47 / 53
16
しおりを挟む
真菜の部屋からは楽しそうな声が聞こえてくる。
真菜は扉を閉めなかったらしく、リビングに居る翔の所までその声は聞こえていた。
うん、仲良し姉妹って可愛いな。
第一印象はリア充っぽい子だと思い、ちょっと苦手な子かもと身構えた翔であるが、見た目が華やかに見えるが良い子だ。
やっぱり姉妹だな。
真菜に似ている所が有ると思う。
仲嶋の魔の手に引っ掛からないか心配だ。
真菜に似てるだからきっと好みだろう。
真菜が駄目だったらじゃあ妹で、みたいなのは不謹慎だ。
夏奈ちゃんにも失礼だろう。
節操無しの男だ。
兄貴はなんであんな節操無しのムッツリスケベ野郎と仲良くしてるんだ?
勝手に幸人の事を考えてイライラしだす翔である。
「ケバケバしくない?」
「ケバケバしくないよ、映えだよ映え」
「蝿?」
「写真映りが良いって事なんだって」
「それ褒め言葉にならないでしょ」
真菜と夏奈の声に、また翔は癒やされる。
本当に可愛い姉妹だなぁ。
「翔さーん! ちょっと来てください」
「はーい!」
真菜に呼ばれ、翔はニコニコしながら返事をして部屋に向かうのだった。
「見て、夏奈、可愛いでしょ?」
「ああ、可愛い」
「本当ですか? 変じゃない?」
真菜は最近化粧の腕を上げたので、夏奈に施してあげた化粧も上手で、全然ケバケバしくなどない。
自然で可愛さを引き立てているが、夏奈な慣れていないのかケバケバしく見えてしまうらしい。
不安げである。
「本当だってばぁ。私とツーショット取ってお母さんに送ってあげようよ」
「お母さんに変だって笑われるよぉ」
「私が失敗した事ある?」
「何言ってるのさぁ、良くあるじゃん」
「何かあったっけ?」
「私のお弁当箱と、お父さんのお弁当箱逆にしたり」
「寝ぼけてただけじゃないの~、ハイ、チーズ」
真菜の掛け声についピースしちゃう夏奈だ。
「ほら、可愛く撮れた」
「本当だこうやって見るとケバくないかも」
「でしょー」
化粧してる姉と並んで撮って自然なんだから大丈夫なのかもと、思う夏奈。
だって姉はケバケバしくない。
すごく綺麗だもん。
「お母さんの返信早! ほら」
お姉ちゃんの送信も早いと思うが、お母さんからの返信も秒だったみたいだ。
『二人共モデルさんみたい。我が娘ながら可愛過ぎるわ。天使よ』
「お母さん大袈裟過ぎるよね」
アハハっと笑ってしまう真菜と夏奈だ。
そんな自撮りしてキャッキャしながら笑う二人が可愛のでこっそりスマホのシャッターを押してしまう翔が居たりする。
お母さんは大袈裟ではない。
本当に天使過ぎる二人だ。
めちゃくちゃ癒やされる翔だった。
「あ、10時過ぎてるわね。そろそろ幸人さん迎えに来てくれるかしら。今日は何処に連れて行って貰うの?」
落ち着いてリビングのソファーに座る真菜と夏奈。
翔は紅茶を淹れて二人の前に置いた。
真菜ははストレート、夏奈はミルクティーにして飲んでいる。
翔はレモンを絞った。
「うーん、考えて無かったんだけど、神社が良いかなぁって」
「何で神社なの?」
「だって幸人さん不運続きみたいだし、お守りでもどうかなって。何処が良いのかなぁ?」
「安全祈願なら此処じゃない?」
「階段登るの頑張る!」
そんな会話をしていると、ピンポーンと来客を知らせる音。
「幸人さんだね」
真菜が確認する。
「今から出るので待って下さい」
そう伝え、皆で部屋を出るのだった。
「幸人さーん」
エレベーターを降りると、入口に幸人を見つけて駆け寄る夏奈。
「お待たせしてしまいまして申し訳有りません」
今は10時10分だが、10時キッチリに待ち合わせした訳でも無いし、ちょっと遅れて良かった。
紅茶を飲んで落ち着く時間が有ったし。
「全然です」
と、首を振る夏奈である。
それにしても、幸人さん私服が素敵だ。
見惚れそうになる。
「幸人さん、有難うございます。今日は夏奈を宜しくお願いしますね」
真菜が幸人に挨拶した。
「ええ、真菜さんも志田さんとのデート楽しんで下さい」
「お言葉に甘えてそうします」
フフっと微笑む真菜に、少し頬を染める幸人。
やっぱり幸人さんはお姉ちゃんが好きなのね。
夏奈は何だかモヤモヤした。
私もお姉ちゃんが好きだし、お姉ちゃんは魅力的だから、幸人さんがお姉ちゃんを好きになるのは解るけど。
