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65話 ハワード×ジュノメインはここまで
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兎に角、笑美はジュノを我が子の様に可愛がっており、これは自分の娘を他所の男にやりたくないと拗ねているお父さん的なやつである。
だがノエルとて気持ちが解らなくも無いのだ。
何せ、よりにもよってジュノの母親であり父親でも有るような己を強姦しようとした男が娘さん下さいしてきた様なものである。
それは流石に『はぁ?』となるだろう。
頭おかしいのかコイツと、思っても仕方ない。
だがハワードも本当に間が悪かっただけなのだ。
全く可哀想である。
「そんなに怒って無いで。起きたジュリーが何か食べられる様にお昼ご飯でも作ってあげたらどうですか?」
いつまでもむくれている笑美にノエルがそう言って溜息を吐く。
翠はずっと心配そうにして笑美の様子を伺っているが、かける言葉も解らなければ、蚊帳の外過ぎて、展開に追いつけて居ない。
「本当にアイツに任せておいてジュノは目を覚ますのですか? ジュノは本当にハワードを愛しているんですか? 何を根拠に言ってるんですか?」
凄い低い声でノエルを睨みながら問いかける笑美。
あまりの気迫に翠が怯えて「ヒッ」と息を呑んでいる。
「そうですね。確固たる証拠として言えばジュリーが中毒症状を起こした事がソレです」
「どういう事です?」
凄い不機嫌をあらわにしている笑美。
今まで笑美はこんなに怒りを露わにする事は無かったので、ノエルは割と微笑ましいと思う。
きっとここ最近の出会いで喜怒哀楽を表情に出せるようになったのだろうと思うと、とても良い事だ。
ニコニコしてしまう。
「ジュリーは吸血鬼ですので、中に精液を出されるのは危険だと本能で解ります。本来ならば自ら出された物を押し出す筈です。ですから私はジュリーが押し出しても押し出しても間に合わないぐらいに次々と中出しされたのかと思いました。きっと三日三晩犯され続けたのかと…… でもそうでは無いですよね? いくら絶倫と言えども一人で出すには限度が有ります。そんなに止めどなく一人で出せるのはゴブリンぐらいですよ。彼にゴブリンの血筋は感じませんでしたので違いますね?」
ノエルは笑美に解りやすいように教える。
「と、言う事は、ジュリーが自らも中に出された物を留めて置きたかったのです、本能に逆らってでも腹の外に出したくないと思った。そう考えなければ中毒症状が出る程になるとは思えません。そしてそんな風に思うのは相手が愛している人だったとしか考えられないでしょう。健気なジュリーらしい行為です」
そう説明を続けたノエルは可愛いですねと、笑って見える。
「うう……」
丁寧にノエルに説明されたら理解出来るが、信じたくは無いという表情の笑美。
もっと他の可愛らしい女性とか、誠実で真面目な男なら泣く泣くであるが認めよう。
何故よりにもよってハワードなんだ。
ハワードなんて心配しか無い。
ハワードが死ぬまでジュリーに操を立ててくれるとはとても考えられない笑美。
きっと裏切られてボロボロにされる。
ジュリーが不幸にさせるのを我慢出来無い。
「魔王様はジュリーが愛した人を信じてあげられませんか?」
「信じられる訳ないだろう。下半身が弱い男など、他に誘われたらフラフラするに決まっています。ましてや相手は王様です。男のしかも魔族を妻に娶れる訳もない、良くて妾です。もっと普通の木こりの男とかなら私だって何の心配もしなですよ。ジュリーが不幸になるのを解っていてハワードに渡す訳に行きません」
手放しに喜んで見送れる様な相手じゃない。
愛しているなんて言うのもきっと今だけで、直ぐ飽きてジュリーを捨て、他の男、若しくは女を可愛がるに違いない。
笑美はそう考える。
「魔王様がそう頑なにしていますとジュリーに嫌われしまいますよ。折角また巡り会えたのに、また遠くに行っちゃいます。そもそも魔族は親からの束縛を嫌いますし、下手すると殺してでも側を離れようと思うかも知れません。これは本能的なものなので、ジュリーにそんな事させたくは無いでしょう」
ハァーと溜息を吐くノエル。
そもそも魔族は本能的に親も百歳も過ぎたら自分の子供でも谷底に突き落とすし、まずもう子供と認識しなくなる。
なんなら忘れて自分の子供と番ってる場合もある程である。
魔王様が異常なのだ。
「兎に角、この先の事は起きたジュリーと話し合って下さい。大人しくホットココアでも入れて落ち着かれては?」
「ホットココア」
