤くした笑美と目が合う。翠はも顔が熱くなるのを感じた。
「あの、愛してます笑美さん」
「私も愛してます翠さん」
「あの、ジュノさんとハワードみたいに、俺達も恋人同士ですか?」
「そうですね。そうなります」
「夢みたいだ……」
目を見つめる笑美から顔を反らして照れる翠。
笑美も口には出さないが夢みたいである。
「愛してます翠さん…… キスしても?」
愛が通じたのだ。
初めてのキスがしたい。
「はい。あ、どうしよう……」
顔を上げた翠は困った表情をした。
「どうしました?」
「笑美さんとセックスしたいんですが、その、やり方を聞く前に笑美さんがジュノさんを送り返してしまいましたから…… その、やり方が解らなくて……」
翠は本当に困ったと言う表情だ。
もしかしてジュノを送り返した時に残念そうな顔をしたのはそれか。
思わずクスクス笑ってしまう笑美。
それにしても、何でそんな話になったのだろう。
不思議だ。
「大丈夫ですよ。セックスの事ならベッドで私が教えます」
フフっと微笑む笑美。
「キスは出来ますよね?」
そう翠に尋ねれば、こくこく頷いた。
笑美は翠の頬に手をあてると優しく口付けするのだった。
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