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72話
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中級コースはあまり人気は無くて、すれ違う人も居なかった。
人気な簡単コースでのんびり行く人と、上級コースでアスレチックを楽しむ冒険者の両極端らしく、あまり中級コースは選ばれない様子だ。
「翠さん、ほら、これはお花の魔物ですよ」
「ただのお花に見えますね」
「ただのお花に擬態して身を隠していますね。特に何の危害も加えない大人しい魔物ですよ。たまにお花の蜜を吸っています」
お花畑で魔物を見つけて翠に教えるジュノ。
「その子は家の地下庭にも居ますけどね。この子が作る香水がいい匂いなんですよ。一匹一匹作る匂いが違いましてね。部屋の消臭剤とか作るのに良いですよね」
笑美が付け加える。
「そうなんですね。ただの花だと思ってました。もっと大きなプヨンプヨン動いてるのは魔物なんだなぁとは思いましたけど」
翠は笑美の庭を思い出す。
確かにお花畑には色んなお花の魔物みたいなのが居た。
可愛くて、ずっと見てしまうのだ。
「あれは、この子の大きくなった魔物ですね。大きくなっても特別危害は加えませんが、中には悪気無く毒を作ってしまう子も居るので注意です。家には毒花は居ないので大丈夫ですが、自然界の子には1割ほど出るみたいなので」
笑美は更き付けけ加える形で翠に教える。
「今、大きのは居ませんね?」
「此処は大きくなると出荷されてしまうんでしょう。スイーツとして楽しまれるんです。蜂の魔物に食べさせたりしてるんでしょうね」
魔物達も弱肉強食なんだなぁと、翠は思いながら花達を見る。
しばし、お花畑を眺めつつ、歩いた。
すると今度は森になった。
「ここからちょっと道が解りにくい様なで手を離さないで下さいね。陛下は私と手を繋ぎましょう」
ジュノは注意してハワードの手を握る。
「なんかダブるデートみたいだな」
ハハッと笑うハワード。
「だぶるでーととはなんですか?」
ジュノはソッチの話には疎かった。
「説明するのは恥ずかしいから勘弁してくれ」
何気なく軽口を叩いただけであるし、ここで説明して『私と陛下は恋人では無いですよ』なんて言われたら目も当てられない事になる。
笑美もトバッチリなんですけど、っと言う顔でハワードを睨む。
「二組の恋人同士でお出かけする事かと思いますけど、男友達でも使うみたいですね」
何故か翠が説明してしまった。
「男友達ですか、私は陛下の執事であり、友人では無いのですが、まぁ、今日は無礼講と言う事ですかね?」
「そうですね。無礼講です」
フフっと笑う翠に、ジュノもフフと笑っていて可愛いが、恋人どころか友達でも無いと言われたハワードは凄く落ち込んでいる。
笑美にも受動的にトバッチリが来てしまった。
確かに恋人では無いし、男友達で間違い無いのだが……
なんだか落ち込んでしまう。
急に落ち込むハワードと笑美に、何も気づかずウフフアハハと楽しげにしている翠とジュノであった。
人気な簡単コースでのんびり行く人と、上級コースでアスレチックを楽しむ冒険者の両極端らしく、あまり中級コースは選ばれない様子だ。
「翠さん、ほら、これはお花の魔物ですよ」
「ただのお花に見えますね」
「ただのお花に擬態して身を隠していますね。特に何の危害も加えない大人しい魔物ですよ。たまにお花の蜜を吸っています」
お花畑で魔物を見つけて翠に教えるジュノ。
「その子は家の地下庭にも居ますけどね。この子が作る香水がいい匂いなんですよ。一匹一匹作る匂いが違いましてね。部屋の消臭剤とか作るのに良いですよね」
笑美が付け加える。
「そうなんですね。ただの花だと思ってました。もっと大きなプヨンプヨン動いてるのは魔物なんだなぁとは思いましたけど」
翠は笑美の庭を思い出す。
確かにお花畑には色んなお花の魔物みたいなのが居た。
可愛くて、ずっと見てしまうのだ。
「あれは、この子の大きくなった魔物ですね。大きくなっても特別危害は加えませんが、中には悪気無く毒を作ってしまう子も居るので注意です。家には毒花は居ないので大丈夫ですが、自然界の子には1割ほど出るみたいなので」
笑美は更き付けけ加える形で翠に教える。
「今、大きのは居ませんね?」
「此処は大きくなると出荷されてしまうんでしょう。スイーツとして楽しまれるんです。蜂の魔物に食べさせたりしてるんでしょうね」
魔物達も弱肉強食なんだなぁと、翠は思いながら花達を見る。
しばし、お花畑を眺めつつ、歩いた。
すると今度は森になった。
「ここからちょっと道が解りにくい様なで手を離さないで下さいね。陛下は私と手を繋ぎましょう」
ジュノは注意してハワードの手を握る。
「なんかダブるデートみたいだな」
ハハッと笑うハワード。
「だぶるでーととはなんですか?」
ジュノはソッチの話には疎かった。
「説明するのは恥ずかしいから勘弁してくれ」
何気なく軽口を叩いただけであるし、ここで説明して『私と陛下は恋人では無いですよ』なんて言われたら目も当てられない事になる。
笑美もトバッチリなんですけど、っと言う顔でハワードを睨む。
「二組の恋人同士でお出かけする事かと思いますけど、男友達でも使うみたいですね」
何故か翠が説明してしまった。
「男友達ですか、私は陛下の執事であり、友人では無いのですが、まぁ、今日は無礼講と言う事ですかね?」
「そうですね。無礼講です」
フフっと笑う翠に、ジュノもフフと笑っていて可愛いが、恋人どころか友達でも無いと言われたハワードは凄く落ち込んでいる。
笑美にも受動的にトバッチリが来てしまった。
確かに恋人では無いし、男友達で間違い無いのだが……
なんだか落ち込んでしまう。
急に落ち込むハワードと笑美に、何も気づかずウフフアハハと楽しげにしている翠とジュノであった。
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