ホットココアでハッとする笑美。
翠を蚊帳の外にしていた。
「直ぐに入れます!」
笑美は直ぐにホットココアを入れるのだった。
だがノエルとて気持ちが解らなくも無いのだ。
何せ、よりにもよってジュノの母親であり父親でも有るような己を強姦しようとした男が娘さん下さいしてきた様なものである。
それは流石に『はぁ?』となるだろう。
頭おかしいのかコイツと、思っても仕方ない。
だがハワードも本当に間が悪かっただけなのだ。
全く可哀想である。
「そんなに怒って無いで。起きたジュリーが何か食べられる様にお昼ご飯でも作ってあげたらどうですか?」
いつまでもむくれている笑美にノエルがそう言って溜息を吐く。
翠はずっと心配そうにして笑美の様子を伺っているが、かける言葉も解らなければ、蚊帳の外過ぎて、展開に追いつけて居ない。
「本当にアイツに任せておいてジュノは目を覚ますのですか? ジュノは本当にハワードを愛しているんですか? 何を根拠に言ってるんですか?」
凄い低い声でノエルを睨みながら問いかける笑美。
あまりの気迫に翠が怯えて「ヒッ」と息を呑んでいる。
「そうですね。確固たる証拠として言えばジュリーが中毒症状を起こした事がソレです」
「どういう事です?」
凄い不機嫌をあらわにしている笑美。
今まで笑美はこんなに怒りを露わにする事は無かったので、ノエルは割と微笑ましいと思う。
きっとここ最近の出会いで喜怒哀楽を表情に出せるようになったのだろうと思うと、とても良い事だ。
ニコニコしてしまう。
「ジュリーは吸血鬼ですので、中に精液を出されるのは危険だと本能で解ります。本来ならば自ら出された物を押し出す筈です。ですから私はジュリーが押し出しても押し出しても間に合わないぐらいに次々と中出しされたのかと思いました。きっと三日三晩犯され続けたのかと…… でもそうでは無いですよね? いくら絶倫と言えども一人で出すには限度が有ります。そんなに止めどなく一人で出せるのはゴブリンぐらいですよ。彼にゴブリンの血筋は感じませんでしたので違いますね?」
ノエルは笑美に解りやすいように教える。
「と、言う事は、ジュリーが自らも中に出された物を留めて置きたかったのです、本能に逆らってでも腹の外に出したくないと思った。そう考えなければ中毒症状が出る程になるとは思えません。そしてそんな風に思うのは相手が愛している人だったとしか考えられないでしょう。健気なジュリーらしい行為です」
そう説明を続けたノエルは可愛いですねと、笑って見える。
「うう……」
丁寧にノエルに説明されたら理解出来るが、信じたくは無いという表情の笑美。
もっと他の可愛らしい女性とか、誠実で真面目な男なら泣く泣くであるが認めよう。
何故よりにもよってハワードなんだ。
ハワードなんて心配しか無い。
ハワードが死ぬまでジュリーに操を立ててくれるとはとても考えられない笑美。
きっと裏切られてボロボロにされる。
ジュリーが不幸にさせるのを我慢出来無い。
「魔王様はジュリーが愛した人を信じてあげられませんか?」
「信じられる訳ないだろう。下半身が弱い男など、他に誘われたらフラフラするに決まっています。ましてや相手は王様です。男のしかも魔族を妻に娶れる訳もない、良くて妾です。もっと普通の木こりの男とかなら私だって何の心配もしなですよ。ジュリーが不幸になるのを解っていてハワードに渡す訳に行きません」
手放しに喜んで見送れる様な相手じゃない。
愛しているなんて言うのもきっと今だけで、直ぐ飽きてジュリーを捨て、他の男、若しくは女を可愛がるに違いない。
笑美はそう考える。
「魔王様がそう頑なにしていますとジュリーに嫌われしまいますよ。折角また巡り会えたのに、また遠くに行っちゃいます。そもそも魔族は親からの束縛を嫌いますし、下手すると殺してでも側を離れようと思うかも知れません。これは本能的なものなので、ジュリーにそんな事させたくは無いでしょう」
ハァーと溜息を吐くノエル。
そもそも魔族は本能的に親も百歳も過ぎたら自分の子供でも谷底に突き落とすし、まずもう子供と認識しなくなる。
なんなら忘れて自分の子供と番ってる場合もある程である。
魔王様が異常なのだ。
「兎に角、この先の事は起きたジュリーと話し合って下さい。大人しくホットココアでも入れて落ち着かれては?」
「ホットココア」
ホットココアでハッとする笑美。
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「直ぐに入れます!」
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