何でモヤモヤしちゃうんだろう。
「夏奈も楽しんでね。フラフラどっか行っちゃ駄目よ?」
「うん、大丈夫だよ」
「本当かなぁ~」
夏奈は大丈夫大丈夫、絶対着いてくからと言って、毎回フラフラどっか行ってしまうので、真菜からの信用はゼロだ。
「幸人さん、この子、興味が有ると直ぐにフラフラ居なくなっちゃうので、人が多いところでは出来たら手を繋いであげて下さい」
「ちょっとお姉ちゃんやめてよぉ~」
変な事を幸人さんにお願いしないで欲しい。
もう、いつまでもお姉ちゃんの中では私は子供なんだから。
「安心してください、夏奈さんから目は離しません」
「すみません。よろしくお願いします」
何度も頭を下げる真菜だ。
「じゃあ、行きましょうか夏奈さん」
そう、夏奈を見ると流れる様な自然な動作で夏奈の手を握る幸人だ。
「本当に手を繋いで下さらないでも良いんですよ。私、フラフラどっか行ったりしませんからね!」
「僕が繋ぎたいだけですよ」
ワタワタなる夏奈とハハッと笑う幸人だ。
二人を見送ってから、真菜はも翔の手を取る。
「私達もデート行きましょう!」
そう、笑い掛ける真菜に眉間にシワを寄せていた翔は直ぐに顔の緊張が解れ、ヘラッとなった。
「何処に行く?」
「翔さんとなら何処でも楽しいですよ」
「いつもそう言ってデートプランは俺任せじゃないかぁ」
「デートプラン考えるのはを翔さんの仕事ですよ。嫌なんですか?」
「いや、光栄だよ」
そんな事を言いながら翔の愛車に乗り込む二人だ。
真菜は本当に何処に連れて行っても喜んでくれるし、ただのドライブだって楽しんでくれる。
さーて、今日は何処が良いか。
天気が良いし、シーサイドでもドライブしようかなぁ。
そんな事を考えながら車を発進させる翔だった。
真菜は扉を閉めなかったらしく、リビングに居る翔の所までその声は聞こえていた。
うん、仲良し姉妹って可愛いな。
第一印象はリア充っぽい子だと思い、ちょっと苦手な子かもと身構えた翔であるが、見た目が華やかに見えるが良い子だ。
やっぱり姉妹だな。
真菜に似ている所が有ると思う。
仲嶋の魔の手に引っ掛からないか心配だ。
真菜に似てるだからきっと好みだろう。
真菜が駄目だったらじゃあ妹で、みたいなのは不謹慎だ。
夏奈ちゃんにも失礼だろう。
節操無しの男だ。
兄貴はなんであんな節操無しのムッツリスケベ野郎と仲良くしてるんだ?
勝手に幸人の事を考えてイライラしだす翔である。
「ケバケバしくない?」
「ケバケバしくないよ、映えだよ映え」
「蝿?」
「写真映りが良いって事なんだって」
「それ褒め言葉にならないでしょ」
真菜と夏奈の声に、また翔は癒やされる。
本当に可愛い姉妹だなぁ。
「翔さーん! ちょっと来てください」
「はーい!」
真菜に呼ばれ、翔はニコニコしながら返事をして部屋に向かうのだった。
「見て、夏奈、可愛いでしょ?」
「ああ、可愛い」
「本当ですか? 変じゃない?」
真菜は最近化粧の腕を上げたので、夏奈に施してあげた化粧も上手で、全然ケバケバしくなどない。
自然で可愛さを引き立てているが、夏奈な慣れていないのかケバケバしく見えてしまうらしい。
不安げである。
「本当だってばぁ。私とツーショット取ってお母さんに送ってあげようよ」
「お母さんに変だって笑われるよぉ」
「私が失敗した事ある?」
「何言ってるのさぁ、良くあるじゃん」
「何かあったっけ?」
「私のお弁当箱と、お父さんのお弁当箱逆にしたり」
「寝ぼけてただけじゃないの~、ハイ、チーズ」
真菜の掛け声についピースしちゃう夏奈だ。
「ほら、可愛く撮れた」
「本当だこうやって見るとケバくないかも」
「でしょー」
化粧してる姉と並んで撮って自然なんだから大丈夫なのかもと、思う夏奈。
だって姉はケバケバしくない。
すごく綺麗だもん。
「お母さんの返信早! ほら」
お姉ちゃんの送信も早いと思うが、お母さんからの返信も秒だったみたいだ。
『二人共モデルさんみたい。我が娘ながら可愛過ぎるわ。天使よ』
「お母さん大袈裟過ぎるよね」
アハハっと笑ってしまう真菜と夏奈だ。
そんな自撮りしてキャッキャしながら笑う二人が可愛のでこっそりスマホのシャッターを押してしまう翔が居たりする。
お母さんは大袈裟ではない。
