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28話
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「えっと、翠さんの精液は昨日飲み尽くしてしまいました」
急に何を言い出したのだろうとビックリしつつ、何処か冷静に答えてしまう笑美。
「あぁ、そうですよね。えっと、どうやったら精液が溜まりますかね? バイアクラを飲むとかですか?」
「そうですね、よく解りませんが、出来れば4日ほど禁欲して頂けると美味しい精液が出来上がります」
「4日もですか!? いや、自分は別に一ヶ月や二ヶ月しなくても平気なんですが、というか自慰だってそうそうしないんですけども……」
4日も精液が溜まるまで時間がかかるのか。
そうなると、どうしたら笑美さんを笑顔に出来るか解らない。
どうしよう。
うーんと悩んでしまった翠に笑美はフフっと笑った。
「翠さんは優しいですね。私の為に考えて下さったのですね。嬉しいです」
よく解らないが精液を飲むのが大好きな人と翠の中で認定されたらしい。
それでこんな事を言ってくれているのだろう。
本当に無邪気で可愛い子だ。
あまりに無防備で心配になるけども。
「よぉ! 迎えに来たぜ。元気そうだな。ちゃんと栄養補給できたんだな」
急に現れるハワード。
「私が行くから待っいて下さい。毎日迎えに来ない下さい!」
だからどうしてコイツは毎日土足でリビングに来るんだ!
キッとハワードを睨む笑美。
「おっ、肌艶も良くなってんな。より別嬪になったんじゃねぇの?」
「気色の悪い事を言わないで貰いたいのですが。貴方のせいで疲れます。水晶玉に力を宿して来ますね」
軽口を叩いてくるハワードに笑美は怪訝そうな顔を見せつつ、大広間の水晶玉に向かう。
「おい眷属。お前もちゃんとご主人様の餌らしく大人しく食われていろよな」
「何の話しですか?」
大広間に行く笑美について行こうとした翠だが、ハワードに呼び止められる。
眷属?
そう言えばコイツが俺まで巻き込んだ時、そう言っていた。
俺は笑美さんの眷属なのだろうか?
餌って何だろう?
「お前は童貞だろ? 夢魔は童貞が大好物だからな。精液が栄養になるし、なんならセックスしてやれよ。セックスから得られる栄養は精液の何倍にもなるみたいだしな。お前、セックスとか知らないみたいなガキ臭いからアイツも遠慮してんのかもな。自分の眷属ぐらい好き勝手したら良いのに。本当お人好しだぜ」
「笑美さんはその夢魔で、俺の精液を求めるのは栄養だからですか? 俺を側に置くのも餌として?」
「なんだ知らなかったのかよ?」
ハーワドの話に驚く翠。
そうか、俺、笑美さんに餌として選ばれたのか。
「まぁ、別にお前じゃなくてもアイツなら餌は選り取りだろうしな。お役御免で捨てられないように気をつけるんだな」
パンと、ハワードに肩を叩かれる。
そうか、そうだよな。
笑美さんなら俺じゃなくても、もっと美味しい餌を見つけられるかもしれない。
俺なんてたいして良い栄養になれそうに無いもんな。
寧ろ、何で俺なんて選んでくれたんだろう。
選んだんじゃないか。
たまたま俺が付いてきちゃったんだ。
笑美さんにとっては迷惑だったのかもしれない。
「ちょっと! 翠さんを虐めてましたか? 許しませんよ!」
大広間で水晶玉に力を宿した笑美がリビングに戻ってくると、翠は不安感を顕にしていた。
自分に付いてきていると思い、ついうっかりハワードと二人っきりにしてしまった。
手を握っておくんだった。
「虐めてねぇよ。なぁ?」
「え? あ、はい。別に虐められてないと思います」
「じゃあ何でそんな不安そうな顔をしているんですか?」
ハワードの声に頷く翠。
どうも信用ならない笑美。
「えっと、今日も小鳥ちゃんとお留守番してます。頑張って下さいね!」
翠は話を反らし、小鳥を見ると笑美に手を振る。
ハワードは笑美の手を掴んだ。
笑美は少し心配だったが、翠に手を振る。
