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88話
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翠がお風呂に入った後、笑美は翠を連れてハワードの城に向かった。
やはり念の為に人間のヒーラーに見せておきたかった。
それにジュノも心配である。
「こんにちは」
いつもの様に玄関から入った笑美をメイドが応接室に連れて行ってくれる。
「翠さん、大丈夫ですか!?」
翠と笑美が来たと聞きつけたジュノがハワードより先に部屋に入って来て翠の元に駆け寄る。
「俺は大丈夫です。ジュノさんは?」
「私は平気です」
「良かったです」
ニコッと微笑むジュノに、翠は目が合わせられず視線を少し外した。
ジュノさんはこんなに自分を心配してくれていたのに、俺はクズだ。
申し訳なく余計惨めな気持ちになる翠。
自分はジュノに心配して貰える様な人間じゃないのに。
「ハワード、翠さんをそちらのヒーラーに見てもらえないだろうか。ジュノはノエルに見せよう」
「解った。おーい、ヒーラー」
ジュノに遅れて部屋に来たハワードに笑美が頼んでヒーラーを呼んで貰う。
いつものメイドさんが来た。
「翠を見てやってくれ」
「どうしされましたか?」
「昨日、キノコに襲われた」
「まぁ」
メイドは翠の側に行くと手をかざしてみる。
「特別変わった所は有りませんね。体に傷なども無く綺麗です」
手をかざしただけで解るのか。
凄いなぁと、翠は感心してしまった。
「有難うございます、これで安心です」
ホッとした表情をする笑美。
ハワードがメイドに「もう下がれって良いぞ」と、命令し、メイドさんは出ていった。
「ではジュノをノエルに見せて来ます。私の城で待って貰えますか?」
「ああ、俺は仕事が有るから、ジュノ一人で行ってくれ」
「はい、リモート会議頑張って下さいね」
「会議とは名ばかりの、嫁と娘自慢を聞かされるだけだけどな」
ハハッと苦笑し、直ぐに出ていくハワード。
笑美はジュノの手と翠の手を取って魔王城に再びワープして戻る。
「直ぐにノエルを呼んで来るので、翠さんとお茶でも飲んで待って下さい」
「はーい」
笑美はジュノと翠をリビングに残し、直ぐにノエルの所へ飛んだ。
ジュノは笑美に言われた通りにキッチンで紅茶を作る。
勝手知ったる他人の家と言う感じだ。
いや、他人の家でも無いのだが。
これは、上司に見せられた人妻物パート2に有った、通い妻とか言うやつに似てるなぁ。
なんて、思う翠。
「翠さん、お砂糖とミルクはどうします?」
紅茶を入れて戻ってきたジュノにビクッとしてしまう翠。
変な事を考えていたとバレてないだろうか。
顔に出てなかったかな……
「えっと、お砂糖とミルクは少しだけ……」
「はい」
ジュノはお砂糖とミルクを少しだけ入れて紅茶を翠に出す。
ジュノはスレートらしい。
「頂きます」
翠はジュノから受け取った紅茶を飲む。
美味しい。
「私、陛下と恋人になったんですけど……」
「え?」
唐突に話し出したジュノにビックリする翠。
ハワードはジュノさんを好きな様だったし、ジュノさんも多分好きだみたいな話をノエルさんと笑美さんでしていた。
そんな話を蚊帳の外で聞かされていた翠は話が右から左で上手く理解して聞けていなかった。
本当にジュノさんはハワードが好きなのだろうか?
本当に?
あんな奴でいいの??
いや、ハワードはあれで割と良いやつな気もするが。
「唐突に話し出してしまって申し訳ありません。こんな話を出来る友人が翠さんしか居なくて…… えっと、私と、翠さんは友人ですよね?」
「勿論です、友人です!」
不安気に聞いてくるジュノに思わず力強く答える翠。
ジュノは「良かったです」とホッとした表情を見せる。
寧ろ此方が友人で良いんですか? と聞きたい。
俺なんかクズなのに……
「陛下は私を愛していると言うし、私も陛下を愛しています。だから恋人同士なんですけど…… 妻になれと言うんです。魔物で男の私が王の妻になれる訳ないじゃないですか」
「えっと……」
ジュノは何を思ってこの話をしているのか解らない翠は返答に困ってしまう。
怒っているのだろうか?