本当に天使過ぎる二人だ。
めちゃくちゃ癒やされる翔だった。
「あ、10時過ぎてるわね。そろそろ幸人さん迎えに来てくれるかしら。今日は何処に連れて行って貰うの?」
落ち着いてリビングのソファーに座る真菜と夏奈。
翔は紅茶を淹れて二人の前に置いた。
真菜ははストレート、夏奈はミルクティーにして飲んでいる。
翔はレモンを絞った。
「うーん、考えて無かったんだけど、神社が良いかなぁって」
「何で神社なの?」
「だって幸人さん不運続きみたいだし、お守りでもどうかなって。何処が良いのかなぁ?」
「安全祈願なら此処じゃない?」
「階段登るの頑張る!」
そんな会話をしていると、ピンポーンと来客を知らせる音。
「幸人さんだね」
真菜が確認する。
「今から出るので待って下さい」
そう伝え、皆で部屋を出るのだった。
「幸人さーん」
エレベーターを降りると、入口に幸人を見つけて駆け寄る夏奈。
「お待たせしてしまいまして申し訳有りません」
今は10時10分だが、10時キッチリに待ち合わせした訳でも無いし、ちょっと遅れて良かった。
紅茶を飲んで落ち着く時間が有ったし。
「全然です」
と、首を振る夏奈である。
それにしても、幸人さん私服が素敵だ。
見惚れそうになる。
「幸人さん、有難うございます。今日は夏奈を宜しくお願いしますね」
真菜が幸人に挨拶した。
「ええ、真菜さんも志田さんとのデート楽しんで下さい」
「お言葉に甘えてそうします」
フフっと微笑む真菜に、少し頬を染める幸人。
やっぱり幸人さんはお姉ちゃんが好きなのね。
夏奈は何だかモヤモヤした。
私もお姉ちゃんが好きだし、お姉ちゃんは魅力的だから、幸人さんがお姉ちゃんを好きになるのは解るけど。
何でモヤモヤしちゃうんだろう。
「夏奈も楽しんでね。フラフラどっか行っちゃ駄目よ?」
「うん、大丈夫だよ」
「本当かなぁ~」
夏奈は大丈夫大丈夫、絶対着いてくからと言って、毎回フラフラどっか行ってしまうので、真菜からの信用はゼロだ。
「幸人さん、この子、興味が有ると直ぐにフラフラ居なくなっちゃうので、人が多いところでは出来たら手を繋いであげて下さい」
「ちょっとお姉ちゃんやめてよぉ~」
変な事を幸人さんにお願いしないで欲しい。
もう、いつまでもお姉ちゃんの中では私は子供なんだから。
「安心してください、夏奈さんから目は離しません」
「すみません。よろしくお願いします」
何度も頭を下げる真菜だ。
「じゃあ、行きましょうか夏奈さん」
そう、夏奈を見ると流れる様な自然な動作で夏奈の手を握る幸人だ。
「本当に手を繋いで下さらないでも良いんですよ。私、フラフラどっか行ったりしませんからね!」
「僕が繋ぎたいだけですよ」
ワタワタなる夏奈とハハッと笑う幸人だ。
二人を見送ってから、真菜はも翔の手を取る。
「私達もデート行きましょう!」
そう、笑い掛ける真菜に眉間にシワを寄せていた翔は直ぐに顔の緊張が解れ、ヘラッとなった。
「何処に行く?」
「翔さんとなら何処でも楽しいですよ」
「いつもそう言ってデートプランは俺任せじゃないかぁ」
「デートプラン考えるのはを翔さんの仕事ですよ。嫌なんですか?」
「いや、光栄だよ」
そんな事を言いながら翔の愛車に乗り込む二人だ。
真菜は本当に何処に連れて行っても喜んでくれるし、ただのドライブだって楽しんでくれる。
さーて、今日は何処が良いか。
天気が良いし、シーサイドでもドライブしようかなぁ。
そんな事を考えながら車を発進させる翔だった。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
Promise Ring
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
浅井夕海、OL。
下請け会社の社長、多賀谷さんを社長室に案内する際、ふたりっきりのエレベーターで突然、うなじにキスされました。
若くして独立し、業績も上々。
しかも独身でイケメン、そんな多賀谷社長が地味で無表情な私なんか相手にするはずなくて。
なのに次きたとき、やっぱりふたりっきりのエレベーターで……。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる