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40話
しおりを挟むハワードは直ぐに宣伝をし、王都の立地のいい場所を確保。お洒落で趣のある喫茶店を作り上げた。
『魔王の喫茶店』
そのままの名前で看板を掲げ、一ヶ月限定で開く事に。
思ったとおり反響は大きかった。
その為、落ち着くまでは予約制となった。
笑美の喫茶店は開店から直ぐに話題になり、人気に。
笑美と翠だけではとても回せないと言う事になり、ハワードとジュノも手伝う事になる。
斯くして、会いに行ける魔王様と王様の喫茶店が出来上がってしまった。
「陛下、素敵だ」
「魔王様も本当に美人だなぁ」
「歌を聞かせて下さい」
等とお客は王様と魔王に夢中である。
リクエストを受けた笑美は歌を聞かせてお客を和ませている。
接客は人気者の王様と笑美に任せ、厨房は翠とジュノで回している。
と、言ってもドリンクは笑美が歌いながら作っているし、料理はジュノが作ってくれる。
なので魔法も使えない翠が出来る事と言えば皿洗いぐらいだ。
あれ?
社会勉強になってるのかなこれ?
翠には良く解らないが、笑美が楽しそうで良かった。
ただ、沢山お客さんが来る。
笑美は選り取り見取りだ。
もしかしたら気に入ったお客さんが来て、笑美さんにもう要らないされるかも……
そう思うと翠は不安になってしまうのだった。
◆◆◆
「やぁ、今日も疲れましたね」
「ジュノ、お疲れ様。何か顔色悪く無いか?」
ニ週間目になると、ジュノの顔色が悪くなってきた。
笑美も流石に疲れた様子だ。
「笑美さんもお疲れ様。セックス大丈夫ですか?」
心配になって声をかける翠。
「私は翠さんから貰える精液で十分元気になりますよ。今夜頂けますしね」
前回から四日目だ。
今夜、翠から精液を貰える予定の笑美は割と元気であるが、ジュノはそう言う訳にはいかない。
この所、ちゃんと吸血している様子であった。
匂いで解る。
だが、この疲労困ぱい状態を見るに、あまり良い血を飲んでいないのだろう。
吸血鬼も確か処女や童貞の血を好むと聞く。
よく考えたらハーレムは効率が悪すぎる。
ハーレムに処女は先ず居ないだろうしな。
ハワードも未経験だと言っていた気がするし、彼から貰えば良いのでは?
とも思うが、流石に意識を混濁さてバレないとは言え主人の血は飲めないか。
「ジュノ、大丈夫ですか?」
こっそり、ジュノに耳打ちする笑美。
心配だが、翠の血はあげられない。
「大丈夫です。ちゃんと飲んでますから」
柔らかく笑ってみせるジュノだが、とても大丈夫そうには見えなかった。
「無理しないでくださいね」
そう言って注意するが、打開策も解らない。
普通に街に出て処女や童貞を探さないのだろうか。
お客さんにも居たと思うが……
真面目なジュノである、客に手は出せないのかもしれない。
ハワードはジュノの手を掴むと城にワープした様だ。
笑美も翠の手を取ると、魔王城に戻る。
ジュノの事は心配だったが、直ぐに忘れて翠との夜を楽しんでしまう笑美だった。
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