戻ってきたらまた話をしよう。
今度こそちゃんと本当の事を話そう。
そう心に決めていた。
急に何を言い出したのだろうとビックリしつつ、何処か冷静に答えてしまう笑美。
「あぁ、そうですよね。えっと、どうやったら精液が溜まりますかね? バイアクラを飲むとかですか?」
「そうですね、よく解りませんが、出来れば4日ほど禁欲して頂けると美味しい精液が出来上がります」
「4日もですか!? いや、自分は別に一ヶ月や二ヶ月しなくても平気なんですが、というか自慰だってそうそうしないんですけども……」
4日も精液が溜まるまで時間がかかるのか。
そうなると、どうしたら笑美さんを笑顔に出来るか解らない。
どうしよう。
うーんと悩んでしまった翠に笑美はフフっと笑った。
「翠さんは優しいですね。私の為に考えて下さったのですね。嬉しいです」
よく解らないが精液を飲むのが大好きな人と翠の中で認定されたらしい。
それでこんな事を言ってくれているのだろう。
本当に無邪気で可愛い子だ。
あまりに無防備で心配になるけども。
「よぉ! 迎えに来たぜ。元気そうだな。ちゃんと栄養補給できたんだな」
急に現れるハワード。
「私が行くから待っいて下さい。毎日迎えに来ない下さい!」
だからどうしてコイツは毎日土足でリビングに来るんだ!
キッとハワードを睨む笑美。
「おっ、肌艶も良くなってんな。より別嬪になったんじゃねぇの?」
「気色の悪い事を言わないで貰いたいのですが。貴方のせいで疲れます。水晶玉に力を宿して来ますね」
軽口を叩いてくるハワードに笑美は怪訝そうな顔を見せつつ、大広間の水晶玉に向かう。
「おい眷属。お前もちゃんとご主人様の餌らしく大人しく食われていろよな」
「何の話しですか?」
大広間に行く笑美について行こうとした翠だが、ハワードに呼び止められる。
眷属?
そう言えばコイツが俺まで巻き込んだ時、そう言っていた。
俺は笑美さんの眷属なのだろうか?
餌って何だろう?
「お前は童貞だろ? 夢魔は童貞が大好物だからな。精液が栄養になるし、なんならセックスしてやれよ。セックスから得られる栄養は精液の何倍にもなるみたいだしな。お前、セックスとか知らないみたいなガキ臭いからアイツも遠慮してんのかもな。自分の眷属ぐらい好き勝手したら良いのに。本当お人好しだぜ」
「笑美さんはその夢魔で、俺の精液を求めるのは栄養だからですか? 俺を側に置くのも餌として?」
「なんだ知らなかったのかよ?」
ハーワドの話に驚く翠。
そうか、俺、笑美さんに餌として選ばれたのか。
「まぁ、別にお前じゃなくてもアイツなら餌は選り取りだろうしな。お役御免で捨てられないように気をつけるんだな」
パンと、ハワードに肩を叩かれる。
そうか、そうだよな。
笑美さんなら俺じゃなくても、もっと美味しい餌を見つけられるかもしれない。
俺なんてたいして良い栄養になれそうに無いもんな。
寧ろ、何で俺なんて選んでくれたんだろう。
選んだんじゃないか。
たまたま俺が付いてきちゃったんだ。
笑美さんにとっては迷惑だったのかもしれない。
「ちょっと! 翠さんを虐めてましたか? 許しませんよ!」
大広間で水晶玉に力を宿した笑美がリビングに戻ってくると、翠は不安感を顕にしていた。
自分に付いてきていると思い、ついうっかりハワードと二人っきりにしてしまった。
手を握っておくんだった。
「虐めてねぇよ。なぁ?」
「え? あ、はい。別に虐められてないと思います」
「じゃあ何でそんな不安そうな顔をしているんですか?」
ハワードの声に頷く翠。
どうも信用ならない笑美。
「えっと、今日も小鳥ちゃんとお留守番してます。頑張って下さいね!」
翠は話を反らし、小鳥を見ると笑美に手を振る。
ハワードは笑美の手を掴んだ。
笑美は少し心配だったが、翠に手を振る。
戻ってきたらまた話をしよう。
今度こそちゃんと本当の事を話そう。
そう心に決めていた。
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