やはり念の為に人間のヒーラーに見せておきたかった。
それにジュノも心配である。
「こんにちは」
いつもの様に玄関から入った笑美をメイドが応接室に連れて行ってくれる。
「翠さん、大丈夫ですか!?」
翠と笑美が来たと聞きつけたジュノがハワードより先に部屋に入って来て翠の元に駆け寄る。
「俺は大丈夫です。ジュノさんは?」
「私は平気です」
「良かったです」
ニコッと微笑むジュノに、翠は目が合わせられず視線を少し外した。
ジュノさんはこんなに自分を心配してくれていたのに、俺はクズだ。
申し訳なく余計惨めな気持ちになる翠。
自分はジュノに心配して貰える様な人間じゃないのに。
「ハワード、翠さんをそちらのヒーラーに見てもらえないだろうか。ジュノはノエルに見せよう」
「解った。おーい、ヒーラー」
ジュノに遅れて部屋に来たハワードに笑美が頼んでヒーラーを呼んで貰う。
いつものメイドさんが来た。
「翠を見てやってくれ」
「どうしされましたか?」
「昨日、キノコに襲われた」
「まぁ」
メイドは翠の側に行くと手をかざしてみる。
「特別変わった所は有りませんね。体に傷なども無く綺麗です」
手をかざしただけで解るのか。
凄いなぁと、翠は感心してしまった。
「有難うございます、これで安心です」
ホッとした表情をする笑美。
ハワードがメイドに「もう下がれって良いぞ」と、命令し、メイドさんは出ていった。
「ではジュノをノエルに見せて来ます。私の城で待って貰えますか?」
「ああ、俺は仕事が有るから、ジュノ一人で行ってくれ」
「はい、リモート会議頑張って下さいね」
「会議とは名ばかりの、嫁と娘自慢を聞かされるだけだけどな」
ハハッと苦笑し、直ぐに出ていくハワード。
笑美はジュノの手と翠の手を取って魔王城に再びワープして戻る。
「直ぐにノエルを呼んで来るので、翠さんとお茶でも飲んで待って下さい」
「はーい」
笑美はジュノと翠をリビングに残し、直ぐにノエルの所へ飛んだ。
ジュノは笑美に言われた通りにキッチンで紅茶を作る。
勝手知ったる他人の家と言う感じだ。
いや、他人の家でも無いのだが。
これは、上司に見せられた人妻物パート2に有った、通い妻とか言うやつに似てるなぁ。
なんて、思う翠。
「翠さん、お砂糖とミルクはどうします?」
紅茶を入れて戻ってきたジュノにビクッとしてしまう翠。
変な事を考えていたとバレてないだろうか。
顔に出てなかったかな……
「えっと、お砂糖とミルクは少しだけ……」
「はい」
ジュノはお砂糖とミルクを少しだけ入れて紅茶を翠に出す。
ジュノはスレートらしい。
「頂きます」
翠はジュノから受け取った紅茶を飲む。
美味しい。
「私、陛下と恋人になったんですけど……」
「え?」
唐突に話し出したジュノにビックリする翠。
ハワードはジュノさんを好きな様だったし、ジュノさんも多分好きだみたいな話をノエルさんと笑美さんでしていた。
そんな話を蚊帳の外で聞かされていた翠は話が右から左で上手く理解して聞けていなかった。
本当にジュノさんはハワードが好きなのだろうか?
本当に?
あんな奴でいいの??
いや、ハワードはあれで割と良いやつな気もするが。
「唐突に話し出してしまって申し訳ありません。こんな話を出来る友人が翠さんしか居なくて…… えっと、私と、翠さんは友人ですよね?」
「勿論です、友人です!」
不安気に聞いてくるジュノに思わず力強く答える翠。
ジュノは「良かったです」とホッとした表情を見せる。
寧ろ此方が友人で良いんですか? と聞きたい。
俺なんかクズなのに……
「陛下は私を愛していると言うし、私も陛下を愛しています。だから恋人同士なんですけど…… 妻になれと言うんです。魔物で男の私が王の妻になれる訳ないじゃないですか」
「えっと……」
ジュノは何を思ってこの話をしているのか解らない翠は返答に困ってしまう。
怒っているのだろうか?
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