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秘書課には初日から打ち解ける事が出来た。
どうやら神村さんが何でも勝手にやってしまう人らしく、振り回される秘書課の人達は大変らしい。
あまりに神村さんの事が分からなすぎてついていけないと移動したり辞めたりしたりする人が後を絶えないとか。
そこで神村さんが僕を直々に移動させて来たと言う事で、この人はもしかして頼りになるのではないかと期待されてしまってる様子だ。
と、言うか本当に人手が足りてなかったらしい。
ちょうど良いところに行き場のない僕が現れたので此処に移動しただけな気もする。
秘書課は雰囲気もよく、優しく仕事を教えてくれるし、仕事を押し付けられる事も無かった。
それはそれで何か物足りないのだが。
神村さんは残業する様子なのに、秘書課の人達は定時で全員帰してしまったりしていた。
「僕が残りますよ」
と、言ったら神村さんが大人しく「じゃあ宜しく頼む」と、行ったので秘書課は湧き上がった。
全員に「宜しく頼みます!」と言われた。
ただ、神村さんと一緒に残業するだけなのに。
「じゃあ、この資料をまとめてくれ」
「承りました」
資料を渡され目を通す。
「今度、紫雨の主催でハロウィンパーティーが有るな」
「そうですね。コウモリさんに会いたいので行きたいのですが……」
「そんなにコウモリ男が気になるのか?」
「お礼が言いたいですし、名前もまだ確認して無いんですよ」
神村さんは何故かちょっとムッとした様子だ。
よく解らないが、ひとまず社長室を出た。
社長室を出る薫くんを見送り、溜息を吐く。
俺はどうしたんだろうな。
ハロウィンパーティーに行くなら俺を誘って欲しいと思った。
薫くんとならパートナーになっても良いかなぁなんて思ってしまってる。
なんなら血だって好きなだけあげたいし、出来れば抱いて欲しいまで思っている。
ヤバいよな。
薫くんは俺をそんな風に見てないだろう。
俺は男性が好きだし、見た目に反して抱かれたい側の男だ。
薫くんが本当にドストライクに好みすぎる。
可愛いし美人だし、優しい。
話しやすいし、相性だっていい。
俺の血が好きならコウモリコウモリ言わないで欲しい。
コウモリは元来から吸血鬼の下僕である。
あのコウモリは紫雨の下僕だ。
契約もしているだろう。
だから駄目だと断わっていたのだと思う。
だからコウモリは諦めて俺だけ見てほしい。
出会ったばかりでこんなに薫くんにのめり込んでしまうなんて。
だって一目惚れだったんだ。
一目惚れだが、性格も良いなんて奇跡すぎる。
薫くんからしたら迷惑だよな。
コンコン!
「神村さん、資料まとめ終えましたよ」
「うわっ!!」
薫くんに思いを馳せていたら薫くんが入って来て驚いてしまった。
「は、早いな!」
「すみません、返事確かめず開けてしまいましたね」
「それは良い」
薫くんから資料を受け取る。
これは取引先や大事な人の情報をメモしておいたもので、後でまとめようと思いつつ先延ばしにしてしまっていたものだ。
薫くんは上手にまとめた上に相手の好物や趣向を想像して一言添えてくれていた。
今度、用意してみよう。
それにしても、これだけまとめるのにこの短時間。
美人で性格も良くて仕事まで完璧にこなせるのか。
何故今まで存在に気づかなかったのだろう。
眼鏡か!
眼鏡が薫くんのオーラを消し去っているのか!?
「紫雨さんのハロウィンパーティー、一緒に行きます?」
「行こう!」
何故か急に誘われた。
意図は解らなかったが二つ返事でOKした。
どうやら神村さんが何でも勝手にやってしまう人らしく、振り回される秘書課の人達は大変らしい。
あまりに神村さんの事が分からなすぎてついていけないと移動したり辞めたりしたりする人が後を絶えないとか。
そこで神村さんが僕を直々に移動させて来たと言う事で、この人はもしかして頼りになるのではないかと期待されてしまってる様子だ。
と、言うか本当に人手が足りてなかったらしい。
ちょうど良いところに行き場のない僕が現れたので此処に移動しただけな気もする。
秘書課は雰囲気もよく、優しく仕事を教えてくれるし、仕事を押し付けられる事も無かった。
それはそれで何か物足りないのだが。
神村さんは残業する様子なのに、秘書課の人達は定時で全員帰してしまったりしていた。
「僕が残りますよ」
と、言ったら神村さんが大人しく「じゃあ宜しく頼む」と、行ったので秘書課は湧き上がった。
全員に「宜しく頼みます!」と言われた。
ただ、神村さんと一緒に残業するだけなのに。
「じゃあ、この資料をまとめてくれ」
「承りました」
資料を渡され目を通す。
「今度、紫雨の主催でハロウィンパーティーが有るな」
「そうですね。コウモリさんに会いたいので行きたいのですが……」
「そんなにコウモリ男が気になるのか?」
「お礼が言いたいですし、名前もまだ確認して無いんですよ」
神村さんは何故かちょっとムッとした様子だ。
よく解らないが、ひとまず社長室を出た。
社長室を出る薫くんを見送り、溜息を吐く。
俺はどうしたんだろうな。
ハロウィンパーティーに行くなら俺を誘って欲しいと思った。
薫くんとならパートナーになっても良いかなぁなんて思ってしまってる。
なんなら血だって好きなだけあげたいし、出来れば抱いて欲しいまで思っている。
ヤバいよな。
薫くんは俺をそんな風に見てないだろう。
俺は男性が好きだし、見た目に反して抱かれたい側の男だ。
薫くんが本当にドストライクに好みすぎる。
可愛いし美人だし、優しい。
話しやすいし、相性だっていい。
俺の血が好きならコウモリコウモリ言わないで欲しい。
コウモリは元来から吸血鬼の下僕である。
あのコウモリは紫雨の下僕だ。
契約もしているだろう。
だから駄目だと断わっていたのだと思う。
だからコウモリは諦めて俺だけ見てほしい。
出会ったばかりでこんなに薫くんにのめり込んでしまうなんて。
だって一目惚れだったんだ。
一目惚れだが、性格も良いなんて奇跡すぎる。
薫くんからしたら迷惑だよな。
コンコン!
「神村さん、資料まとめ終えましたよ」
「うわっ!!」
薫くんに思いを馳せていたら薫くんが入って来て驚いてしまった。
「は、早いな!」
「すみません、返事確かめず開けてしまいましたね」
「それは良い」
薫くんから資料を受け取る。
これは取引先や大事な人の情報をメモしておいたもので、後でまとめようと思いつつ先延ばしにしてしまっていたものだ。
薫くんは上手にまとめた上に相手の好物や趣向を想像して一言添えてくれていた。
今度、用意してみよう。
それにしても、これだけまとめるのにこの短時間。
美人で性格も良くて仕事まで完璧にこなせるのか。
何故今まで存在に気づかなかったのだろう。
眼鏡か!
眼鏡が薫くんのオーラを消し去っているのか!?
「紫雨さんのハロウィンパーティー、一緒に行きます?」
「行こう!」
何故か急に誘われた。
意図は解らなかったが二つ返事でOKした。
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